魔女ノイナイ魔女裁判   作:テラウラ

43 / 43
生ける魔女の死 Part9

次の日の朝。

 

まぶたを開けると、部屋の中がいつもより明るい。

朝特有の淡い光ではなく、もうすっかり日が高くなったあとの明るさだった。

 

ベッドでぼんやりと目を瞬かせながら腕時計を見る。

 

【11:45】

 

「……わぁ」

 

朝食どころか、もう昼食が提供されている時間だった。

 

昨日の深夜、庭園から自室に戻ったあとも結局色んなものが頭の中でぐるぐると回り続けて、

気付けばかなり遅くまで眠れずにいた。

その結果がこれだ。

 

私は額を抑えながら上半身を起こす。

 

洗面所で軽く顔を洗い、手早く身支度を整えてスマホをポケットに滑り込ませる。

 

(みんな食堂にいるのかな)

 

ぼんやりと思いながら、乱れたベッドの皺を見る。

 

急激に覚醒していく頭の片隅で、

昨夜ベッドの中で巡らせていた思考が再び鎌首をもたげそうになる。

 

私はそれを無理やり心の奥底に押し込み、自室のドアを開けて廊下へと飛び出した。

 

 

 

 

食堂に入ると、昼食の匂いが鼻をくすぐる。

 

ビュッフェカウンターには、昼食用の料理がしっかり並んでいた。

私は迷うことなくトレイを手に取る。

 

色々な料理を載せたトレイを持って席につこうとすると、窓際の席から手を振る人影が見えた。

 

「マキちゃーん!」

 

シロだった。

 

その前には、赤いソースのかかったスパゲッティが置かれている。

口元に少しだけソースをつけたまま、

いつものように屈託のない笑顔を私に向けていた。

どうやら昼食の最中らしい。

 

「シロ」

 

その無邪気な姿を見た瞬間、

昨夜暗闇の中で膨らんだドロドロとした疑念が霧散していくのを感じた。

 

「心配したんだよ~? 朝食の時に見かけなかったからさ。

 もう朝早くに食堂に来て、すごい速さで朝ごはん食べ終えちゃったのかな?

 って思っちゃった」

「はは……ごめん。ちょっと夜更かししちゃって。これが今日最初のごはん」

 

私はシロの前に座る。

 

トレイの上には、海老とアボカドのピンチョスを何本か、キッシュ一切れにケバブサンド、

小籠包にクラムチャウダーに小鉢でチリコンカン。

それからなんとなく目に入ったティラミスとプリンも載せてある。

朝食を逃した体にはこれくらいの補填が許されるはずだ。

 

するとシロは私のトレイを見て、ぱちぱちと瞬きをした。

 

「……マキちゃん。これ、昼食?」

「うん」

「世界各国の料理を一つのトレイに集める儀式?」

「朝食と昼食の合同慰霊祭だよ」

「そ、そっかぁ」

 

私は海老とアボカドのピンチョスを一本つまんだ。

少し酸味のあるソースが絡んでいて、寝起きの胃にも優しい。

 

「む、美味しい!」

「よかったねぇ」

 

シロは自分のことのように嬉しそうに目を細める。

 

「あ、そうだ。

 私午後から冬のエリアで遊びたいな~って思ってたんだけど、マキちゃんも一緒にどう?

 まだスキーとかソリとかで滑ってないなって思って!」

「え、あそこ滑れるところあったっけ?」

「ほら、あの小高い丘からやろうかなって!」

「あぁ、あそこ」

 

冬のエリアの階段を上った、あの丘のことを言ってるのだろう。

確かに数メートルくらいの高低差はありそうだったし、滑れないことはないだろう。

 

「ソリかぁ。たまにはそういうのもいいかもね」

 

私がキッシュをフォークで切り分けながら答えると、

シロは「やったぁ!」と両手を小さく叩いて喜んだ。

 

「じゃあ決まり! 冬のエリアの倉庫にソリとかスキー板あったし、

 お昼食べ終わったら一緒に行こ!」

「うん、分かった」

 

シロの提案はいつもどこか突拍子もないけれど、今の私にとってはどこかありがたかった。

ただ深刻に考え込むだけでは頭がパンクしてしまう。

 

スキーとソリ、どっちからやろうかとか、ソリは二人乗り出来そうかとか

そんな他愛のない話をしながら私は次々と美味しい料理たちを平らげていく。

 

そして最後に残したティラミスとプリンを睨みながら、私は真剣な面持ちで腕を組む。

 

「……どっちからいくべきか。プリンのほの甘さからティラミスで引き締めるか。

 それともティラミスで少し大人になってから、プリンで童心に帰るか」

「マキちゃん早くー!」

 

パスタの皿を空にしたシロが私を急かす。

 

「よし」

 

厳正な審査の結果、私はまずティラミスにスプーンを入れた。

 

