魔女ノイナイ魔女裁判   作:テラウラ

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楽園島 Part8

明るい光が目に差し込む。

 

「……」

 

もう朝か、と腕時計を見ると、まだ6時前。

 

「……あ、そっか……電気点けっぱだった」

 

昨日は"防犯対策"とか言い訳しながら、

そのまま明かりを消さずに寝たんだっけ。

そりゃまぶしいわけだ。

 

苦笑しながら、スイッチに手を伸ばして電気を消す。

部屋は一気にやわらかい朝の色に包まれる。

 

「まずは顔洗お」

 

洗面所で冷たい水をすくって、顔をばしゃばしゃ。

目の奥までシャキッとする感じがして、眠気が一気に引いていく。

 

昨日は朝食を食べ損ねたので、今日はもう6時ジャストに食堂に行こう。

 

パーカーを羽織って、ドアを開ける。

廊下はまだ静かで、足音がやけに響いた。

 

「この時間、誰かいるかな……」

 

そんなことを考えながら歩いていると、

食堂の前に着く頃、腕時計をみるとぴったり6時。

 

(……流石に一番乗りか)

 

そして、今まさに料理が運ばれてきたであろうビュッフェ台へ向かう。

湯気がふわっと立ちのぼっていて、それだけでお腹が鳴りそうになる。

 

ふと厨房の方を見ると、中に入っていく銃業員の姿が目に入った。

 

(というか、よくあんな少ない人数で回していけるよな……)

 

ここに来てから、ホテル側の人数がやけに少ないことには何度も気づいている。

それでも料理はちゃんと出てくるし、掃除も行き届いている。

 

おそらく、私の与り知らない何か特別な力が働いているんだろう。

 

……あんまり深く考えない方がいいやつだな、これ。

 

そんなことを思いつつ、

とりあえず今日も無事にごはんが食べられることに感謝してトレイを手に取った。

 

 

朝食を食べ終わり、トレイを下げて食堂を出ようとしたそのとき、

ちょうど入れ違いになるようにライトが食堂に入ってきた。

 

「あ、おはようライト。お先」

 

 私は軽く手を上げる。

 

「あら、おはようマキちゃん。今日はずいぶん早いわね」

「たまたま目が覚めちゃってさ」

 

そう答えながら、トレイを返却口に置く。

 

「この時間帯の料理って、一番出来たてに近いのよね」

「匂いも、味も、食感も、全部が新鮮で……ふふ♪」

 

……やっぱりこの人、朝ごはんガチ勢だ。

自分で自分をグルメだって言うだけあるな。

 

そう言って、ライトは楽しそうにビュッフェ台へ向かっていった。

 

(初日に私に毒見させてた人とは思えないな……)

 

その背中を見送りながら、私は苦笑しつつ食堂を後にした。

 

 

(……さて、腹ごなしに散歩でもするか)

 

昨日はグラウンドで運動する予定だったのに、

結局はDVD鑑賞三昧の超インドアな一日で終わってしまった。

 

今日はその分、ちゃんと体を動かしたい。

私は海岸の方へ足を向けた。

 

ホテルを出ると、空気が一気に変わる。

少し湿っていて、でも冷たすぎない朝の海の匂いだった。

 

「……静かだな」

 

この島に来てから何度も聞いているはずの波の音なのに、

朝の海の音は昼や夜とは少し違って聞こえた。

 

(……そういや、せっかくの海なんだし、

 何か海のレジャーとかないのかな?)

 

ふと思う。

 

シュノーケリング、カヤック、サーフィン、海釣り……。

 

頭の中で、観光パンフレットみたいな単語が並んでいく。

 

まぁ、今のこの気温だと、海に潜るのはちょっと寒いかもしれないけど。

 

(もしかして、『夏のエリア』とかもあるのかな?)

 

この島、やたらと整備中の場所が多いし、

区画ごとにテーマ分けされてても不思議じゃない。

 

そこが解放されたら、海のレジャーもし放題、とか……。

 

想像するだけなら普通のリゾートみたいだ。

 

浮き輪でぷかぷか浮かんで、日差しに目を細めて、

何も考えずに波に揺られて。

 

「……」

 

考えると、ちょっと魅力的に思えてしまう。

 

「……整備、早く終わらないかな」

 

……。

これは決して、レジャーがしたいから出た言葉じゃない。

 

そこから島を脱出する手がかりが見つかるかもしれない。

ただそれだけだ。

 

「うん、そうだ。うんうん」

 

誰に聞かせるでもなく、小さく言葉にする。

 

 

一通り海岸を歩き終えて、日もしっかり昇ってきた頃、

グラウンドの方からやけに騒がしい声が聞こえてきた。

 

何だろう、と思って目を向けると――

 

「ダイヤと、ナツミと、ポム……?」

 

そこには、何やら色々なものを次々と粉砕している、なんかすこし怖い人がいた。

 

「な、何やってるの……?」

 

思わず声をかけると、ナツミが振り返って、にっと笑った。

 

「あ、マキちゃん、昨日ぶりやな」

 

ポムも片手をひらひらと振ってくる。

 

「ダイヤにね、いっぱい粉砕させてるの」

「ごきげん……ようッ!」

 

その声と同時に、ダイヤは瓦割りの要領で、

岩みたいな塊を真上から叩き割った。

 

ガァン!

