仮面ライダーモルテRe:take   作:紅坂 絡

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『人の悪意ある時、エビルは人々を襲う。その時、ドクロの死神がエビルを狩り、人々を護る』
OP:Tommyheavenly6「Heavy Starry Chain」


♯4

守条くんとエビルライダーと名乗った戦士は構えたまま動かない。守条くんは何処かへと話しかける。

「ハルバ、再変身は?」

『不可能だ。インターバルを忘れたのか?』

「そうだった、、、ここまで計算ずくだったなこの女」

エビルライダーは守条くんに攻撃を仕掛ける。それを守条くんは剣で上手く捌いていた。最小限の動作で攻撃を防ぐ。まるでドラマの戦闘シーンみたいだ。

「当たらない、、、さすが天才と呼ばれてる死神」

「そっちこそ。攻撃する隙が見当たらない、、、味方だったらどれだけ嬉しいことか、な!」

僅かな隙をついて守条くんが斬り掛かるが、

『ナックル』

「残念」

「うっそでしょ」

銃のナックルガードで剣戟を受け止められる。そして簡単に跳ね返された。守条くんは受け身をとって着地をする。

「守条くん!?」

「ヘーキ。それより、もっと離れて!他にも潜んでるかもしれない!」

普段は飄々としてる守条くんが語気を強めにしているのを感じた私はもっと離れる。

「ハルバ、インターバルはあとどんくらい?」

『まだまだ掛かる。暫くはその状態で凌げ!』

「クソゲーかよ」

そう言いながら剣で攻撃をいなし、銃撃が来れば最小限の動きでかわす。守条くんの動きは無駄が無く、エビルライダーも焦っていた。

「これなら!」

『ガン』

エビルライダーは私に銃口を向ける。守条くんがそれに気づき、攻撃するが、それをかわし、守条くんを蹴飛ばし、背中を踏みつける。

「この子を攻撃すれば!」

「空鈴サン逃げて!」

彼の言う通りに逃げようとするが、腰が抜け、動けずにいた。もしかして、もうすぐ死ぬのかな?エビルライダーが引き金を引く音が聞こえる。私は思わず目を瞑るのだった。

 

♣♣♣

 

だけど、打たれた感覚も痛みもしないので目を開けると、

「何、これ」

目の前にあるのは大きな鎌。どうやらこれが私を守ってくれた様だ。

「全く。一般人を巻き込む死神は二流以下だって言わなかったっけ?ウサギくん」

そう言ってエビルライダーを蹴り飛ばしたのは、満月の痣が蛇のドクロの仮面にある戦士だった。戦士は突き刺さった鎌を抜き、構える。

「冥府の蛇、、、分が悪いみたいね」

エビルライダーはそう言って煙のように消え去るのだった。

 

♣♣♣

 

蛇のドクロの戦士は変身を解除する。背が高く、紺のコートが風に揺らめいている。

「大丈夫かい?」

「は、はい、、、あ!守条くんは?」

「彼は無事だよ」

彼が指す方向を見ると、不貞腐れたようにその場にあぐらをかく守条くんがいた。どうやら機嫌が悪いみたいだ。

「あ、自己紹介してなかったね。俺は蛇芽奏多(へびめ_かなた)。彼と同じ死神」

『死神』。またこの言葉だ。そもそも死神っていったい何なのだろう?

「詮索しない方がいいよ。キミが殺される」

守条くんはそう言って、バイクに乗ってその場を去った。どうやら、あまり話したくないそうだ。

「ま、彼の言う通りだね。今日のことは忘れた方がいい。近くまで送るよ」

「いえ、大丈夫です」

私はそう言ってその場を去る。蛇芽さんが呆れたような顔をしてたが、私は早めにこの場を去りたかったのだ。

 

