機動戦士ガンダムSEED~旭日旗を掲げて   作:武御雷参型

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連続投稿します。昼に投稿します。



PHASE-7

「待ってそれは‼」

 

マリューがキラを止めようとしたが、時すでに遅く、ビームはMSに向かい片腕を吹き飛ばしそのままの威力でヘリオポリスの地表部を撃ち抜いてしまう。そして、MSは穴の開いた部分から逃げ出したのであった。

 

「去った………はぁ」

 

ザフトのMSが撤退した事に安堵したマリューはその場に座り込んだ。

そして、マリューは悠々とヘリオポリス内部を航行している戦闘艦へと目をやった。

 

「アークエンジェル………無事だったのね」

 

戦闘艦“アークエンジェル”に目をやったマリューは安堵した。連合とモルゲンレーテとの極秘裏で合同開発していたMS五機の内、四機が奪取されてしまい残った一機についても正規の兵士ではなく、ヘリオポリス内部に住む民間人。

そして、本来であれば五機の運用を前提として建造された戦闘艦アークエンジェル。このアークエンジェルでさえも撃破されてしまっていては本末転倒であった。

 

すると、アークエンジェルはゆっくりとその巨体を静かにストライクの近くへと着陸させる。そして、MAも艦上部へと着艦した。アークエンジェルはカタパルトデッキのハッチを開き、ストライクの収容が出来る準備をしてくれたのである。

 

「キラ君、申し訳ないけど、私たちをあの艦の所に連れて行ってくれないかしら?」

 

『判りました』

 

マリューの言葉でキラはストライクを操作して膝立ちにすると、ストライクの掌を地上へと差し出した。マリューは躊躇いも無く掌に乗り込み、伊吹達も同様に乗り込んだ。

 

「君たちもよ」

 

マリューがサイたちに声を開けると、サイたちは一瞬、顔を見合わせてから掌に乗る。

 

『ではいきます』

 

キラの声掛けと共にストライクがゆっくりと動き出し、マリューたちを落とさないように慎重にアークエンジェルへと運ぶのであった。

 

 

 

 

キラの駆るストライクがアークエンジェルのカタパルトへ着艦し、マリューたちを降ろすと同時にアークエンジェル内部から士官たちがマリューたちの元へと駆け寄った。

 

「ラミアス大尉‼」

 

「バジルール少尉………無事だったのね」

 

「はい」

 

バジルールと呼ばれた女性はマリューへと敬礼すると、マリューも返礼する。

 

「ご無事で何よりでした」

 

「貴女達こそよくアークエンジェルを…お陰で助かったわ」

 

マリューはバジルールに労いの言葉を掛ける。もしあの場にアークエンジェルが来なかったと思うと……と、想像したマリューは安堵していたのである。

すると、ストライクのコックピットハッチが開き、中からキラが出てきてラダーを使って降りて来ると、サイたちがキラに駆け寄った。

 

「おいおい、子供じゃねぇか。あのボウズがアレに乗っていたのか?」

 

一人の整備兵が驚いていた。

 

「ラミアス大尉、これは………」

 

「それは……」

 

バジルールが驚いてマリューに尋ねるが、マリューはどう返答した良いのか分からず口が開けなかった。

 

「へぇ、こいつは驚いたな」

 

すると、パイロットスーツに身を包んだ一人の男性が近づいてきた。

 

「地球軍第七機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉。よろしく」

 

敬礼しながら名乗ったパイロットはMAのパイロットであった。

 

「第二宙域第五特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」

 

「同じく、ナタル・バジルール少尉であります」

 

ムウはマリューとナタルに敬礼しながら乗艦許可を貰いにカタパルトデッキへと来たのである。

 

「乗艦許可を貰いたくて………この艦の責任者は? あなたですか?」

 

ムウは辺りを見渡すと、自分よりも階級の高い将官の姿が見えず日本皇国の大佐の階級バッチを付けた山城に尋ねる。

 

「申し訳ない。自分は日本皇国の大佐でして、この艦の所属は地球軍なので」

 

ムウに尋ねられた山城は丁寧に訂正した。

すると、ナタルが言い辛そうに口を開く。

 

「艦長以下、艦の主だった士官は戦死されました。よって、今はラミアス大尉にその任があると思われますが………」

 

「えっ? 艦長が……そんな………」

 

「無事だったのは艦にいた下士官と、十数名だけです。私はシャフトの中で運よく難を………」

 

ナタルの言葉にマリューは艦長が戦死した事を知らされ、驚いていた。

 

「やれやれ、なんてこった……ああぁ、とにかく許可をくれよ、ラミアス大尉。俺が乗っていた船も堕とされちゃってね」

 

ムウはヤレヤレと言った表情であった。

 

「あっはい。許可いたします」

 

マリューはムウにアークエンジェルに乗艦する事を許可する。

そして、ムウはキラ達の方へと視線を送った。

 

「で、アレは?」

 

「御覧の通り民間人の少年です。襲撃を受けた際、何故か工場区の中にいて私の権限でGに乗せました」

 

ムウに尋ねられたマリューは事の顛末を話す。

 

「キラ・ヤマトと言います。彼のお陰でG一機を撃退しアレだけは守る事が出来ました」

 

「Gを撃退したっ⁉ あの子供が?」

 

マリューの説明にナタルは驚く。

 

「俺はアレを動かすひよっこ共の護衛に来ていたんだがね………連中は」

 

ムウがそう言うとナタルが詳細を説明した。

 

「丁度、艦長に着任の挨拶をしている最中に爆破されたので………」

 

「そうか………」

 

ナタルの説明にムウは一瞬だけ悲しむ表情をするが切り替え、キラに近付く。

 

「な、なんですか?」

 

突然ムウに近付かれたキラは動揺する。もしかしたら、軍事機密を知ってしまった自分たちに危害を加えるのではないかと考えていた。

 

「君、コーディネイターだろ?」

 

「ッ⁉」

 

ムウの言葉にその場にいた一部を除いた全員が動揺を隠せなかった。

 

「……はい」

 

キラが返事をした瞬間、警備兵たちが銃を力強く握りしめた。その瞬間、伊吹の怒号が格納庫内を響き渡らせる。

 

「そこまでにしてもらいましょうか、エンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガ大尉‼」

 

突然の怒号に全員が驚いて声の主である伊吹に顔を向ける。

 

「あなたは?」

 

ムウはこの場に似つかないスーツ姿の伊吹に尋ねた。

 

「これは申し訳ない。私は日本皇国軍事事務次官の福本伊吹です」

 

「同じく日本皇国第零機動艦隊旗艦、播磨艦長山城正人大佐です」

 

「同じく副長の福本勇気中佐です」

 

「それで、先ほどの言葉はどう言う意図があるのか尋ねても?」

 

ムウは伊吹の名前を知っていた。それこそ、政治家達や軍上層部が口を揃えて「福本伊吹に手を出したら最後」という言葉が名前の後について回ってくるほど有名であった。




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