ほろ苦いコーヒーの香りと柔らかなマスカルポーネクリームの甘さ。

イリスが好きそうな味だな、と少しだけ思う。

それからプリンを食べる。

たまごの風味が強く、カラメルソースのほろ苦さと控えめな甘さがマッチして安心する味だった。

 

「よし。完全復活」

「おめでとうございます」

「ありがとう。午後の私は強いよ」

 

私が胸を張って言うと、シロは声を上げて楽しそうに笑った。

 

「それじゃあ、最強になったマキちゃん、さっそく冬のエリアへ出発進行ー!」

「はいはい、置いてかないでよ」

 

シロはトレイを片付けると、足早に食堂の出口へと向かっていく。

私はその後ろ姿を追いかけながら、白銀の世界を目指して歩き出した。

 

 

 

 

ホテルの外に出ると、春のエリアには柔らかな陽射しが降り注いでいた。

昨日の雷雨が嘘のように空は晴れている。

 

「そういえば、昨日すごい音だったよね。マキちゃん、近くにいたんだっけ?」

「まあ、近くではあったかな」

「びっくりした?」

「うん……かなり」

 

死に戻った、とは言えない。

 

ナツミが一度死んだことも、そのために私が死に戻ったことも。

それをマリーには伝えないと決めたことも。

 

全部心の中に秘めたまま、私は曖昧に笑った。

 

「雷の日は外に出ないで、部屋に籠ってるのが一番だね」

「それは本当にそうだね~」

 

シロは真面目に頷く。

 

それから、ぱっと表情を明るくした。

 

「でも今日は晴れてるし、ソリ日和だー!」

 

シロは春のエリアから先に見える雪景色を指差す。

 

春と冬の境界を越えた瞬間、頬を撫でる風が一段冷たくなる。

 

丘の下にある木造の倉庫は、前に見た時と変わらず静かにそこに建っていた。

 

「まずは倉庫でソリだね! マキちゃんは前と後ろどっちがいい?」

「いや、二人乗り前提? 一人用のサイズじゃなかった?」

 

シロと話しながら扉を開けると、外と同じくひやりとした空気が流れ出てくる。

 

中には一日目に見た時と同じように、スキー板、ストック、スケート靴などが並んでいた。

様々な冬の道具たちは整然と置かれている。

 

「ソリ、ソリ……あった!」

 

シロが奥の棚の近くに立てかけられた赤いソリを見つけて、嬉しそうに駆け寄る。

 

その時だった。

 

「……あれ?」

 

シロが小さく声を漏らした。

 

その声音が、さっきまでの弾んだものとは少し違っていた。

 

「どうしたの?」

「マキちゃん、あそこ……何か置いてある」

「……え?」

 

シロが指差したのは、倉庫の奥まったところだった。

スキー板や古い防寒具が並ぶ棚の、陰になった場所。

 

そこに、膨らんだ白っぽいシートがあった。

 

一瞬、倉庫の備品の上をシートが覆っているだけなのかと思った。

あるいはそのシートの下には、防寒具か何かを丸めて置いてあるだけかもしれない。

 

 

けれど──

 

 

そのシートの端から、何かが覗いていた。

 

 

細い、髪のようなもの。

 

「……」

 

私は無言のまま、一歩近づく。

 

視線がシートの端に縫い止められたかのように動かない。

 

 

髪が──床に向かって垂れている。

 

まるで、誰かの頭がそのままそこにあるかのように。

 

 

私は震えそうになる指先を握り締め、白いシートの端に手をかける。

 

床に触れるほど垂れた、見覚えのあるオレンジ色の髪。

 

その奥に、小さな顔の輪郭があった。

 

「──っ」

 

それは頭だった。

 

身体から切り離された頭部だけが、床の上に置かれていた。

 

表情は横からではよく見えない。

けれど、その髪も、輪郭も、見間違えようがなかった。

 

 

「……ヤヒメ……?」

 

 

零れるように声が漏れた。

 

秋のエリアで命を落とした、あのヤヒメだった。

 

その頭が、シートの端から覗くように床の上に置かれていた。

 

そして、シートの内側には彼女の体が横たえられている。

 

それなのに、違和感は消えない。

 

いや、近づいたからこそ分かってしまう。

 

本来なら繋がっているはずの場所が──繋がっていない。

 

あるべき部分が、ない。

 

シートの膨らみから推測できる体の長さと、床に置かれた頭の位置。

その二つの間には、数十センチメートルもの不自然な空白が存在していた。

 

「なんだ……これ……」

「……ヤヒメ、ちゃん……?」

 

背後でシロの声が震えた。

 

「なんで……」

 

その声色は、さっきまでの元気さを完全に失っていた。

 

数歩足音が遠ざかり、倒れ込む音が聞こえる。

 

