Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
「まあここまでは脱出経路としての話だ─残り三つ、要は遊園地の作られた目的について話しておこう」
「…なんなんですか、ディアブロさん」
「おっと、なんでそんな堅くなる必要があるんだ?俺はディアブロ、単なる悪魔。マスターとは対等な立場ではないし、単に困ったところを助け合うだけのチームメイト─そうだろう?」
ディアブロ─というより、ザビ男に対しては必ず敬意を払いたくなってしまう。敬語になるのも無茶はない。
(つーかなんでこんなトンチキな場所にいるんですか…!)
いやまあ納得のいく説明なんて腐るほど言われるだろうし、そもそもあっちは俺が自分の正体に気づいてない前提なんだろうけど。
「あ、ああ…すまねえな、ここを遊園地にしてる理由ってのがよくわかんねえんだ」
『何時まで経ってもアリスはお茶会にたどり着けない。だってハートのクイーンに招かれないんだもの。クイーンったらわざわざおめかしをしないで最初のところに向かうんだもん!!』
「簡単だよ。お前がマスターならわかるだろ?アリスって言葉だけでどんなやつがでてくるのか、それもわかりやすいレベルで」
「…いやまぁ、うん」
その戦闘してきた張本人が言うのならば間違いはないだろう。
…この世界はどちらかと言えばフォーリナーが来るのではなく、キャスターが暴れている世界。そんな中てこのサーヴァントがいるのは予想内と言うべきなのか。
「で、ここに加担している目的が全くわからないんだけど」
キャスターでメルヘン、そして何よりアリス。
「ナーサリー・ライム…で、いいんだよな」
「まぁな。つってもジルに利用される形なんだろうってのも予想がついてるし、本体を頑張って探すって感じじゃね?」
「つってもクイーンの話が気になるんだよなぁ…ほら、推理くらいできないメッフィー?」
「そんな無理矢理なパス、あんまり過ぎません?ですが…ええ、やってみせましょうとも!」
水を向けられたからなのか慌てて頭をつつくメフィストフェレス。随分とふざけているが、至って普通に考察を始める。
「まあそもそもの話、ここの世界での目的はフォーリナーを降臨させることです。4つ目のヒント、これが多分『私』がナーサリー・ライムなら童話の世界に引っ張り込もうとしているんじゃありません?」
『彼女がくるのはずっと奥。遠いところから私のところまでやってきてくれるの』
「要するに儀式を行うことでフォーリナー呼んじゃいましょ、ってことです。もちろん生贄が必要なんですが、そこはまあ、そこいらにいる子供達を全部殺せばすむ話ですね」
「つまり…儀式に関わることがアリスの話に書いてある、と」
アリスの言葉をそれっぽく変えるにしては、おめかしが儀式だと捉えればいい、と。
「となればおいおい…俺を呼ぶための儀式よりも上等な儀式なんざ羨ましい限りじゃねぇか。ここに攫ったやつ全員殺す気だ」
「ボスは別に誰の儀式でも面白ければ来ますよねぇ…?」
「そりゃそうだが─流石にこの人数を殺してやることが単なる『呼びかけるだけ』ってのが恐ろしいことこの上ないっての」
「…教えてくれ。さっぱりわからん」
『お茶会が10時に間に合わないとさあ大変、世界が綿あめの海に溺れちゃうわ。楽しいわ、楽しいわ!綿あめだらけになったなら、新しくダイヤのクイーンが来るんだもの!』
お茶会が儀式の内容を表しているのかとか詳しくわからない─というより、オカルト的なものは持っていないのだ。
「いいぜ。ってか、こんな世界にいるってのによく正気を保てるもんだなマスター」
「この世界、なーんか知りませんけど精神年齢が段々と幼くなるらしいんですよね!わたくしたち悪魔なので全く問題ないんですけど!!」
「さらっと恐ろしいことを言うんじゃねえこのアホ」
なるほど、つまり暗号機の内容が三段階目から難しくなっているのにもそういう意味があったのかと納得する。
ひらがなであればある程度伝えられるが、漢字も混ざるとなれば幼い年じゃ伝えられないだろう。
(まー、なんとかなってんのはアビーに接触されてるようなもんだからか?)
