新・超A級小姓 アインクラッドを往く   作:渚カエデ

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瑠蘭(ランマル)と琴音(フィリア)がついにSAOにログインします。
フィリアのプレイヤーネームの由来は公式から発表されていないので、自分の想像で考えました。


第2話 デスゲーム、始まる

アバターを決めたらいよいよログイン。ログインした先にはまるで中世ヨーロッパのような街が広がっていた。僕は浮いた気分になってしまい、思わず1回転してしまう。

さて……まずは琴音との集合場所にした【はじまりの街】の中央エリアに行こうかな。僕は中央エリアに向かって歩を進め始める。

 

 

 

中央エリアに着くと僕は周りを見渡す。ダイブする前にアバターの容姿とハンドルネームを伝えといたから人違いは起きないはず。

しばらくすると金髪ロングヘアの女性が近づいてきた。その女性はダガーを装備している。彼女は僕の前に来ると声をかけてきた。

???「あの〜、すいません。」

ランマル「はい?なんですか?」

???「ランマルさん……ですか?」

ランマル「はい。そうです。」

僕がランマルであることを認めると、彼女は急に抱きついてきた。

???「良かった!人違いじゃなかった!」

ランマル「わわわ!」

む、胸が当たる……

ランマル「ごめん。苦しいから離れて。」

???「あ、ごめんごめん。」

彼女は僕から離れる。とりあえず彼女が琴音か確かめよう。

ランマル「君、フィリアだよね。」

???「正解!私、フィリアだよ。」

良かった、こっちも人違いしなくて。フィリアは琴音のプレイヤーネームだ。SAOにダイブする前に互いにプレイヤーネームと容姿を伝えて、ダイブしたらはじまりの街で落ち合おうと約束していたんだ。

ちなみに僕のアバターネームであるランマルは戦国武将の森蘭丸公から取ったものだ。主君に対して献身的で最後まで傍に居たところが僕の琴線(きんせん)に触れたのだ。

フィリア「それにしてもランマルのアバター、結構可愛いね。」

ランマル「フィリアほどじゃないよ。」

フィリア「いや、絶対ランマルの方が可愛い。」

ランマル「いや、フィリア。」

僕たちは互いにアバターの容姿を褒め合う。馬鹿みたいだけど意外と楽しい。こういうのが普段の僕たちだ。

フィリア「ふふふ。だったら二人とも可愛い。それでいいじゃん。」

ランマル「そうだね。それじゃあ武器見に行こうか。」

フィリア「うん!どんな武器があるんだろうね。」

僕とフィリアは商店街に向かって歩き出す。その途中でフィリアが質問をしてきた。

フィリア「そういえばランマルのプレイヤーネームの由来って何?」

ランマル「それは森蘭丸公だよ。戦国武将の。」

フィリア「へえ〜、私は歴史に疎いから知らないけど、いい名前だね。」

ランマル「そういうフィリアは?」

フィリア「私?私のフィリアって名前はギリシャ語で愛を意味する言葉なんだ。私、リアルネームは【(あい)】って名付けて欲しかったと思ってるから。」

ランマル「そうなんだ。でもフィリアの今のリアルネームも、フィリアってプレイヤーネームも素敵だと思うよ。」

フィリア「あ、ありがとう……」

珍しく琴音が照れた。ホントに可愛いんだから、この子は。

 

 

 

話をしているうちに商店街の武具屋に到着した。さて、武器はどうしよう。この世界の武器は主に、

片手剣、カタナ、両手大剣、ダガー、槍、レイピア、弓などがある。

もちろん僕はカタナを使うことにした。

一方のフィリアはダガーを選んだようだ。運動神経が良い彼女にはぴったりの武器だ。

さて、武器を買ったら【始まりの草原】で試し斬りをしよう。

 

 

 

