仮面ライダーモルテRe:take   作:紅坂 絡

2 / 4
『人の悪意ある時、エビルは人々を襲う。その時、ドクロの死神がエビルを狩り、人々を護る』
OP:Tommyheavenly6「HeavyStarryChain」


♯2

学校の帰り道、腕輪から鈴の音色が鳴る。こんなことをするやつはコイツしかいない。

「ハルバ。なんの用だよ」

『門(ゲート)に来いってさ。挨拶しろってよ』

「はぁ、、、そっちの都合で追い出したくせに、、、」

『行っておいた方がいい。ただでさえお前は上に目をつけられてるんだ。下手したら資格剥奪もしくは処刑だぜ』

「はぁ、、、めんどいなぁ」

僕は腕輪にメモリーカードを刺す。すると、腕輪から魔法陣が現れ、僕を飲み込んだ。

今から向かう先は、僕の嫌いな人達がいる場所だ。頭痛に耐えながら、会った際の文句を考えるのだった。

 

♣♣♣

 

『門(ゲート)』。死神が鍛え、学ぶ場所。そしてそこは『門番』が死神に『エビルの討伐』を依頼する場でもある。

「さ、顔を上げなよ。咲良」

「お久しぶりです。門番」

目の前にいるのは、僕よりも年下に見える少年。だけど、この人は僕よりも長く生きている年齢詐欺ジジイだ。

「何か失礼なこと考えなかった?」

「いえ。これから相談役を殴ろうと考えただけですよ」

門番に嘘は通じないから僕は正直に話した。門番は苦笑いする。

「君の気持ちもわかるけどね。だけど、今日は重要な話だから、それはやめてね」

そう言って門番は指を鳴らすと、場所が変わる。門番の傍には2人の老人がいた。

さて、僕は最初に嫌いな奴らに会うと言ったね。そう、僕の目の前にいるのが嫌いな奴らだ。

「よく来たな。モルテ」

「そりゃ命令口調で呼ばれたら誰でも来るでしょ」

老人1に対してそう答えると、周りから無数の殺気を感じる。

「それに、歓迎する気もないでしょ。こんなに僕を包囲して」

「当たり前だろう!貴様!なぜここを追放されたかわかっておるのか!」

「エビルを倒して、人を救った。それだけですけど何か?」

老人2はため息を着くと、僕に向かって怒鳴る。

「馬鹿者!人間に向かって発砲する馬鹿がいるか!当たらなかったから良かったものの!もし殺してたら」

「処刑ですよね?」

「、、、わかってるなら良い」

呆れたように言う老人2。僕の態度は変わらないってわかったのだろう。老人達は話を進める。

「ここ最近、エビルの出現率が上がっとる。モルテ、お主も感じとるはずだ」

「一応。最近の切断事件もエビルの仕業でしょ?」

僕が聞くと、老人達は頷く。そして、老人2は僕にメモリーカードを渡す。僕はそれをハルバに刺した。

『エビルパウダーによるエビルの増加。第三者による工作の可能性アリ。調査し、エビルを殲滅せよ』

ハルバが中に入っていた命令を読む。どうやら、これが僕の仕事みたいだ。

「やってくれるな?」

「はぁ、、、やりますよ」

どのみち、しばらくこの街に滞在するのだ。任務くらい受けてやろう。

「では、ここ、『剣の管轄』にて、再び死神として戦ってもらう。いいね?咲良」

門番の言葉に、僕は跪く形で答えた。こうして、僕は死神モルテとして、この街で戦うことになったのだ。

 

