【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度が限界突破!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~   作:月城 友麻

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139. おぞましき狂信者

「これで……これで、ギルバートさんたちも、何とかなるかもしれない……!」

 

 あの水晶の蜘蛛も、これで深刻なダメージを受けただろう。いや、もしかしたらもう消滅してるかもしれない。

 

「【未来視】だって完璧じゃなかったわね! ふふっ!」

 

 エリナが、嬉しそうに笑った。

 

 その笑顔は、久しぶりに見る、明るく輝く笑顔だった。さっきまでの恐怖と絶望に満ちた表情は消え、希望と自信が戻ってきている。

 

「そうよ! 敵だって、全てを見通せるわけじゃない! 行ける! 行けるわ!」

 

 ミーシャも、希望に満ちた声で、ロッドを力強く握り締めた。

 

「このまま一気に、ボスをぶっ飛ばしちゃおー!」

 

 ルナが、上機嫌に拳を高く突き上げる。

 

「きっと勝って見せるから……必ず、帰るから……」

 

 シエルが、遠くの戦場がある方角に向かって、静かに、けれど力強くつぶやいた。

 

 その言葉には、父への想い、ギルバートへの想い、そして全ての仲間への想いが込められている。

 

 五人の心に、希望の炎が灯った。

 

 まだ戦いは終わっていない。強い敵も待ち構えているだろう。危険も、困難も、まだまだ続く。

 

 けれど――。

 

 【未来視】の裏をかけた。それだけで十分だった。

 

 敵は完璧ではない。その事実が、五人に大いなる希望をもたらしていた。

 

「さあ、最後の戦いだ! 勝つぞ!」

 

 五人は、顔を見合わせて、力強く頷き合った。

 

 その目には、同じ想いが宿っている。

 

 絶対に勝つ。絶対に生きて帰る。そして――世界を救う。

 

 五人は、遺跡へと続く道をまっすぐに見据えた。

 

 最終決戦が、始まろうとしていた。

 

 

        ◇

 

 

 遺跡へと近づいていくと――――。

 

 崖の中腹に開いた遺跡内部への通路から次々と人影が現れる。

 

 彼らは、古代の神官のようなボロボロの法衣を纏っていた。かつては白かったであろうその法衣は、今は汚れと血で茶色く変色し、ほつれた糸が風に揺れている。

 

 その顔を見て五人は凍り付いた――。

 

 まるで生き血を吸ったかのように、赤く腫れ上がっている。皮膚は異常に膨らみ、血管が浮き出ている。そして、その瞳は――憎悪と狂信に満ち、真紅に輝いていた。もはや人間の目ではない。何か、別の存在の目。

 

 そして、その首筋、こめかみ、手の甲には――あの「核」が埋め込まれている。ゴブリンロードに寄生していた、あの黒い核。けれど、それは完全に肉体と融合し、脈打ち、生きている。

 

 これは、寄生体の完成形。

 

 彼らは、無理やり寄生されたのではない。自ら進んで「寄生体」を受け入れた、闇組織の狂信者たちだった。

 

「何という……」

 

 レオンは、息を呑んだ。全身から、冷や汗が噴き出す。

 

 闇組織が出してきたのは自分の「命」そのものを冒涜する、おぞましい狂信者たち。

 

「あ……ああ……」

 

 ミーシャが、後ずさりした。その顔は蒼白で、ロッドを握る手が震えている。

 

「「「アアアアア……」」」

 

 三体の「番人」が、声にならない不協和音の「歌」を歌い始めた。

 

 それは、歌というより、悲鳴に近い。いや、呪いに近い。高音と低音が不規則に混ざり合い、耳をつんざく不協和音。聞いているだけで、頭が痛くなり、吐き気がする。

 

 けれど、それだけではなかった。

 

 その「歌」には、不思議な力が込められていたのだ。

 

 パキッ。パキパキパキッ。

 

 彼らの周囲の空間が、その音波に共鳴し始めた。まるでガラスにヒビが入るかのように、空間が割れていく。目には見えないはずの空間が、物理的に砕けていく。

 

 そして、そのかけらが――水晶のような『棘』となって、次々と宙に浮かんでいく。鋭く尖った、透明な棘。それは空中に静止し、まるで意志を持つかのように、五人の方を向く。

 

 数十本。数百本。いや、それ以上。次々と空間を埋め尽くしていく無数の棘――――。

 

「まずい……!」

 

 レオンが、叫んだ。

 

 戦いは、もう始まっていた。

 

「――来るぞ! ミーシャ!」

 

 レオンの叫びが、森に響き渡った。

 

 アルカナ目掛けて、水晶のような無数の棘が、「豪雨」のように降り注いでくる。

 

 それは恐ろしくも美しかった。キラキラと光を反射しながら吹っ飛んでくる無数の棘。まるで、死の宝石の雨だった。

 

「ホーリーシールド!!」

 

 ミーシャの叫びと共に、眩い光が五人を包んだ。

 

 彼女のロッドから放たれた神聖な魔力が、盾状の障壁となって五人を守る。透明な、けれど強固な光の盾。それは聖なる力で編まれた、最強の防御魔法。

 

 ガガガガガガガッ!!

 

 凄まじい轟音が、辺りを満たした。

 

 数千の水晶の棘が嵐のように、容赦なく、光の障壁に叩きつけられる。途切れることなく、まるで機関銃のように。

 

 障壁が、激しく揺れる――――。

 

 

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