僕たちが武器屋から歩いていると前からチャラそうな男たちがやってきた。

モブA「女の子がカタナ使うなんて珍しいじゃん。せっかくだから俺たちのギルドに入ろう。俺たちがレクチャーしてあげるからさ。」

モブB「横にいる金髪のキミにもレクチャーしてあげるから。」

うわぁ、こういうヤツらはレクチャーしてくれると思わせといてホントは僕や女の子に対して下心もっている奴じゃん。気持ち悪い。

ランマル「大丈夫です。他のプレイヤーさんに教えてもらいます。」

フィリア「そ、そうです。お引き取りください!」

しかし、立ち去ろうとする僕の腕をチャラ男が掴む。

モブA「せっかく教えてあげようとしているのに……これだから女性プレイヤーは……」

こいつ!しつこい。おまけに女性を下に見てる。そんな時。

???「おい!二人が困ってるだろ!」

今度はバンダナをつけた、これまたチャラそうな男がいた。しかし今はこの人に頼るしかない。

モブA「ちっ!しかたねえな。」

悪い方のチャラ男たちは僕たちから離れていく。

???「キミたち、怪我はないかい。俺、クラインって言うんだ。」

ランマル「あ、ありがとうございます……クラインさん。」

フィリア「ありがとうございます……」

クライン「当然のことをしたってだけさ。ところでキミもカタナ使いなのか?」

ランマル「はい。そうです。」

クライン「俺がカタナの使い方を教えてあげるから、【始まりの草原】に来てくれ。横の子も来ていいから。そこに俺のダチもいるけどいいかな?」

ランマル「ありがとうございます。行きます。」

この人もチャラそうだけど、さっきの人たちよりは信じられそう。

僕たちはクラインさんについて行く。

 

 

 

クライン「よう!キリの字!紹介するぜ!ビギナーカタナ使いのランマルだぜ。」

ランマル「よろしくお願いします。」

???「よろしくな。ランマル。俺はキリト。片手剣使いだ。」

フィリア「わ、私はフィリアです。ダガー使いをしています。」

このキリトって人……如何にもイケメン勇者ってアバターにしてる。リアルだと冴えない顔なんだろうな。

そんな余計なことを考えてる内にレクチャーが始まった。

まずはクラインさんがカタナでフレンジーボアというイノシシ型モンスターと戦っているところを見学する。

クライン「だいだいこんな感じだ。ランマルもそろそろ始めるか?」

ランマル「はい!」

僕もついにモンスター戦だ。クラインさんの動きを参考にカタナを振るう。ある程度モンスターのHPを減らして、トドメにカタナソードスキル【方眼(ほうがん)】をおみまいする。するとモンスターは青い塵となって消滅する。

クライン「おおっ、よく出来てるじゃねぇか。」

ランマル「クラインさんほどではないですが……」

クライン「初心者っていうのはこういうので充分さ。これからは経験を積んで慣れることだな!」

キリト「クラインの言うとおりだな。あとは経験を積むことだ。」

ランマル「キリトさんもありがとうございます。」

一方のフィリアもキリトさんから指導を受けながらダガーでモンスターを倒す。

キリト「いいぞ!フィリア!」

クライン「フィリアもいい線いってるぞ。」

そのまま、僕らはモンスター狩りでレベル上げをする。

僕とフィリアはついにレベル5になる。

キリト「二人とも、レベル5おめでとう。」

クライン「これでランマルとフィリアも普通に戦えるな。」

ランマル「これも全てキリトさんとクラインさんのおかげです。」

フィリア「ご指導、ありがとうございました……」

キリト「俺は何もしてないよ。二人が頑張ったからだな。」

クライン「こんな可愛い女の子たちに言われると照れるな〜。まあ、これが男気っというものよ!困ってる人や初心者には優しくする!当たり前のことだな!」

女の子と言われたのが少し気になるが、まあ気にしない。今の僕は女の子アバターだから。

 

 

 

始まりの街に戻った僕らだったが、ふとメニューを開くとログアウトボタンがない。

ランマル「あれ?ログアウトボタンがない。バグかな?」

キリト「バグなら運営から連絡が来るはず……」

クライン「俺、ログアウトしたら宅配ピザ食べる予定だったのに……」

フィリア「私も今日は弟に夕食作る予定があるんだけど。」

ランマル「少しすればお母さん帰ってくるよ。フィリア。」

フィリア「そ、そうね。」

クライン「今日はゲーム初日だかんな。こんなバグも出るだろ。今頃運営は半泣きかもなぁ。」

キリト「そんな余裕かましていいのか?ピザの配達頼んであるとか言ってなかったか。」

ランマル「冷めちゃいますよ。」

クライン「うぉっ、そうだった!冷めたピッツァなんてネバらない納豆以下だぜ……」

ランマル「ボタン以外にログアウトする方法はないんですか?」

キリト「マニュアルにもその手の緊急切断方法は一切載ってなかった。」

うわぁ……大丈夫かな……このゲーム……

クライン「っつーことはこのバグが直るのを待つか、誰かが頭からナーブギアを外してくれるのを待つか、どっちかしかねぇのか。」

キリト「ただのバグじゃない。【ログアウト不能】なんて今後の運営にもかかわる大問題だよ。それなのに運営からのアナウンスも緊急対応の動きもない……妙だな。」

ランマル「問い合わせが殺到して対応が遅れているとか……?」

キリト「それなら原因がわかるまで全ユーザーを強制ログアウトさせるのが筋だ。一体何が……」

そんな中、不安感をさらに掻き立てるような鐘の音が鳴る。そのあと、僕たちは突然、転移させられる。

 

 

 

ランマル「ここは……転移門広場?すごい数の人がいますねえ。」

クライン「こりゃあ全プレイヤーが集められてんじゃねえか?……お?」

空が赤くなり、空と同じ赤色の巨大なローブ姿の男が現れた。なにこれ?まさか今からボス戦じゃないよね?

