曇り顔が見たくて死んでみたら、結構大変な事になっちゃったって話 作:せみふぁいなる
……一度筆が止まったら、日数がスーッ……
すみませんでした。
書いては消して書いては消してを繰り返してたらこんな事に……
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そうと決まれば話は早いと、帰宅後早速メンバーに集合をかける颯斗。
しかし当然メンバー達もギルマスに呼ばれた事は知っていたので、颯斗が帰宅する前から全員予め会議室へと集合していた。
そう、どうせ呼ばれるだろうなと察していたのだ。元々信頼されている彼だが、面倒事に巻き込まれるという点においても彼は見事に信頼を獲得しているらしい。
前回の会議(?)の際は颯斗が居なかった会議室だが、今度は全員が揃って机を囲んでいる。
前回とは違い、部屋に入って正面、12時の方向から時計回りで颯斗、陽奈、大牙、梨花、綺羅、遥輝となっている。
5人全員が着席したのを確認した所で、颯斗は一度咳払いをして切り出す。
「────んんっ、えーと……。先ずは皆さん、突然の呼び出しにも関わらず来て頂き、ありがとうございます。……えーと、一応なんですが、何故呼び出されたのかなんとなく察してる方って居ます?」
そう言って部屋を見回すが、手は上がらない。
つい先程伝えられた事なのだ、普通はそうだろう。寧ろ知っていたら軽いホラーである。
「いや、俺はレオの兄貴に何か言われたんだなーくらいしか分かってないな」
「私は緊急って言うくらいだから、このギルドの皆に関わる事で、かつ今までで一番危険な事なのかしら……って感じね。何なら存亡の危機なんじゃないかって思ってるわ」
「えと、僕もそうです」
「はいっ、日沢先輩! 私は何も分かってません!!!!」
「同じく!!!」
「……貴方達は素直ね……」
「そこが取り柄なので!」
「同じく!!!」
「……頭が痛てぇ……」
「同じく、ね……」
何となくいつものパターンだろうなと悟っている三人とは反対に、フィーリングと元気で生きている組は普段通り、と言った具合。
いぇーい!とハイテンションでハイタッチする梨花と綺羅に、堪らず頭を抑える大牙と陽奈。
開き直っているのが尚のこと
「あはは……ありがとうございます。でも大丈夫ですよ、本当に一応聞いてみただけなので……。今回の案件なんですが、知らないのが当たり前なんです……どうやら国家機密レベルっぽくて……」
「まぁそんな事だろうなとは思ってたわ」
「リーダーの事だからまた
納得行ったように頷く陽奈と大牙。このパターンを今まで両手足の指の数では足りない程に目にしているメンバーは、この程度では然程驚かない様だ。
いや本当、毎度巻き込んですみませんと颯斗は二人の言葉に思わず頭を下げる。
本当にすみませんと思っているのかは謎だ。
「別に、もう慣れたわ。大体のパターンが、アンタが人の為にした事が何故か
「怖い事言わないでください、陽奈さん……。────んんッ! さて、そろそろ本題に入ります。肝心の案件の内容について、ですね」
その余りの経験数故に、割と本気でそう思っている陽奈。確かに、呪いのようなドロドロとした想いからわざとそうなる様に行動している為、そうと言えばそうである。
最早呪霊の類か何かであろう。
そんな当たらずも遠からずの予想を立てている陽奈へ苦笑いしていた颯斗だが、逸れていた話をそこで一旦区切り真面目な顔に戻る。
メンバー達も気分を切り替え、颯斗の話を一言も聞き逃さんと沈黙する。お喋りが大好きで、話してないと死ぬんじゃないかと周りに思わせているあの綺羅でさえもだ。
「これから話す内容は、上の方々の判断によって色々と変わるかもしれない、と言うのを念頭に置いておいて下さい。────レオさんからの話だと──────」
「──────と、言う事です」
ふぅ、と話し終えて一息つく颯斗。
そんな颯斗とは対照的に、話を聞いたメンバーの様子は様々であった。
尚、梨花だけは颯斗に「お疲れ様です」と、普段と変わらない様子でお茶を汲んでいた。理解が追い付いていないだけである。
周りに花が浮かんでいる幻覚が見える所から推して知るべし。紅茶でも無いのにフローラルな香りである。
