【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度が限界突破!? ~戦闘力ゼロの追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と送る甘々ライフ~   作:月城 友麻

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221. 途方もない巨大な柱

 やがて、光が収まっていく――。

 

 シールドが、消えた。

 

 そこには、焼け焦げたシアンがかろうじて立っている。

 

「僕が……こんな……人間ごときに……」

 

 シルバーのボディスーツは焼け焦げ、青い髪は乱れ、全身から煙が上がっている。

 

 宇宙最強の熾天使(セラフ)が、人間たちの連携に敗れた瞬間だった。

 

「ゴ、ゴホォ……」

 

 口から煙を吐き、シアンの体がぐらりと揺れ――。

 

 そして、そのまま湖へと沈んでいった。

 

 青い光が、水中で揺らめきながら消えていく。

 

 ゆっくりと、静かに、深い湖の底へ。

 

 まるで、夜空に沈む流れ星のように。

 

 美しくも儚い、神の退場だった。

 

 静寂が、訪れる。

 

 誰も、何も言えなかった。

 

 ただ、湖面に広がる波紋だけが、今起きたことの証だった。

 

 

       ◇

 

 

 沈黙の後――。

 

 会場が、爆発した。

 

「うおおおおおお!!」「やったぁぁぁ!!」「勝ったぁぁぁ!!」

 

 数十万人の歓声が、夜空に響き渡る。

 

 誰もが泣き、誰もが笑っていた。誰もが、隣の人と抱き合っていた。

 

 神に連なる者に、勝ったのだ。

 

 熾天使(セラフ)を、退けた。

 

 それは、人間の力だけでは不可能だったこと、王妃たちの力だけでも不可能だったことだ。

 

 しかし、みんなの力を合わせれば――。

 

 全国民の想いを一つにすれば――。

 

 奇跡は、起きるのだ。

 

 湖面では、四人の王妃たちがボロボロの体で立ち上がろうとしていた。

 

 エリナがまず立ち上がり、ルナに手を差し伸べた。ルナはその手を取り、シエルを引き起こす。シエルはミーシャを助け起こし、四人は互いに支え合いながら、観客席に向かって手を振った。

 

「やったぁ!」「ザマミロ!」

 

 ルナとミーシャが痛みをこらえながらこぶしを突き上げ、勝利に酔いしれていた。シエルは「やったね!」と隣のエリナとハイタッチを交わし、会場からは割れんばかりの歓声が響き続けている。

 

 しかし――。

 

 レオンだけは渋い顔をしながら、泡立つ湖面を見つめ続けていた。

 

 これで終わるはずがない――。

 

 この世界を創った神を倒す――それは本来、不可能なはずだ。そもそも、熾天使(セラフ)という存在は、人間がどれだけ束になっても倒せるような相手ではないはず。シアンが本気を出せば、この大陸ごと一瞬で消し飛ばすことすら可能なのだ。

 

 もちろん、みんなの戦いは素晴らしかったし、それ以外道はなかっただろう。

 

 しかし――。

 

 あの程度でシアンが死ぬなんてことは考えられない。この後、いったいどんな展開が待ち受けているのか。

 

 熾天使(セラフ)の怒りを買った者に、どんな報いが下されるのか。

 

 レオンは想像することもできず、背筋にぞくりと冷たいものが走るのを感じた。

 

 直後――。

 

 ズーーン! と、湖面が大きく吹き飛んだ。

 

 まるで海底火山が噴火したかのように、数百メートルの水柱が天高く噴き上がる。その衝撃波で、湖面にいた王妃たちは人形のように吹き飛ばされた。

 

「キャァッ!」「ひぃっ!」

 

 悲鳴を上げながら湖面を転がる四人。観客席にも凄まじい風が吹き荒れ、人々は必死に何かにしがみついた。

 

 そして、湖面から――激しい青い光の柱が立ち上った。

 

 それは天を貫くほどの輝きで、まるで神が降り立ったかのようである。

 

「な、なんだこれは……?」

 

 レオンは目を向けることすらできなかった。その輝きは、直視すれば目が焼けてしまうほどに眩しい。

 

 光の中から、声が響いた。

 

「ふー、ざー、けー、んー、なー」

 

 地響きを伴う超重低音が、王国全体に響き渡る。

 

「おー、まー、えー、らー」

 

 その声には、純粋な怒りが込められていた。遊びの要素など一切ない、本気の殺意。

 

 やがて輝きが収まり始め、その全貌が明らかになっていく。

 

 そこには、巨大な何かがあった。

 

 最初に見えたのは、二本の柱だった。太さ一キロはあろうかという、途方もない巨大な柱が、湖面から天に向かって立ち上がっている。

 

「……へ?」

 

 レオンは首を傾げた。あれは何だ? 建造物か? いや、違う。あれは――。

 

 見上げた。

 

 さらに見上げた。

 

 首が痛くなるほど見上げて、ようやく理解した。

 

 それは脚だったのだ。シアンの、脚――。

 

「……は?」

 

 レオンの思考が、完全に停止した。

 

 見上げた先には、天蓋(キャノピー)に届かんとするほどに巨大化したシアンが、鬼のような形相でこちらを見下ろしていた。

 

 顔は雲より高く、もはや霞んでるほどだ。その体は大気圏を突き破り、宇宙の領域にまで達している。

 

 十五年前、シアンが降臨した時でさえ、これほどのインパクトはなかった。そして今、シアンは本気を出してしまったのだろう。

 

 その事実が、レオンの全身から血の気を引かせた。

 

「邪ー魔ーだぁー!」

 

 シアンの咆哮が、世界を震わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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