ヒロインの呼称が変化しているのも、仕様になります。
「クソッ!もう徴収が終った後かよ!?」
湖畔の森緑で狩りを終えて、
コテエリルまで帰って来たら、街は盛大に荒らされていた。
臨時徴収。との事だ。
軍が、ミケルティ王国自体が迷走を始めているように思えた。
だから僕とマルクは旅立ちを決意する。
僕達で出来る事を探して、少しでも現状を改善する為に。
と言う決意を新たにした処で、突然マルクが奇声を上げる。
と言っても原因に検討は着いていた。僕もそうだからだ。
「その調子だとマルク、君もかい?」
「ルイリ!お前もなのか!?」
さあ行こう!と言う処で、
突然僕達の頭に、覚えの無い筈の記憶が生えて来た。
たった今から始める筈の旅の結末。
やがて革命だの、改革だのを成功させた物語の記憶だった。
しかも4つ。4通りの結末の記憶が生えて来ていだ。
その他にも4つの結末分の戦闘経験も、ドカッと生えて来る。
急に歴戦の料師(戦士)になった気分だ。
「どうせなら、もう一日早くして欲しかった」
「まあ起きてしまった事は、もう変えられないよ。
記憶通り、ソフィアさんを助けられて良かった。
と言う事にしないかい?」
「確かに、ソフィアが無事なのは良かったけどな?」
記憶通り、僕達はソフィアさんを湖畔の森緑で助けている。
その態度に、おかしな点は無かったと思う。
ソフィアさんは演技が上手いタイプじゃないから、
少なくともその時点で、
記憶が戻っていた。と言う事は無いと思う。
「それでこれって、
記憶通りに行動すれば、上手く行くって事だと思うか?」
「いや、記憶では後半で4つのルートに分岐している。
だからまずどの結末を目指すか、決めた方が良いと思う」
僕達はこの記憶を、偽の記憶だと疑ってはいない。
何と無く、本当に在った事なのだと確信している。
「少なくとも革命か、改革だろ?
悪いがセテアや、ミレイアに協力って線は無い」
「だろうね。なら、具体的にどっちを目指す?」
「改革じゃないか?
革命は止むを得ずって感じだし、
セドリックを失うのは、大き過ぎるだろう」
革命の結末で、セドリック殿下が死ぬ事は無い。
だけど王族として責任を取って、島流しの追放処分になる。
当然ながら、政治的に復帰する事も無い。
「それにセテアも、出来る事なら五体満足で助けたい。
元気な姿で、セルマさんに逢わせてやりたい」
革命の結末でも、セテア王女を助ける事は出来た。
出来たけど記憶障害を発症して、精神退行を患う事になる。
これを救いだと解釈する事も出来るだろう。
だけど最善だとは思えない。そんな結末だった。
「出来るだけ早くセテアと接触して、セルマさんに逢わせる。
それでネフィール王国との繋がりも切る。
今からなら、きっとまだ間に合う筈だ」
「どうやってセテア王女と接触を?
相手は王族だよ」
「大丈夫だ。その答えも記憶に有る」
マルクは革命でも改革でも無い結末で、
セテア王女の密偵を務める事になる。
だから知っているのだと言う。
城に出入りする為の符丁や、隠し通路の存在を。
「そうか、なら行けそうかな?
だけどそれなら、アセリアさんはどうするの?
合流を諦めるのかい?」
セテア王女の件は、それで行けるかもしれない。
だけど改革を目指すなら、
恐らくアセリアさんとの合流は、諦めなければならない。
記憶の中では、
改革に辿り着くルートで、アセリアさんに遭っていない。
詰り碧王の庭園遺跡群に侵入していないからだ。
「それは多分大丈夫だろう。
遺跡を探索してアセリアを回収するパーティーと、
開放した入口を封鎖するパーティーの、二手に分ければ良い」
記憶の中の改革では、碧王の庭園遺跡群に入らない。
逆に革命では碧王の庭園遺跡群に侵入して、
アセリアさんと遭遇する事になる。
だけどネフィール王国に古代兵器を回収されて、
戦争の引鉄になってしまう。と言うデメリットが存在する。
だけどマルクの言う通り、
ネフィール王国が古代兵器を回収したタイミングは、
僕達が碧王の庭園遺跡群を開放した直ぐ後だろう。
それ以前に古代兵器の回収を済ませているなら、
革命だけでは無く、改革で古代兵器を投入しないのはおかしい。
だから改革で入口を封鎖するのは、きっと効果が出る。
「アセリアさんの件も、それで行けそうかな。
それで他に、何か注意する事は有るかい?」
「密輸。ダメ!ゼッタイッッ!!」
「あぁうん。それが有ったね?」
気軽に密輸の依頼を受けてはならない。これは絶対だ。
何の因果かは解らないけど、
密輸の依頼を受けると、記憶の結末が悪い方に傾く。
「さて、大まかな方針はこれで良いかな?」
「ルイリ、お前に頼みたい事が有る」
マルクの頼み。
マルクはセテア王女の説得に成功したら、
定期的にリヤマで、セルマさんに逢わせたいらしい。
だけどこれは、記憶よりずっと時間が必要になる。
だからマルクに代わって仲間内のフォローやら、
コミュニケーションやらを取って欲しい。との事だった。
「良いのかい?