 

重い音と一緒に、粉と破片が四方に飛び散る。

 

「……え、何それ、怖……」

 

思わず後ずさる私に、ダイヤは優雅に手を払って微笑んだ。

 

「この方々のリクエストにお応えしていますの」

「リクエスト……?」

 

ナツミが肩をすくめて説明する。

 

「ダイヤちゃんが粉砕できなさそうなもんを集めてきて、

 粉砕されへんかったもん持ってきた方の勝ち、っていうゲームや」

「わたくしは自身の鍛錬にもなりますし、一石二鳥ですわ」

「……なんつー不毛な遊びなんだ……」

 

ポムはどこから調達したのか、瓦みたいな板を何枚も抱えてきた。

 

「じゃあダイヤ、これも一気にやってみて!」

「もちろんOKですわ。いきますわ……よッ!」

 

ダイヤは一歩踏み出し、深く息を吸ってから、手刀を振り下ろした。

 

パァンッ!!

 

乾いた音と同時に、瓦は見るも無残に粉々に砕け散り、破片が空に舞い上がる。

 

「うーむ、これも駄目か……」

「あーもうこれ、普通の物質やと絶対無理や。

 誰かダイヤちゃんにダイヤ持ってきたって~!」

 

ナツミが大袈裟に天を仰ぐ。

 

「……いえ、わたくしもまだまだですわ。

 あの"りんご"を粉々にするまでは、私も半人前ですわ!」

 

あのりんごって、発表会のときのあれか……。

たしかヤヒメの【物質強化】の魔法がかかったりんごだっけ。

 

「ヤヒメ、へこませられること自体がおかしいって言ってたよ。

 ゾウが踏んでも壊れないりんごだって」

「壊れないほど、美しい。

 ……ふふ、壊しがいがありますわね」

「こわいて」

 

不敵に笑うダイヤを、ナツミが若干引いた目で見ている。

すると、

 

「そちらはよろしいんですの?」

 

と、ダイヤがナツミの後ろ――

いつの間にか集まっていた、石だのレンガだの、

見るからに硬そうなものの山を指さした。

 

「あ~、ダイヤちゃんも疲れてるやろし、

 もう大丈夫やで。ええ時間やし、そろそろみんなでお昼にしよか」

 

ナツミは手をひらひら振って、場を畳もうとする。

 

「そうですの。ですが――」

 

ダイヤはにこりと微笑んだまま、ゆっくりと人差し指を立てる。

 

「わたくし、物事は"最後までやり切る"主義ですのよ」

 

そう言って、指を、くい、くい、と動かした。

その仕草は明らかに、

 

"後ろのそれも持ってきなさい"

 

と言っている。

 

ナツミは肩を落としつつ、

後ろに置いてあった様々な鉱石をダイヤの元へ差し出した。

 

「……ワンチャン、耐えられへんかな……?」

 

と、ナツミはどこか憐れみを含んだ眼差しで鉱石たちを見つめている。

 

ダイヤはその塊を一瞥し、ゆっくりと息を吐き出した。

 

「では……まとめて"締め"と参りましょうか」

 

背筋をすっと伸ばし、手首を軽く回し呼吸を整える。

 

「……いきますわ」

 

振り下ろされた手刀。

 

ガンッ!!

 

今までとは違う、鈍くて重たい音が響いた。

一瞬、何も起きなかったように見えて――

 

ピシッ……ピシピシッ……

 

鉱石の表面に細かい亀裂が走り、それが一気に広がって、

 

バキンッ!!

 

見事に砕け散った。

 

「……割れたぁ!?」

「かぁ~、やっぱ無理やったかぁ~!」

 

ダイヤは少しだけ息を整えてから優雅に微笑む。

 

「ふふ……今日の成果はなかなかでしたわね」

「なかなか、のレベルちゃうでそれ……」

「ダイヤ、お前がナンバーワンだ……」

 

ナツミは頭を抱え、ポムは素直に拍手する。

その言葉に、ダイヤが大変満足そうに頷く。

 

「さてさて!」

 

と、ナツミが手を叩く。

 

「ほんまにもうええ時間や。

 これ以上やったら昼ごはん逃すで~」

「それは困りますわね」

 

「ですが──」

 

そのダイヤの逆説詩に二人は「え?」となる。

 

