Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。   作:ぜひもないよね!

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終章クリアしました。つまりそういうことです。


どうであろうと覚えられなかった。

 

なんというかたまには一人で歩きたいってときがあった。

 

 

体育祭が終わって数日後、普段から母さんがお気に入りの酒を買っている店に行くことになった。当然目的は酒のつまみと酒。朝の霧はどこもかしこも隠しているせいで行きにくいことを全く考慮してくれないらしい。

 

「ったく、これでも方向音痴なんだよなぁ…」

 

幼い頃も迷子になったし、なんなら今でも路地裏に行くことが全然ある。そのたびに誰かに会っている…が、サーヴァントばっか会うのだ。

 

「どのサーヴァントかなんて覚えられてないのはヤバいけどなあ」

 

母さん曰く、最初にそういう結界をかけられてしまったとのこと。プーリンとかそこらへんの魔術については専門外らしい。

 

「そもそもこの結界とか冠位サーヴァントとかそこらへんがするレベルだよね」

 

そこの場所だけ忘れるなんて都合がよすぎる。もしくは想定外の効果が混じってしまっているのか。

 

いずれにせよ、記憶に残らない場所として認識しているところだった。

 

「…おかあさん…」

 

そんなことを思っていると前にすすり泣いている白髪の女の子が。着ている服はかなり上等で、ドレスは間違いなくオーダーメイドといって差し支えないだろう。

 

「どうしたんだい?」

 

「おかあさん…いなくなっちゃったの…」

 

ポロポロと泣きながら話す彼女はどっからどう見ても母親を探す幼女だった。

 

(…よし、最寄りの交番までは別に時間がかからないしいいか)

 

そもそも余計な人助けはヒーローの本分だし幼女をここにほっぽり出して酒なんか買いにいくことなんてできない。

 

「…一緒に行こうか、ね?」

 

「…あそんでくれるの?」

 

唐突に泣き止んでこちらのことをジイッ…と見始めた彼女に少したじろぐ。あそぶ、に殺意が乗っているわけでもなんでもない。

 

その目線が恐ろしい狂気に魅入っているのだ。

 

「…おう。名前はなんて言うんだ?」

 

それでもここで引くなんてことをできるはずもない。余計なお世話がヒーローの本分だし、本能がここで腰が引けてしまうことを押し止めろと叫ぶ。

 

「…ジャック。わたしたちは、私は、ジャック」

 

随分と俺のことをじいっと見て。

 

遠慮がちに、手を握ってきた。

 

 

「…おなかすいちゃった」

 

「そうか。何が食べたい?」

 

どうやら子供らしくお腹がすいたようで、遠慮がちに上目遣いでこちらを見てくる。やっぱり赤い目の中には殆どハイライトがなく、こちらのことしか見えていない。

 

「ハンバーグがたべたい。おかあさんのじゃなくていいから…」

 

「…なるほど、この近くのハンバーグをおいてる店って…」

 

近さと美味しさを天秤にかけ、目の前のジャックが喜べる場所を探す。

 

「…うん、これだね」

 

ショッピングモールの近くにあったハンバーグ専門店。ここが一番満足できそうな範囲で妥当なところだろう。

 

「迷子にならないようしっかり繋いどけ」

 

柔らかい彼女の手を強く握り返す。見た目と行動が同じはずなのに、どうしてなのか凄く冷たい手だった。

 

 

 

 

「にしてもまあ、こんだけ霧が続くなんて奇妙なこともあるもんだな…」

 

ジャックが歩き疲れて途中からおんぶするくらいには長い距離だったが、未だに霧は晴れていない。というか目印のショッピングモールにすらたどり着けていない。

 

「おかあさん…」

 

「危ないなあ、全くもう」

 

おかあさんと勘違いされて首元をナイフで裂かれそうになる。そのたびに投影して防御しなきゃいけないから大変だ。

 

(なーんか攻撃されそうになる瞬間に投影が解除されるんだよなぁ)

 

ジャックと一緒にいるからなのか、どうしても気の緩みが半端じゃない。俺もまだまだということだ。

 

「あ、やっと見つかった…ジャック、歩ける?」

 

「おかあさんといっしょがいい…このままがいいの…」

 

「…はあ」

 

そんな理由で案内される寸前でジャックを起こす。寝ている女の子は優しく起こさないとすごく不機嫌になるのは沖田さんと母さんで実証済み。

 

「ほら、起きなって。ご飯食べるよ」

 

「うん…ありがと…」

 

目をしょぼしょぼとこすりながら俺の上にちょこんと座るジャック。どうやらそこで食べたいらしい。

 

「…ダメ?」

 

「そんな顔されたら断るわけないだろうが。ほら、なに食べたい?」

 

パッとすぐに指したあたりもそうだけど、ジャックはえげつないくらい頭の回転が速い。5歳児を相手にしているような感覚じゃなくて、普通のあざとい女子高生を相手にしている気がする。

 

(にしたってかわいいからいいかなぁ…)

 

届いたご飯をこぼしながら食べるジャックのほっぺたを拭きつつ、ぼーっと外を眺める。

 

外にはまだ霧が出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、ごちそうさま!」

 

「ちゃんと手を合わせなさいな…」

 

お金を払って外に出れば晴れ渡った空。

 

「あ!今からわたしたち待ち合わせするんだった!」

 

「おかあさんのところに行かなくて大丈夫なの?」

 

「うん!大丈夫!」

 

満面の笑みでこちらを振り返りながら駆けていくジャックに手を振る。どうせこの後に会うことのない少女だし、何もないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日。普段通りに登校したら沖田さんから殺意を向けられた。あっけらかんとした殺意は久しぶりだ。

 

「ねえ、マスター。私以外の美少女と会ってませんよね?」

 

「普通にノッブくらいだけど…」

 

じゃあ、と続けられた言葉。見せられたスマホの画面。

 

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写真に取られたその風景は、ジャックと一緒に食べたその日で間違いなくて。

 

俺の知らないジャックが、写っていたのだった。

 




霧夜の可能性A+++
たった一つの居場所であった星見の旅を失った彼女にとって、生前に過ごしていた霧は非常に馴染み深い。たとえそれが自分ではない「他の自分」のスキルであったとしても、霧の中にいる以上は彼女自身のスキルとして使用できる。
あくまで「可能性」なので偽物だが、ただの人類を殺すのに充分なスキルなのは言うまでもない。

「…わたしたちのなかの、私」

精神汚染(終焉)EX
人理を救い、異聞帯を切除し、自らの友人も殺し、そして最愛の主の命令で別れた少女の精神(こころ)。もともとの持っていたスキルと融合した結果、どれだけ離れていてもマスターの居場所を見つけられる。ただし対象を見ている最中はその対象からも反応されるため、基本的には使用しても得にはならない。

「…なんで、一緒にいてくれなかったの?」

暗殺者の慈悲E−〜B
迷子は家に帰ることはできない─ただ、他のものを地に還すだけ。どこまでも容赦のない刃は、暗殺対象にとっての慈悲そのものである。愛するものへの刃になればなるほどより研ぎ澄まされ、反応が困難になる。
対象との密着度が低ければ低いほどこのスキルの成功率は上がるが、高ければ高いほど感知されやすくなる。

「ごめんね、一緒に死のう?」


宝具 マスターの真名に関わるため使用不可

インターンどうしよう?

  • ランサー&アサシン
  • ライダー&セイバー
  • アーチャー&キャスター
  • フォーリナー&フォーリナー
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