マルクのモテモテハーレムが、崩壊しないかな」
「俺の本命はソフィアだ」
マルクは記憶の中で、
殆ど全員の女子に手を出しているだけでは無く、
その上で、娼館にも平然と通う男だ。面構えが違う。
「まあ、手を出さなければ問題無いよね?」
と、この時の僕は思っていた。
だけど欠片もマルクを嗤えなくなるのは、
もう遠くない未来だった。
†
記憶通り上手く行った。
色々有ったけど、僕達は改革に辿り着いた。
ミケルディ王国はセドリック王の元、改革が行われる。
記憶のサポートが有って、
戦闘経験の継承も有ったのは、やはり大きかった。
だけど改革でありながら、アセリアも居る。
例の出入口封鎖作戦が成功した結果だった。
セテア王女も居る。
今はソフィアさんも一緒で両手に花で、
マルクとイチャコラしていたりする。
これはもう4つの結末とは異なる、第5の結末と言えた。
「決めたよ」
そして僕も、記憶とは異なるエピローグを辿る事になる。
僕はマルクに頼まれて、皆のフォロー役に回っていた。
中でも特に関係が変化したのは、シャルロットだ。
シャルロットの新商品開発に協力した。
素材集めに協力したり、相談に乗ったりもした。
記憶が有ったから、上手くやれたと思う。
そうしてシャルロットと多くの時間を過ごす内に、
シャルロットが、僕の心の多くを占めるようになる。
それはシャルロットもきっと同じで、
僕は、シャルロットと夜を過ごす仲になった。
でもそれは長く続かなかった。
彼女は告げる。貴族の務めを果たすと。
貴族の子女の務め。後継ぎを産んで、家を護ると言う意味だ。
だけどそう告げられて、あっさり諦められる程。
僕に取ってシャルロットは、小さく何て無かった。
「僕は(トキヤ武将)国に帰る。
帰って当主になる。
当主になって、シャルロットを向かえに行く」
「ル、ルイリ?」
零れる筈もなかった言葉が落ちて行く。
あれほど嫌っていた故郷が、どうでも良くなる。
有難くさえ思ってしまう。
自分でも驚く程に、決意が固まって行く。
「僕はシャルロットを離さない。
トキヤ武将国を、何を利用しても離さない。
キミの事が、好き何だ」
僕から離れて行こうとするシャルロットを、
物理的に抱き締めて、拘束してから告白する。
拘束して逃げられないようにしてから、口も塞いだ。
呼吸が必要になるまで、ずっとだ。
「ルイリって、
こんなに強引だったのね。意外、だった」
腕の中でシャルロットは、笑顔を浮かべていた。
そうして彼女は、彼女らしい言葉を紡いで行く。
「此処で物語なら、
『私、待ってる!』とか言うのかしら?
