九尾が逝く 呪術廻戦 (リメイク)   作:meigetu

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こんばんは、meigetuっす。
二話目です。ようやく二話目にして呪術廻戦要素が出てきます。
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二話 幻想に見つかった夜

八雲緑は、博麗大結界を抜けて外の世界へ降り立った。

仙台市、真夜中。稲荷神社の境内にぽつん、とひとり。

 

紫から与えられた任務は二つ。

 

呪術界で起きている異常──呪霊の異様な“強化”の調査。

 

人間をいくらか仕入れて幻想郷へ連れ帰ること。

 

ほんとはただの下見のつもりだったけど、まあ……その場の気分次第で寄り道もする。緑はそういう妖怪だ。

 

外の世界に出た途端、身体からすぅっと力が抜ける気がした。

科学技術が発達しすぎた現代では、人々が“畏れ”を手放している。妖怪の力が落ちるのも当然なのよ、と紫は言っていた。

 

それでも、緑は夜空を見上げて小さく息を吐く。

暗闇、満月、境内の灯籠。人影はなく、静かすぎるほど静か──と思ったら、ひとりいた。

 

彼女は小型の提灯のようなものを持っており効率よく白い光で回りを照らしている。

 

ここで、脅かし、人を食すのも一興と思い化け…いや…気が変わった。

 

彼女を見ると軽く周りが歪んで見える。

確か当代の博麗の巫女も同様ではなかったか。

 

これは…面白そうだ。

私は、後ろのしっぽを隠しつつ、彼女へと話しかけた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

──これは、私、佐々木せつこが今後数百年と世話になる“だらしのない師匠と出会った日”の回想である。

 

当時の私は中学生で、手には月刊ムーと安っぽい探索セット。

「宮城県○○市山道にツチノコ現る」

その見出しに釣られて、わざわざ山の入口にある神社まで来ていた。

 

装備の最終確認をしていた時だった。

よくわからない家に合ったお札、懐中電灯の予備、電池、カイロ、あとは……

確か、その時は神社の石段が湿っていて、虫の声だけが響いてた

 

「あら、こんばんは。今日はいい月ね」

 

振り向いた先にいたのは、見惚れるほどの美人。

長い銀髪、切れ長の目、古風な着物。なのに、不思議なくらい似合っている。

 

思わず口を開けたまま固まる。

“国を傾けられるほどの美貌”ってこういうことなんだろうな、とか考えていたら──

 

「あら、どうかしたのかしら?」

 

小首をかしげられて、さらにドキッとした。

 

「えっ、その……あまりにも美人で……」

 

自分で言ってて恥ずかしくなったが、彼女はケラケラ笑い飛ばす。

 

「それ、新しい提灯なの?」

 

指差されたのは私の懐中電灯だ。

 

「あっ、はい。このあとツチノコを探しに行くんです」

 

「ツチノコ……まだ外の世界にいるのかしら?」

 

普通なら馬鹿にされる話を、この人は楽しそうに聞いてくれる。

気がつけば、私はムーの一面を見せて熱弁していた。

 

「ツチノコは胴の真ん中が膨れてて、五メートルくらい跳ぶんです!」

 

彼女は「へえ」と興味深そうに頷く。

その反応が嬉しくて、私は夢中で話し続けた。

 

……しばらく語ったあと。

 

「なるほどねぇ。外の世界ではそういう扱いなのね。面白いわ」

 

その言い回しが、どこか妙だった。

 

「外の……世界、ですか?」

 

問い返した一瞬、彼女の輪郭がふっと揺れた。

まるで空気そのものが、彼女を避けているように。

 

「え……?」

 

懐中電灯の光がぶれた。

月明かりに照らされた地面に、細い影が伸びる。

その影が──ふわり、と九つに割れた。

 

次の瞬間には元通り。

なのに心臓だけが、ばくばく鳴っている。

 

「……怖くないの?」

 

彼女の声が、ほんの瞬間だけ人ではない響きを帯びた。

耳の奥に直接触れてくるような、そんな声。

 

「こ、怖いです。でも……」

 

「でも?」

 

「あなた、人じゃない……ですよね」

 

言った瞬間、背筋が冷える。

本能が逃げろと伝えてくる。しかし目の前の存在から目が離せない。

彼女は──ゆっくり、楽しそうに笑った。

 

「ふふ。言い当てられたのなんて、久しぶりだわ。気に入ったわよ、佐々木さん」

 

風が吹いた。神社の周りの灯籠の火が揺れた。

 

そこにいたはずの彼女の影は──九本、確かに揺れていた。

 

「続きは、また今度ね」

 

その言葉とともに、彼女は境内の闇に溶けた。

 

残ったのは、どこか懐かしい古い森の匂いだけ。

 

そこから、わたしと“師匠”──八雲緑様との日々が始まるとは、当然知らなかった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

(紫、悪いけど一人、人間を連れて帰るわ。面白い子を見つけたの)




以上。
佐々木先輩がとうとう幻想に触れた。

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