Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。   作:ぜひもないよね!

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インターン前だから何もないと思った。

なんというかよくわかんないけど夢の中っぽい。

 

俺はなぜか雲の上で天使とこたつを囲んでいた。

 

「ここって天国か何か…?」

 

「そーだよ、グラナートってところ。マスターは知ってるでしょ?」

 

ねーと同意を呼びかける声も可愛らしい。

 

「待てよそこの天使、儂もいるから天国と地獄の両方じゃない?」

 

「じゃあ両方の中間みたいなところってことで…」

 

こたつを囲んでいるのはアーチャーのノッブと普通の怠惰ヌ。みかんの皮を剥きながら受け答えをしているけれど、なんかやけにだらけ方が猫っぽい。

 

「ジャンニャ…」

 

「そんな呼び名で呼ばないでよ、怠惰ヌじゃないと伝わりにくいんだからさ」

 

とはいえ彼女はこちらの冗談が好きらしく、普段のような硬い表情ではない。とんでもなく穏やかにこたつに浸っている。

 

「お主がネコ耳つければいい話なんじゃないの?」

 

「どうせつけるなら麻雀の役がいい…あ、せっかくだし皆で麻雀やろーよ」

 

思いつきのままに彼女が手を合わせる。ポシュという柔らかい音のあとにこたつの上に全自動の麻雀卓が配置されていた。

 

「ルールわからないんだけど…」

 

「別にわかんなくてもゴリ押せばいいでしょ。どうせ私と信長がわかればなんとかなるなる」

 

「…はあ、儂とて知らないルールといえば知らないルールに入るのじゃがしょうがないのぉ」

 

ため息をつきながらぐーたらした体を起こした二人を見て逃げ場がないことを理解した。

 

「まーわからないなら適当にやっとけばいいよ」

 

 

 

 

結構適当に遊んでいるからどんなものなのかはわからないけど、勝ったり負けたりしつつも親が一周した。

 

「そんで俺をここに呼んだ理由は?」 

 

「呼んだってより呼ばれたのほうが正しいかな。あ、それポン」

 

ターン。

 

「別に私はマスターのことが大好きだとしてもグラナートには呼べないんだもん。夢に生きてる人間が来るなんて普通はおかしいことだからね」

 

「それ暗に儂のこと生きてる人間扱いしていないってことじゃね?気にするつもりはないが、それでも魔王としてはきついもんじゃぞ?」

 

ターン。

 

「つまり別にノッブがここに来る必要はなかった、と」

 

「まあ極論言っちゃうとそうだね。多分深層意識で一番頼れる存在だったから出たけど…謙信ちゃんとかそこらへんが出てもおかしくなかったんだよ」

 

「なるほどね…」

 

ターン。

 

「グラナートの意味は『真実』ないしは『友愛』。儂に全く合わなすぎじゃない?」

 

「まあカッツには甘いしセーフセーフ」

 

そんな緩さでいいのかと思うけど案外そう思えばちょっと考えなくて楽になる。

 

「考えないっていいよな…」

 

「別に考え続けろとは言わないからちょっとくらいは空っぽにして頭の中から出せればいいよね」

 

ターン。

 

「というかなんか気にしてることない?私のところ来るって相当な悩み抱えてるでしょ?」

 

「抱えてないって。マスターとしてレイドボスやれてないくらい」

 

今年は100も回せなかった後悔がある。オロチ…おいしいやつを失ったよ、おかわり早くさせろ。

 

「私が言ってるのは別だよ、別。マスターが隠していることについて聴きたいことがあるの」

 

「…まー儂らも隠そうとはしてなかったしそこはいいんじゃよ。名前を変えすぎとると言えば変えすぎじゃがの」

 

二人から指摘されたことは事実だ。真名は隠さなくてもいいのにわざわざ俺は言っていない。

 

(そりゃまあ、呼ばれるとしたら『藤丸立香』だろうしな…)

 

その名前ではないことがわかって、FGОの女性サーヴァントが目の前にいて。

 

自分の本名の意味が理解できてしまえば、どれだけおぞましいか理解できた。

 

「      」

 

何かを口にしようとした瞬間─どこか懐かしさを感じる触手に口を塞がれた。

 

 

 

 

 

 


 

 

「…ぷはっ!」

 

起きたときは単なる無機質な部屋で、単なる選手控え室。

 

「大丈夫ですか、マスター?」

 

「うん、気にしないでいいよ」

 

こちらを心配してくる普通の沖田さんの目。この世界に戻ってきたという実感と共にあの触手の恐怖が体全体を駆け巡る。

 

(ったく、夢の中でどんなもん見てるんだか…)

 

普通の悪夢ならまだよかった。もし殺されるくらいの夢なら笑って沖田さんに話せただろう。

 

「…むー。なんかマスター、無理してません?」

 

「してないから気にしなくていいよ」

 

首を振って追及してくる彼女から話題を逸らす。あの悪夢はどうしても忘れたくないものなのだ。

 

(…まあ、当然の罰だよな)

 

隠しておかなきゃいけない─ではない。

 

自分がまた死にたくないという、単なる生存本能が暴れるだけだ。

 

「そういえばマスター、次は緑谷くんとの試合ですけど大丈夫ですか?」

 

「安心しなよ。負けるわけにはいかないからさ」

 

堂々と彼女の前では投影する。作られたアゾット剣が触手の粘液のように怪しく煌めいて反射する。

 

ただ、悪夢から記憶を振り払うように。

 

 

 

目の前の敵を、全力で倒しに行く。

インターンどうしよう?

  • ランサー&アサシン
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