待ってください言いたいことはわかっております......だけどマリーの方はもうちょっと待ってくれるとありがたいです。
大学生活が忙しいのが悪いんだ...!
あと鳴潮が楽しすぎるのが悪い(確信)
では本編です
「……はぁ」
壁や天井が崩れた建物、ヒビ割れた道路、光の灯らない街灯……周りに見えるのは、そんな虚しい景色ばかり。溜め息も吐きたくなる。
「vanitas vanitatum. et omnia vanitas.」
全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものだ。
長く続いていた内戦を終わらせた「大人」、ベアトリーチェとかいう赤い女が、俺たちに植え付けた言葉。
子供になんてこと教えてんだ、斬り刻むぞ(迫真)
「お前がそれを口にするとは珍しいな」
「サオリ……今回は正面から来たか」
「お前に姑息な手は通じないからな」
「……そうか……なら俺の翼から一本くらいはむしり取って見せろ。それで今回の勝負をつける」
翼を広げ構える。
今回も『アレ』は使わなくていいか。
「全力で来い」
「ああ、言われなくとも……ッ!」
「ハァ、ハァ、ふっ……やはり……今回も……ダメだったか」
「うぅぅぅ……まさか、あの狙撃を躱されるなんて……」
「っ……あんた、ほんと……容赦なさすぎ」
結果は俺の勝ち。
「正面から来ると見せかけて、後衛のヒヨリとミサキの支援射撃で足止め……そこに前衛のメンバーによる近接攻撃……2ヶ月前も似たような感じだったか?」
「……《どう?前よりは成長したと思うんだけど》」スッスッス
アツコが近寄り手話で聞いてくる。
表情はマスクで見えない。俺も人のこと言えないけど、そのマスク外したら?息苦しいでしょ。
「まだまだ」
「え、えへへ……昨日皆さんと徹夜してまで考えた作戦なのに……まだまだだなんて、虚しいですねぇ……」
「最後に前衛全員が一気に近接で来たのは甘かったな。せめて1人は射撃で援護するべきだ」
近接戦闘は得意分野だ。スクワッド相手でも負けはしない。煙幕の中でなら尚更。
「ん……ここは……」
「起きたか……おはよう、アズサ」
「兄さん?……そうか、私は……」
「アズサ、頭に当たったが大丈夫か」
「……うん、どこにも異常はない…少しヒリヒリするくらいだ」
「そうか……何かあったらすぐに言え」
「ありがとう、兄さん」
9mmとはいえ、ベクターのフルオート射撃で撃たれたら大体ワンマガジンでキヴォトス人は気絶する。全部頭に当てたらの話だが。
「……ほんと、アズサだけには甘いよね、あんたって」
「……《シスコンだもんね》」スッス
おい、マスク越しでも笑ってんのわかってるからな。まあアツコならいいだろう。
「シスコン?なんだそれは」
「し、シスコンっていうのはですね、兄や姉が妹に強い愛着を抱くことで──」
……だがこいつはダメだ。
「ヒヨリはこの後俺と徹夜で近接格闘訓練な」
「うわぁぁん!もう終わりです……いっそのこともう一度今の訓練をやり直した方がマシです……」
面白いことを言う奴だ。お望み通りそうしよう。
「……なら5人とも、準備しろ。特別訓練を始める」
「は?ちょっとヒヨリ、何言っちゃってくれてんの」
「うわぁぁん!ごめんなさい!」
「いや、休憩も充分にできたところだ……もう一度いくぞ」
「兄さん……」
ごめんよアズサ。でもヒヨリがそうしたいって言ったから仕方ないんだ……
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「やっと来ましたか」
「呼び出しと聞いて。俺に何か用か……マダム」
「相変わらず大人である私に対しての態度がなっていませんね」
「一応命令は聞くが…俺はあんたも含めて、大人を信用も信頼も尊敬もしていない」
ところで、マダムの目ってそれ全部機能してんのかな。閃光弾で試してみてもいいですか。
「……まあいいでしょう…私はその戦闘能力は高く買っているのです。多少のことは目をつぶってあげます」
「……で、本題は何なんだ」
「あなたの妹、アズサを近日中にトリニティへ転校させます」
「……何が目的だ。あんたがトリニティと仲良く……なんてことはしないだろう。大方、アズサを使った諜報活動といったところか」
「ええ、その通りです。ですが少し違いますね」
「…?」
「彼女にはティーパーティの『桐藤ナギサ』、『百合園セイア』この両名を暗殺してもらいます」
それを聞き、俺は冷たく鋭い視線をマダムに向けた。彼女が口を開いていくにつれ殺意の視線は鋭さを増していった。
「……あいつに人殺しの重荷を背負わせる気か」
「……それが何か?あなた達全員がいずれ通る道です」
「……なぜアズサなんだ、他にも俺とか適任がいるだろう」
「彼女を選んだのはトリニティの内通者です、私に聞かれても知りません」
「内通者?」
「聖園ミカ……彼女は私たちとトリニティの融和を図っているようですが、そんなことは絶対にありえません。今はサオリに任せ自由に出入りさせていますが、用が済み次第始末するつもりです」
聖園ミカ……あのピンクか……にしても、用が済んだら処分するとか相変わらずだなマダムも。
……そんなことさせないが。
「……そうか……で、それだけを伝える為に俺を呼んだわけじゃないだろ、早く言え」
「あなたに任務中のアズサを監視して────私に銃を向けるのは流石に看過できませんね」
マダムが指を鳴らし、護衛の生徒たちが銃を構えて取り囲む。
「銃を下ろしてくれませんか」
「スバル……お前たち程度の力で、俺に敵うとでも思ってるのか?それとも、今ここで試してみるか?」
「…っ」
マスク越しに睨みつけ、圧をかければ周りの子たちは素直に銃を下ろしてくれる……スバルは変わらず銃口を俺に向けたままだが。
「……銃を下ろした臆病者には罰を──」
バシリカ内に響く銃声のほんの少し後に、彼女の真横を通り過ぎる1発の弾丸……当てるべきだったか?