「まだ、終わっていませんわ」

「え、ちょ、まだやるん……?」

「いえ、そういう意味ではありませんの。周りをご覧なさいな」

 

見渡すと、グラウンドのあちこちには

砕けた石。割れた瓦。元は"硬そうだった何か"のナレハテ。

 

「……あ」

「……めっちゃ散らかっとるやん」

「粉砕の爪痕だね」

 

「他の方の迷惑にならないよう、

 散らかした物は綺麗に片付けるのが常識ですわ」

 

ダイヤは胸に手を当て、涼しい顔で言い切った。

 

「ポムさんの【重力操作】、ナツミさんの【時間停止】、

 そして、わたくしとマキさん。

 これだけいれば、一瞬で片付けられますわ」

「え、なんで私も……?」

「マキちゃん、これ終わったらお昼やで」

「やるか」

 

ポムがふわっと手をかざすと、瓦や石が少しの風で揺れ出す。

すると次の瞬間、その瓦礫は即座に消え、一か所に集められる。

 

私は紙のように軽くなった瓦をぽきぽき回収していく。

 

ダイヤはというと、優雅に歩きながら、

落ちていた小さな欠片まで見逃さず拾っていた。

 

数分後――

 

グラウンドは、粉砕大会が開かれていたとは思えないほど

綺麗さっぱり元通り……どころか、むしろ最初より整っている。

 

「……なんか、さっきより綺麗じゃない?」

「粉砕前より整備されとるやん……」

 

ダイヤは満足そうに頷いた。

 

「"最後までやり切る"というのは、こういうことですのよ」

 

そう言って、にこりと微笑む。

 

「では――お昼と参りましょうか」

 

その一言に、全員の顔が一気に"ごはんモード"に切り替わった。

 

(……この人、粉砕も掃除も全力でやるタイプなんだな……)

 

そんなことを思いながら、私たちは昼ごはんへと向かった。

 

 

三人で賑やかな昼食を楽しんだあと、私はひとり庭園へ向かうことにした。

 

昨日とは打って変わって、なんだか今日はずっと外の空気を吸っていたい気分だった。

何も考えずに体を動かしたいというか、ほぐしたいというか。

 

庭園に入ると、すぐに人影が目に入る。

 

「……あ、ミサと、マリーと、ヤヒメ?」

 

すでに先客が三人いた。

 

どうやら三人は、庭園の中で即席の鬼ごっこをしているらしかった。

 

「マリー、そっち行き止まり~」

「え~、こっち近道だよ!」

 

ミサが鬼で、マリーとヤヒメが逃げる側、という構図みたいだ。

 

ミサは見た目よりも意外と素早くて、花壇の縁をひらりとまたいで、

マリーの目の前にすっと現れる。

 

「今の、ずる~!」

「ずるじゃない」

 

マリーはそう言いながらも笑いながら逃げるけど、

足が短いぶん、どうしても距離が詰まる。

 

「はい、タッチ」

 

タッチされて悔しそうに口を尖らせていたマリーは、

ふと私の姿に気づくと、ぱっと表情を明るくした。

 

「マキちゃんも一緒にやろ!

 みんなでじゃんけんし直しね!」

「え?」

 

いきなり話を振られて、思わず間の抜けた声が出る。

 

「自分が鬼になったからって~」

 

ヤヒメが笑いながらマリーにぐいっと近づく。

 

「え~、だって鬼たいへんだもん~」

 

そんな二人のやり取りを見て、ミサがちらっと私の方を見る。

 

「マキ、無理に付き合わなくていいよ。散歩してただけでしょ?」

 

ミサの私を気遣った言い方がちょっとだけ優しすぎて、逆に断りにくくなる。

 

「いや、私もちょうど体動かしたいと思ってたとこだし、全然いいよ」

 

そう言うと、マリーの顔がぱっと花が咲いたみたいに明るくなった。

 

「やった~! じゃあ四人でだね!」

「よ~し、人数増えたから本気出す~」

 

ヤヒメが謎の気合を入れ、ミサは小さくため息をつきながらも、口元は少し笑っていた。

 

「……じゃ、改めて決めよっか。じゃんけんで、鬼」

 

四人で円になって、手を前に出す。

庭園の真ん中でちょっとだけ真剣な顔で――

 

「じゃん、けん、ぽん!」

 

 

────────

 

 

私たちが鬼ごっこに夢中になっていると、

庭園の入り口の方に、人影が見えた。

 

ノクスだ。

 

……と思った次の瞬間、私たちに気づいたノクスは

まるで見なかったことにするみたいに、

くるっと踵を返して、庭園を出て行こうとした。

 

そこにためらいなく声をかけたのは、やっぱりマリーだった。

 

「あ、ノクスちゃーん!

