Fateの現パロだと思ったら全然ヒロアカだった。 作:ぜひもないよね!
「はぁ…ったく、なんでこんな注意書きを俺が読まなきゃいけないんだか」
「こっから先は危険、見たいやつは見とけよ…ってさ。どうせやりきったんだろ?」
「結果を受け入れろよ、マスター」
ああ、なんて素敵な地獄だろうか。
空は爆発の跡を残さないようにと綺麗な白い雲で覆われ、悲劇の乙女がするように涙を大地へと降らす。いずれ水たまりができるような場所にいられるとは、まあ思えないが。
「さっさと殺せよ、頼むから」
願う。願う。助けを求めるわけでもなく、それこそ天気の世間話をするかのような軽さで目の前にいる人へと話しかける。既に抵抗する意思を見せていないというのに、その顔には恐怖を浮かべていた。
「テメェら雁首揃えてヒーローなんだろ?たかだか最悪のヴィランを殺さないなんてこともしなくていい。ほら、とっとと殺せよザコ」
傍から見ればどんな風に見えているのか。果たして彼らの表情を見抜くことすらももう怪しい体で精一杯の挑発をする。
「…最後に聞かせろ」
誰かが前へと出てくる。どこか懐かしい桜の匂いがするのと共に、小さく死の気配を感じる。晩鐘が終ぞ指し示すことのなかったものをもたらしてくることに歓喜する。
「─これまでの
ボロボロと崩れ落ちる肉体。そして投げかけられた問いに答えることはたった一つである。どこかで道を踏み外したこと。最愛のサーヴァントを殺したこと。
そして残っていた理性で小さく息を吸い、誰かへと叫ぶ。
「─ああ、
ピコン、と遊園地やスマホの遠い昔に聞いたことのある音声。今となってはもうないあの記憶へと思いを馳せる。
(あん時、何か変わってたらな)
ヴィランに小さく残った後悔なんて、目の前のヒーローは考慮していないだろうけど。
ただ、もう今はない彼女の刀を、旗を、誠を。
受け継いでいれば、よかった。
シロイアオイさん の ケツマツ が カクテイ しました。
剪定事象を執行します。
後ろから伸ばされるチェーン。抵抗できるかのような弱さを感じたが、ここで醜く生き永らえるつもりは毛頭ない。
いつの間にかいたのは小さな裁判所だった。目の前にいるのは裁定するものとして名高い、誰か。
『死刑』
そうあっけなく告げられたソレを執行するかのように、引きづられて燃え盛る世界へと突き落とされる。
(ああ、悪趣味なことで)
分析し終えたところで自らにはどうしようもない。どんな状況になるとしてもこのまま歩くしかないのだ。
前に向かう先に何が起きるか理解していようと避ける意思などないのだから。
『とある獣の
炎が燃え盛る町を歩いた。刃物を持った骨を砕き、炎の檻に入れられて肺が焼ける。撃たれた矢を武器にして檻から脱出し、出た先でワイバーンに連れ去られる。
のどかな草原を歩いた。アイアンメイデンに閉じ込められ、ギロチンが降ってくる世界を悲痛な音楽のように避けて着地。ギャハと不快な笑い声が聞こえると共にピエロのいたずらが始まり、ムカついたので腕を振りかぶって殺す。
かと思えば今度は磔にされて火で炙られ、内側から血が飛び出てくる。どうせもう使わないであろうヒーローコスチュームの汚れを燃やしつつ、足払いで十字架の下を斬る。
次に来たのは普通の単なる戦場。兵士に後ろから斬られ前から矢が刺さり気持ち悪い熱狂を浴びる。
「まとめて死ね」
自分とは思えない声が喉からこぼれ落ちる。命が段々と手の中から、心の底から、魂から崩れていく。
同一で均一な瞳がこちらのことを嘲笑うのでもなくただ淡々と見続ける。奇妙とはまた違う気持ち悪さが不快だと感じた瞬間、全てを破壊する虹で体の全身を焼かれる。
虹の光の奔流が終わった先には一面の海。小舟の進行方向の先に見えるのは大きな海賊船。何かをするまでもなくこちらへと近づき砲弾を放っていく様は誰彼の区別をつけずに殺そうとしてくる。
海を飛ぶようなことができるはずもなく、地道に船を漕いでぶっ壊しに行く。
「…その程度、か」
人が大量に乗っているだけのハコなんて壊しやすいことこの上ない。壊れた腕が薙ぎ払い黒い死を平等にまき散らして地獄の様相を再現する。同時に体の崩壊も始まり怨嗟が耳や体を軋ませる。
霧に包まれた世界に来た。前からは赤雷が、茨の雷が、殺人鬼のナイフが、迫り続ける。避けることすらもできないし、そもそもここで死ぬことが一番の救いだろう。
全てが終わった後、街灯の下。もはや体の半分が消し飛んだ状況で近づいてくる誰か。
「…ねえ」
小さな少女が手を握ってくる。死にゆく体へと跨り、けなげに感覚のない手を握ってくれている。それがたまらなく申し訳なくて、危険な気がして、苦しくて。
「あいしてくれて、ありがとうね」
首が斬られる感覚。どこまでも地獄へと落ちる俺には苦痛すらも諦めを感じさせた。ただ、ただ。
霧の夜に見える遠い星。名前はなんだったっけ、なんて二人で言い合った病院を思い浮かべる。
もう名前も出てこないような少女とおままごとをし続けていたのが滑稽であると自虐。
最後に残った力でトドメの一撃をした少女を抱きとめる。ふわりと柔らかく、けれども湿度の高い重い甘い匂いが頭の中でくらくらと反響していく。
「おかーさん…」
ああ、遠くに俺のことを恨む彼女が見える。殺してしまったことのお詫びもしていないしちょうどいい。
霞む意識の中─
─曇天の夜空に、青が見えた。
インターンどうしよう?
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