Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。   作:ぜひもないよね!

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番外編・クリスマスには乗っかるしかないと思った。

なんてことのない日だと思った。

 

 

「今日はお酒じゃなくてワインの日です!」

 

「違う、そうじゃないから」

 

 

朝からルンルンでワインを取り出そうとする母さんに突っ込みを入れてお茶を淹れる。緑茶なら飲みやすいし朝の気温に合う。

 

「ほら、寒いんだしちゃんと体をあっためないとダメだよ」

 

「でも越後よりは寒くないですし…それにほら、ワインとかアルコールって体温をあげる効果があるんてわすよ!」

 

「ダウト。アルコールは手の先まで血を回らせないから体温が上がっているように錯覚するの」

 

別に夜に呑む分には反対しないんだから。

 

そう言っても母さんはブスーっと不満気な顔だ。よほどワインを楽しみにしていたらしい。

 

(どうすれば機嫌を取り戻せるのかな…あ、あの手があるか)

 

晴信さんから来ていた『今日くらいは俺もお前と会いたいから待ち合わせしよーぜ』 というメール。

 

「そう言えば母さん、今日晴信さんと一緒に過ご「よこしなさい!にゃー!」」

 

…ダメだこりゃ。

 

会えるということに興奮しまくって今度はまともに喋ってくれなくなった。

 

お酒がなければ闘争を挑む─なんて軍神らしい母さんなのだろうか。

 

「とりあえずお茶を飲んでから行こうか。流石に戦闘しないよね?」

 

「はい!晴信さんに会えるならちゃんと身だしなみは整えないとですね!」

 

ルンルン気分で槍や刀を拭き始めた母さんを見ていると、やっぱり晴信さんを犠牲にしたほうがいいかもしれない。

 

(必要な犠牲でした)

 

某秩序に見えないゲステラ野郎の宝具が頭をよぎるが、別に命の価値に区別はつけなくていいらしいのでセーフだろう。

 

ちなみに教えた待ち合わせ場所は嘘である。どうせ母さんに捕捉されるから十分以内で行けるところにするらしい。

 

 

 

 

「よっ、待ったかマスター」

 

「相変わらず赤い車だなぁ…」

 

片手を上げて赤いスポーツカーによりかかるイケメンの赤い男。完全に晴信さんですありがとうございます。

 

(かっけぇ…流石に晴信さんハンパねぇ…)

 

「母さんも来ちゃったけど大丈夫?」

 

「あいつ?まあ、カーチェイスみたいになるが気にしなくていいぞ。乗っとけマスター」

 

顔面が真っ青になっているけど心配ごとはいらないと言わんばかりの堂々とした態度。

 

「かっけえ…」

 

「呆けている暇はねえ。さっさと行くぞ」

 

エンジン音のかかる音と特有の匂い。軍配の形になったキーを一気に回転させ、車輪が異常に空回りし始める。

 

「飛ばすぜ!」

 

言った瞬間から途方もない横Gがかかり、体がシートに締めつけられる。改造車としての全力はほぼ肉体が千切れるくらいとこの前話していたことを思い出す。

 

(この人、息子のことをなんだと思ってるんだ…?)

 

そんな声を出そうとしてもシートベルトが肺の中の空気を吐きださせて息すらもできなくなる。

 

「ついてこい、マスター!」

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぅ。大丈夫か?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

そんなえげつないドライブがあって3時間。最初のほうは辛かったけど慣れてくると楽しかった。

 

その答えを聞いて満足そうに頷くと、山梨の赤い家に案内される。

 

「俺の家だ。赤いし人目につかないようにここに来たから誰とも会わないで済むはず」

 

「母さんは?」

 

「全力で振り切ったから問題はない。俺の車ならそんくらいできる」

 

武田菱もあるし母さんとは違って赤いものが目につく場所にどんどん置かれている。

 

(母さんが作った家は実用性以外何も求めてないんだよなぁ…)

 

殆ど何もない。ただ酒と武器庫と寝るだけの部屋。勉強する場所は1時間入ったら出られない構造に鉛筆と消しゴムとノートだけ。プレゼントなんざもらってない。

 

「お前よくあの家で過ごせるよな…」

 

「いやまあ、母さんに殺されるよりはマシだからね」

 

最初のほうなんか一回掴み損ねて腹に傷ができちゃったもんだからね。人間死に物狂いで身につけた技術というのはどうしても忘れられないものである。

 

思い出しているとゴホンと大きな咳ばらい。

 

「とりあえずマスター。クリスマスプレゼントってもんだ」

 

そういうことか、と合点がいった。わざわざ俺に会いに来た理由はクリスマスだから、ということらしい。

 

(そんなことにも気づけないってヤバいかもしれないなぁ…)

 

そもそも祝い酒という習慣くらいしか季節の行事がないせいで思い出すこともない。精々ちょっと母さんの機嫌がいいくらいだ。

 

「ったく、俺もアイツもどうにも子育ては苦手なもんでなぁ…家に拘るか徹底的に人としての概念を削ぎ落とすかのどっちかしかできなかったからな」

 

確かに二人ともマテリアルとかでそんなことが伝えられていたはずだし、そう思われてるならそうなのだろう。

 

「ま、一緒に暮らすよりはマシだったんじゃない?俺が言うのもなんだけど多分そうなってたら死んでるし」

 

「仮にも加減する─いや、あっちがするわけないよな。はぁ…」

 

ため息をつく晴信さんだけど、普通に親として悩んでくれていると思うと胸のうちが暖かくなる。

 

 

「とりあえず飯にしようぜ。どうせ年に一回会えるか怪しい息子に豪勢なもん食わせないなんてことしねぇよ」

 

赤い食べ物で埋め尽くされた食卓は、普段とは程遠い世界。

 

「…メリークリスマス、マスター」

インターンどうしよう?

  • ランサー&アサシン
  • ライダー&セイバー
  • アーチャー&キャスター
  • フォーリナー&フォーリナー
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