♣♣♣

〜ヒナside〜

昨日のことを思い出す。私を助けてくれた少年。少年が変身した戦士。少年は戦士のことを『死神』と言っていた。

「死神かぁ、、、」

「どしたのヒナ?変な夢でも見た?」

ため息をつく私を心配するようにヒメが話しかける。昨日のことを話そうとして、ふと思い出した。

『あ、今日のことは内緒ね。死神とかエビルとか誰も分からないだろうし』

私は何とか言い訳を考えた。

「う、うん。絵本で見た死神が襲いかかってくる夢、、、」

「ふーん。ヒナもそんな夢見るんだね」

それからヒメとたわいのない雑談をしてると、ヒメの元に1人の男子生徒が来る。

「ヒメちゃん!今日ヒマ?」

「はぁ、、、暇じゃないよ。今日も明日もヒナと2人で過ごすの」

そう言ってヒメは私の腕を組んだ。それを見た男子生徒は私に目を向け、嫌そうな目をする。

「へっ、こんな奴とか?やめとけよ。こんなブス」

その男子生徒の言葉を聞いたクラスメイト達が笑う。

「ちょっとアンタねぇ!」

「なんだよ。事実だろ?」

ヒメは男子生徒を睨みつける。こんな扱いをされることは慣れている。だから、私はなんとも思わない。そう思ってた時、

「みんなで寄ってたかって女の子の悪口大会。転校する学校を間違えたな僕」

言葉の主は私の隣の席にリュックを置くと、罵声を浴びせた男子生徒の足を踏む。

「で、この減らず口はどうしたら防ぐことができるんだい?」

少年、守条咲良くんは男子生徒を睨んでいた。

 

♣♣♣

 

守条くんは男子生徒を睨み続ける。男子生徒はどこかに行こうとするが、守条くんは踏んだ足を退けず、踏み続けていた。

「てめぇ、、、足どけろや!」

「どかしてみなよ。どうせ無理だろうけどさ」

守条くんはそう言うと、周りを睨む。見なくても分かる。さっきまで怒っていたヒメは、いつの間にか怒りが収まっていた。

「守条くん、、、明らかに怒ってる」

「う、うん。別に気にしてないのに」

私の言葉を聞いた彼は、ため息をついた。そして男子生徒にデコピンをした。

「痛ってぇ!」

「このくらいで勘弁してやるからとっとと失せなよ」

男子生徒は守条くんを睨むと、自分の教室に戻っていった。クラスメイトたちも、自分の席につく。

「気にしないのと、悲しいのを隠すのは別だよ」

「え?」

「悲しい時は、悲しいってさ。僕じゃなくても、田井中サンには言った方がいいよ」

彼がそう言うと、ヒメも頷いた。頬に暖かいものを感じる。ヒメがハンカチを差し出す。いつの間にか先生が来ていたが、先生はただその光景をずっと見ていた。守条くんはそのまま席につき、机に突っ伏すのだった。

 

♣♣♣

 

それから昼休みまで私にちょっかいをかける生徒はいなかった。隣にいる守条くんが怖かったからだろう。だけど、彼に話しかける人も減った。

「な、なんかごめんね」

「別に。誰かと仲良くなる為に学校に来てるわけじゃないし」

彼はそう言ってカロリーブロックを齧る。そういえば、昨日もそれとゼリー飲料だった。

「それで足りるの?」

「あんまりお腹すいてなくて」

そう言ってカロリーブロックを食べる。私は思わず弁当に入っている卵焼きを彼に渡す。

「食べなよ。これ、自信作なんだ」

「、、、ありがと」

守条くんは卵焼きを食べる。私は少し不安になった。本当に彼は美味しいと言うのだろうか?

「美味い。ちょっと元気出てきた」

「ほ、本当?良かったぁ、、、」

嬉しさの余り、飛び上がりそうになったが、何とか抑えた。昨日といい、今日といい、助けてもらったのだ。これくらい当然だ。私は弁当をかきこんだ。

「、、、私の存在忘れてない!?」

「あ、ごめんヒメ」

ヒメのことを忘れて。

 

