Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
「ええ?お主正ヒロインじゃなくなりそうだから焦っとるだけじゃないんか?」
「…よろしい、ならば戦争です」
「ったく、誰でもいいから助けてくれませんかねぇ…!!」
不思議な世界の遊園地の中には神も仏もありゃしない。いるのはただ─殺人鬼のピエロだけ。
目の前のメッフィーよりもよほど話の通じない殺人鬼からラヴィを守りながら一度撒かなければならないという状況はまさしく絶望としかいいようがない。
(かといって諦めるわけにもいかないからな…)
ゲイボルグを投影してぶん投げても心臓に当たる感触はないし、寧ろこちらに投げ返そうとしてくるので投影を解除。白兵戦をすると周囲が見えなくなるから防衛戦では論外。
(プルスウルトラの精神で乗り越えろってか…!!)
相手を分析して戦うだけ、なのに行動がわからないから恐怖でしかない。正直言って映画についても雑に見ていたから詳しくは覚えてない。
「中々マジのピンチだねぇ…」
喋る余裕もないラヴィを抱きかかえながら綿あめの弾丸を火炎放射器で燃やし尽くす。フォーリナーなんぞどんな行動されても厄ネタしかないのは間違いがない。
(曲射の芸当でもさせてもらうか…)
弓を引き絞って矢を放ち、相手に2方面での戦闘を強要する。閃光弾が効くかは不明なのでまずは手斧と同時に投擲する。
とりあえず最初に考えるのは知能の検証。逃げるときにどこまで追ってくるのかを調べるべき。
「さあどうすんのかな…やべっ!?」
瞬間、予想を裏切った触手によって左腕を大きく怪我する。ピエロから触手が出てくるわけねーだろいい加減にしろ。
当然矢はバキバキと音を立ててへし折られ、寧ろ手斧に至っては攻撃に利用される始末。咄嗟に投影を解除できたがそれでもきついものだ。
「え、えぇ…?」
「ラヴィ、かすり傷だから気にすんじゃねえ!」
鉄を包帯代わりにして巻き、相手の正体をやっとこさ理解する。反射で動いたあたり、俺達のことを体温やら肉体で認識しているわけではない。
─つまるところ、
それと同時にピエロがフォーリナーではなくキャスターの海魔だということもわかる。つまり、真名をご丁寧にも避けていたということだ。
「ったく、これならまだやりやすいってことだな…」
キャスターにおいて、この遊園地に使い魔を放つことは簡単だ。しかしそれをわざわざ隠してしまうということは─すなわち、最も正体に強く近づかれてしまうから。
海魔のサーヴァント、そしてフォーリナー案件なら一人しかいない。
真名、ジル・ド・レェ。
子供を誘拐するのには─事欠かない。
「ヒャッハッハッハ!サーヴァントではなくヴィランに落ちようとも、あなたのことを裏切るなんてことは面白くありませんからねえ!」
直後、一瞬で煙幕が張られて手にあったラヴィが連れ去られて一対一の状況になる。
「マスターが散々暴れてから合流しましょう!なんせ私、ピエロであるからして最強です!」
「テメェ…最高だぜ!!」
聞き覚えのあるハイテンションに引き連れられ、思わず叫んでしまう。海魔には気づかれてしまっただろうが構わない。
「さぁて、パレードの始まりと洒落込もうか!」
弾丸を大量に装填したマシンガンや用意したロケットランチャーも全て解除する。
本当ならこんなことをするなんて恥ずかしいことこの上ない。
「猿真似の投影、見とけや青髭…!」
地面へと向けた無数もの刀を上へと作り出し、下の一人のピエロもどきへと向ける。
「今宵の悪夢─」
自分自身が見える範囲にも、見えない小屋の中にも人はいない。対人戦ではない、ふざけてもいいだろうこの世界だからこそできる芸当。
「─天鬼、大雨でしょうね!」
雨粒の変わりに刀を落とし、ピエロの死体が塵になって遊園地の音楽と共に地面へと濁って落ちていく。
爆発も何もしないその静かな雨は、地面に何も跡を残さずに刀が消えていく。
(…となると…やっぱり固有結界ってこと、か…)
よほどの威力があって、あのピエロを殺せるのなら地面くらいは傷ついていないとおかしいはず。となるとジルかアビーが作った結界だろう。
(あーやべえ…クトゥルフ神話のときってどう逃げ出せばいいんだっけ…)
とにもかくにも何もできる気がしない。倒れかかりそうになった瞬間、正面からメッフィーに受け止められる。
「ふふ、まさかこんな大がかりなショーを見せてもらえるとは思いませんでした。わたくし、チョー感動させてもらいましたよ!」
「やってることは知らねえ。だが、てめえに聴きたいことが色々あんだよ」
ラヴィをどこにやったとか─どこまでこの場所を知っているのか。
いずれにせよわからないが、こいつならある程度はわかるだろう。
「テメエの隠し部屋にでも案内しやがれ…」
ひとまずの危機を脱せはしたな、なんて思いながら。
悪魔に自分の体を預けて意識を失ったのだ。
インターンどうしよう?
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