「黙れ、今は俺とこいつで話してる。それから、こいつらに罰は必要ない、俺が指導する」
「……フン、まあいいでしょう。とりあえず、貴方に伝えることはもうありません。命令通りアズサを監視するように。では下がりなさい」
「喜んでそうさせてもらおう…──」
「……」
過ぎ去りざまにスバルへ耳打ちしてからバシリカを去った。
「……はぁ」
「ため息をしては幸せが逃げますよ」
「こんな場所にそんなもの無いだろ」
「そうでしたね……それで、あなたが私を呼び出すとは珍しいですね」
「……さっきはすまなかった。あまりにもあの女にイラついてたんだ……それから、指導なんてする気はない。あの子たちにも伝えておいてくれ」
「はぁ……全くあなたは昔から不器用な人ですね……わかりました、伝えておきます」
俺が不器用……?
「そうか、助かる……あぁ、あとこれも渡しておいてくれ」
「これは……軍用チョコバー……?」
「この前仕事の依頼主から何個か貰ってな、食べてみたが中に毒は入ってないから安心してくれ」
あの女の護衛とかかなり疲れるだろ。だから糖分でも摂って休んでほしい。
俺のためだけに毎回護衛引っ張り出すのやめてやれよ。ビビってるの丸わかりだぞ、マダム。
「……任務が終わったら渡しておきます」
「スバルの分もあるからちゃんと食べてくれよ」
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ、俺はやる事あるから」
「兄さん、戻ってたんだ」
「スクワッドの訓練帰りか?ほら水」
「ありがとう……」
「水溜まりの水なんか飲んでないだろうな」
「私は……でも飲んでる人なら見た」
またか……水なら俺が配るって言ってるだろ。そんな汚いの飲んじゃいけませんっ。
「兄さんは何をしてるんだ?」
「仕事で使う道具と銃の整備……あと依頼の確認」
「私も兄さんの隣で一緒にしていい?」
「もちろん」
広げた布の上で銃を分解して整備していく
「……アズサ」
「なに?」
「マダムの教えについて、お前はどう思ってる」
「教え……」
「正直に言ってみろ。何を言っても俺は責めたりしない」
数秒考えた後に、アズサが口を開いた。
「……正直、よくわからない。私たちがこんな生活をしてるのはトリニティのせいだとマダムから教わったけど、それも数百年前の話なんでしょ?」
「そうだ。数百年前にトリニティに追放されたからこうなってる。まぁ、向こうはそんなこと疾うに忘れてるし、他にも原因はあるが」
「数百年前のトリニティは確かに私も憎い。でも、今のトリニティに対して憎いかどうか問われると私はわからない」
「そうか……ならいい」
……なんとなく、聖園ミカがアズサを選んだ理由がわかったかもしれない。
「……なぜ急にそんなことを?」
「近いうちわかる……あと、聖園ミカに会ったことはあるか?」
「この前少しだけ」
「そうか……話が変わるが、最近スクワッドとは上手くやれてるか?……まあ、聞かなくても単独行動が好きなんて言ってるようじゃ大体想像つくが」
「……(ᓀ‸ᓂ)」
「……そう拗ねるな」
その後は、拗ねたアズサの羽を綺麗にしてあげてから、俺の翼で包んで一緒に寝た。
鳴潮......キャラデザ全員良くないですか?
ショアキーパーとカルテジアは私が一生守護ります(鋼の意志)