でも、私は違う」
「私はルイリと一緒に行く。
ルイリと一緒にトキヤ武将国に行って、
ルイリのお嫁さんになる。
ルイリの家族にだって、認めさせてあげるから!」
それはもう告白の返事と言うより、宣戦布告だった。
だけどこれで良い。
僕達はこれから、望んだ結末を手にする為に戦うのだから。
†
「おかしく何てないだろ。
惚れた女の為に頑張って、何が悪い?」
僕とシャルロットの事を、
トキヤ武将国に帰国する事を、皆に伝える。
対するマルクの応えがそれだった。
「俺もトキヤ武将国に行くぞ。
ルイリの行く道を、切り拓いてやる」
何とも頼もしく相棒が応える。
あっさり平和的に当主になれないだろうから、本当に助かる。
「次の戦場は、トキヤ武将国ね。
腕が鳴るわ」
マルクに続いたのは、アルヴィナさんだ。
いつもの好戦的な笑みを浮かべている。
「水臭いですね、
勿論私も同行します」
次に声を上げたのは、ヴェラだった。
ヴェラとは、例の執筆活動で仲を深めた。
今ではこうして、快く力を貸してくれるようになった。
「此方も行こう。
ルイリの行く道を、見届けようぞ」
そしてセレスも声を上げる。
セレスとは、精霊絡みの件で協力して友好を深めた。
「ルイリの敵、殲滅する」
最後に応えたのはアセリアだ。
アセリアとは、何かと自由時間を共に過ごした。
特に貴族の館に突撃しそうになった件は、本当に驚く事になる。
それにアセリアは好奇心旺盛で、
マルクが両手に花でイチャコラしていると、解説を求めて来る。
解説は丁寧に、実演でしっかり伝えた。
これがアセリアと、仲を深めた切欠になる。
「悪いが、俺様はユイドラを離れられない。
今は何かと大切な時期だからな」
まだ改革は始ったばかりだ。
ユイドラで多忙のルーデンステルグさんは不参加。
エルネスさんも流石に神殿に帰ったし、
セラは尖晶樹の森へ、メティも国に帰って行った。
ロランは当然ながら城に戻った。
セドリック王をサポートして、今日も書類に埋もれている。
吟遊詩人を装う暇は、暫く無いらしい。
後はソフィアさんも離脱組だった。
ソフィアさんはもう、リヤマで平民の代表的立場で、
何かと忙しく日々を過ごしているようだ。
「決意は固まりましたか、ルイリ様」
そして問題のナユエへの返答だけど、
もう決意を固めた僕に取って、何の障害にもならない。
僕の隣りにはシャルロットが、後ろにはマルク達が控えている。
ナユエも傭兵らしき手勢を控えさせていた。
正に臨戦態勢だけど、今回は戦いに来た訳じゃない。
「あぁ、僕はトキヤ武将国に戻って当主になる」
「流石はルイリ様。良く御決断頂けました。
意外、ではありますが」
流石のナユエも、僅かに眉を揺らす。
それもそうだろう。ナユエに取っても埒外の筈。
「条件が有る」
「伺いましょう」
「一つ、
此処に居るシャルロットを正妻とする事」
僕はシャルロットの腰を抱き寄せて告げる。
ナユエの表情に動きは無い。
「其方の御令嬢はミケルティ王国の、ならば問題は無いでしょう。
何か囀る者が居ても、対処可能な範囲内です」
「二つ、
マルク達を直属の臣下として、トキヤ武将国に招き入れる」
「ルイリ様にも側近は必要です。此方も問題有りません」
前提条件は整った。
だけど油断は出来ない。それは、
「僕達の戦いは、これからだからね」
†
此処からは、用語解説になります。
↓以下参照です。
革命
原作の【動乱のあと】ED。通称動乱EDの事。
シナリオ的にも、一番の盛り上がりを魅せてくれます。
ラスボスもカッコイイ☆
それと此処が、正史EDらしいです。
改革
原作の【仲間たちと再会】ED。通称再会EDの事。
一見すると平和的なラストですが、
伏せられたままの真実も多く、ノーマルED感が酷い。
密輸
数多の百千プレイヤーが陥ったと思われる罠イベント。
密輸イベントを受けると、カオスルート直通。
しかも断ると、イベントは即座に終了。
受けるとシナリオ続行。と言う誤認し易い鬼仕様です。
個人的には密輸は周回イベントにして、
初回はロウルートに誘導しても良かったのでは?
と思っています。
本命はソフィア
正史EDである動乱をクリアすると、
ソフィアとアセリアの追加イベントがプレイ出来ます。
故にマルクの本命は、
ソフィア何だろうな~と言う予想(絶望)から来るネタ。
シャルロットの決意
最後にシャルロットは、貴族の務めを優先してしまいます。
マルク(主人公)もそれを受け入れてしまう流れ。
ですが帰国ルイリなら、
身分的にも解決するのでは?と言うコンセプトです。
ナユエの判断
本作では正妻や臣下の件を、あっさり認めているナユエですが、
まずルイリを帰国させる事を、優先している設定になります。
帰国が無事済んだら、
トキヤ武将国出身の側室とか、臣下を勧めて来そうです。
本作のマルクが手を出したメンバー
ソフィア/セテア/アルヴィナ/エルネス
本作のルイリパーティーのメンバー
シャルロット/ヴェラ/セレス/アセリア
離脱組のメンバー
ルーデンステルグ/ロラン
ソフィア/エルネス/セラ/メティサーナ
未加入設定のメンバー
某メイド天使/ラストのCGが綺麗な王女/苦労人護衛剣士
シャルロットを嫁にしたいだけの作品でした☆