仮面ライダーモルテRe:take   作:紅坂 絡

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人の悪意があるとき、そこからエビルが生まれる。これは、エビルを狩る1人の死神の物語だ。決して目を離すことがないようにな。


♯1

夜というのは不思議な時間だ。賑やかな街並みが暗闇によって綺麗な夜景になることがある。

その夜景をバックにプロポーズしたり、豪華なレストランでシャンパンを乾杯したり、オシャレなバーで洒落てる音楽を聞いたりね。

夜を楽しんでる人達がいる中、必ず、奴らは行動を起こす。

奴らは悪意から生まれ、悪意のままに人を襲う。奴らは『エビル』と呼ばれている。

そんな『エビル』に対応する為に夜を駆ける戦士がいる。戦士は夜を駆け、奴らを屠る。戦士は、『死神』と呼ばれている。

 

♣♣♣

 

深夜の倉庫街。そこでは警備員が巡回しており、眠そうな顔で懐中電灯で周りを照らしながら歩いていた。

ふと、懐中電灯の光がなにかの影を捉える。その影の元となってある場所を照らすが、何も無く、影もいつの間にかなくなっていた。

「気のせいかなぁ、、、」

『******』

「な、なんだぁ!?」

なにかの唸り声が聞こえ、警備員は振り返る。そこには誰もおらず、ほっとして再び前を向いたその時、正面にいた異形に切り裂かれる。

『****』

「ぎゃああああ!!??」

断末魔が辺りに響く。だが、その声に気がつく者は、誰もいなかった。

 

♣♣♣

 

クラスメイトの騒いでる声がよく聞こえる。私は文庫本を開き、会話をこっそり聞く。話題の歌手や、人気のドラマの話。本当に楽しそうだ。

「ねぇねぇヒナ知ってる?」

「なんの事?」

私、空鈴ヒナに話しかけて来たのは田井中ヒメ。私の親友だ。後ろの席の彼女は、頻繁に私に話しかけている。

「昨日、陽炎倉庫街で警備員が殺害されたんだって」

「知ってるよ。今朝のニュースで言ってた」

最近ではやたらと見るニュースだ。これで3件目らしい。この街にはメガネをつけた死神でもいるのだろうか?

「最近怖いね。ヒナ、夜中に出歩かない方がいいよ」

「私はヒメと違って、深夜にポテチとコーラを買いに行くような生活はしてないよ」

ヒメは余りまともな生活をしてるとは思えないが、スタイルが良く、太りづらいと言っていた。私は体型維持が大変だって言うのに。

不貞腐れてたヒメが、ふと思い出したように言った。

「あ、今日転校生が来るらしいよ」

「転校生?」

ヒメ曰く、顔はよく見えなかったが声からして男子だったらしい。背は少し低めで、体はすらっとしていたらしい。

「後はそうだな、、、あ!コート!黒のコート着てた!」

「うーん、、、イメージが湧かないなぁ」

そんなことを考えていたらチャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる。私たちは喋るのをやめ、クラスメイトも席に着く。

「おはよう。ホームルームの前に、転校生を紹介しようと思います。入って」

先生が促すと、教室の扉を開けて1人の男子が入ってくる。外見はヒメが言っていた様に少し背は低めだが、すらっとしている。そしていかにも目立っている黒のコート。そして、 右腕につけてる腕輪。髪は黒く、何処か中性的な顔立ちをしており、一瞬見入っていた。

「ほら、自己紹介」

「守条咲良(かみじょう_さくら)です。よろしく」

「席は空鈴さんの隣」

先生は私の隣の席を指す。だけど、ここは本来、他の生徒の席である。

「あの、ここって今日サボり、、、」

「サボりならいないのと一緒」

先生がそう言うと、守条くんは私の隣の席に座る。彼は軽く私に挨拶した。

「これからよろしく。えっと、、、」

「ヒナ。空鈴ヒナ」

「よろしく。空鈴サン」

彼はそう笑いかける。この時の私は知らなかった。彼との出会いが、私の人生を変えることを。

 

♣♣♣

 

放課後になり、私はヒメとファストフード店でハンバーガーを食べながら駄べっていた。話題はもちろん守条くんの事。

「彼、すごく優秀だよね。先生のミスも指摘しちゃうし」

「勉強だけじゃなくスポーツも万能。完璧人間っていうのはまさに彼のことだと思うなぁ」

思い出すのは授業の風景。先生の質問に答え、私が当てられて答えられない時はこっそり答えを教えてくれ、体育ではバスケで遠くからシュートを決めるという漫画みたいなことをしたのだ。

「それに、もうファンクラブもできてるらしいしね」

「ホントにね」

そう話している時、ふと窓を見ると、黒のコートを来た少年が目に入る。さっきまで話していた人物だ。

「ん?ヒナどうしたの?」

「あ、ごめんヒメ。私帰る!」

「え!?ヒナ!?」

私はトレイを片付けて店を出る。今日1日で彼に興味が湧いてきたのだ。ちょっと尾行してやろうとその時は思っていた。

今思えば、この時に尾行せずにそのままファストフード店にいれば、私の運命は変わらなかったと思う。その時はただ、彼に対する好奇心が抑えきれなかったのだ。

 