???「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。私の名前は茅場晶彦(かやば あきひこ)。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。」

ランマル「茅場さんってSAOの開発者ですよね。これって正式サービスのあいさつですか……?」

キリト「いや……茅場晶彦は今までメディアへの露出を避けてきた。ゲームマスターの役割だって一度もしたことがないんだ。なぜこんなマネを……!?」

茅場「諸君らはすでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う。しかしゲームの不具合ではない。これは【ソードアート・オンライン】本来の仕様である。諸君らは今後、この城の頂を極めるまでゲームから自発的にログアウトすることはできない。外部の人間によるナーブギアの停止、あるいは解除もありえない。それらが試みられた場合……ナーブギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。」

ランマル「それって……死ぬってこと……?そんなことをあのヘルメットが起こせるのですか?これはあくまでゲームですよ!」

茅場「ちなみに現時点でプレイヤーの家族友人らが警告を無視して、ナーブギアの除装を試みた例が少なからずあり、その結果……すでに213名のプレイヤーがアインクラッドおよび現実世界からも永久退場している。」

フィリア「嘘……でしょ。すでに死人が……出ているの……?」

クライン「信じねぇ……信じねぇぞ……オレは……こんなのイベントだろ全部!オープニングの演出なんだろ。そうだろ!」

茅場「今後、諸君らの現実の体はナーブギアを装着したまま、病院その他の施設に搬送され、厳重な介護体制の元に置かれるはずだ。諸君らには安心して……ゲーム攻略に励んでほしい。」

キリト「何を言ってるんだ!ゲームを攻略しろだと!?ログアウト不能の状況で呑気に遊べってのか!?こんなの……もう、ゲームでも何でもないだろうが!!」

茅場「充分に留意してもらいたい。諸君らにとって【ソードアート・オンライン】はもう一つの現実と言うべき存在だ。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に諸君らの脳はナーブギアによって破壊される。このゲームから解放される条件はたった一つ。アインクラッド最上部、第百層までたどり着き最終ボスを倒してゲームクリアすれば良い。」

クライン「クリア……第百層だとぉ!?で、できるわきゃねえだろうが!!ベータじゃろくに上がれなかったって聞いたぞ!!」

茅場「それでは最後に諸君らにとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。」

すると僕たちの手元になんの変哲もない手鏡が出現した。そこに映る顔は……

ランマル「これは……僕の顔?それに他の人も。」

みんな顔がリアル寄りの顔になる。

クライン「うおっ、オレの顔になってんじゃん……」

キリト「お前がクラインか!?」

クライン「おめえがキリトか!?てーこたぁ……そっちのおかっぱヘアーはランマルで、茶髪の子はフィリアかよ!!」

フィリア「え!?私の顔、茅場晶彦に晒されちゃったの!?」

ぼ、僕たちのリアルの顔が……晒されちゃった。それに僕のアバターも男性仕様になっている。まるで現実世界の僕が今、ここに召喚されたみたいになってる。

クライン「ど、どういうこった。」

キリト「あ、ああ……そういうことか……身長や体格も初回セットアップの時に計測されてる。だからこれは……数値化されていても本物の体であり、命なんだと強制的に認識させるために茅場は俺たちの現実の体を再現したんだ……」

茅場晶彦……すごい技術もってるんだね。どうしてその技術を悪用したんだろ……ホントに勿体ない。

茅場「この世界を作り出し、鑑賞するためにのみ、私はナーブギアを、SAOを作った。そして今、全ては達成せしめられた。以上で【ソードアート・オンライン】正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君らの……健闘を祈る。」

そう言うと赤ローブは消滅し、空も元の青空に戻る。

すると広場には怒号、悲鳴、懇願、罵倒。あらゆる叫び声が渦巻く。

「嘘だろ……なんだよこれ、嘘だろ!」

「ふざけるなよ!ここらから出せよ!」

「やだ……こんなのやだよ……お母さん……」

僕が周囲を見ているうちにキリトさんは……いつの間にか姿を消していた。僕は彼を追いかけるように歩き始める。

 

 

 

