ヘリオポリスへ着いた福本伊吹軍事事務次官、山城正人大佐、福本勇気中佐は地球軍士官であるマリュー・ラミアス大尉に案内されてMSが収容されている場所へと来ていた。
「今ここにある三台のトラックにはオーブのモルゲンレーテと共同で開発したMSが収容されています」
「中は見る事は可能ですか?」
「可能ですが、全てをお見せする事は出来ません事はご了承下さい」
伊吹の質問にラミアス大尉は一台のトラックの前に案内する。
「こちらの機体については軍事機密以外であれば公開をしてもよいと通達がありましたので、この機体についてご説明をさせて頂きます。では、こちらへ」
ラミアス大尉は三人をトラック内へと誘導する。すると、トラック内に一機のMSが横たわっていた。
「こちらは最初にロールアウトした機体となります。型式番号はGAT-X102。機体名称はデュエルとなります」
「これが………素晴らしいものですな。しかし、装甲に色がついていないようですが?」
「申し訳ありません。軍事機密につきまして、詳細をお伝えする事が出来ません」
伊吹はデュエルの装甲に色が無い事に疑問を抱き、ラミアス大尉に質問をするが、軍事機密と言われてしまえば伊吹も黙ってしまう。
「他の機体について知りたいのですが、どういうコンセプトで開発されているのか軍事機密に抵触しない程度で構いませんので、教えて頂くことは可能ですか?」
伊吹は他のトラック内に収容されているMSの事をラミアス大尉に尋ねる。
「判りました。コンセプト自体については軍事機密にはならないでしょうから問題ないと思われますので、お教えいたします。まず、こちらのデュエルは汎用機を目標として開発をされています。もう一つのトラックには、砲撃戦を得意とする機体となっております。もう一つのトラックには、特務戦を重きに置いた機体となっています」
ラミアス大尉の説明に伊吹は頷いていた。
「そう言えば、ハルバートン提督から聞いた話では、五機のMSを開発したと聞いておりますが、もう二機は何処におい置ているのでしょうか?」
伊吹はハルバートンから聞いていた数よりも少ない事に疑問を持った。
「後の二機につきましては、まだ調整が済んでいない為、格納庫内にて収容されております。その二機についての機体コンセプトですが、一機はオプションの装備を換装する事によって、数多くの戦闘の際に対処できるようになっております。もう一機につきましては、それぞれの機体の指揮官機として開発されました」
こうしてラミアス大尉による機体のコンセプトの説明を受けていた伊吹達であったが、自分たちに危機が迫ってきている事は知る由もなかった。
一方、その頃。播磨艦橋では、艦長席に代理で座っていたのは、
しかしながら、艦長席に座っている水城であるが、浅く座って片耳にイヤホンをつけて音楽を聴いている最中であった。
「か、艦長代理。今宜しいでしょうか?」
「ん? なに?」
レーダー手が何かに気付き水城に伝えようとしていた。
「ヘリオポリス宙域にいるザフト艦が動き出しました」
「なんだすって?」
レーダー手の報告に水城はイスに深く座り直しイヤホンを仕舞う。
「他に動きはない?」
「少し待ってください。あっ、ザフト艦から熱源反応あり。数は15‼ ライブラリー照合の結果、ジンと判明‼」
「第一種戦闘配備‼ 先輩に通報。ジンが向かう先については不明なれど、播磨に来る可能性もある‼ 各パイロットはMS並びに戦闘機に搭乗し、その場で次の指示があるまで待機せよ‼」
水城は艦内放送用の受話器を取って指示を出す。播磨の艦内は警報を知らせるサイレンが鳴り響き、パイロット達は自分たちに宛がわられた機体に搭乗していた。すると、モニターにシルヴィアとセルベリアの顔が映し出された。
『水城‼ 正人とは通信は繋がっているの?』
「さっき先輩には通報をしたわ」
『なら、私たちが先行してヘリオポリスに救助に向かうわ』
「許可を出せません」
水城の言葉にシルヴィアは怒りの表情を浮かべる。
『何でよ‼ 旦那はもとより、福本事務次官を見殺しにするつもり⁉』
「違います。今はザフトがどう言う動きを見せるのか判らないから、動き様が無いのよ」
水城の言葉にシルヴィアは黙る。
「それに福本事務次官がそう簡単に死ぬと思っているの?」
『…………確かに』
水城の言葉にシルヴィアとセルベリアは肯定する他無かった。
「確かに何があるのか判らない現状ではあるけど、仮にザフトがヘリオポリスに対して攻撃を行った際には、防衛協定に則り、播磨は動くわ」
『その言葉を聞いて安心したわ。水城の采配は私たちは知っているから心配はしてないから、貴女は貴女らしい指揮を執りなさい。私たちはその指示に従うわ』
シルヴィアの言葉にセルベリアと艦橋内にいた全員が頷いた。
「………金剛から播磨に転属依頼でも出そうかしら」
『あら、その際はわたくしも助力を差し上げますわ』
水城の言葉にセルベリアが微笑みながら言うが、水城は頭を振る。
「やっぱり身勝手な行動はしたくないから、この任務が終わったら飛鳥に帰るわ」
『果たしてそう簡単に事は進むかしらね?』
『お義父様がいらっしゃるのに、飛鳥に簡単に還れますでしょうか?』
「………確かにその通りだわ。あの人は歩くフラグ建築士であるから、なんだか不安になって来たわ」
水城の嘆きに全員が憐みの目を向けていた。
「報告‼ ジンがヘリオポリスの防衛部隊と戦闘に突入。また、ヘリオポリス内に突発音あり‼」
レーダー手からの報告に先ほどまでの和気藹々の空気は離散して、緊張感が漂い始める。
「機関始動‼ 各MS隊並びに戦闘機部隊は出撃、播磨はこれより防衛協定に則り、ヘリオポリスに対して攻撃をしているザフトに対して戦闘を開始する‼ 皆の健闘を祈る」
水城の言葉に全員が返事をするのであった。