 ノクスちゃんも一緒にやろ!」

 

いや、さすがにそれは少しハードルが高いんじゃないか……?

 

私は内心でそう思いながらも、慌てて後を追った。

 

ノクスは数歩進んだところで足を止め、ゆっくり振り向く。

 

「……あなた、私が怖くないの?」

「え? 怖いって?」

 

マリーはきょとんとした顔で首をかしげる。

 

「……私が最後に魔法を使ってから、もう48時間以上経っているわ。

 つまり、今はいつでも魔法を使える状態なのよ」

 

ノクスの魔法――【念殺】。

念じるだけで、相手を即死させる力。

 

普通なら発表会のときみたいに、少し距離を取ったり、どこか警戒が混じるはずだ。

 

でも――

 

「だって、ノクスちゃんはそんなことしないでしょ?」

 

マリーは当たり前みたいな顔でそう言った。

ノクスの目がわずかに見開かれる。

 

「……どうして、そう思うの?」

 

ノクスが静かに尋ねる。

 

「だって、今は全然こわい顔じゃないもん。

 マリー、ちゃんと見てるよ?」

 

その言葉に続いて、ヤヒメもうんうんと頷く。

 

「ノクスちゃん、怖い顔のときは、

 もっと"むーっ"てしてるよね~」

「……カンチョーに食ってかかってる時とかね」

 

すかさずミサが、淡々と追撃する。

 

私はそのやり取りを横で見ながら、ノクスの表情をちらりと見た。

困ったような、戸惑ったような、そんな顔。

 

「……普通なら、距離を取るものよ。

 私が何をできるか知っているなら……なおさら」

 

「でもさ」

 

私がぽつりと口を挟む。

 

「"できる"と"する"は別でしょ」

 

ノクスは一瞬だけこちらを見る。

 

「ノクスが"使える状態"って、わざわざ教えてくれたってことは、

 隠す気なかったってことでしょ」

 

ノクスは、少しだけ眉をひそめてから、

小さく笑った……ように見えた。

 

「じゃ、ノクスちゃんも一緒に──」

「それは遠慮しておくわ」

「え~!」

 

マリーが分かりやすく口を尖らせる。

 

「あなたたちが嫌というわけじゃないわ」

「ただ、走り回るのはあまり得意じゃないの」

 

その言い方は、断っているのに、

最初のそれとは違いどこか柔らかかった。

 

「それに、今日はひとりで考えたいことがあるの」

「……そっか」

 

マリーはしょんぼりしつつも、無理に引き止めなかった。

 

「じゃあ、またね~!」

 

ノクスは一瞬だけこちらを見て、ほんのわずかに目を細めた。

 

「……ええ、また」

 

それだけを言って、

来たときと同じように静かな足取りで庭園を後にした。

 

(……マリーのコミュニケーション能力、恐るべしだな……)

 

人見知りも何もかも、全部無邪気さの力技で突破していくタイプだ……。

 

 

日もすっかり落ちて、庭園の影が長く伸びてきた頃、

さすがにみんな遊び疲れた様子だった。

 

ヤヒメは芝生にごろんと寝転がる。

ミサはベンチに腰を下ろして、静かに息を整えている。

私も朝から運動してたのもあり、ヤヒメと一緒に芝生に大の字。

マリーはというと、頬を赤くしながらも、満足そうにぴょんと跳ねた。

 

「あー楽しかった! 次はミサちゃんの家でやろうね!」

「……私の家、鬼ごっこできるほど広くないよ」

「鬼ごっこがだめなら、ゲームでもやろ~」

「それならいいよ。……約束、したからね」

「約束?」

 

私が聞くと、ヤヒメが寝転んだまま手を振る。

 

「島から帰ったら、この三人で、ミサちゃんの家で遊ぶ約束だよ~」

「うん、マリーも約束したの!」

「そうなんだ」

 

知らないうちに、ちゃんとした予定ができてたらしい。

 

(島から帰ったら、か……)

 

その言葉を、頭の中で反芻する。

当たり前みたいに口にしてるけど、実際はまだ帰る術なんて見えてもいない。

 

でも――

 

誰もそれを疑ってない。

みんな「帰る前提」で話して、「その先」の話をして、「未来」の話をしている。

 

マリーが、芝生に寝転ぶ私を覗き込む。

 

「マキちゃんも来る?」

「……うん、行く行く」

 

自分でも驚くくらいに言葉はすっと出た。

 

「じゃあ、五人だね!」

「増えてる~!」

 

マリーが元気よく言って、ヤヒメが笑う。

 

「……まあ、五人くらいなら。鬼ごっこは無理だよ」

「絶対だよ~!」

 

(…………)

("帰ったら"なんて、今はただの仮定のはずなのに……)

 

それでも、不思議とその言葉は遠い夢みたいには感じなかった。

 

