「ふわぁ・・・」
あくびをして寝起きの目をこする。
時刻は午前の6時、目覚めにはちょうどいい時間である。
─聖園ミカ
トリニティ総合学園の生徒会、『ティーパーティ』のパテル分派の代表・・・だった生徒だ。
先のエデン条約ではアリウス分校の面々を引き連れて反乱を起こし幽閉されたものの脱獄、その後先生とアリウススクワッドがベアトリーチェを倒すまでの時間稼ぎをした。
その後の裁判で、ティーパーティから除名され、奉仕活動を行うこととなった。
ちなみに化粧水を使っていないにも関わらず、肌が潤っており、一部の生徒から妬まれている。
「・・・今日もいい天気だね」
そう言う彼女の笑顔はどこか憂いを帯びている。
それは彼女の受ける度重なるイジメが原因である。
物を隠され、奉仕活動中に陰湿な妨害を受ける。酷い時には私物まで燃やされてしまう。
その気になれば返り討ちにすることはできたが、それは出来なかった。
彼女の友人である『桐藤ナギサ』や『百合園セイア』が自身のためにどれほど大変な思いをしたことを知っていたからである。
故に、彼女は抵抗しない。
今日は草むしりの作業であった。
最近はこの作業ばかりだったため慣れてきたものである。
・・・と
(誰か、近くにいるみたい。まぁ、いつもの人たちだろうけど)
近くに気配を感じたのである。
彼女はキヴォトスでも上澄みの実力者であったため、こういった気配感知もできた。
おそらく、普段ちょっかいをかけにくるヤツらであろうと考えた。
が、その人物は彼女が考えていたような者たちではなかった。
「こんなところで草むしりかい?今時のお嬢様は熱心に働くんだね」
聞いたこともない声だった。
声は男性のものだった。
だが、どこか幼さが残るような声だった。
彼女が振り返るとそこには。
「やあ、はじめましてだね。“魔女様”♪」
人型の少年がいた。
先生以外に初めて見た人型の男性。
そして、初めて見た同年代の少年だった。
身長は自分より少し高い。
髪は赤く、瞳はエメラルドのように見る人を魅了するような緑色だった。
しかし、彼女は直感で彼の種族を把握した。
「・・・悪魔」
目の前の青年は彼女が忌み嫌う悪魔だと理解した。
その言葉を聞いた少年はニヤリと笑う。
「ああ、そうだよ。俺はトリニティのお嬢様たちが嫌う悪魔さ」
少年はどこか楽しそうに笑う。
しかし、彼女にとっては面白くない。
それは目の前の少年が忌み嫌うゲヘナの角つきであったからに他ならない。
無視して、早く作業を終わらせたいと思う。
だけども、目の前の少年が気になって仕方ない。
彼女はめんどくさそうに言う。
「あのさぁ、邪魔だからどっか行ってほしいんだけど?」
「こりゃ、手厳しいね。どうやら最初から嫌われてるらしい」
少年はあまり気にしていない様子で返す。
態度が気に食わない。
彼女は少年を無視することにした。
「お、無視するって感じかい?まあ、別に構いはしないよ。君がそれを選ぶならしょうがないのかもしれないね。でも、そんなことしたら友達いなくなっちゃうよ?ああ、でも君にはかけがえのない友人がいたね。別にとって食おうとはしないから気にしないでいいよ。そういえば、この前・・・」
「うるさいじゃんね!?君、黙るって言葉知らないのかな!?!?」
ミカ、耐えられずキレる。
まぁ、仕方ないことではある。なんか初対面で自身が忌み嫌う悪魔に一方的に話しかけられたらこうもなる。
彼女には煽り耐性のようなものは無かった。
彼女の友人はよく無自覚に彼女を煽っては〆られていたというのは昔からよくあったことである。
なんてことを思い出しながら彼女は目の前の少年を睨む。
これが“魔女”と呼ばれた少女と“悪魔”と呼ばれる少年の初めての出会いだった。
この先も関係が続いていくとは2人は知る由もない。
とりあえず、不定期ですが頑張っていきます。