フィリア「ちょっとランマル!突然どうしたの!?」

フィリアも後ろから走ってくる。

ランマル「キリトさんを追いかけてるんだよ!」

フィリア「ちょっとレクチャーしてもらっただけの仲じゃん!何もそこまで必死に追いかけなくても……」

ランマル「僕はあの人が心配なんだ……なんか一人で色々抱え込みそうで……」

フィリア「ランマル……なら私もランマルのことが心配だからずっと付いて行くね。」

ランマル「フィリア……ありがとう。」

フィリア「当たり前じゃない。だって幼なじみなんだから。」

 

 

 

街の中を歩いているうちに僕たちは突然、声をかけられる。

???「そこの二人、話がしたい」

ランマル「何ですか?」

僕らは振り返る。そこには金髪セミロングの女の人と赤い髪の女の人がいた。二人とも美人だな〜。

???「キミはキリトって人を追いかけてるんだよね。」

ランマル「そうですけど……」

???「やはりか……あっ、名前をいい忘れていたね。俺の名はルナ。片手剣使いだよ。」

???「私はレインです。同じく片手剣使いをしています。よろしくお願いします。」

ランマル「そうなんですか。僕の名前はランマルです。使う武器はカタナです。」

フィリア「私はフィリアです。ダガー使いをしています。」

ルナ「ランマルにフィリアね。覚えておくよ。ところでランマル、この世界でカタナ使いは珍しいね。もしかして歴史好き?」

ランマル「まあ、多少。プレイヤーネームも森蘭丸公にあやかってつけました。」

ルナ「そうなんだ。いいね。さて……本題を言うね。キミはキリトを追いかけてるんだよね?」

ランマル「はい。てかなんでキリトさんの名前を知ってるんですか?」

ルナ「ベータテストの時点で好成績を出していて、彼はちょっとした有名人だ。それに手鏡の時に近くにいたんだ。」

ランマル「そうなんですか……キリトさん……そんなにすごい人だったんだ。」

ルナ「だな。それにしてもせっかく仮想世界に来たのに、閉じ込められるわ、顔を現実と同じにされるわで嫌になっちゃうね。」

ランマル「ははは……そうですね。取りあえず僕とフィリアは攻略のために頑張ります。」

レイン「私も。」

ルナ「俺もそのつもりだ。」

そう言ったルナさんだったが、どこか迷ったような表情をしていた。もしかして……現実世界の家庭環境が悪いのかな……?それとも精神的に何かトラウマがあるのかな? まあ、今はキリトさんを探さないと。でもその前に。

ランマル「ルナさんとレインさん。フレンド登録していいですか?今後、また会いたいので。」

ルナ「いいよ。」

レイン「私も。」

フィリア「あ、私もいいですか?」

ルナ「いいよ。」

レイン「そうですね。数少ない女性プレイヤー同士、仲良くしましょう。」

僕たち四人はフレンド登録をした。この世界でキリトさん、クラインさん、フィリアに次ぐ友だちだ。

ランマル「ありがとうございます。ではまた会える日まで。」

ルナ「こちらこそ。健闘を祈るよ。」

レイン「また会える日、楽しみに待ってるよ。ダスヴィダーニャ。」

僕とフィリア、ルナさんとレインさんは別方向に歩く。

フィリア「赤い髪の子、ロシア語でさよならって言ってたよね。」

ランマル「レインさん?たしかダスヴィダーニャの部分だっけ?」

フィリア「そうだよ。多分あの子はロシア人だと思う。」

ランマル「フィリアって意外と外国語分かるよね。」

フィリア「意外って何よ?私がバカって言いたいの?」

ランマル「いや、そういう訳じゃないよ。」

毎朝僕に起こしてもらってるほど朝弱いし、成績もかなり良いって訳じゃないのに、意外と外国語には詳しいよね。この子。

それにしてもルナさん……一人称は俺だし、首元に喉仏があったような…… どうやら僕とルナさんはある意味、同類みたいなようだ。

 

 

 

ルナSide

 

 

 

ルナ「レイン」

レイン「何?ルナくん。」

ルナ「ランマルはああ見えて男だよ。フレンド登録しちゃって大丈夫?」

レイン「え!?よくわかるね。私、気がつかなかったよ。」

ルナ「喉仏があったからね。」

レイン「そうなんだ……まあ別に大丈夫だけど。」

ルナ「良かった。」

 

 

 

 




キャラ紹介2


レイン
CV 高木美佑
本名は枳殻虹架(からたち にじか)
ログイン時の年齢は15歳。75層クリアの時点では17歳。
現実世界ではアイドル志望の女子中学生。
使用武器は片手剣。
【はじまりの街】転移門前でナンパされた時にルナに助けてもらって以降、彼と共に行動している。
ルナの性別を知る数少ない人物。
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