Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
一手間違えれば頓死─そう言われるのなら、ミスというものをひっくり返す手段があるのではないかと思ってしまう。
「…まずは小手調べってところか」
隠そうともしない海魔とピエロ、そしてゼウスのところで見たような機神兵が現れる。どうやら1WAVEってところらしい。
「ええ。相手に礼儀を尽くす前に技量を知らなければダメでしょう?」
「ふふ、わたあめでぐるぐる巻きになっちゃえ!」
それぞれの武器が、触手が、弓が襲いかかる前に弾丸が全てを撃ち抜く。
「たった一人で殺し合う時点で俺は遠慮というものがないんだぜ?一対多数の戦闘ってのは元帥が一番理解してんじゃねぇの?」
「ふーむ…ならば、些か興が乗りませんが遠距離戦と参りましょう」
魔弾が、氷が、風が、炎が、彫像が。
四方八方から我先にと襲いかかってくるソレらに対する行動は─もちろん、正面突破。
(というより、なーんかナーサリーよりもジルのほうが理性的なんだよな。それこそ…操られていないみたいな)
魔術も含まれているともすればナーサリーを狙ったほうがよいのだけれど俺としては最初にこちらのほうが気になる。
「我が手によって汚れ、我が手によって絶望せよ」
「残念ながらどこぞの騎士王よろしく斬り結ぶ─なんてことはできっこないんでね」
当然のように詠唱を捨てて斬り掛かってくることは想像できた。仮にもジルだ、セイバーとしての能力も持っている状態でかかってこないはずがない。
(仮にもフランスのバケモノは違うねぇ…ななめの突進でも恐ろしい…)
弾そのものを斬ってくるし、しょうがないのでクレイモア地雷を投影して隣のナーサリーへ八つ当たり。
この程度で傷つくはずがないので追撃で銃を作ろうとし─手にはゲイボルグが握られた。
(…最悪すぎんだろ…)
ことさらに個性がバグったことを認識させられるが、迷う暇もありゃしない。棒幅跳びの要領で距離を開き、仕切り直しさせてもらう。
「うふふ、ナイトらしいわ!」
「ンなこたぁ望んでるもんじゃあないんですけどねぇ…!」
銃…は、弾だけ。
刀…は、なぎなたに。
ハンマー…は、ハルバートに。
一応確認したが、やはりまともに槍以外が投影できなさそう。とはいえ槍ならどんなものでも用意できるのだが。
(ロンゴミニアドもゲイ・ジャルグも取り回しがきかねぇ…)
まあそれっぽく考えるならナーサリーの干渉のせいなので彼女を倒せばいい。それがしにくくなるような槍だけというのはよくないが。
「ナイトにピジョップが倒せるのかしら?」
「サーヴァントじゃない少女には勝てるっての…!」
とはいえ短期戦にしない限り勝ち目はない。となると今最も警戒がされていない場所へとつっこむしかない。
魔術を打ち払って空へと飛び、槍を持って上から強襲。ナーサリー相手に手加減はするけど死んだらごめんねと思いつつ、優しく真後ろに着地。
「こんな至近距離でやるとか最悪過ぎる…」
麻酔弾(オブラート包みのいちご味)を投影してナーサリーの口の中へとつっこむ。薬も毒、つまりギリギリ投影の範疇にすることができる。別に銃弾は問題ないからこれでいいはず。
(そもそもレディに手を出した時点で最低って話になるからスルーするしかない…)
コクンと喉を鳴らしたのを見て手を離し、デカい液体が入った銃弾を用意して槍の先でぶっ壊す。
「てめえには塗り薬だ、ジル…!」
「ふむ、ここは火炙りにしていただけるとありがたかったのですが。とはいえ投了するのもクールではない…とすれば宝具を開帳と行きましょうか」
「おっ、別に何とかしてやるよ」
本当なら乗る必要もない勝負だが、もはや子供もナーサリーからの追撃もない。忘れてはいけないのはあくまでこれはヒーローの戦闘ということだ。
(相手の攻撃を魅せるってのもやれるようにしないといけない…)
まったく、面倒なヒーローという職業だ。とはいえもう一つの原因もちゃんとある。
「おや、それは…まさか母親の顔を立ててのことですかな?」
「悲しいけどな、これでも軍神の息子は勝たなきゃいけないんだよ」
普段の母さんではあり得ない一本槍スタイル。しかし彼女ならこんな危機程度余裕で─いや、笑って切り抜けるだろう。
「尋常に勝負と行こうぜ、ジル・ド・レェ元帥。軍神の息子じゃ不足か?」
「いえ、いえ…我らが聖処女に見せましょう!我らの贄を!己が研鑽の始末を!愛するべき絶望の世界の果てを!」
意味不明なことを胡乱げな目つきで言いながら彼は空のほうへとちらりと目を向ける。空から落ちてくる物体は─列車。
「もうすぐこの世界での我らが開拓が終わります。終われば私は用済み、神が降臨する…!」
「その前に終わらせねぇと、な…!」
姫鶴一文字。目の前の海魔を貫くことだけを俺は考える。あくまで跳躍もせず、彼の腹を貫くことだけを考える。
「…お見事」
「…ふん」
どんな返しをすればいいのかわからないから鼻を鳴らして槍の穂先のかすかな血を払う。
瞬間、頭の中に言葉が入ってくる。
「それはお土産です…ふふ、神とはなんなるものか…考えてくだされ…」
「なるほどな…オマエラ自身が暗号機だったってことか」
『兵は拙速を尊ぶ。敗者は灰に、勝者は王に。故に盤上、我の手中なり』
ポーン、と。
軽やかな音と共に─この世界は終わったのだ。
インターンどうしよう?
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