ミステリアスな糸目キャラに憧れたら如何にも怪しすぎる不審者になった   作:あーあ=あ

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ミステリアスな糸目キャラに憧れたら如何にも怪しすぎる不審者になった

「随分と変わりましたねぇ」

 

 ほんと変わったよな。見慣れてるはずのミアレシティも五年も経ったらこんなに変わるもんだよな。

 

 ああ、失礼。俺は…どこにでもいるポケモントレーナー。そして転生者?気がついたら生まれ変わっていたから転生者かすら分からないけど前世の記憶を思い出した。

 

 ここはポケットモンスターの世界でカロス地方のミアレシティ。生まれは別の地方だけど5年前に旅をしていた。

 

 偶々XYの本編とかち合い主人公のカルムくん達五人組やプラターヌ博士と知り合いフレア団の事件に介入しカルムくんの物語をその場で拝むことができた幸運者。

 

 流れでAZさんとも知り合いクリア後のハンサムイベントでもハンサムさんやマチエールちゃんとも交流。ひと段落ついた時に旅を再開しカロスの地を離れたんだ。

 

 それからは色んな地方を旅をして繰り返しこのカロスの地へ戻ってきた。

 

 ミアレ駅から降りると五年前には見られなかったポケモンに見慣れない店が増えていたりと様変わり。

 

 とりあえずプラターヌ博士に会いに行こうかな。デクシオくんとジーナちゃんは元気にしてるだろうか。その後はミアレシティのジムリーダーシトロンくんやユリーカちゃんとも顔を合わせておきたい。

 

 えーとポケモン研究所はサウスサイドストリートの通りにあったはず。こっちだね。

 

 サウスサイドストリートを歩くと緑色のホロが道を塞いでいた。なんだろこれ…?

 

 近づくと視界の上にホロ看板が表示された。

 

「ワイルドゾーン1?ふむ」

 

 内容を見るに野生ポケモンが生息しているみたいだね。…なんで町の中に野生ポケモンの生息園を作っているんだろうか。

 

 普通に危険だと思うんだけど…一部の建物は飲み込まれているし…プラターヌ博士に聞けば分かるか。

 

 腰のベルトに付けたモンスターボールを一つ手に取り放り投げる。

 

「ブラッキーお願いします」

 

「らぁ」

 

 出てきたのは相棒のブラッキー。

 小さい頃から一緒の手持ちだ。残りのボールにもポケモンが入っているが…大半が出したら面倒なことになる。

 

 ……()()()()()が入っているからね。

 良く仲間にできたと当時の俺を褒めるか踏みとどまらせるために殴りたい。

 

 ブラッキーだけでも人並みに戦えるから問題はないんだけどね。

 

 警戒するブラッキーの後に続いてワイルドゾーンを歩く。ヤヤコマにホルビー、ビードルとメリープ。見える範囲ではこれぐらいか。

 

 襲ってくる様子はない。寧ろブラッキーにビビって逃げている。…そんなに威嚇しなくてもいいんだよ?

 

 何事もなくワイルドゾーンを通り抜けた。

 ……なんかジロジロ見られているな。…あれかな?黒い帽子に黒スーツとか黒ずくめコーデをしていること?

 

 それとも糸目だから…とか?

 普通に有り得そう。この人相と喋り方から怪しまれることは珍しくない。

 

 これも若気の至りと言いますか。

 

 前世はフツメンだったし…ちょっとミステリアス系に憧れていて糸目だったしなりきってみようと思い立ったのがはじまり。

 

 一人称を俺から私に、敬語を常時使えるように矯正して。…ただミステリアスではあるけどそれ以上に怪しい男へジョブチェンしちゃった。

 

 当時の俺を知っているブラッキーもといイーブイは突然の豹変に恐怖して一週間は近づかなかったし両親は俺を担いで病院に駆け込むぐらい錯乱していた。

 

 町の中でも軽い騒ぎになったよなぁ。懐かしい思い出。巷じゃスリーパーに洗脳されたとか本物の俺は殺されていて誰かが成り代わっているんじゃないかとか言われてたよ。

 

 なんの罪もないスリーパーさんが流れ弾を喰らう。…今は医療に貢献しているから許したげて。

 

 今更一人称や言葉遣いを変えるのも面倒くさいのでそのままにしている。

 

 気にしても仕方ない。

 帽子を押さえてポケモン研究所へ。

 

 インターホンは押さず勝手気ままに中へ入った。

 

 プラターヌ博士からも好きに入っていいよと言われているから大丈夫。

 

 ……中は全然変わっていないね。

 あーうん、凄い顔で見ている。落ち着いて俺は悪い人じゃないよー。…あ、悪化した。

 

 違うか。これブラッキーが…。

 

「おやめなさい」

 

「…るぅ」

 

 そんなしょげないでよ。大丈夫。ここにいる人たちは悪い人じゃないから安心してね。

 

 ブラッキーの頭を撫でる。…これでよし。

 ……さて、うーん。

 

 顔を引き攣らせ後退る受付らしき女性。

 他にもいるのか恐怖、または警戒をしている。……仕方ないかぁ。

 

「失礼します。博士はいますよね」

 

「…は、博士……ああ、所長代理ですね!はい!所長室に居られます!!」

 

 ……所長代理?

 

「ありがとうございます」

 

 お辞儀をしホッと息を吐く女性を通り過ぎエレベーターに。所長室は3階だったね。

 

 ボタンを押す。エレベーターが上昇し3階につく。外に出てプラターヌ博士の元へ。

 

「だれ?こんな忙しい時に…」

 

 プラターヌ博士はいなかった。その代わりに……フレア団のモミジさんが所長の椅子に腰をかけていた。

 

「お久しぶりですねモミジさん」

 

 どゆこと?…所長代理って言ってたよね?

