Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
転生したら幼馴染がFateの沖田さんでした。
うん、控えめに考えて詰んでる。マスターとかそういうコミュニュケーションEX組じゃないと舵取れない推しとどう接すればいいのか、と。
もちろん沖田さんのことは好きだ。前世のときには絆15 のパーフェクト沖田さんにしてマイルームも現実の部屋も沖田さんで埋め尽くされていた。
推していればわかるけど沖田さんは「容赦なく人を殺す性格」と「甘い菓子が大好きなごくごく普通の女の子」の性質を併せ持つ。見え透いた地雷さえ踏まなければなんとかなるだろう。
そんな見通しなどバレた瞬間に介錯ものだが。
「ねーねー、どうしましたかー?沖田さんのことで悩んでますかー?」
推しに話しかけられた瞬間に思考を切り替えて目の前にいる沖田さんとの会話に全神経を注ぐ。間違えた瞬間刀が振り抜いて殺されるのは間違いない。というか日本刀の帯刀は法律で禁止されてるはずだぞ。
「いやまぁ、来年の中学校どうしようかなって(刀の柄に手をかけないでくれ…怖すぎる…!)」
沖田さんと共通していて小学校六年生がしてもおかしくない会話で場をつなぐ。前は悪ノリでこの場を茶化してくれた友人Kを待つためだ。
(おい!はよこっちに来い!)
真剣に目線で訴えてもこちらのことに気づかないKを殴りたくなる。こっちと目が合わないようにわざと視線を逸らしやがった。
「沖田さんはマスターと一緒ならどこでもいいですよ?なんなら本能寺までいってアーチャーに見せつけてきます?」
…ふむ。本能寺のアーチャーってノッブのことか〜なんで知ってるのかってことも一回ちょっと心にガッツがないから心の中の左之助くんにターゲット集中付与しましょうねぇ。
あとマスターなんて美少女から唐突に飛び出た言葉として最悪すぎる。小学校だからいいけど中学なら囲まれて質問攻めの刑に処されるだろう。
とりあえず今はとぼけることをしよう。無理とかそんなこと言ったら三段突きで死ねるから。
「じゃあ壬生中学に行かない?」
「いいですね!そこなら道場も近いですし一石二鳥です!」
ルンルン気分で歩いている沖田さんにほっとしつつ、帰るためにランドセルを背負う。沖田さんの髪の色には少し会わないけれど水色のだんだら模様が新選組すぎてヤバい。
(なに?この時代って英霊がポンポンいるの?)
よく聞くのは日々巨大化した女ヒーロー*1とかほぼ男特攻の女ヒーロー*2やらどれだけ殴られても倒れない筋肉ガチガチの男ヒーロー*3の話。
なんというか、秩序に当たる人たちがヒーローとして活躍しているような気がしてならない。よくできている世の中だなと思いつつ、沖田さんのもとへと近づく。
「そういえば最近はこのあたりで辻斬りが流行っているそうなんだとか。沖田さんは最強なので大丈夫ですけど…マスターはお気をつけて」
(…その辻斬りって)
考えてみよう。Fate世界で辻斬りをして捕まらないような実績のある人。というか人を殺してもなんとも思わない人とか。
「…それを言うなら沖田さんでは?」
思わず言葉に出してしまったのは悪くないだろう。他の新選組も候補に上がるけど一ちゃんとか永倉さんなら現代に馴染むだろうし、土方さんはたくあんとおっぱいに執着する。
以蔵さんはお金だから今回は除外。
そうなると候補になるのがバーサーカーやセイバーなんだけど、辻斬りだとわかる剣を扱えるのはセイバーだけ。セイバー=推し、つまり沖田さん。
そんな理由で思わず口に出てしまったので終わった感じがする。
(あー、推しの刀で死ねるのシアワセダナー)
なんて現実逃避もしつつ彼女のほうを正面から見ると頬に手を当ててくねらせていた。なんなら凄いウキウキしている。
「マスターが沖田さんのことを気にかけてくれた…これはもう相思相愛と言っても過言じゃないですよね!」
(あ、都合のいい部分だけ聞いてたのか)
前半に目を瞑れば沖田さんを心配するセリフに変わる。最も沖田さんなら普通に斬って跳ね除ける可能性のほうが高いのだけど。
(沖田さんが犯人でも一緒にいたほうがいいのかね?)
小学6年生が人殺しをしているを疑うって時点で変な話だが、そもそも英霊のままこっちに来ている沖田さんがおかしいという話である。
「一緒に帰る?」
「なんで帰らないって話で進めようとしてたんですか!?沖田さんの病気が治るまで同じ場所に通うって約束ですよね!」
その病気確か史実でも治らないって話じゃありませんでしたっけね。
そんなことを言える雰囲気でもないので手を繋いで雪が少しだけ積もる通学路を帰っていく。
どうせ来るとしたらぐだぐだ組だけだしなんとかなるだろう。
「─ということで進路希望調査!オマエラもちろんヒーロー科だろうけどなぁ!」
全員が個性を持っている世界─の、多分最初のシーン。
「沖田さんと一緒に雄英高校行きましょう!マスターなら合格間違いなしですよ!」
ヒロアカに転生した事実を突きつけられた俺は、そのまま意識を失ったのだった。
…せめて一つだけにしろや。
続くかもしれない。
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