♣♣♣

〜咲良side〜

僕は夜にしては明るい街並みを歩いていた。昨日は偶然空鈴サンを囮にできたけど、本来はそうはいかない。そもそも人間を利用するのは禁止なのだ。

『相談役が呆れてたぜ。問題を起こすなとな』

「あんな老人に怒られてもなんも思わないね。それよりも、ここら辺で間違いないよね?」

僕は周囲を見回す。ここは陽炎ビッグブリッジの下。かつてホームレス街があった場所である。

『ビシビシ感じるぜ。ここにエビルがいる』

「だろうね。僕も感じる」

僕は腰に『グリムバックル』を当てる。バックルから自動で帯が僕の腰に巻かれる。

『グリム_スタンバイ』

僕の右頬に三日月の。左頬と左手に桜の花びらの痣が発現する。

「ここにいるエビルの悪意と、、、殺気をね」

僕がある位置に目を向けると、そこから異形の爪が僕に向かって襲いかかる。僕はそれをかわした。

『****』

『奴は低級のエビルだ。放置しても構わないぜ』

「やだね。そう判断したら未熟な死神が死ぬ。僕は油断しないよ」

未熟者でも倒せる敵。そう聞いて油断して死んだ死神を僕は沢山知ってる。だから僕はコイツを侮ってはいない。

「ま、お前相手に油断もクソもないけどね」

僕はエビルの動きを見切り、かわす。エビルは攻撃が当たらないことに焦りを感じてるのか、動きが段々と単調になっていく。

「そして単調な動きには必ず隙ができる」

僕はその隙をつき、エビルに刃を突き刺した。エビルは悲鳴をあげ、消滅する。

『****』

「お仕事終わり。変身するまでもない」

ベルトを外そうとし、僕は剣を銃に変形させ、銃口を背後に向けた。そこにいたのは、謎の面をつけている少女。少女も僕に銃口を向けている。

「キミ、何者?人間じゃないでしょ?」

 

♣♣♣

 

僕が尋ねると、少女は動揺する間もなく答える。

「人に名前を聞く前に、貴方が名乗るのが礼儀じゃなくって?」

「ただの死神A。これで満足?」

「とりあえず満足してあげるわ。」

少女は銃を下ろす。それに倣い、一応僕も銃を下ろした。すると、アリスの傍らに低級のエビルが現れた。

「アリス。この子達の番犬」

アリスは1枚のカードを取り出すと、それをエビルの体内に入れた。

「そしてこの子達のアシスター」

カードを投入されたエビルは姿を変えていく。一瞬見えたカードの絵柄はネズミ。

『咲良。このお嬢さん、まるで死神みたいなことをしてるぜ』

「あぁ。こりゃ本気出さないとな」

僕はベルトのホルスターからカードを1枚取り出し、ベルトの中央のスロットに挿入。

『ラビット』

ベルトから待機音が流れる。僕は軽くストレッチをし、ベルトのレバーを引いた。

『グリムアップ』

「変身」

僕の姿は黒のモヤに変わり、そのモヤに胸部アーマーと肩アーマーが装着される。モヤは人型になり、ウサギを模したドクロの仮面が装着される。

『ラビットグリム』

ドクロにある痣が疼くのを感じる。まさか連日変身するとは思わなかった。ラットエビルは少し同様してるのか、その場から動かない。

「さぁ、始めようぜ。今宵は死神の時間だよ」

 

♣♣♣

 

先に飛び出したのはラットエビル。僕は敵の突撃に対して、バク宙しながら蹴りを当て、がら空きになった胴体に銃弾を浴びせる。

『サマーソルト。お前いつの間に』

「動画サイト見て覚えた」

素早く銃を剣に変形させ、相手が攻撃をする前に連続で斬りつける。 早めに決着をつけたいのもあったが、狙いはもう1つある。

『左胸だ。そこに核がある』

「オッケ。左胸ね」

僕はベルトのレバーを押し込み、レバーを引いた。そして右足の蹴りをラットエビルの左胸に当てた。

『ラビットグリムブレイク』

そしてラットエビルを蹴り飛ばす。ラットエビルは悶え、爆散した。

 

♣♣♣

 

変身を解除し、辺りを見回す。気がつくと、アリスと名乗った少女は消えていた。おそらく、戦っているところだけ見てトンズラしたんだろう。

『咲良。これまでの首謀者はコイツかもしれないぞ』

「いや、多分上にまだまだいるよ。アリスは部下に過ぎない」

そもそも、アリスが単独であのカードを生み出したとは思えない。それを作った奴、もしくは組織が裏にいるかもしれない。僕はため息をついた。

「こりゃしばらく旅に出れねーじゃんか」

『仕方ないさ。敵は強大だからな』

僕はこの場を立ち去る。これからの生活を考えると、面倒なことになりそうだと思うのだった。

 




2度目まして。リメイク2話目
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。