私は反射的に振り返る。

 

「シロ……!」

「……なんで……誰が、こんなこと……」

 

シロの声は、どこかひどく遠く聞こえた。

 

両手で口元を押さえ、顔からは完全に血の気が引いていた。

 

さっきまで昼食の席で笑っていた。

ソリで滑ろうと話していた。

どっちが前か後ろかだの、くだらないことで悩んでいた。

 

そんな平和な時間が、たった数分で粉々に砕け散った。

 

自分の足だって震えて、胃の奥は凍り付いたように冷たくなっている。

指先も感覚を失ってしまいそうだった。

 

それでも、今この場で動かなければならないのは私だった。

 

「……シロ、みんなを呼んできて」

「え……」

 

シロはすぐには返事をしなかった。

視線が私とシートの間を何度も揺れる。

 

「マキちゃんは……?」

「私はここにいる」

「でも……一人で……」

「大丈夫だ。ただ、ここにいるだけ」

 

私はシロを安心させるように、

あえてシートの方へ視線を戻して毅然とした態度を崩さないように努めた。

 

「……うん」

 

絞り出すような返事だった。

それでもシロは手を床について、ふらつきながら立ち上がる。

 

「……みんなも呼んでくるから」

「うん。お願い。シロ、気を付けてね」

 

シロは一度だけシートの方を見た。

それから、弾かれるように倉庫の出口へ駆け出した。

 

バタン、と木製の重い扉が閉まり、

静まり返った倉庫の中に、再び私と"それ"だけが残された。

 

「……」

 

ヤヒメの顔は、まるで眠るように瞼が閉じられていた。

肌の色も、生前と何ら変わらないように思えた。

 

けれど──

 

なぜ、ヤヒメの死体がここにあるのか。

それも、頭部が切り離された状態で。

 

私はゆっくりとシートに近付く。

すると、そのシートの近くに添えられるようにして、

紙切れのようなものが置いてあることに気付いた。

 

私は近づいてその紙を拾い上げる。

 

『hanMuNeat』

 

「……これは……」

 

私はその文字に見覚えがあった。

 

ポケットからスマホを取り出し、撮っておいた例の『アゾット儀式』の図を確認する。

 

【挿絵表示】

 

頭部。

両手を含む胸部。

腹部。

腰部。

大腿部。

足先。

 

六つに分けられた人体図。

 

そのうちの一つに、私の目が止まった。

 

「"両手を含む胸部"……?」

 

何故、その文字が書かれた紙がヤヒメの死体の近くに置いてあるのか。

 

「これって……もしかして……」

 

この死体から失われているあるべき部分……。

そして数十センチメートルもの不自然な空白の正体──。

 

「このシートの下にある身体は……」

 

私は、意を決して一気にシートをめくりあげた。

 

「あ──」

 

それは、首と身体が切り離されているだけではなかった。

 

 

『両手を含む胸部』が、そっくりそのまま切り取られていた。

 

 

肋骨の最下部から上までの肉体が、消失している。

そのせいで、床に残された頭部と身体の間には文字通り物理的な空白が生まれていた。

 

切断面に残っているのは、赤黒く変色した血の跡。

肉の縁にこびりつき、固まりかけたものが薄く残っているだけだった。

 

誰が? 何のために? いつ? どうやって?

 

そして、どうしてヤヒメなのか。

 

考えれば考えるほど答えは出ず、別の疑問ばかりが増えていく。

 

──その時だった。

 

倉庫の外から、複数の足音が近づいてくるのが聞こえた。

 

「マキちゃん!」

 

最初に扉を開けたのはシロだった。

 

その後ろから、ノクス、ナツミ、ハイジ、リンリ、イリスが続いて倉庫の中へ入ってきた。

少し遅れて、ミサとマリーも見えた。

 

「ヤ、ヤヒメさんの死体があったって……」

「ちょっ……どういうことや!?」

 

イリスとナツミが困惑したように声を裏返らせる。

 

全員の視線が、倉庫の奥にある白いシートへ向かう。

その端から覗く、床に置かれた頭部。

そして、シートの下に横たわる不自然な膨らみ。

 

倉庫の中の空気が、一瞬で凍りついた。

 

「う、うっ……何これ……」

「ヤヒメ……?」

「……」

 

ハイジ、リンリ、ミサが顔を歪ませる。

 

「ヤヒメ……ちゃん?」

 

マリーが倉庫の奥の"それ"に視線を向けようとした時、ミサがその視線を体で遮る。

 

「……マリー、だめ」

 

その小さな体では、マリーの視界を完全に塞ぎきれているわけではない。

それでも、ミサは一歩も退かなかった。

 

マリーの視線が腕の隙間から倉庫の奥へ向かいかけた瞬間、今度はナツミが慌てて前に出た。

 

