シスターフッドの生臭神父はパンツが見たい。   作:誰か

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生臭神父は祭り好き

 

 先生から情報を貰い……俺達は今日、アビドスまでピクニックに来ていた。榴弾砲を片手に添えながら騒ぎの起こっている場所から離れた所で、息を潜めて近づいていた。

 

「おら〜。お前ら訓練だからって油断するなよ〜。キチンと指定された的に当てろよ〜」

「いや、キヨトさん。それより榴弾砲から降りてください。」

 

 んだよ良いだろ。砂漠で歩くの面倒くさいんだよ。榴弾砲にのって移動したほうがはるかに楽なんだよ……常に砲身を向けられてるようなもんなのは怖いけど。

 

「何でナギサ様はこの人を呼んだの?」

「まぁ場をかき乱すには適任だと思うけど」

「基本が荒らし嫌がらせ混乱の元みたいな人だからね。」

 

 ねぇすげぇ言われようなんだけど……俺そんな邪悪なのそんなヤバいヤツ扱いなの俺?まぁいいや。  

 

「よっと……ヒフミ、心の準備はどうだ?」

「だ、大丈夫です!……絶対皆を助けてみせます!」

 

 皆を助けるって……考えてみたらこいつほぼ巻き込まれただけなのによくここまで尽くしてやるよな。俺は面白そうだから首突っ込んでるだけだけど、こいつの場合ほとんど善意だもんな……そりゃナギサも気に入るか。

 

「んじゃあこの辺で砲撃用意〜、日頃の成果を見せて行こ〜。」

「あのっ!?榴弾砲に乗ってないで手伝ってくれません!?」

「いや、この前買った本が今良い所だから。ごめん。」

「ごめんじゃないよ!?何その本!?何その驚きの薄さの本は!?」

「ったく……名前未決定のモブがうるせぇな。名前欄に『トリニティ生徒①』って書かれてそうな面しやがって」

「誰がモブだ!?テメェいい加減おりろってんだよ!?」

「あはは……それじゃあ皆さん!準備を始めましょう!」

 

 そこからはヒフミの指示と皆の協力の元、あっという間に迫撃砲の用意が出来てしまった。多分訓練とかの段階じゃねぇよ、バリバリの本職モンの用意の良さだよ。

 

 相変わらずナギサの建前のうまさに舌を巻きながら、俺も鬨の声をあげる。

 

「んじゃあ各位、訓練開始するかぁ!!これはトリニティ関係なく、榴弾砲が苦手な皆さんが訓練の為にここまで来ただけ!仮に榴弾砲の着弾地点にPMC兵士がいたとしても、それは向こうから入り込んでしまった不幸は事故扱いだから、存分にやっちゃって良いぞ。」

 

 すると、遠方で戦闘の音が聞こえる……銃撃戦……どうやら、はじまったようだ。アビドスの奪還作戦

 

「…………よし、最終調整完了。ヒフミそっちは?」

「大丈夫です!いつでも撃てます!」

「お前ら準備良いかぁ!」

「「「はい!」」」

「よぉし!んじゃ実射訓練だ!タイミング合わせろよ。タイミングが重要だからな。俺がみっつ数えたら撃ていいな!?……いぃぃぃち!!」

 

 あっやべ間違って発射スイッチ押しちゃった…………あーあ、もうぶっ放されちゃったよ。みんなも釣られて打っちゃたよ、グタグタだよ……

 

「あ、あのキヨトさん……2と、3は……?」

「……知らねぇなそんな数字。男はイチだけ覚えてれば生きていけるからな。」

「この前と何も変わんない!!……と、兎に角アビドスの皆さんに連絡して状況を……!」

 

 そう言ってヒフミは、よく取っておいた者で、銀行強盗の時に使った紙袋の覆面を飛び出す……マジでよく捨てなかったな。俺もそんな事を考えてあの時使ったヘルメットを取り出して被り、アビドスの面々へと連絡をつける……すると、ホログラム越しに俺たちの姿を見た皆が目を丸くする。

 

『ひ、ヒフミさん!?キヨトさん!?』

『んっ!?リーダー!?』

「は、はうっ!……ち、違います!今の私はファウストです!」

「そうだ、今の俺も唯のリーダーだ。」

『リーダーもファウストさんもお久しぶりです!』

 

 結構なピンチのはずだが、意外と元気そうで安心した……どうやら闘志はメラメラと燃え盛っているようだ。或いは先生がつけた火なのか……

 

「こ、この榴弾砲はトリニティの物ですが……トリニティ総合学園は何も関係していません!全てリーダーの計画の内です!」

「ヒフミぃっ!?誰からその入れ知恵された!?ナギサか!?ナギサかぁ!?」

 

 あんの野郎下手にすんなり連れて行ったのはこれかぁ!?最悪俺に全部投げつけようって事なのか!?