ちゃんと手を伸ばせば届く未来みたいに、

胸の中に静かに残っていた。

 

 

「……そろそろ、戻ろっか」

 

ミサが、空を見上げながら言った。

夕焼けはもうほとんど消えて、空の端がゆっくり夜の色に染まっていく。

 

「そうだね~」

「おなかすいた~!」

 

マリーとヤヒメが、声を揃える。

 

私も芝生から起き上がって、服についた草をぱんぱんと払った。

 

(今日はいっぱい動いたもんな。

 これはもう、ご飯が美味しくないわけがない)

 

「じゃ、一緒に食堂行こっか」

「うん!」

「さんせー!」

 

四人並んで歩き出す。

 

食堂が見えてくると、なんだか一日の締めに向かってる感じがした。

 

(こうやって誰かとご飯を食べるのも、

 いつの間にか当たり前になってきたな)

 

そんなことを思いながら、私たちは並んで食堂の扉をくぐった。

 

 

食堂に入った瞬間、いつもより賑やかな空気に包まれた。

 

「あれ……」

 

思わず足を止める。

 

見慣れた顔、見慣れた声、笑い声や食器の音が入り混じって――

 

「……全員、いる?」

 

数えてみるまでもなかった。

私を含め、14人全員集合している。

 

「すご~。修学旅行の夕飯みた~い」

「なんかテンション上がるやつ!」

 

マリーとヤヒメがきょろきょろしながら言う。

ミサも、少しだけ目を丸くしていた。

 

「珍しいね……こんなに揃うの」

 

食堂の奥の方で、シロとナツミが大きく手を振っていた。

 

「マキちゃーん! こっちこっちー!」

「チビっ子三人組もはよー! おいでー!」

 

見れば、長いテーブルの一角に、ほとんど全員がぎゅっと集まって座っている。

 

「おおー! みんな集まってるー!」

「なんか打ち上げみたいだね~」

「誰がチビっ子三人組だ……」

 

マリーとヤヒメが目を輝かせ、ミサがぼそりとツッコむ。

 

私たちが近づくと、誰かが椅子を引いて自然と場所を空けてくれた。

気づけば、14人全員がほぼ一つのテーブルに集合していた。

 

「これって……誰か集合かけたりしたの?」

「ううん、本当に偶然らしいよ~!」

 

私が聞くと、シロが目を丸くして答えた。

 

「夕飯で全員揃うことなかったし、なんか壮観やな!」

「私、結構遅めに食べることが多いので……

 こんなに大勢の方とご一緒するのは初めてで、ちょっと緊張します~」

 

ナツミとイリスがそれぞれ素直な感想をこぼす。

 

「やはり、体を動かしてからの食事は味もひとしおですわね。

 鍛錬のおかげで、ヤヒメさんのりんごにまた一歩近づきましたわ!」

「ダイヤ、あたいのりんご目標にしてるんだ~。

 あたいも修行すれば、もっと硬くできるかな~」

 

ダイヤとヤヒメは、粉砕と強化の方向で張り合っている。

 

「偶然で全員集合って、逆にレアだよね。

 こういうの、あとで"あの時さ~"って話題になるやつだね」

 

リンリは湯気の立つスープを前にしながら、くすっと笑った。

 

「みんなでごはん、楽しいね!

 マリー、こういうのだーいすき! ね!」

 

マリーはそう言って、ミサとヤヒメの方をきらきらした目で見る。

 

「人数多いと、音がにぎやかだね。

 ……でも、悪くない」

 

ミサは少し照れたように視線を伏せながら言う。

 

「あ、の、ノクスさん、ちぃーっす……。

 お隣お邪魔してまぁ~す」

 

ハイジが妙なノリでノクスに絡んでいる。

 

「ハイジすごいね、無敵状態のノクスの隣行けるなんて。

 ……って、あ、寿命の魔法か」

 

ポムはそう言いつつノクスの隣でハイジとノクスを弄っていた。

 

「……まさか、私の両隣に人が座るとは思わなかったわ」

 

と、どこか柔らかい声色でノクスがぼそっと呟く。

 

「この光景も描いてみたかったな。

 脳裏に焼き付けて、あとでキャンバスに表現してみようかな!」

 

アテナがまだ見ぬ芸術に心を躍らせている。

 

「ふふ、こんなに賑やかな食卓、久しぶりだわ。

 朝食といい夕食といい、味も、雰囲気も……今日は"当たりの日"ね♪」

 

と、楽しそうにライトは笑った。

 

 

食事がひと段落すると、さっきまでの賑やかさが少しずつ形を変え始めた。

 

「ごちそうさま~。あ、ヤヒメ、後でグラウンドで遊ばない?」

「うん、いいよ~。先行ってて~」

「オッケー!」

 

ポムが一番乗りで食べ終わり、食堂を出て行った。

 