「アカン。マリーちゃんはこっち向いとき」

「……うん。見ない方がいい」

 

マリーが少しでも横から覗き込もうとすれば、その分だけミサとナツミも体をずらす。

 

「でも……ヤヒメちゃんが……」

「だめ。……っ、う゛……ぇ……っ」

 

ミサは必死にマリーを抱き寄せながらも、もう片方の手で自分の口元を抑える。

吐き気を堪えるように、ミサの細い肩が小さく震える。

 

「マキ、シロ。詳しい事情を説明して」

 

ノクスが鋭い視線を私に向ける。

 

「……分かった」

 

私は、これまでの経緯をみんなに説明した。

 

「それって……あの魔女の本の通りに切り取られてるってこと……?」

「だ、誰がこんな真似を……」

「……」

 

青ざめるリンリとナツミとは対照的に、ノクスはヤヒメの体を覗き込んでいる。

 

「……両腕と、胸部がない……」

 

服は切り取られていなかった。

けれど、肋骨の最下部あたりより上だけが中身を抜かれたかのように沈み込んでいる。

 

袖も胸元の布も、形だけは残っている。

なのに、その内側にあるはずの肉体だけが消えていた。

 

「こ、これ、どうしたら……」

「ひ、ひとまず、生物室に戻さないとじゃん……」

 

リンリとハイジが呟く。

 

「……私が手伝う」

 

私は声を上げる。

こんなところに放置されたヤヒメの死体を、これ以上見てられなかったからだ。

 

「あ、わ、私も手伝います……!」

 

すると、イリスもまだ震える声で手を挙げる。

そして、顔を歪ませながら白いシートでヤヒメの胴体を丁寧に包むようにして覆い隠していく。

 

「……行こう」

 

私はシートの端を持ち上げる。

 

シート越しに触れるヤヒメの体は、思っていたほど固くはなかった。

氷の塊のように芯まで凍りついているわけではない。

 

イリスが反対側を持つと、シートに包まれたヤヒメの体が倉庫の床からゆっくりと離れた。

 

その時。

 

「……頭は、私が持つ」

 

掠れた声がした。

ミサだった。

 

まだ顔色は悪く、口元を押さえていた手もわずかに震えている。

 

けれど、彼女はマリーを倉庫の外へ下がらせると棚に置かれていた防寒具へ手を伸ばした。

 

「ミサ……大丈夫なの?」

 

リンリが心配そうに声をかける。

 

「……大丈夫」

 

ミサは短く答える。

大丈夫には見えなかった。

 

それでもミサは、厚手の防寒具を広げると、ヤヒメの頭部を視界から隠すようにそっと覆った。

 

ミサは防寒具越しにヤヒメの頭部を抱え上げる。

その瞬間、また喉の奥から小さく苦しげな音が漏れた。

 

「……っ」

 

腕の中のそれを落とさないように、強く抱き締める。

 

シートに包まれた胴体を、これ以上揺らさないように。

ミサの腕の中にあるものを、マリーの視界に入れないように。

私たちは倉庫の外へ歩き出した。

 

 

 

 

私は初めてホテルのエレベーターに乗り込み、みんなと共に地下へと降りる。

 

リンリが「ナマモノ」と書かれた生物室の扉を開けると、冬のエリアよりも冷たい空気が頬を突き刺した。

 

中には、最初にここをシロと一緒に覗いた時のように、

薄暗い部屋の中で長方形の箱が等間隔にいくつも並んでいる。

 

「……あれ」

 

すると、リンリが小さく声を上げる。

 

「……なんか、その箱の蓋って全部閉じてなかったっけ……」

 

そして、並べられた箱を指差す。

 

全員の視線がその先へと向かった。

すると、透明な厚手の蓋が五つ分、開いていた。

 

「……五つ?」

 

シロが呟く。

 

その声に、私とイリスはシートに包んだヤヒメの胴体を抱えたまま足を止める。

 

その数が嫌でも頭の中で意味を持ち始める。

 

ヤヒメ、アテナ、ポム、ダイヤ、ライト。

 

「まさか……死体、全部……持ち去られたんか……!?」

 

ナツミが上擦った声を上げながら、開いた箱に駆け寄って中を覗き込む。

 

「な、ない……!」

 

ナツミの声が、生物室の冷たい壁に反響した。

 

その声に押されるように、ハイジも別の箱へ近づく。

おそるおそる透明な蓋の内側を覗き込み、すぐに顔を引きつらせた。

 

「こっちも、空……」

「……こっちも」

 

リンリが別の箱を覗き込んで、低く呟く。

 

「そんな……ヤヒメちゃんだけじゃ、ないの……?」

 

シロが小さく声を漏らす。

 

五つの箱が開いていて、その中には何もない。

 

ヤヒメの死体は、倉庫で見つかった。

なら、残りの箱に入っていたはずの死体は?

