Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
フォーリナー─もとは外なる宇宙の侵略者の意味だが、別にヒーローアカデミアの世界では俺やサーヴァントもフォーリナーなのだろう。
…一旦、今の自分の身に起きていたことを考える。
兵庫県の遊園地─なら、ピンと来ていた場所であるモザイク大観覧車ではない。そうなるとやはりフォーリナーと関わりのあるサーヴァントとは誰か、とはわからないのだ。
「子供の隠れたくなるところ…おおかた使われてないサーカス小屋あたりか?」
サーカス小屋。ここの遊園地では老朽化のため修復工事を来週から行うらしい。隠せるところと一番見つけにくい場所を両立させるなら怪しい。
「でもサーカス小屋ってそんな子供が隠れられるところがありますかね?」
「逆に子供が好きそうだし、何より連れて行くならピッタリだと思うんですよね」
おおかた迷子になるように魔術をかけて、そこで夜な夜な実験を…うん、ギリギリあり得そうなラインだ。
「ではそちらの方はマスター一人でお願いします。私は今のうちに監視カメラで毎日来ている人がいないか確認してきます」
「ユニヴァースとしてバレないように護衛してきますね!」
そんな理由でいろんな場所に散っていき、そのままサーカス小屋のほうに向かう。
「ちなみにどんなヴィランが敵なのかってわかります?」
「あぁ…今のところだと爆弾魔のメフィストフェレスか女殺しのカーミラのどちらかですね。遊園地の雰囲気上キャストとして紛れ込めるヴィランはこの二人くらいしか見つかりませんし」
「もちろん、この遊園地で合流するまでは個性バンバン使っていいです!命大事にで行きましょう!!」
となるとアイアンメイデンと爆発に気をつけるべき、と。特に時計が一番危険そうだな。
(とりあえず犯人がいるのはこことするなら…どんな罠を置くべきなんだ?)
サーカス小屋の前でそんなことを考えていると、明らかに怪しい音楽が。アナウンス機器を乗っ取ったその音楽は、明らかに周囲の人に異常をもたらした。
(やべ、ここに居たくない…!!)
そこまでの嫌悪感はなかったけど、他の人はより顕著にここから動き出した。反対に子どもたちは夢見心地にフラフラと禁止の柵を潜ってサーカス小屋のエリアへと入っていく。
「…うう…ここ、いやだ…!」
そんな中、俺よりも少しくらいしか年の変わらない女の子が俺の手を引っ張り始めた。
(んー…緑髪のショートカットだからエルキドゥでもないし女だからダビデでもない、か)
恐らくヒロアカの名もなきモブだろうその少女は、抵抗できない力で俺をサーカス小屋のところまで連れてこうとする。
「おい待て、そっちは…!」
「行かないとダメな気がする!!あなたもついてきてよ!」
少女の個性なのか、体が柵へと一直線に平行移動してぶつかる。勢いのまま突っ込むと怪我するのは確定だろう。無論─しがみついている少女については言うまでもない。
(ああもう、なんなんだよ…!)
勢いのままに爆弾を投影してぶん投げ、当たる前に大盾を作って爆風を防ぐ。どうであっても守ることくらいはしないとダメだろう。
「…痛く、ない…?」
困惑した彼女の声と。
よく感じていた何かを喰らって。
気がついたら俺は、あの場所にいたのだ。
「…とりあえず、整理はついたな」
そして引っ付いていた少女をとりあえず安心させる。ヒーローとしてはそうしなきゃいけない。幸いにして頭を撫でるのを嫌がっていないみたいだし、そこまで落ち着かせるのに苦労しない。
「あったかい…」
「おちついたんならちょっとここから移動するぞ。…名前は?」
絡みついてくるような触り方をする少女を放しつつ、まっすぐと彼女を見つめる。こちらのことを傲慢に見下げるような見方なのは、少し嫌だが不快ではない。
「…ラヴィ。ラヴィニア・ウィリアムズ」
「ん、逃げるぞラヴィ」
(思いっきりフォーリナー案件っぽいなこりゃあ…やだよ)
絶対にこれアビー以外の何か碌なキャラが来なさそうだと確信しつつ、少女を手を握って走り出す。
暗号機以前にまずは情報収集。サーカス小屋の中身ではないし、誘拐事件の再確認をしておきたい。
「…つーか触手も面倒がすぎる…」
明らかにクトゥルフの触手です発狂しないようにしないといけないの嫌すぎる。
一応弾丸で確認をしたけれど、実体はあるので壊せそうではある。それはそれとして子供がこの中で生き残れるとは思えないので刑事の直感はやっぱり役に立たないのは間違いない。
「…んなこと言ってたら早速お出ましか…!」
子供を脇に抱えては─いない。ファンシーな雰囲気を纏っているそれは、触手よりもよほど遊園地にはあっている。
だからといって─それが『正しい遊園地のピエロ』とは思えない。恐ろしいほどに血に塗れた手にはパイを持ち、既に人を多数殺したのだろうことが伺える。
「フォーリナー、ってことか」
謎のヒロインXXが見せてくれた映画、『キラークラウン』。ドアノブを爆破させるよりも恐ろしい魔性は、確かにフォーリナーとして登場してもおかしくはない。
宇宙船からやってきたピエロは、こちらへと醜悪な笑みを浮かべて近づいてきた。
(…相手の援軍は、いない)
ラヴィを、子供を見ている目からして─目的は彼女で間違いない。
「外なる侵略者ごときに子供は渡さねぇよ、ボケ…!」
たとえ攻めには向かずとも。
目の前の少女一人助けられずして、何がヒーローなのか。
「フォーリナーって考えさせられますね…あ、皆さんよいお年を。来年もまた続くといいですね」
「儂からもよいお年を…ってお主、ビールなんか飲んどるんか?」
「そうですよ!新年と言えば初酒!新しく買ってもらったギガジョッキで飲ませてもらいますから!」
「よいお年を…って、私はまだ出てないんだけど?なんで序盤でも出してくれないの?」
「おかあさんからあいされてないんだね、かわいそうに。…よいおとしを、でいいんだよね?」
「私からも一言挨拶を。年の終わりに相応しい人選かはわかりませんが、精一杯やらせていただきますね。…皆さんの努力が、これまでの旅路が、一つの支えになることを願っています」
「来年もよろしくお願いします、マスター」
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