すると比較的先に来て食べていたのか、

ダイヤ、リンリ、ライトが揃って席を立つ。

 

「今日は賑やかで、実に楽しい食卓でしたわ。

 わたくしは一足先にお部屋においとまします。

 それでは、ごきげんよう」

 

優雅に一礼して、ダイヤは背筋を伸ばしたまま歩いていく。

 

「みんな、お先ー。

 ちょっと食べ過ぎたかも……私も部屋行って休もーっと」

 

リンリはお腹をさすりながら、軽く手を振って去っていった。

 

「ふふ、良い夜を。余韻はゆっくり味わわないとね♪」

 

ライトも微笑んで、二人のあとを追う。

 

残った席に、少しだけ静けさが増した。

 

その間を縫うように、ナツミが立ち上がる。

 

「ほな、ウチもそろそろ失礼するわ。

 さすがに今日は動きすぎて、足が笑ろとる」

 

膝をぽんぽん叩きながら、冗談めかして言う。

 

「マキちゃんも、無理せんと早めに休みや?」

「うん、ありがと」

 

ナツミは満足そうに頷いて、出口へ向かった。

 

(まぁ、まだちょっと食べるけど)

 

私はデザートを取りにビュッフェ台に向かった。

 

席に着き、オレンジゼリーを楽しんでいると、

ノクスが、音を立てないように椅子を引いた。

 

そしてそのまま、トレイを返却口に置き、静かに食堂を去っていった。

 

「私もお腹いっぱい! マキちゃんも、ほどほどにね~!」

「はーい」

 

席を立つシロに、生返事で手を振る。

 

そのすぐあと、ミサが静かにスプーンを置いた。

 

「……ごちそうさま」

「マリーもお腹いっぱい!」

 

元気よく言い、マリーは素直に椅子から降りる。

 

「じゃあ、またね!

 マキちゃん、またあそぼ~!」

「うん、またね」

 

二人は並んで歩きながら、

マリーは途中までずっと振り返って手を振っていた。

 

食堂には、また少しだけ静けさが増える。

 

しばらくして、デザートを食べ終えると、

私はスプーンを置いて小さく息をついた。

 

「……ごちそうさま。さすがに満腹だ……!」

「あたいもお腹いっぱい~。ごちそうさまでした~」

 

ヤヒメはお皿を置いて、満足そうに笑う。

 

「ちょっと私も、部屋で横になるか」

「あたいはポムちゃんと腹ごなししよ~」

 

少し遅れて、アテナもナプキンで口元を拭いた。

 

「いやあ、いい雰囲気だったね。みんなが去っていくのが名残惜しかったよ。

 ちょっと、アトリエで何か描きたい気分だ……!」

「あ、じゃあアテナちゃん一緒にいこ~。

 あたいもポムちゃんとグラウンドだし~」

 

ヤヒメは手をひらひら振りながら立ち上がり、アテナと一緒に歩き出す。

 

「良いね、一緒に行こう。

 あ、描く前に僕も一緒に腹ごなし、いいかな?」

「もちろん~。三人で遊ぼ~」

 

楽しそうな声を残して、二人は食堂の出口へ向かっていった。

 

さて、私も行こうかなと思ったその時、私はふとまだ残っている視線に気づく。

 

「……あ、お、お構いなく……!」

 

イリスが食後のコーヒーを楽しんでいた。

 

「皆さんが少しずつ帰っていくのを見るの、ちょっと寂しいですね……」

「うん。でも、また集まるよ。すぐに」

「……ですね」

 

イリスは小さく笑って、カップの縁に口をつける。

 

「じゃあ、私はお先に行くね」

「はい。おやすみなさい、マキさん」

 

軽く手を振ってから、私は椅子を引いた。

 

食堂を出ると、廊下の空気がひんやりしていて、

さっきの賑やかさが、遠い出来事みたいに感じられた。

 

(また集まるよ。すぐに――)

 

さっき自分で言ったその言葉を、もう一度胸の中でなぞりながら、

私は静かな夜の通路を歩き出した。

 

 

私が通路を歩いていると、エレベーター前でミサと出会った。

 

「あれ、ミサ、さっきぶり」

 

私の声にミサは軽く手を上げて返す。

 

「マキ、マリー見なかった?」

「いや、私も今食堂から戻るとこだから見てないよ。

 どうしたの?」

「なんかさ……着ぐるみがないから探しに行くって、走ってどこか行っちゃった」

「……着ぐるみ?」

「倉庫にあったはずなんだけど、なくなってたんだって」

 

……もしかして、私とシロがドッキリに遭ったあの黒い熊の着ぐるみのことか?