 プラターヌ博士の代わりにモミジさんが博士やってるの?…え?

 

「チッ…なんでよりによってアンタがここにくるのよ」

 

 うわっ…露骨に嫌悪感を顕にしてる。ブラッキーステイ。アイアンテールを納めなさい。

 

「相変わらずのようですね。その減らず口は」

 

 ある意味これぐらい自由の方が楽しそうではあるよね。

 

「その薄ら笑いも変わらずね。で、なに?アンタに構ってるほど暇じゃないのよ」

 

「プラターヌ博士に会いに来たのですが無駄足だったようです」

 

 モミジさんと会えただけ良しとしよう。

 

「こっちはアンタが来たせいでガン萎えよ」

 

 ガチで言ってるわ。ほんと嫌われてるよなぁ。…どうして所長代理しているんだ?

 

 フレア団の大半は逮捕されたはず。もしモミジさんが逃げられていたとして、ミアレシティでそれも所長代理なんてできる立場ではない。…あ、なるほど。

 

「フフッ…司法取引ですか」

 

「チッ」

 

 苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

 本当にあるんだ。

 映画やドラマでしか見たことないわ。

 

 しかも監視の意味合いもあるよね。

 目立つ立場に付かせて逃げられないようにする。

 

 えっと…その、なんだろう。

 

「お土産にいかりまんじゅうがあり」

 

「いる」

 

 懐からいかりまんじゅうを取り出すとひったくられた。乱雑に紙袋を破り箱を開けていかりまんじゅうを取り出し食べ始める。

 

「フエンせんべいともりのヨウカンもありま」

 

 あ、はい。渡すので食べながら頷かないでください。…ミアレから出れないのはキツイもんだよなぁ。

 

 しかも顔にクマがあるし無意識に髪を掻きむしっている。…フレア団の時よりもやばいんじゃないかな?これ……。

 

「私で良ければ話を聞きますが」

 

 …あ、凄い顔してる。俺が優しくしちゃダメかい?……ああ、話してくれるんですね。

 

 ★

 

 ポケモン図鑑登録のキャンペーンを終えてポケモン研究所へ行く。

 

 受付の人が顔を青ざめていたけど気にせずエレベーターに入り3階へ向かった。

 

 エレベーターのドアが開かれ外に出た時。

 

「くっそ!」

 

「落ち着いてください」

 

「アンタは黙って聞いてなさい!市長め!都市開発に資金を注ぎ込みすぎ!街中にポケモンが増えて嬉しいけどさ。調査が追いついてないっての!人とポケモンの距離感とかどうすんのよ!」

 

「そうですね。距離感には色んなパターンがありますし距離感を誤れば事故は免れません」

 

「そう!そうなのよ!アンタは分かってるわよね。……代わりに所長」

 

「ふざけたことを抜かす元気があるならば仕事した方がいいのでは?」

 

「は?」

 

 女性の怒鳴り声がして驚き顔を強張らせる。

 ……と男性の落ち着いた声が聞こえた。

 

 恐る恐る近づき様子を伺う、と黒いシルクハットに黒いスーツを着込んだ男性と白衣を着た女性。彼女が所長代理で……この人は?

 

「客人のようですよ」

 

 あ、バレた…!

 

「ん?あら、お一人?」

 

 女性に声をかけられる。

 

「えっと……違います」

 

 ポカブと一緒だから。

 思った通りに答えると──

 

「ですよねーポケモンがいるもんね」

 

 女性は椅子から立ち上がり前に出てくる。

 

「あたしは所長代理のモミジです」

 

 白いパッドロトムを操作しながら自己紹介をしてくれた。軽くお辞儀をし…男性を見る。

 

 研究所には不釣り合いの服装。開いてるか分からない細い目で眺めていた。……怪しい、凄い気になるけど、モミジさんは気にせず話を続けていきわたしが捕まえたポケモンをチェックしている。

 

 あれ……?足元に黒い何かが…。

 

「るぅ」

 

「わっ!…ブラッキーだ」

 

 可愛い!しゃがみこんでブラッキーを撫でる。目を細めて気持ちよさそうに…このブラッキーは──

 

「おや、ブラッキーが撫でさせるとは珍しい」

 

 あ、怪しい男性のポケモン……。

 

「アンタのブラッキーて好き嫌い激しいよね」

 

「そうですね。ここまでとなると…なるほど貴方名前は?」

 

「あ…セイカです」

 

 名前言っちゃった。…でも悪い人では無さそう。ブラッキーってことは懐いてるわけだし…ッ!

 

 男性の目が大きく開く。

 綺麗な碧眼がジッと見つめている。

 

「…セイカさんですか。失礼、私の自己紹介がまだでしたね。私の名前は──」

 

 帽子を外し胸に当て深くお辞儀をした。

 

 この後のことは曖昧かもしれない。

 モミジさんからモミジリサーチという調査をお願いされて外に出たら…MZメンバーのピュールと出会い帽子を貰った。

 

 寄り道をして気がついたらホテルZに帰っていて……。

 

「おや、またお会いしましたね」

 

「おかえり!この人はお客様だよ!AZさんとフラエッテの知り合いらしいんだけど丁度留守にしてるんだよね」

 

 ポケモン研究所で出会った……さんとタウニーがティータイムをしていた。

 

 ……分からないけどなんかイラっとした。

 

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