Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。   作:ぜひもないよね!

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カレーで会うとは思わなかった。

『ごめんなさい!この前のお礼と快復を兼ねてカレー屋さんに行きましょう!私が奢りますから!』

 

 

そんなカレーから始まるお誘いをしてくる人はたった一人、シエルさんだけだよね。

 

ってな訳で呼び出されたのは兵庫県からも静岡県からも遠く離れた地、横浜。赤レンガ倉庫で待ち合わせる約束なのは店が近くにあるから…と、書いてあった。

 

(まあシエル先輩がこっちのことハメてくるわけじゃあるまいし…こんなもんか)

 

そんなこんなで時刻は午前11時。約束の時刻通りに彼女はすっ飛んできた。

 

「ごめんなさいマスター…ちょっと人助けしていたら遅れてしまいました…」

 

「いえいえ、そんな。こちらこそ誘ってもらえて光栄ですよ」

 

あくまで先輩と後輩の関係であり、ありがたくご相伴にいただくだけなのでそんなに気にしないでほしい。ヒーローコスチュームではなく水着の再臨なあたり、相当余裕がなかったのだろう。

 

(というかシエル先輩普通に顔も整ってるからまたなんか酷いことが起きそうで嫌なんだよ…)

 

リリスについ先日噛まれた鎖骨あたりが痛むのを感じつつ、ここからの場面転換をはかる。

 

「それで、その…カレー屋さんに速く行きましょう?お腹空いてて」

 

「あらまあ、なら少し急ぎましょう。彼ならそれくらいはわかってくれると思いますけど、ちょっと苦戦している時間でしょうし」

 

(おっとカレー屋さんで苦戦って聞かない言葉だな?)

 

おおよそ聞くことのない組み合わせだが撤退することは許されない。そもそもカレーに関しては右に出ない先輩が紹介した店に常識を持ち込むことのほうが野暮なのだろう。

 

「マスター!急ぎましょう!」

 

「わっ、ちょっ」

 

強い力に引っ張られるようにして石畳の上を不格好に走り出す。春や夏にしては強い風があたりを吹き散らした。

 

 

 

 

 

 

「…ここです、マスター!最近知ったんですがここのカレーが甘口の中にもスパイスを効かせていて独特の味わい深さをだしているんです!美味しさは保証しますよ!」

 

太陽からの熱を反射しながらアスファルトがじわじわと光り輝く。シエル先輩が連れてきた場所…まあ、普通のカレー屋なら納得できた。

 

(パン屋とかならまだしもなんでここに来る…?)

 

砂浜と海が見える海岸線。周囲へと鎮座するコンテナのタワー。目の前に見える凄い見覚えのある船。

 

「運がよかったですね、マスター。日本近海で訓練していたのでちょーっとだけ荷物の積み込みの時間を確認すればこの通り!」

 

自信満々にえっへんと胸を張るシエル先輩だが、カレーを食べたいだけでやらないでほしい。絶対キャプテンが混乱するだろ。

 

カレーどうこうでなんで海軍の船なんですかぁ!?

 

え、だからカレーを食べるためにノーチラスに入りますよ?

 

「??????」

 

頭の中どころか口に出しても意味不明っぷりに混乱は収まらない。船からの縄梯子へと手をかけずにひょいっと担がれて甲板へと着地する。

 

「キャプテン、来ましたよ!はやくこっちに来てください!」

 

船長室に対して声を出すと遠目からでもわかるくらいため息をついて動き出した様子が見える。

 

(そもそもノーチラス号にしては作りが変なのでは…?)

 

確か潜水艦ってこんな場所なかったような気がする。まあ浮上している時点でまた別の状態なのかもしれないが。

 

「…はあ。僕だって仮にも海軍の代表だからね。シエル、いい加減理解してくれない?」

 

穏やかなアルトの声が後ろから聞こえる。少しだけ汗をかいて肩で息をしているその姿は見間違えようもないベレー帽。

 

「いいじゃないですか…キャプテン・ネモ」

 

艦長としての役割が板についているネモだった。ちらっと視界の端に写っていたマリーンたちを見るに分裂みたいな個性は持っているようだ。

 

「…そういう問題ではない、と言ったはずなんだがな。とはいえマスターにはそれ相応のもてなしをするようにネモ・マリーンにも伝えておこう」

 

最も無闇矢鱈に呼ぶわけにはいかないけどね、とシニカルな笑み。

 

「まあ、カレーを配給したらすぐに帰ってくれ。感想はシエル経由で送ればいい」

 

「えー少しくらい見せてくれたっていいじゃないですかー…ノアくんったらケチですね」

 

渋々といった表情で迷いなく艦内を進んでいくシエル先輩。絶対常習犯なんだろうなこの人。

 

(つーかなんでカレーを食べるためにここまで来たんだろうか?)

 

今更ながらにそう思っても、手に持ったお土産用のカレーパンとプリンをもらってからでは今更だろう。

 

 

「…終わりました。ありがとうございます!」

 

「ありがとう、ございます…キャプテン・ネモ」

 

「別にネモで大丈夫だよ、マスター。グランドのネモと思えばいい」

 

茶目っ気たっぷりな彼にしっしっと手振りで追い払われる。どうやらまだ海軍の仕事があるらしい。

 

「僕もシエルも大人としての仕事があるんだ。見た目に引っ張られてよく勘違いされているけど…」

 

「若くあるだけ素晴らしいことなんですよ、ネモくん。そのうち老いてくと若い肌とか失われてXXさんみたいに…」

 

ぷるっと2人が揃って震えたところでカレーパンを食べる。

 

「…うわっ、うまい…」

 

「なら満足だ。…だが、密航船が増えてきている影響で長居することもできない。また会おう」

 

小さな汽笛の音が鳴り、ノーチラスが段々と変形していく。壊れていくかのような轟音だが、実際に沈んでいるのであながち間違いではないだろう。

 

「まったく、ネモったら照れ隠しが酷いんですから…」

 

「いやあの、陸に戻りません…?」

 

このあと話を一切聞かないカレー狂いの先輩によってカレー屋を12件回らされた。

 

解せぬ、そして食えぬ。

インターンどうしよう?

  • ランサー&アサシン
  • ライダー&セイバー
  • アーチャー&キャスター
  • フォーリナー&フォーリナー
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