♣♣♣

 

そして気がついたら夜になっていた。気分をだそうとコンビニでアンパンと牛乳を買ったのが間違いだったと後悔していた。

「まさか一瞬目を離した隙にいなくなるなんて、、、」

気づかれることなく尾行を続けていたが、少し目を離した隙に居なくなっていた。そして気がつくと学校に戻っていた。

「ホント、、、どういう手品?」

「わざと誘導したんだよ。どっかの誰かが下手くそな尾行してたからね」

声が聞こえたので振り返ると、そこに居たのは、私が追いかけていた少年。

「か、守条くん!?」

「ホント下手くそな上に古いんだよ。アンパンに牛乳って」

「い、いつから気がついてたの?」

「最初から。なんならファストフード店から出てきた辺りで。僕、目がいいから」

まさか最初からだった。私はその場にしゃがみこむ。正直凹んでいた。

「そんなことしなくても、普通に話しかけても良かったのに。今日のクラスメイトみたいにさ」

「うん。ごめん」

「別に。それに、多分そろそろだから」

「え?何?」

私が聞き返した時、守条くんは何かを感じ取り、しゃがみこんで私を抱き寄せる。

「え!?何!?」

「静かに、、、そこか!」

守条くんが懐からナイフを取り出すと、何処かへと投げる。そしてそのナイフは、突然現れた何かへと刺さる。

『******』

「やっぱりだ。ハルバ、記録は?」

『確認した。腕の特徴からして、コイツがココ最近の切断事件を起こしたエビルだ』

月明かりで見えたそれは、腕が大きな刃物になっており、顔は憎悪に満ちた悪魔のような顔だった。

「空鈴サン、ごめん。実はこの学校に君を誘い込んだのはコイツを倒す為だ」

「え!?そもそもこの怪物何!?後、さっきの声何処から!?」

「話は後で。まずはここから離れるよ」

守条くんはそう言うと、腰にグレーのバックルを当てる。すると、バックルが自動で彼の腰に巻かれる。

『グリム_スタンバイ』

そして守条くんの右頬に三日月の痣が、左手の甲と左頬に桜の痣が発現する。

「しっかり捕まってて」

守条くんは私を抱えると、立ち上がり、ジャンプする。

「きゃー!」

私は驚きのあまり、悲鳴を出すことしかできなかった。

 

♣♣♣

 

そして屋上で着地した。私は驚き、言葉も出なかった。

「ま、これで助かったわけじゃないけどね」

「え?」

何かが崩れる音がし、私は思わず振り返る。そこには、壁を登ってきたのであろう怪物がいた。怪物は私が最初に見た形態に戻る。

『****』

「フゥー、、、やるか」

守条くんは何処かから剣を取り出すと、怪物に斬り掛かる。怪物は腕の刃で受け止め、守条くんを弾き返す。弾かれた守条くんは剣を銃に変形させて空中で発砲。怪物はそれを腕で防いでいた。守条くんは着地し、弾丸を撃ち続ける。

「な、なにこれ」

『これが死神、守条咲良の実力だよ』

「!?」

私のスマホから音声が聞こえたので、スマホを取り出す。

『よく見ろ。アイツは闇雲に撃ってる訳じゃない』

「あ!怪物のガードが緩くなってる!」

そして守条くんが最後の1発を当てると、刃が砕けた。

「言ったろ?僕は目がいいってさ。刃こぼれくらいすぐわかる」

『*****!!』

怪物は全身から刃を出し、屋上から飛び降りる。

「逃がさない」

守条くんはそれを追いかけ、屋上から飛び降りた。

「守条くん!?死んじゃうよ!」

『ここからが死神の本領だ』

すると、守条くんに変化が訪れる。守条くんの体が黒のモヤに包まれ、その上から何かが纏われた。姿を変えた守条くんは怪物よりも先に着地し、怪物が降りてきた瞬間にカウンターキックを叩き込んだ。

『*****』

怪物は爆散する。私は非常用のハシゴから下へと降りるのだった。

 

♣♣♣

 

屋上から降りてきた時、私が見たのは、爆炎の中、こちらを見るドクロの仮面の戦士。ドクロは何処かウサギを連想するようなものだった。そしてあることに気がついた。

「そのドクロについてる模様、守条くんと同じだ」

爆炎が晴れると、戦士はベルトから何かを取り出し、ベルトを外す。ドクロの仮面と胴体のアーマーが消え、黒のモヤが守条くんへと戻る。痣もいつの間にか消えていた。

私は、思わず聞いてしまった。

「君は、一体何なの?」

「ただの死神さ」

『死神』そう名乗った彼は、不敵に笑うと、その場を立ち去るのだった。




モルテリメイクです。連載開始
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