♣♣♣

〜咲良side〜

翌日の昼休み。屋上に寝転がり、空を見上げる。雲ひとつない晴天。僕はこういう天気はあまり好きじゃない。

「雲のない空はチャーシューのないラーメンと同じだ、、、」

『咲良、お前ラーメン好きだったか?』

「物による。1ヶ月前に食べたコンビニのやつはあまり美味しくなかった」

ラーメンの麺は縮れてるやつよりも固麺がいいのに。それにスープもちょうどいい濃さというのがいいのだ。

「今日は授業サボってラーメン談義?」

そう言って隣に寝転がったのは空鈴サン。空鈴サンは僕の右腕につけてるハルバを見る。

「これ、声の主でしょ?AIか何かあるの?」

「余計な詮索はしないで欲しいね。コイツのことも死神のことも話したら下手したら僕が殺される」

情報漏洩が原因で契約解除とかになってる社会人とかいるだろう?死神はそれよりも罰が重いのだ。

「それと、こういう風に無防備な行動したら普通は襲われるんだよ。バカなの?」

「守条くんだからだよ。私は君のこと信頼してるし」

「でも、田井中サンに僕が殺される」

「ヒメならもっとガツガツ行けって言うかも」

「そうかな?」

「そうだよ」

そう言って2人で笑い合う。そうだよ。空鈴サンとはこんな関係が1番いいんだ。死神だのエビルだのそういうの抜きの関係。こんな関係が続くことを願いながら、僕は瞳を閉じるのだった。

 

♣♣♣

 

放課後、門番に呼ばれてたのを思い出し、門に入る。中に入ると、門番が黒服の男2人を従えているのが見えた。

「一応聞くけど、その人ら何?」

「SPってやつさ。ドラマみて憧れてね」

そう言って無邪気に笑う。歳食ってる癖にガキみたいだ。

「で、用事ってのは?」

「あ、そうだ。正式に紹介しとかないとね。入ってきて」

門番が促すと、1人の男が入ってくる。紺のコートを着た背の高い男。そいつは、昨日助けに来た死神。

「冥府の蛇こと、蛇芽奏多。またの名をサマエル。よろしく」

そう言って僕に握手を求めてくる男。僕はそれを無視する。

「釣れないなぁ。仲良くしようよ」

「前にも言ったろ?僕はアンタとは仲良くなれる気はしない」

僕はそう言い、その場を去る。蛇芽は何処か悲しそうな目をしていたが、それを指摘するような真似はしなかった。

 

♣♣♣

〜奏多side〜

咲良くんが去った後、俺は門番殿と話し合いをしていた。基本的にどのような行動を取ればいいのか等をね。

「要は、エビルが発生したら自主的に撃破しても良いと?」

「まぁね。咲良はそうしてるよ」

「指令が出てからじゃ遅い。彼が考えてそうなことですね」

彼はその考えで手出し禁止のエビルを討伐したこともある。人間からしたら英雄ものだろうが、死神の中では掟破りと言われる。

「ま、指令が出たらそっち優先で動きますよ。ついでに彼のことにも気にかけときます」

俺はそう言ってこの場を立ち去ろうとする。だけど、門番殿に呼び止められた。

「奏多!咲良を、依澄の忘れ形見を頼むよ」

「えぇ。その為に来たんですから」

今度こそ、俺はこの場を立ち去るのだった。

 