 

「マリー、着ぐるみ着てまた誰か驚かす気じゃないよね……?」

「さすがに、今度は怒られるって分かってると思うけど……」

 

ミサは少し困ったように眉をひそめた。

 

「スマホに電話かけても出ないし……。まぁ、部屋に忘れてるだけだと思うけど。

 見かけたら私が捜してたって言っておいて。大人しく私の部屋で遊ぼって」

「分かった。もし見かけたら言っておくね」

「ありがと」

 

そうミサと言葉を交わし、私は自分の部屋へと足を向けた。

 

 

「ただいまーっと」

 

誰もいない部屋に、そう呟いてからドアを開ける。

 

今日は朝からずっと動きっぱなしだった。

散歩して、掃除して、鬼ごっこして、騒いで、笑って。

楽しかったぶん、体は正直に疲れを訴えていた。

 

「さすがに、ちょっと休憩……」

 

靴を脱いでベッドまで数歩。

そのままぼふっと倒れ込む。

シーツがひんやりして気持ちいい。

 

まぶたが自然と重くなる。

 

「……一時間くらい、寝てもいいよな……」

 

そう思ったところで、意識はふっと遠のいた。

 

次に目を開けた時には、

きっと体も頭も少し軽くなっているはずだ――

 

そう信じたまま、私は静かに短い眠りに落ちていった。

 

 

「……ん……」

 

ふと目を覚ます。

どれくらい眠っていたのだろうか。

 

腕時計を見ると、20:20。

 

「……ちょうど1時間くらい寝てたのか」

 

おかげで少しは体が軽くなった。頭もすっきりしている。

 

やっぱりレム睡眠は偉大だな、と思いつつ体を起こす。

 

肩を回して、首を傾けて、ついでに背中もぐーっと伸ばす。

 

「……ん、いい感じ」

 

一通りストレッチしたあと、少し汗ばんでいるのに気付く。

 

「ちょっと汗流しに行こ」

 

そう呟くと、私は部屋のタオルを手に取って、ドアノブに手をかける。

ぐっと押した、その瞬間──

 

 

ガッ!

 

 

「……?」

 

鍵はちゃんと開いているはずなのに、ドアノブは回しているはずなのに。

まるで向こう側から押さえつけられているみたいに、動かない。

 

何かがつっかえていて、ドアが開かない……?

 

「……なに、これ」

 

もう一度、そっと力を入れる。

 

 

ガッ。

 

 

ドアは開かず、ぴたりと止まる。

 

(……さっきまで、普通に開いてたよな?)

 

……もしかして、ドアの立て付けが悪いとか?

 

「……困ったな……」

 

そう呟き、テラスに目をやる。

 

テラスはウッドフェンスで囲われている。

ここからフェンスを乗り越えて外に出て、

回り込んでドアの前を確認するのはかなり手間だ……。

 

同じように、隣の部屋とも仕切られてるし……。

まぁ、どっちも頑張れば乗り越えられなくはなさそうだけど……。

 

「……あ、隣の部屋、か」

 

と、ふと思いつき、私はスマホを取り出す。

 

そして、シロに電話をかける。

数回鳴ったところで、すぐに繋がった。

 

『もしもーし、マキちゃん?』

 

いつもの明るい声が聞こえて、少しだけ安心する。

 

「あ、シロ。ちょっとさ、

 私の部屋のドアの前に、何かあるみたいで……内側から全然開かないんだ」

 

『えっ? なんでだろう?』

 

「鍵は開いてるんだけど、外から何か引っかかってる感じで……。

 ちょっと見てみてくれない?」

 

『分かった、すぐ行くからちょっと待っててね~』

 

通話が切れる。

 

私はスマホを握りしめたまま、もう一度だけ、開かないドアを見つめた。

 

(……ただの荷物とか、何かが倒れただけとか、それくらいであってほしいんだけど)

 

 

すると、一分経っても、二分経っても――

 

「……こない……?」

 

廊下の物音に耳を澄ますけど、足音は聞こえない。

さっきまで平気だったのに、急に胸の奥がざわざわしてくる。

 

(シロ、どうしたんだ……?)

 

考えすぎだって分かってるのに、

"来ない"って事実だけが、妙に不安を煽る。

 

 

……すると──

 

ガチャリ。

 

ドアが、外側からあっさり開いた。

 

「あ、マキちゃん! こんなの置いてあったよ……?」

 

シロの手には、黒っぽいくさび型の物体。

 

「これ、ドアストッパー……?」

「うん、たぶん……。ドアの下に置いてあったよ……」

 

私はそれを見て、思わず眉をひそめる。

 

「なんでこんなものが……?

 っていうか、結構時間かかったね……」

 

「あ、ごめん! 私、さっきまで『娯楽室』にいたの。

 電話もらってから、ゲームのポーズボタン、

 どこ押せばいいか分からなくて手間取ってて……」

 

「あ、そっか……いや、こっちこそごめん。

 私が勝手に隣の部屋にいると思い込んでただけだし……」

 

そう言いながら、ドアストッパーを見る。

 

(……誰が、これを……?