 

『おぉ!流石リーダー☆』

『やるじゃない!』

『んっ。やっぱりリーダーは格が違う。』

『"やっぱりリーダーなんだなぁ……"』

 

 えっ何こいつら……しばきに行っていいかな?立場無視して殴り殺しに行って良いかな?もう全部壊しちゃっていいかな……サプライズニンジャ理論でカイザーも何もかんもぶち壊していいかな!?

 

『でも……本当にありがとうございます!』

『ありがとね。』

『……助かった。』

『"ありがとう、ヒフミ。キヨト。" 』

 

 ……ったく。しょーがねぇなぁ。

 

「私にできるのはこのくらいですが……皆さん、頑張ってください!」

「……骨くらいは拾ってやるから、負けんじゃねぇぞ。」

『んっ……ありがとう。二人とも。』

 

 そうしてアビドスとの通信が切れる……さぁて、とはいってもまだ終わりじゃないがな。まだまだ数はある……こちらの弾数も十分。

 

「このまま各自榴弾砲で可能な限りで火力援護を続けろ。俺は少し前に出てはみ出てこちらに向かってくるPMC潰して来る。」

「えっちょ!?どう言う……!?」

「……ここがベストポジションだからな。動くよりも俺が敵を皆殺しにして潰したほうが早い。」

「普通逆じゃないんですか!?」

「勿論撹乱の移動は続けろ……だが、相手も相応のプロだ。場所が割れた時点で相手に肉薄されている状態でもこちらに向かう分隊は居るはずだ。それを根こそぎ狩るのが俺の役割………………何より、もしお前らに何かあったらたまんねぇし。」

「キヨトさん……」

 

 こんな得もねぇバカげたことにナギサの命令とはいえ態々付き合ってくれるお人好し共だ……仮に怪我させたら気分が悪いどころの話じゃねぇ。それに、他にも重要な意味がある……大事な意味だ。

 

「何より……俺最近良いところなしだからそろそろ戦闘面で活躍したい。」

「何の話ですか!?」

 

 活躍の話だよ……よっしゃ!ヘルメット脱ぎ捨てて、拳銃二丁取り出して……準備完了!!俺は攻撃を行う!俺は攻撃を行うれ

 

「ヒフミ!ここは任せた!んじゃ、キヨト行きまァす!!」

「ちょっ!?キヨトさん!?」

 

 俺は後ろから響く声を置き去りにして、砂漠の上を突き進むのだった……つか砂漠で神父の服ってくっっっそ熱いんだけど!?ヤバい、熱い!暑くて干からびる!!

 


 

 

 そこから俺が榴弾砲の位置を特定し叩きに来る部隊とはち合わせるのに時間はかからなかった。相手も本拠地に攻め込まれてるとはいえ、流石に企業が紐を持つ企業兵士……甘くは見れない。練度もさることながら武器も近代化された物だ。しかし……

 

「くそっ!?なんだこいつ!?弾が当たらねぇ!?」

「まるで水を狙ってるみたいだ!」

 

 そもそも乱戦こそが俺のガン=カタの真髄を何より発揮させられる。軍隊として規律の取れたよい部隊だが……そこが落とし穴。幾何学的な配置であれば動きを予見して弾丸を避けてこちらの弾丸だけを当てるのは容易い。

 

「おいっ!?そこだとお前まで打っちまうだろうが!?」

「くそっ!?変な動きしやがって……」

「ガン=カタを変な動きだこの野郎!?」

「膝蹴りィッ!?!?」

 

 俺に対して囲むだの挟み撃ちだのなんだのと、そんなチンケな包囲は無意味と思ってもらおう……一人に対して無策に囲めば、フレンドリーファイアの原因になる……偶にその覚悟をして突っ込む奴らもいるが……お前ら企業の戦争屋にはその覚悟はなかったみたいだな!

 

AMEN(エ゛ェェイメ゛ン゛ッッッ)!!!!」

「くそっ!全く捉えられねぇ……ハンドガンでなんて速射だ。マシンガンとそう代わりねぇ……つか装弾数どうなってんだよ!?」

「仕様です!!!」

 

 弾数だのと無粋な事を言うんじゃねぇ!そんな事言ったら俺だってなぁ!なんで男子生徒俺一人しかいねぇんだって愚痴りてぇわ!!同年代の男とエロい話で盛り上がりてぇわ!!