 

「ひ、ひとまずヤヒメさんを箱の中に……!」

「そ、そうだな……」

「……うん」

 

イリスのその声に我に返り、ヤヒメを覆っていたシートと防寒具をそっと外す。

そして三人がかりで、開いていた箱の中にヤヒメの死体をゆっくりと入れる。

 

開いたままのアクリルの蓋を閉じると、箱は低い駆動音を響かせ始める。

 

しゅうう……と音が鳴る。

透明なアクリル蓋の内側がほんのわずかに曇ったことで、

箱の中に何かが満たされていくのだけは分かった。

おそらく、中の遺体を生前の状態に保つための特殊なガスが出ているのだろう。

 

透明なアクリルの蓋越しに、両手と胸部を失ったヤヒメの体が見える。

倉庫の床に横たわっていた体は、再び冷たい箱の中で保存されようとしていた。

 

すると──

 

「ね、ねぇ……あれ」

 

ハイジが、部屋の隅を指差す。

 

すると再び、全員の視線が一斉にその先へ向く。

 

生物室の奥の薄暗い壁際。

保存箱の列から少し離れた床に、白いシートのようなものが見えた。

 

一見、使われていない布でも置かれているのかと思った。

けれど、その膨らみは明らかに不自然だった。

 

人、一人分ほどの大きさ。

 

「嘘……だよね……?」

 

シロが掠れた声を漏らす。

 

「まさか……」

 

私はシートの元へと駆け寄る。

 

そして──白いシートをめくり上げる。

 

「……アテナ」

 

そこにいたのは、処刑によって命を落とした影津アテナだった。

 

だが──。

 

「……っ」

 

アテナの体は、ただ横たわっているだけではなかった。

腰の辺りから、不自然に服の輪郭がへたり込んでいる。

 

私はそれを確かめるように、その部分を服の上から触る。

すると、よりはっきりと分かった。

 

本来なら胴体と脚を繋いでいるはずの部分が、ごっそりと失われていることに。

 

ふと気付くと、ヤヒメの時と同じように、傍に紙切れが落ちていた。

私はそれを拾い上げる。

 

『Waishi』

 

私は半ば反射的にスマホを取り出し、さっき見たばかりのアゾット儀式の図を開いた。

 

「"腰部"……」

 

すると、アテナの死体の状況を把握したシロが青ざめた顔で呟く。

 

「真ん中が、ないっ……!」

「な……!?」

「それ……アテナなの……?」

 

後ろからリンリとミサの声が近付いてくる。

 

「……アテナ……」

 

リンリが掠れた声で名前を呼ぶ。

 

処刑されて、もう二度と動かないはずのアテナ。

その体が、生物室の薄暗い床に横たわっている。

 

ヤヒメの時と同じように、白い紙片を添えられて。

アゾット儀式の図にある一部を奪われて。

 

「こ、このまま床に置いとくの……?」

 

ハイジが顔を歪めながら言った。

 

「さっきヤヒメさんも箱に戻したんですし……アテナさんも……」

 

イリスが震える声で続ける。

 

「うん、戻そう。私が下半身を持つ」

「……わ、私も手伝いますっ……」

 

ミサとイリスがアテナの下半身へと駆け寄る。

 

すると、シロがぽつりと呟いた。

 

「……私は、アテナちゃんを持つよ」

 

そう言いながら、切り離されたアテナの上半身のそばへ膝をつく。

 

「……っ」

「シロ、手伝う」

「……ありがと、マキちゃん」

 

私はシロと一緒にアテナの体を支えるようにして、一緒に箱の中へと運び入れた。

 

ミサとイリスは、ゆっくりと下半身側を持ち上げる。

 

「……持つよ」

「は、はい……」

 

二人は慎重にアテナの下半身を箱の中へ戻した。

 

蓋がゆっくりと閉ざされ、密閉される鈍い音がして、箱は低い駆動音を響かせ始めた。

 

「も、もう何もあらへんか……?」

 

ナツミが恐々とした声色で生物室の中を見回す。

それに釣られるように、私たちも同じく他の箱や部屋の隅まで調べる。

 

だが、他に死体らしいものは見当たらない。

 

「……少なくとも、この生物室にはもうなさそうね」

「ひとまず、ここから出ましょう……!」

「せ、せやな……凍えてまう……!」

 

ノクスが言うと、イリスとナツミが生物室の扉の方へと歩きながら言った。

 

私たちもそれに続き、全員が生物室から出る。

扉が閉ざされると、重い音が廊下に響いた。

 

すると、不安そうな顔をしたマリーが私たちを出迎える。

 

「中で、何かあったの……? ヤヒメちゃん、どうなってたの……?」

「……マリー、知らなくていい」

「でも……!」

 

マリーはミサの袖を掴んだ。

 