「え〜と、つまり……ちょー危ないけど逃げたらマジヤバめって事?」
「……まぁ、大体合ってはいるな」
「やた! ウチって天才!?」
久しぶりに正解(?)してはしゃぐ綺羅。
一方で、陽奈・大牙・遥輝の三人は何やら気難しい顔をしている。
今までも苦戦必至の厳しい戦いは何度かした事がある“トラブラー”だが、今回はそれらとは話が違ってくるのだ。
そんな顔になるのも仕方がないだろう。
「それって、もっと詳しく教えて貰ってはいないの? 例えば、生きて連れてこいとか、逆に絶対に殺害してこい、とか……」
「いえ、特にそう言った条件は聞いてないですが……陽奈さん、これまでの歴史的に初期段階とはいえ相手は強敵です。そもそも、そういうのをコッチが選べるような立場とは思えません。俺達の能力はまだ“覚醒”はしていない」
「…………それもそうね、ごめんなさい」
──“覚醒”。
この世界における『問題児』──“転生者”は、生まれつきなにか強力な能力を必ず持っている。一人も、例外なく。
転生者では無い、純粋なこの世界の生まれの者も持っている時はあるが……その存在は極々希少とされており、更に“魂から善良な者”にしかこの素質は宿らないとされている。
それに比べると、ただ転生者であると言うだけで善良だとか関係無しに最初からそんな強い能力が使える転生者達は、まぁ世界の敵になるのも無理はない。
しかもよりにもよって悪側の分布が大半な形だ。終わっている。
さて、そろそろ『それなら転生者を止める事は不可能だろ
しかし待って欲しい。皆が皆最初から馬鹿げた力を持っているのかと言うと、実のところは
それが、“覚醒”。
意味としては、文字通りに“能力の
転生者の
キッカケも条件も、人それぞれで違う。
だからこそ、この世界に転生者達が集まっていても、そこまでの頻度で真の意味での『
そしてこれは、裏を返せば“覚醒していない転生者では、覚醒済の転生者に勝つ事は不可能に近い”と言う事でもある。
だからこそ、颯斗は陽奈に注意したのだ。
曇らせたいだけで死なせたくない、という颯斗の理念が故に。
「一応ですが、覚醒していない僕達の能力でも勝つ戦略……と言うのは幾つか考えてあります。本命のプラン、それが失敗した時の保険、更に失敗した時の保険……と言った感じで、プランA,B,C的なのを。今回集まって頂いた──いや、集まってた? ……まぁとにかく、話し合う目的としては、この案件の内容とプランの擦り合わせになります」
「おぉ、今までで一番真面目にギルドしてる……! 僕、今猛烈に感動してますよ……!」
「逆に言えば、過去にあったどの大きい案件よりも危険って事なんだけどね……。……分かった? そこの二人」
「ほぇ?」
「ふぇ?」
突然の陽奈からの問いかけに、梨花と綺羅は首を傾げてクエスチョンマークを頭に浮かべる。
一方で、遥輝は
両目がしいたけになっている。
「……ダメそうね……」
「わーっ! 日沢先輩、本当に残念そうにしないでください! 冗談ですよ冗談!」
「そうだよひなちー! 流石にウチらも真面目に聞いてたからーっ!」
「──信頼って大事なのよ、梨花後輩……」
「なんですかその優しい目は!? あとなんで私だけっ!?」
ガーン、とショックを受けた梨花は机にうつ伏せ……にはならず、唇を尖らせて拗ねるだけで済ませる。
どうやら本当に真面目に聞く気のようだ。
綺羅に背中を摩られているのがなんとも言えないが。
「……えーと、取り敢えず颯斗さんの言う、“プランの擦り合わせ”をしませんか……?」
一瞬にして壊れかけた真面目な空気をひと声で取り戻した遥輝の言葉に、満場一致で賛成する事となった。
良くも悪くも個性の塊なこのギルドは、大体こんな調子である。
覚醒の下りにはまぁ察しが良ければ気付くような事が隠してあったりなんだりラジバンダリ。
前回の会議と席順が違う事に書いてる最中気付きましたが、その時のが一番脂が乗ってる文だったので「このギルドは颯斗の固定席以外で席順なんて気にしないんだ!」という設定で押し通そうと思います。
今熱いゲームらしいので〇珂ちゃんのファンを勝手に減らそうと思ったのは内緒です。那〇ちゃんごめん。