よほどのことがない限り思い出したくない場所ばかりだが。うっ…SAN値が減る…
「おいおい落ちつけよマスター。とりあえず思考については問題ないから話を進めようぜ」
「…わかった…ってかさっさと進めなきゃ不味そうだな…」
「そりゃそうだろ。フォーリナー呼ぶ以前に子供が死ぬのは嫌すぎる」
パチンとウインクする見た目の仮面に変化したけれど、声音は至って真剣そのもの。
「ぶっちゃけ、普通に考えればこの世界を軸にした以上はフォーリナーを呼ぶ手段は複数あってもおかしくはない」
「んで、俺として考えついた手段は3つ。ってか、残りの解けてない暗号機の数が2つだからっていう無茶苦茶な推論だ」
「一つはこの世界の子供を生贄にした召喚。これそのものを前提として考えた設計をしている。ヒーローが呼んでも来ない、ということを踏まえてみると効率的なんだよな」
「ええ!わたくしたち悪魔が最も惹かれる感情というのは『負の感情』…とりわけ、死に近いものほど多く惹かれます。フォーリナーも悪魔と対して変わらない扱いをする元帥なら余裕のよっちゃんイカでしょう」
「まあそりゃジルだもんな…」
詳しく理解できていないが…サーヴァントがヒロアカ世界にいる以上、生前に似たような事件が多発しているらしい。
子供の誘拐と黒魔術。加えて最低でも150人以上の殺害ともなっていた記憶があるので…まあ、こちらでもそれくらいはしていてもおかしくない。
「んで、こんな言い方はよくないんだが最悪殺されるなら人数の少ないほうから死んでもらいたい。正直魂の中に極上のやつはマスターだけだ」
「死にそうになったらボスの個性で悪魔と契約してもらいますがねぇ!ヒャハハ!」
「まーそんくらいなら別に構わねぇんだけど…他の2つについては?」
一つはそりゃ殺害なのはわかっている。正直ここで誰か死なせる時点でダメなのでそんなことはさせない。
…問題は、こちらで守れるか怪しい2つだ。
「一つはユニバースの奴らが操作してるから…みてえな理由で確認した観覧車だ。ほら、未来の月の話」
未来の月、そして観覧車。
「─スペース・エレシュキガル…?」
「そ。ビーストなんざ勘弁してもらいたいし、こっちは俺のほうで処理しとくぜ。安心しろ、メフィストフェレスなら爆発できる」
「あれだけ固有結界に含まれてないので余裕でーす!宝具使う契約はさっきのポテチで充分!ふふ、開戦のノロシにも使えますし一石二鳥!」
無理はしていなさそうだし、それなら問題はない…のか。いざとなったらあの速さで回した時点で壊れるって屁理屈こねられるし、回るときに使う電線をぶっ壊せばいい話だ。
「んで、俺が暗号機を解読しなかった理由に繋がる3つ目。エルダーサインだ」
「エルダーサイン…?」
「あぁ、そういやわかんねぇのか。ほれ、これ見ろ」
そもそも悪魔の知識じゃ教養みたいなもんですしね、とメッフィーに茶化される。うるせえ一般人にそんなもん求めるな。
投げて渡された資料は遊園地の全ての暗号機の場所を線で結んだ図。真ん中の斜めになっている点は観覧車だろう。
「ほれ、歪な星型だろ?これは旧き神─要はハスターでもなんでも呼ぼうとしてるってことだ。とんだトラップがあったもんだよな」
警戒しなくていい、と朗らかに言うこのザビ男。
「まー、事態は急を要する。とっとと逃げれるようにしようぜ?」
そう、作戦会議をしようとした瞬間に。
目の前に─クトゥルフの触手が現れたのだ。
「ふふ…私、出番がないのかしら…?でも、もう彼への植え付けは終わってるし…」
「こういうときはこう言えばいいのかしら。待て、然して絶望せよって…ハハッ、アハハハハッ!!!」
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