「マリーだけ外にいて、みんなだけ見て……それで、何も知らない方が怖いよ……!」

 

その声は震えていた。

 

すると、ノクスが静かに口を開いた。

 

「ヤヒメは、冬のエリアの倉庫で見つかった。

 頭部と胴体は残っていたけれど、両手を含む胸部が失われていた」

「りょ……?」

 

マリーは言葉の意味を追いきれないように、瞬きをした。

 

ノクスは、少しだけ言葉を選び直した。

 

「腕と、胸のあたりがなかった」

「……え」

 

その瞬間、マリーの顔から血の気が引いた。

 

「そして……アテナは生物室の奥で見つかった。

 箱から出されて、腰のあたりが切り取られていたわ」

「……」

 

マリーの唇が震える。

ノクスの言葉を理解した瞬間、恐怖が遅れて追いついてきたのだろう。

 

「なんで……? なんで、そんなことするの……?

 ヤヒメちゃんも、アテナちゃんも、もう死んでるのに……」

「……」

 

その問いに誰も答えられなかった。

 

既に死んでいる。

それなのに……その体を切り取り、紙片を添え、見つけられる場所に置く。

 

その異常さは、言葉にすればするほど人間のすることではないように思えた。

 

「ヤヒメのそばには『hanMuNeat』と書かれた紙があった。

 アテナのそばには『Waishi』。どちらもアゾット儀式の図に対応している。

 ヤヒメは"両手を含む胸部"。アテナは"腰部"」

「……じゃあ……」

 

マリーが震える声で言う。

 

「じゃあ、あの本の通りに……?」

「その可能性が高いわ」

 

ノクスは短く答えると、マリーがか細い声で返す。

 

「ヤヒメちゃんも、アテナちゃんも……死んでからも、そんな……」

 

その時だった。

 

バサリ、と羽ばたく音が地下の廊下に響き渡る。

 

カンチョーだった。

 

「……おい、カンチョー。これはどういうことだ」

「あっ、どうも……いや、それはこちらのセリフなんですが」

 

私が死体について問い詰めようとすると、カンチョーは廊下の床にぽすんと降り立った。

 

すると、ノクスがカンチョーに鋭い眼差しを向ける。

 

「生物室で保管していたはずの死体が持ち出されて、切断されていた。

 あなたたち運営側の管理下にあったものが、よ」

「ええ……だからこちらも困っているんです」

 

ノクスの言葉に、カンチョーは小さくため息をついた。

 

「ただでさえ多すぎる仕事でてんてこ舞いなのに、

 これ以上面倒事を増やさないでほしいのですが……」

「お前らがやったんとちゃうんか」

「んな面倒なことしませんよ……また保管し直しじゃないですか。

 全く……やった方はこちらの苦労も考えて欲しいですね」

 

カンチョーは半目のまま、心底うんざりしたように羽を揺らす。

 

「誰でも持ち出せる杜撰な管理をしていたそちら側の責任でしょう。

 こんなことをした人間に、ペナルティはないの?」

「流石にこちらも、こんな倫理観のないことをやられるとは思っていませんでしたので……」

 

ノクスの言葉に、カンチョーは心底気怠そうにため息をついた。

 

「死体を勝手に持ち出して、切断して、あまつさえ別の場所に置く。

 いやぁ……普通しないでしょう、そんなこと」

「普通しないコロシアイなんてことをさせてるのはそっちじゃん……」

 

ハイジが青ざめた顔で呟く。

 

「ですが、規則違反ではありませんので、ペナルティもないです」

「……は?」

 

リンリが目を見開く。

 

「現時点で、生物室から死体を持ち出すことを禁じる明文化された規則はありませんでした。

 したがって、ペナルティは発生しません」

「いやいやいやいや……!」

 

ナツミが思わず声を荒げる。

 

「死体持ち出して切り刻むとか、規則以前の問題やろ!?」

「ええ、そうですね。……ですが、倫理違反と規則違反は別です」

「……でも、誰でも持ち出せてそれを禁止してなかったそっちのせいじゃん……」

 

ハイジが吐き捨てるように呟く。

 

「……だいたい、『死体の持ち出しは禁止』だなんて規則、普通どこの施設にもないでしょう。

 例えばホテルの利用規約に

 『殺人は禁止です』なんてわざわざ書いてあるのを見たことがありますか?」

「いや、ないけど……!」

「でしょう。普通は書かなくても分かるからです」

 

カンチョーは、そこでまた小さくため息をついた。

 

「性善説、とまでは言いませんがね。死んだ人間をわざわざ持ち出して切り刻む……

 そんなエネルギーの使い道、こちらとしても想定外なんですよ。

 だいたい、誰が好き好んでそんな二度手間な内職をするんですか。

 おかげで始末書モンです。本当に、はた迷惑な人がいたものですね」

「……魔女裁判もないの? こんな酷いことをした人間がいるのに……」

 

