Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
「さて、じゃあ対価をもらうよ。まあ今回はこのポテチとコーラでいいんだけど」
トントン拍子で話を進めようとするディアブロの腕を掴んで止める。ポテチを平然と開けようとするのが当然の仕草みたいなツラやめろ。
「待て待て、本当にそれでいいのか?テメエ、仮にもサタンとかそっち系のサーヴァントなんだから契約くらいちゃんとやれよ。明らかに見合ってない」
「えー?でもこの世界ならポテチでお釣りがくるさ」
説明するためにディアブロは黒板の地図を見せ始めた。どこもかしこも綿菓子だらけであり、とてもではないが人の通れる場所はない。
「遊園地─って、言っても素敵な遊園地とは程遠い。君が殺してくれた海魔だって俺じゃ殺せないし、甘いものしかどこの売店に行ってもない。ポップコーンすらもキャラメルなんだぜ?」
「…塩が足りないってことか」
どこかで聞いた話であるが、塩味とはないとどれだけ栄養があっても物足りなくなってしまうらしい。それがない状態で甘いものだけとは、到底耐えられないだろう。
(もし母さんなら塩がない時点で困る、か)
というより酒も売ってなさそうだもんな、ここ。
「まあ、塩が足りないもあってるし、脱出に使えそうな川からも流れるのは紅茶だけ。いくらなんでも英国の砂糖たっぷりの茶よりも炭酸の刺激が欲しいってなる」
「希少価値の問題である、と?」
「イグザクトリー!!ハハッ、やっぱ俺が会ってきた中でも断トツに考えが会うなあ!俺があっちにいたら契約したいくらいだぜ、マスター!」
なるほど、だから最初に作らせたのがその二つってことか。自分に足りない無理難題を最初からふっかけてくるからどんなもんだと思ったが…頭のおかしさと変わらない知性はある、と。
(…なら、「こいつの作った暗号の解読結果についてはそれなりの信用がおける」
「だろ?」
思考を読まれたことに驚きつつ、こちらのことを嘲笑うピエロは笑いのお面をつけている。どうやらここまでは想定済みのようだ。
「マスター、前情報の共有といこうぜ。俺はポテチとコーラを見させてもらう」
「いいんですか!わたくし、さっさとポテチを食べたくてたまらないんですよ!」
袋をバリバリと開けて食べ始める二人を見つつ、手元にあった資料を確認する。
(…なるほど、簡易的なヒントみたいだな)
暗号機につき暗号は一つ。場所と一緒に書かれているが、メフィストフェレスと共に別の場所を探索したところ難しくなった暗号と同じヒントが見つかったという。
そこでディアブロは一人で暗号機を解いて歩き続ければいいという結論に達した。自衛の手段はメフィストフェレスの爆弾一つという無茶で、五つの暗号を解読した。
1つ目、『かわさんぽーたるなあしぇるたーさんげーとに、のこりくずれてぬけだす』
2つ目、『そうじょうるーくにないともきんぐもいち、ぷろぽーしょん』
3つ目、『何時まで経ってもアリスはお茶会にたどり着けない。だってハートのクイーンに招かれないんだもの。クイーンったらわざわざおめかしをしないで最初のところに向かうんだもん!!』
4つ目、『彼女がくるのはずっと奥。遠いところから私のところまでやってきてくれるの』
5つ目、『お茶会が10時に間に合わないとさあ大変、世界が綿あめの海に溺れちゃうわ。楽しいわ、楽しいわ!綿あめだらけになったなら、新しくダイヤのクイーンが来るんだもの!』
「…ってところまで読み終わったなら俺と話そうぜ。そこの前情報までわかれば俺の言葉と脱出方法の説明ができる」
「わたくし達としてもこのポテチとコーラは非常に美味い!マスター、もう二つセットで!」
「居酒屋みてえな勢いで頼むんじゃねぇよ…これだって大変なんだぞ?」
戦闘以外の投影もできるようにならなければならないのかもしれないが、最初に作れるようになるべきなのはせめて酒だろ。
しかしまあ、異物という感覚ならば簡単にポテチとコーラは再現できたし、なんなら三つと多めに作ってしまった。
「珍しいなぁ…力が溢れることはないように制御してきたつもりなんだが…」
「まあ美味いからいいじゃん。ついでに後で子どもたち用にも作ってもらうから使った力の容量把握でもしといてね」
ことなげないようにサラッと話を進め、ディアブロは1つ目の暗号の話をする。