 しかも、わざわざ私の部屋の前に……)

 

シロは、少し心配そうに私の顔をのぞき込んだ。

 

「ねえマキちゃん、これって……いたずらかな?」

「……だといいんだけど……」

 

シロはドアストッパーをもう一度見てから、そっと床に置いた。

どこか納得しきれない顔のまま、私の方を見る。

 

そのとき、ふと本来の目的を思い出した。

 

「あ、そうだ。

 私、お風呂行こうと思ってたんだけど……シロも一緒に行かない?」

 

さっきの空気を振り払うみたいに、少し明るめの声で言うと、

 

「うん、行く行く!」

 

シロは、すぐに元気よく頷いた。

 

でも、次の瞬間はっとした顔になる。

 

「あ、でも……娯楽室にタオル忘れてきちゃった!」

「え?」

「さっきゲームで遊んでからお風呂行こうと思って、

 タオル持って行ってたんだけど、そのまま置いてきちゃって……」

 

ちょっと困ったように、頭をかく。

 

「一緒に取りに行ってくれる?」

「うん、いいよ」

 

そう言って、私はドアを閉める。

 

「じゃ、行こうか」

「うん!」

 

二人で並んで廊下に出て、娯楽室へ向かって歩き出した。

 

 

「あったあったー!」

 

シロは、ゲームの筐体の横に無造作に置かれていたタオルをひょいと掴んだ。

 

「このね、ト●イライトシンドローム殺人事件ってゲーム、裏面に行けなくてさー。

 さっき攻略法教えてもらって、今ちょうど試してたの!」

「タイトル画面で、五回↓押すと行けるんだって!

 さっき成功したんだよー、びっくりした!」

「へ、へー……」

 

エライ古そうなゲームが置いてあるな……。

 

シロはタオルを肩にかけて、くるっと振り向く。

 

「よし、これで準備万端! 早くお風呂行ってまた溶けよ!」

「賛成。今日はよく動いたしね」

 

二人で並んで娯楽室を出る。

 

 

娯楽室からまっすぐ歩いて、突き当たりを右に曲がり、

そのまま『大浴場』に向かおうとした、そのとき──

 

通路の真ん中が、妙に不自然に塞がれているのが目に入った。

 

ガムテープで、雑に"×"の形。

その中央には、紙が一枚、べたっと貼られている。

 

近づいて読むと──

 

『床の修繕工事中により通行禁止

 通ったら命とか無くなります カンチョー』

 

と書かれた貼り紙があった。

 

「……なんだろう、これ……?」

 

シロが少し困惑したように首をかしげる。

 

「……床、見た感じ何もなってないけど」

「まぁ、一応、遠回りした方が良さそうだよね……?」

「……たしかにね。こんなことでペナルティとか受けたくないし」

 

私は一歩、後ろに下がった。

 

私たちは、ガムテープで雑に封鎖された通路に背を向けて、

遠回りの、トイレ前を通るルートから大浴場へ行こうと歩き出した。

 

 

少し歩いたところで、視界の端に妙な影が入った。

 

「……あれ……?」

 

足が一瞬だけ止まる。

 

通路の突き当たりの角。

 

トイレの少し先、庭園が見える窓を背にして、

誰かが、座り込んでいる……ように見えた。

 

「……誰か、寝てる?」

 

でも、距離が縮まるにつれて

その"違和感"は、はっきりした形を持ち始める。

 

姿勢がおかしい。

 

休んでいるというより──

ずるっと、力なく崩れ落ちたみたいな。

 

「…………」

 

「……倒れてる?」

 

私が一歩、近づいた、その瞬間。

 

「……っ」

 

シロが、私の腕をぎゅっと掴んだ。

 

「……マキ、ちゃん……」

「……こ、れ……」

 

声が、震えていた。

 

私は、目を逸らさずに、その人の顔を見る。

 

見覚えのある髪。

見覚えのある服。

 

窓にもたれて、足を伸ばして座っているような姿勢。

でも、頭はぐったりと前に落ちていて、動かない。

 

 

そして──

 

 

胸のあたりに、深く突き立てられた刃物。

 

柄だけが、無機質に突き出していた。

 

血は胸からあふれるように流れ出し、

 

服を濡らして暗い色に染め、ゆっくりと床へと広がっている。

 

 

 

 

そこにいたのは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまで、一緒に食堂で話して、

 

 

 

 

 

同じテーブルで食事して、

 

 

 

 

 

"全員集合"だって言って、

 

 

 

 

 

「あとで話題になるね」なんて、笑っていた──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殯リンリの、変わり果てた姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死体が発見されました。

 一定の捜査時間の後、"魔女裁判"を行います』

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