ミサが怒りを孕んだ声でカンチョーを睨む。

 

「ありませんねぇ。

 魔女裁判は、皆様の中の誰かが処刑以外で死亡したのが認められた場合のみ行われますので」

「そんな……ヤヒメちゃんたちが、あんなことされてるのに……?」

「ええ。お気持ち魔女裁判は開廷されません」

 

マリーの言葉に、カンチョーは何でもないような風に返す。

 

そして、タブレットを羽で操作しながら続ける。

 

「……ただし、今この場で規則を追加します。

 『生物室の外へ死体を持ち出すことを禁止』します」

「……持ち出すことを?」

「はい。確認は構いません。ですが、生物室から外へ運び出すことは禁止です。

 まーた持ち出された場合、こちらの仕事が増えるだけですので……」

 

カンチョーはいつもの軽薄な声で、私の方に視線を移しながら続ける。

 

「それと、残りの持ち出された死体を見つけた場合ですが……

 まぁ、手伝いの一環として、

 都度銃業員の一人を向かわせますので……生物室の前くらいまでは運ばせます。

 ……追加された規則もありますので、死体の持ち出しはこれっきりにしてくださいね……」

 

そして、『はぁ、貴重な労働力が……』と言い残すと、

カンチョーは心底疲れた様子で重々しく羽ばたいていった。

 

静まり返った地下廊下で、私たちはしばらく立ち尽くすことしかできなかった。

 

生物室の扉の向こうには、ヤヒメとアテナがいる。

そして、まだ見つかっていない遺体があるかもしれない。

 

「……探そう。他のみんなを」

「そうだね……」

 

私が言うと、止まっていた時が動き出したかのように、

みんなはエレベーターに向かって歩き出す。

 

すると、ノクスは生物室の隣の懲罰房へと歩み寄り、その古びた扉を開けた。

 

「……あ、そっか。まずは隣も見ないとね」

 

シロはそう呟きながら、ノクスの後に続く。

 

「じゃあ、あたし達は別の場所見てくる」

「まずはホテルからだね」

「……行こう、マリー」

「……うん」

「は、はい。分担して探しましょう……!」

 

ハイジ、リンリ、ミサ、マリー、イリスはそのままエレベーターに乗り込む。

 

私はシロに続いて懲罰房の中に踏み込むと、前に覗いた時と同じく、

埃と古い木材が混ざり合ったような淀んだ空気が鼻腔を突いた。

 

拷問器具はそのままだったが、私の視線は部屋の奥に釘付けになった。

 

「……いない」

 

前の魔女裁判の後に、ライトを拘束したアイアンメイデン。

 

その扉が開かれている。

 

その扉と内側の上半分には、無数の棘が並んでいる。

棘には黒ずんだ血の跡のようなものがこびりついていた。

 

けれど、そこにいるはずのライトは、どこにもいなかった。

 

「……ライトちゃんが、いない……?」

 

シロが掠れた声で呟く。

 

「……運営側に処刑された、ということかしら」

 

ノクスが静かに呟く。

 

カンチョーは言っていた。

魔女化したライトは懲罰房で拘束され、ドゥオデキムによって処刑されると。

 

そして今、アイアンメイデンは空になっている。

 

生物室の蓋は五つ分が開いていた。

つまり、運営に処刑されたあとに生物室に保管され、その死体を何者かが持ち出したのだろう。

 

「じゃあ、やっぱりライトちゃんの死体もどこかに置かれてるってこと……?」

「その可能性は高いわ。……ただし、ここにはいない」

 

ノクスはアイアンメイデンの内側を見つめたままシロの言葉に答える。

 

「特に何も無かったで。別の場所にあるんかな……」

 

部屋を一通り調べ終わったナツミが駆け寄ってくる。

 

「おそらくは。私たちも別の場所を探してみましょう」

 

ノクスの言葉に、全員が小さく頷いた。

 

そして皆が入口に向けて歩き出そうとすると、ぴた、とノクスが足を止める。

 

「……」

「ノクスちゃん、どうかしたの?」

 

ふと一点を見つめるノクスに、シロが尋ねる。

 

その視線の先には──大きな"ギロチン"があった。

 

部屋の隅に置かれていたそれは、最初に私とシロが懲罰房を覗いた時にも見たはずのものだった。

 

重そうな木製の台座に、左右から垂直に伸びる支柱。

組み立て式のその上部に据えられた鈍く光る刃。

 

「……これ、もしかして……」

「ええ……この組み立て式のギロチンが、死体の切断に使われた可能性があるわ」

 

その言葉に、ナツミが息を呑んだ。

 