『かわさんぽーたるなあしぇるたーさんげーとに、のこりくずれてぬけだす』
「正確には『川が3人、ポータルが7人、シェルターが3人、ゲートが2人、残りの人は崩れた場所から逃げられる』。要は脱出経路について書いてあった。ここにいるやつの数は俺たち含めて18人」
「つまりわたくしたちは最後に脱出することが確定しているってことです!ふふ、他と比べて大分ハードなスケジュール…しっかりこなしましょうね、マスター!」
「余裕だわピエロども。寧ろディアブロもキャリーしたろか?あぁん?」
軽口を叩いているが、あながち彼が示した脱出経路ではどこを担当するかを決めていない以外は全て完璧だった。
(つーかこの感じ、最後のピースを待ってた戦略の立て方してんな)
俺が来る前提で組んだようなその作戦は何も問題はない。いなけりゃどうするつもりだったんだか。
「ま、あくまでDICEでガキは守るから脱出経路を整えておいて欲しいって感じだ。いかんせん俺は海魔との相性が悪すぎる」
「ボスはジル・ド・レェ元帥を殺すのに特化してますからねえ!マスターがザコ散らし、ボスが最後に本命ってことがいいんですよ!」
「ジルは…ああ、確かに最後にしたほうがいいな」
ジルを倒すないしは無力化するとこの空間から逃げられなくなってしまうかもしれない。確実に情報がわかる今の状態でやればいいってことか。
「んで、とりあえず俺の確認した感じだと脱出経路にはわかりやすく綿あめでガードされてんだよね。詳しくはしらないけどバカ硬い」
「…なんで綿あめ?」
普通に考えればワイヤーやらでガチガチに固めるか脱出経路も壊せばいい話だろう。それをしないでなぜ綿あめという中途半端なものでやるのだろうか。
「いやさー、こっちで調べた感じわざわざ『遊園地』って舞台に拘ってんだお相手さん。マスターもピエロは見ただろ?」
「あぁ…海魔ピエロな」
「そ。海魔の状態だと5分も経たないで死ぬらしい。要はあの化けの皮がないとこの世界にはいられないんだよ」
なるほど、なんとも言えないがそれはプラスにはたらくものだろう。どうしてそれを把握したのか、までをディアブロに聞くつもりもないが。
「んで、詳しくは言えないが俺の個性は世界に干渉できる。ある意味ご都合主義って言えばわかりやすいんだが、これまた制御がきかねぇんだ」
「ボスの個性って相手が納得しないといけませんもんね!どう頑張ってもヒーローには向いてなさすぎますよ、ええ」
「まあ本当にその通り。ディアブロとしてはこんなもんでいいんだけど…暗号機とか脱出経路が作れたのもそのお陰だと思ってもらってええよん」
「とんだチート野郎が何言ってやがる…一応方法も教えてもらいたいとこだな」
ディアブロの個性が相手を納得させることが条件なら、SNSサイトがある世代にはガン刺さりの個性が過ぎる。
なんせ『ああそうなんだ』と思わせることに関しては悪魔ならの手段が豊富にあるはず。
「まあそんくらいなら言うか。俺だけマスターの投影を知ってるのもフェアじゃねぇもんな」
困り顔のお面に変貌させ、そして少しだけ口元をこちらに見えるように少しだけ傾ける。
「『この世界は遊園地である。ならば、客が楽しめるような謎解きを用意しているはずだ』」
「『謎解きの答えには、難しさに比例する相応の褒美がなければおかしい。つまり謎の答えには今最も欲しい情報があるはずだ』」
「『そしてこの世界に連れてこられた以上、入口があるなら出口があるはず』」
「…ってな感じで使うんだ。それっぽく言うなら
『
「…うわぁ、えげつな」
実際に言われたなら間違いなくそうだろうと確信してしまうくらい当たり前のことだ。こりゃ戦闘したくない。
「しかも他の個性にもなれるんだろう?」
「ありゃ、ヒントを渡しすぎちまったみたいだな。まー、この反応も嘘かもしんねーけど…ま、全部異なるってことで」
仮面をさっと上に放り投げ一瞬だけ素顔を見せる。左腕で隠された素顔の半分は、明らかに見たことのある姿。
「さて、他のヒントについても話そうぜ。2のほうはどうしようもないから3からな」
もう一度隠された仮面の奥。
そこには、岸波白野が見えた。
インターンどうしよう?
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