Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
「え…アテシに作らせるのにカツ丼じゃないの!?しかもなんでアテシらの家なの!?」
「いやまあ、嫌じゃないからイイけど…」
ということで皆でご飯を食べよう!ってなったときに一番驚いたのはマスターが来ること。DICEのメンバーってわけじゃないけど助けてもらったお礼ってことらしい。
(ふーん、アテシのほうは単にヴィランが出ただけなんだヨナ…マスターいたの羨ましい…)
あのステインって人も矜持あったのかはわからないんだけど、えげつないくらいしつこかったし。魅了が入らないくらい精神を保てるから倒すのが惜しいとさえ思った。
「ま、アテシらの理想には合わなかったってことで割り切りますかぁ」
そんなことを愚痴りつつ、んーと大きく伸びをする。少なくとも皆で食べるなら張り切って作りたいしねー。
「さぁて届いていたリクエストは何かな〜…って、まさかのカニ玉?」
店のバイト先でも作らないような中華料理とは随分ヘンテコなものを頼むボスたちである。もしかしたらアテシの得意料理を間違えてたのかもしんないけどね。
(そうだとしても全力で作って「おいしい!」って言ってもらいたいのには変わりないから頑張りますかぁ…)
お湯を沸かしたり丁寧に具材を揃えて切ったりしていると、同棲しているケリュドラちゃんが起きてきた。
「ん、今日も速いねケリュちゃん。もしかして一週間前のマスターとのキスが忘れられなかったり〜?」
「…からかうより先に挨拶するものだ。それと、忘れたとしたらボクの戦略でマスターと結ばれるときだけだろう」
「そりゃまたツンケンしちゃってカワイイもんですなぁ…」
ケリュちゃん…は、マスターのいるところで味方としてボスが引き込んでいたらしい。確か敵対してたはずなんだけどな〜おかしいな〜?
(ま、そこらへんは今日くらいにボスから説明あるでしょ。わざわざ皆で集まるのってここで久しぶりだし)
わけもなくアホ毛がぴょんぴょこしているのを見つつ、卵と切った具材を混ぜる。食感を残したいけどマスターの好みがよくわかんないから悩むんだけど、ここは普通に熟すまで待つとしよう。
「オムレットならボクも手伝うぞ」
「…ふーん?アテシの分とシャッフルしてもいい?」
「もちろんだ。これでも女たるもの、これくらいできなくてどうする」
ということでメッフィーたちの分がなくなってだいぶ楽になった。アテシとしてもケリュちゃんの料理の腕前は高いと思ってるしね、やってくれるなら一安心。
(まー別に半熟のトロトロにする必要もないし、心配することもないよねー)
「じゃあ教えながら一緒にやろ。アテシもそんな詳しくないけどやる分には問題ないっしょ?」
…まあ、余裕で作り終わったたせいで出来立てじゃなくなったけど、ボスに押し付ければ問題ないっしょ。
「てなわけでよろしく。ちょうどマスターも連れてきてもらってるしね〜」
「おいアイリーン、人を便利な電子レンジかなんかだと思ってんのか?」
ピエロの仮面をずっと被っているけど、わざわざ被り直しているところをみるにマスターのときは少し外していたらしい。
(ったく、自分の正体をマスター以外に見せないなんてどんだけ他を警戒してんだか)
「ええっと…アイリーンって呼べばいい?」
「どっちでもいいよん。アテシ別にヴィランとして活動したのはステインくらいだしね」
マスターの困惑した視線をもらいながらフードを外す。別にあっちもわかってるだろうけどアテシだってちゃんと名乗りたいのだ。
「クラス、グランドバーサーカー。マスターのことが愛しくて愛しくてたまらないリリスちゃんだよ♪」
首元へとダイブして肩の部分の肉を少しだけ噛みちぎる。鉄の匂いがむせかえるけどその味はとってもおいしい。
「食うな、人だぞ?」
「だって久しぶりだからちゃんと跡になるように存在を刻みつけたかったんだもん♪」
「はぁ…あとそこのケリュドラはどうしてここにいんだよ」
呆れつつも受け入れてくれたマスターから離れつつ、ケリュちゃんを見やる。正妻の余裕…ってよりはカイザーとしての姿かねえ。
マスターの疑問についてはボスが呆れるように首を振りまくって答える。
「考えてみろよ、こいつが他のサーヴァントに一つ二つ囁いた瞬間命まで狙われるアンハッピーセットが出来上がんだぞ?」
「…あ」
「テメエのファーストキスを奪った時点で一定の信頼はおけるし、いつでもどこでも狙われるよりリリスと一括で監視したほうがわかりやすい」
アテシも監視対象扱い…したほうがいいね。つい勢いでマスターの肉食べたくなっちゃったし…それを隠していたことくらいはどうでもいいけど、ちょっと気に入らないことはあるのだ。
「というかアテシ危険なサーヴァントじゃないよ?信じて?」
「開始早々で人の肉を食いちぎらないなら信じてた」
「何も否定できる材料ないんよなぁ…ま、わざわざ合わせたんだからどっちも攻撃すんなよ?」
ホカホカのカニ玉と人数分の飲み物。ケリュちゃんはマスターとの写真を見て恍惚な表情になっている。
「ほれ、単なる高校生が集まってんだから仲良くしとけ」
ピエロの奥から出る言葉は─なんだかちょっとだけ、憧れていて。
マスターと顔を見合わせて、席に座った。
「…いやまあ、すげえ有意義だった。飯を美味いしゲームもしたし」
「ならよかった。アテシも腕をふるった甲斐があったってもんだねえ」
ディアブロっちがとりなしてくれたお陰で無事にアテシの手料理含めて満足な時間を過ごしてくれた。
「…じゃあね」
「じゃーねー」
軽く手を振って夕焼けに溶けていくマスターのシルエットを見ていく。いなくなるのは残念だけど、メアドや住居まで把握できたのなら充分だろう。
(どうせ呪術で場所を特定できるしケリュちゃんと協力すれば…フフ、夢が広がるなあ)
アテシの顔がふと玄関の窓に映る。どこか濁っている瞳だけれど、魅了される美しさが更に磨かれている。
「…ちゃーんと、次はできるからね」
翼が生えたその姿は。
見えなくても、醜いと断ずることしかできなかった。
インターンどうしよう?
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