「ちょ、ちょい待ちぃや……。

 ギロチンって、首落とすやつやろ? 腰とか胸とか、そんなとこ切れるんか?」

「切断したい部位を刃の下に固定できる構造になっているわ。

 少なくとも、人間の死体を部位ごとに切り離す道具としては、十分に使えるでしょうね。

 それに……」

 

ノクスはギロチンの刃を指差す。

 

刃の縁に、赤黒い塊のようなものと、薄く膜のようなものが張り付いている。

それが鈍い光を受けて、わずかに照り返していた。

 

「うっ……」

「……台座の木の隙間にも、赤黒いものが滲んでいる。

 私が以前見た時にはなかったものよ」

「ほんなら、このギロチンで……?」

 

ナツミの上擦った問いに、ノクスは静かに頷いた。

 

「……でも、血が少なすぎるんじゃない?」

 

リンリが顔を歪めながら言う。

 

「体を切ったなら、そこら中がもっと血だらけになっててもおかしくないんじゃない?」

「生きた人間を切断したわけではないからよ」

 

その疑問に、ノクスは淡々と答える。

 

「すでに死亡し、低温で保管されていた死体なら、生体のように血液が噴き出すことはない。

 血は流れるというよりも、少しだけ切断面や刃に残る程度。

 脂肪や体液が、こうして膜のように付着することもあるでしょうね」

「……分かるけど……分かるけど……うっ、それ以上聞きたくない……」

 

口元を抑えるリンリを見て、ノクスはそこで一度口を閉じた。

 

「う、ウチもちょい気分悪なってきた……はよ出よ」

「……そうね。他の場所を探しましょう」

 

ノクスの話を聞くと、このギロチンで死体が切断されたのはほぼ間違いないようだった。

 

私たちは他の死体を探しに、懲罰房を後にしてホテル一階を目指した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

原罪:自称ニセモノ名探偵  (作者:三日月ノア)(原作:魔法少女ノ魔女裁判)

虐待施設での惨劇事件を起こした橘シェリー。▼職員は殺害したものの、頭部に衝撃を受け、感覚を遮断できないほどの痛みのあまり気絶してしまう。▼ しかし意識を失った彼女は目覚めることなく・・・・・・▼代わりに目覚めたのは橘シェリーの身体に成り代わった一般社畜男性だった。▼思い出す。▼明日リリースされるはずだったゲーム、▼この世界は『魔法少女ノ魔女裁判』 だと。▼「…


総合評価:1720/評価:8.91/連載:35話/更新日時:2026年07月06日(月) 20:00 小説情報

百八十度ノ魔女裁判(作者:ミズハ)(原作:魔法少女ノ魔女裁判)

致命的な間違いを犯してしまった二階堂ヒロは、それでも百八十度回った世界で歩み続ける。▼己が正しいと思う道を。▼新しい友情、新しい関係、狂ってしまった友情、狂ってしまった関係。▼その先にヒロが目にするものとは……?▼エマとヒロの立場逆転の再構成モノです。▼愛が止まらずまのさばの再構成をイメージして執筆しました。▼原作プレイ済みを推奨します。▼pixivとのマル…


総合評価:304/評価:8.33/連載:25話/更新日時:2026年07月05日(日) 22:32 小説情報

パーペトレイターズ・ギルト(作者:【自爆】)(原作:魔法少女ノ魔女裁判)

またの名を、激鬱エマ。▼何故か未来の記憶を持ったエマが、自身の存在しない罪を償おうとする話。▼軽い性格改変があります。


総合評価:1773/評価:9.05/連載:12話/更新日時:2026年05月26日(火) 04:15 小説情報

【ネタバレあり】牢屋敷内にある裁判所の証言台は13台しかないらしい(作者:みかづきのみ)(原作:魔法少女ノ魔女裁判)

ネタバレあり。タイトルが思いつかなかった。まのさばの原作ネタバレ注意。▼絶海の孤島に存在する牢屋敷に、再び少女達が集められた。▼夢咲ライカも、その1人。しかし——彼は男だった。▼ガールズラブ、アンチ・ヘイトは保険です。▼本編メンバー+1(男)の話。苦手な方はスルーお願いします。▼夢咲ライカ:15歳、小さい、魔法あり、原作知識無し。▼本編もしやってない方であれ…


総合評価:534/評価:8.63/連載:14話/更新日時:2026年06月10日(水) 20:36 小説情報

被虐性癖転性者は絶対に曇らせない(作者:甘朔八夏)(オリジナル現代/冒険・バトル)

ドMだから突然TSして鬱漫画の世界に迷い込んで化け物に襲われてボロボロになっても平気。良かった〜▼でも登場人物が曇るのは見てて辛いから、ここは俺が一肌脱いでやりますか!俺が傷だらけになる分には何の問題も無いしな!!!▼


総合評価:7552/評価:8.95/完結:27話/更新日時:2025年12月18日(木) 15:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>