【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度が限界突破!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~   作:月城 友麻

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204. 元気ですかーー?!

 ドラゴンは観客の目前を悠然と飛行し、その巨大な翼が起こす風が、前列の観客たちの髪を激しく揺らした。

 

 大歓声が巻き起こる――。

 

 まるで地震のような、体の芯まで響く歓声だ。

 

 レオンは観客に大きく手を振りながら、その声援に応えた。純白のスーツが風になびき、翠色の瞳が喜びに輝いている。その姿は、まさに英雄そのものだった。

 

 ドラゴンは一旦高く上がって旋回し、ステージへ向けて着陸態勢に入ると、大きな翼をはためかせて速度を落としていく。

 

 地響きを起こしながらステージに着陸するさまを、観客たちは固唾を呑んで見守った。

 

 湖面が大きく揺れ、波紋が同心円状に広がっていく。

 

 おぉぉぉぉ!

 

 無事ステージに降り立ったドラゴンに観衆は大歓声で手を振った。

 

 降りてきたレオンに、エリナが笑顔で駆け寄る。

 

 二人は軽くハグを交わし、エリナは幸せそうな笑顔でレオンの頬にそっとキスをした。

 

 その姿を見て、会場から「きゃー!」という黄色い歓声が上がる。

 

 国王と王妃。

 

 十五年前、追放された少年と、復讐に囚われた少女だった二人――。

 

 今はそんな面影はどこにもない、堂々たる輝かしい王族だった。

 

 

        ◇

 

 

 レオンはエリナと手を繋いだまま前に進み出ると、観客に向かって両手を高々と掲げた。

 

 歓声が、さらに大きくなる。

 

「みなさーん! 元気ですかーー?!」

 

 レオンの声が、会場に響き渡った。

 

「「「「「元気ーーーー!!」」」」」

 

 数十万人の声が、一つになってタワー群にこだました。

 

 そのエネルギーは湖面を震わせ、空の果てまで響いていく。

 

「おっけー! 最高!!」

 

 レオンはにこやかに右腕を突き上げ、そして少しだけ表情を引き締めた。

 

「今日はね、十五周年。十五年前のこの日、僕は熾天使(セラフ)様に言われたんだ」

 

 会場が静まり、数十万人がレオンの言葉に耳を傾ける。

 

 レオンは少し高い声色で、当時の言葉を再現した。

 

『面白いことやってよ』

 

 その言葉に、会場がざわめいた。最高位の天使である熾天使(セラフ)が付きつけてくる哲学的な依頼。それは難解な謎解きのようにすら見える。

 

「これ、どういう意味かというと……」

 

 レオンは肩をすくめて、苦笑いを浮かべた。

 

「面白いことやってくれないなら、この世界を焼き払うって意味なんだよね。まぁ、実質脅しですよ」

 

 会場に笑いが広がった。しかし、その笑いの底には、緊張感が潜んでいた。この世界の根底に関わる『脅し』という言葉の重みを、彼らは理解しているのだ。

 

「でも、僕には夢があった」

 

 レオンの声が、少しだけ柔らかくなった。

 

「『誰もが笑顔で暮らせる世界』を作りたいってね」

 

 レオンは幸せそうに観客を見回した。

 

 数十万人の希望に輝く瞳が、そこにある。みんな真っすぐにレオンを見つめている。

 

 その一つ一つが、レオンの夢の結晶だった。

 

「そう、みんなのおかげで、夢はかないつつあるんだ」

 

 レオンの声が、少しだけ震えた。

 

「ありがとう」

 

 深々と、頭を下げた。

 

 おぉぉぉぉ! という歓声とともに盛大な拍手が鳴り響いた。

 

 たくさんのエアモンが舞い、多くの花びらが舞い降りてくる。

 

 そんな華やかな風景の中で、みんな目をキラキラとさせながら自慢の我が国王を称賛していた。

 

 

       ◇

 

 

 国王が、民に向かって頭を下げている――。

 

 その姿に、レスター三世はキュッと口を結んだ。

 

 自分は、民に頭を下げたことがあっただろうか。民に感謝したことがあっただろうか。いつも当然のように税を徴収し、当然のように忠誠を求め、当然のように君臨してきた。

 

 この男は、違う。

 

 この男は、民と共に歩んでいる。

 

 そんなの偽善だし、欺瞞(ぎまん)だと一蹴したかったが――なぜか負けた気がしてきてしまう。心の底ではわかっているのだ。彼が羨ましいと。

 

 レスター三世はギリッと奥歯を鳴らすと、乱暴にシャンパンのグラスをグッとあおった。

 

 

        ◇

 

 

 レオンは幸せそうに観客たちを見回す――。

 

 そして、拍手の鳴りやむのを待ち、続けた。

 

「もちろん、この程度では熾天使(セラフ)様はご満足されないでしょう」

 

 レオンはこぶしを握り、再び力強い声で続けた。

 

「もっと大きく、もっと魅力的に、もっと楽しい国にしていきたい。ぜひ、僕に力を貸してください!」

 

 その言葉に、会場が爆発した。

 

「うぉぉぉぉぉ!!」

 

 地鳴りのような大歓声が、空を震わせた。

 

 数十万人が立ち上がり、拳を突き上げ、声の限りに叫んでいる。その熱狂は、まるで街が一つの生き物になったかのようだった。

 

 レオンは満足そうにうなずくと、「ありがとう!!」と大きく手を振った。

 

 その瞬間、彼の目に涙が滲んでいるのを見て、エリナの目にも熱いものがこみあげてくる。

 

 

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