♣♣♣

〜咲良side〜

夜になり、僕は昨日行った高台へ今度は1人で来ていた。と言うより、来るように仕向けられたと言った方が正しいか。

「来たね。ウサギくん」

「あぁ、こんなものを渡されたらな」

僕はポケットから取り出したメモリーカードをハルバに刺す。ハルバが内部のメッセージを読んだ。

『22時、昨日の高台で待つ。今度はお互い本気で戦おう。アリス』

メモリーカードを抜き、それを捨てる。僕はため息をつき、ベルトを装着する。

『グリム_スタンバイ』

「メモリーカードヲをどこで手に入れた?その武器のシステムはどうなっているか?アンタには聞きたいことが沢山あるんでね」

僕は左頬の桜の痣に触れる。痣が熱くなるのを感じる。まるで、早く戦わせろと言ってるみたいに。

「月とは違う痣、、、『痣持ち』の死神の本気、楽しみだよ」

アリスは銃を取り出し、カードを挿入する。

『エビル_スタンバイ』

彼女の口元に牙の痣が発現する。アリスは深呼吸をする。僕も軽くストレッチをし、剣を取り出した。

「「はぁ!」」

僕たちは同時に駆け出した。僕の剣をアリスが受け止め、跳ね返されると同時に、僕はサマーソルトをアリスの顎に打ち込む。着地し、剣を突き刺そうとするが、

『ガン』

「墜ちろ!」

「っ!?あっぶね」

すんでのところで銃撃を避け、距離を離す。

「あの不意打ちを避けるなんて、やっぱり『痣持ち』は違うね」

「エビルにしては知能が高すぎる。やっぱり人間か?それとも、、、」

僕はベルトにカードを挿入する。アリスは銃口を押し込む。

『ラビット』

僕は軽くストレッチをし、指を鳴らす。アリスは銃口を離した。

『グリムアップ』

『エビルチューン』

「「変身/決行」」

僕の姿は黒のモヤに包まれ、痣のある仮面の死神の姿に変わる。アリスの姿も怪物をスクラップしたような見た目に変わる。

『エビルライダー』

『ラビットグリム』

僕は剣先をエビルライダーに向ける。エビルライダーは銃口を僕に向ける。互いに戦う準備は満タンみたいだ。

「今宵は死神の時間だよ」

「貴方の処刑を決行する」

互いに口上を言い、僕たちは互いに駆け出した。

 

♣♣♣

 

エビルライダーが銃弾を放てば、それを剣で弾き、かわす。僕が斬り掛かれば、それを銃で受け止めようとする。互いにダメージのないまま、数分が経過していた。

「クッソ全然当たんねぇ、、、ハルバ、核は?」

『探知不可能だ。コイツはかなり面倒だぞ』

「まじでチャーシューのないラーメンじゃんか、、、」

「相談は終わり?なら、私との遊びに戻りなよ!」

放たれた銃弾をギリギリでかわす。それと同時に蹴りを放つが、それをかわされる。

『ナックル』

「効かないよ!」

銃での殴打を剣で受け止める。火花が迸り、僕は吹き飛ばされる。受身をとり、着地して、様子を伺う。

「クッソ、、、かってぇコイツ」

『それも問題だが、これ以上のガードは剣がもたないぞ。あと一撃でも喰らったら剣が壊れる』

大問題だ。僕自体力がないので、武器がないと上手く戦えないのだ。そもそもこの剣は借り物だから壊したら大目玉を食らう。

「仕方ない、、、『発火』を使う」

『無茶だ!アレは制御が難しいんだぞ!』

ハルバの言葉を無視し、僕はベルトのレバーを押し込む。エネルギーが右足に集まるのを感じる。

「必殺技勝負ってこと?望むところ!」

アリスは銃口を長押しする。銃にエネルギーが迸るのを感じる。エビルライダーは銃口を離す。

『エビリティショット』

「喰らえ!」

エビルライダーが銃弾を放とうとした瞬間、僕はレバーを捻り、一気に引いた。

「発火!」

『グリムチャージング』

エネルギーが全身に迸り、桜の痣が発火したかのように熱くなる。瞬間、脳内がクリアになり、動作がスローモーションになる。僕は相手の銃口を上に向ける。人間の心臓の部分に光る何かを見つけたので、そこに向かって右ストレートを打ち込んだ。

「かはっ!?一体何が!?」

困惑してる隙に、蹴りを連続で叩き込む。

「はぁー!」

「この死神の現象、、、まさか!?」

エビルライダーは離脱しようとするが、僕はそれを阻止するかの様に蹴りを叩き込み、剣で斬撃を行う。

『咲良!これ以上はお前が持たないぞ!』

ハルバの言葉を無視し、攻撃を続ける。エビルライダーの胴の一部が剥がれ、核と思われる部分に攻撃しようとした瞬間、

「悪いな。ゲームオーバーだ」

「かはっ!?」

僕は何者かの攻撃を喰らい、吹き飛ばされる。その衝撃で、変身は解除された。そして僕は意識を失ったのだった。

 

♣♣♣

 

目を覚ますと、僕は高台のベンチに寝そべっていた。隣に誰かの気配を感じる。

「あ、目を覚ましたかい?咲良くん」

「アンタ、ずっと見てたろ」

そこに居たのは蛇芽奏多。戦ってる最中でも死神の気配を感じたのだ。まさかコイツとは思わなかったが。

「あれ?気がついてたの?」

「僕の『痣』について知ってるだろ?アンタも『痣持ち』だったら」

「フッそれもそっか」

僕は起き上がり、首を鳴らす。これ以上コイツと話したくない。この場から立ち去ろうとする。

「あ、咲良くん」

「ん?」

「君は今も、あの人の仇を打とうとしてるのかい?」

分かりきったことを。僕の目的は、あの時から変わってないのに。

「当たり前だろ。アイツの、依澄の仇は僕が打つ。邪魔するならアンタも敵だ」

僕はそう言って立ち去った。蛇芽は何かを言おうとしたが、何も言えなかったようだ。




はにゅいや。正月なので
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