【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度が限界突破!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~   作:月城 友麻

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158. 好きだけじゃ……ダメ?

「ありがとう……ありがとう……!」

 

 シエルは、涙声で言葉を紡ぐ。

 

「ボク……ずっと、自分には価値がないって思ってた。家のための道具、結婚のための商品……それだけだって……」

 

 その声が、悲しみと、そして今の喜びで震える。

 

「あの好色な老貴族との結婚を告げられた時、ボクは絶望したんだ。自分には、選ぶ権利すらないんだって……」

 

 シエルの涙が、止まらない。

 

「でも、レオンと一緒にいると――何でもできるって、そう思えてくるの。ボクは、ボク自身として生きていいんだって……!」

 

「ああ、そうだよ」

 

 レオンは、力強く頷いた。

 

「君は、シエル。誰のものでもない。アステリア家の所有物でもない。君自身だ」

 

 レオンの声が、優しく、そして力強く響く。

 

「これが運命なんだって、僕は思う。出会い、一緒になることで、どちらも一人では届かなかった高みへ行けるんだ。それが、この世界に生まれた意味なんだ」

 

 レオンは、シエルを優しく、優しく抱きしめた。

 

 小柄な体が、レオンの腕の中にすっぽりと収まる。

 

「これからは、ずっと一緒だよ? 未来を一緒に作っていこう」

 

「うんっ! うんっ!」

 

 シエルは、何度も、何度も頷きながら、レオンの胸で泣いた。

 

 嬉し泣き。

 

 幸せの涙。

 

 長年抱えていた、令嬢という呪縛。自分が何者であるかの葛藤――――。

 

 それらから完全に解放され、今、約束された輝かしい未来へと踏み出す。

 

「ボク……」

 

 シエルは、涙を拭いながら、顔を上げた。

 

「レオンと一緒なら、どんな未来も怖くないわ! どんな困難も、どんな敵も、一緒なら乗り越えられる!」

 

 涙で濡れた顔。

 

 けれど、その表情は、希望に、決意に満ち溢れていた。

 

「一生、一緒だからね? 絶対に、絶対に離れないでね?」

 

「ああ、一生一緒だ」

 

 レオンは、シエルの頬に優しく手を添えた。

 

「約束する。どんなことがあっても、君の傍にいる。永遠に」

 

 そして――レオンは、シエルの唇に、優しく、愛おしそうにキスをした。

 

 初めて触れる、柔らかな感触。

 

 温かな、幸せな感触。

 

 世界で一番大切な人との、誓いの口づけ。

 

 瞬間――黄金色の光が、二人を包み込んだ。

 

 祝福の光。それは、まるで天使たちが舞い降りてきたかのように、優しく、暖かく、二人を包んでいた。牢獄全体が、神々しい光に満たされる。

 

【運命を共にすると誓った者を確認――シエル・フォン・アステリア】

 

 レオンの脳裏に、金色の文字が浮かび上がる。

 

 三人目の運命が、結ばれた。

 

「ありがとう……レオン……」

 

 シエルは、レオンの胸の中で、幸せそうに微笑んだ。

 

「ボク、生まれて初めて、本当に幸せだって思えた……」

 

 その声は、喜びに満ち溢れていた。

 

 もう、商品じゃない。

 

 もう、道具じゃない。

 

 愛される、一人の人間として。

 

 それが、何よりも嬉しかった。

 

 

     ◇

 

 

「さ、最後は……」

 

 ルナが顔を真っ赤にして、もじもじしていた。

 

 その姿はいつもの勝気なルナとは違う、恥ずかしがり屋の少女そのものだった。

 

「ルナ……」

 

 レオンはルナの前にゆっくりと膝をついた。

 

 その仕草はまるで騎士が姫に忠誠を誓うかのように、丁寧で、優しかった。

 

「べ、別に!」

 

 ルナは、慌てて声を上げる。

 

「あんたに結婚してくれって頼んでるわけじゃないんだからね! 世界を救うために、仕方なく……仕方なくよ!」

 

 ルナはプイッと横を向いた。けれど、その耳まで真っ赤に染まっているのがよく分かる。

 

「ふふっ、そうだね」

 

 レオンは穏やかに笑った。

 

「頼んでいるのは、僕の方だ」

 

 レオンはそっとルナの手を取る。

 

 小さく震えている手。

 

「ルナ」

 

 優しく微笑むレオン。

 

「な、何よ!」

 

 ルナがビクりと肩を震わせる。

 

「僕は、君が好きだ」

 

 レオンはまっすぐにルナの緋色の瞳を見つめた。

 

「結婚してくれないか?」

 

 その声はシンプルで――けれど真剣だった。

 

 にっこりと笑顔で、ルナの緋色の瞳を覗き込む。

 

 ルナはその真っ直ぐな視線に、一瞬固まった。

 

「……え?」

 

 きょとんとした顔。

 

「そ、それだけ……?」

 

 ルナは拍子抜けしたような様子で眉を寄せた。

 

「好きだから、結婚してほしいんだよ」

 

 レオンは変わらず真っ直ぐな目で、ルナの目を見つめる。

 

「ちょっとぉ!」

 

 ルナが顔を真っ赤にして叫んだ。

 

「何で他の子たちと違うのよ! エリナにも、ミーシャにも、シエルにも、あんなに長々と素敵な言葉をかけたじゃない! 私には『好き』だけ!? 手抜きじゃない!」

 

 ルナは憤然とレオンに突っかかった。

 

 その姿はまるで拗ねた子猫のようで、可愛らしい。

 

「『好き』だけじゃ……ダメ?」

 

 レオンは少し困ったように、けれど伸びやかな笑顔で、ルナを見つめた――――。

 

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