 

「でもなぁ!そんな愚痴はいたってしょーがねぇだろ!?男の子はみんななぁ!そんな愚痴を飲み込んで強くなるんだよ!ムラムラした思いを背にして生きているんだよ!それがお前らオートマタの兵士にわかるかァッ!?あ゛ぁ゛!?」

「いきなりのなんの話だァッ!?情緒どーなってんだよお前!?

 

「くそっ!予定変更だ!迫撃砲は諦めてデカグラマトン大隊と合流して本部の防衛に……!!」

「いや待て………デカグラマトン大隊の反応が段々こちらに下がってきてるぞ!?」

「何!?先に本部の方に行ったんじゃ……!?」

 

 すると、部隊の後方の開けた所で爆発が………爆発!?なんで!?

 

「なっ!?なんの爆発だ!?援軍か!?」

「おっ……増えんのか?上等……」

 

 次の瞬間、砂漠の地平線より戦車がぶっ飛んでくる……なんで戦車が飛んでくるんだよ。いったいどんなはしゃぎ方したらこうなるんだよ。どんなトリップしたらこうなるんだよ……

 

「くっ……まさか、この神父モドキの差し金か!?」

「だぁれが神父モドキだゴルァッ!?腐りきって樹から落ちてもちゃんと神父じゃ!」

「いや、腐り落ちてちゃ駄目だろ……信仰的に……知恵の実腐り落ちてんじゃん。」

 

 細かいことをうだうだと……にしても、本当に誰だ?反応からしてカイザーの連中ではないみたいだが………

 

 すると、砂地に乾いた足音と共に一人の少女の声が響く……聞いただけで全身の毛穴がかっぴらくような威圧感のある声だ。

 

「……はぁ、面倒。漸く減って来たと思ったらまた増えてプラマイゼロね。」

 

 現れるのは、小柄な身体に似合わないマシンガン。白い髪に悪魔のような翼……そして二の腕につけた風紀委員の腕章……そして身から溢れる威圧感。そして彼女の後方に見える7割が倒れているPMCの山……

 

「こっ、こんな!?」

「あの校章、まさか……ゲヘナからの差し金か!?」

 

 ……ゲヘナといえば混沌で誰も何も言うこと聞かねぇのが特徴だが、どんな縁があるのかしらねぇがまさかこんな所で出会えるとはな。

 

「……成る程、手に持った獲物に白い髪に悪魔の羽……お前が混沌のゲヘナの治安維持を一手に担う風紀委員会の一大戦力。風紀委員長……空崎ヒナ。」

「良く、知ってるわね。敵情視察?」

「そんな頭俺にゃ無いよ。」

 

 ……どうやら俺がトリニティって事はバレているようだ。まぁ服に校章付いてるし当たり前であはあるが……それにしても、やっぱりチナツで思ったが、風紀委員はゲヘナのなかでもまだ話が通じて助かる。ぶっちゃけトリニティの奴らよりも話は通じるんじゃなかろうか。

 

 すると、空崎ヒナは俺の爪先から頭までを見つめてくる。

 

「……成る程。その神父服に二丁拳銃の身のこなし。貴方が噂のトリニティ、生粋の風紀の乱し子、歩く猥褻物陳列罪、倫理弱者、理性低燃費、神の方から拒否る信奉者、シスターフッドの生臭神父……浅木キヨトね。」

「前聞いた時よりえげつねぇ渾名が何個も増えてるんだけど、なにそれ。俺一体ゲヘナでどんな扱いされててんの?」

 

 こんな屈辱は生まれて何回か目だ……つかいくらなんでも言いすぎだろ……俺が何をしたよ……ゲヘナなんか敷居みたいだ事すらねぇぞ!?

 

「つかそもそもなんで風紀委員がこんな所に?」

「大方貴方と同じだと思うけど?先生に頼まれたから。求められたから……来た。」

「バァカお前。俺はアレだからね。テメェで勝手にケンカをしに来ただけだから的なそう言うアレだからね。」

「そうなの……どっちにしろ貴方は帰っても良いわよ。私が全て駆逐するから。」

「いやぁ。勘弁してくれや。俺骨折り損が一番キライだから。無理やりにでも理由作らせてもらうわ……」

「なっ、何だコイツラ……たった二人でやる気か!?」

「くそっ!……だが、どれだけ強くても消耗はしているはずだ!」

 

 消耗?……さっきからトランクスのゴムが擦り切れて消耗して緩んだせいでベストで無理やり留めてるって話か?

 

「……貴方が何を考えてるのか知らないけど絶対違うのは分かる。」

「落ち着けよ風紀委員長殿……んじゃ、お互い勝手に踊ってやり合うって事で。」

「……はぁ、本当に面倒。」

 

 しかし、妙な気分だ。奇しくも犬猿の仲であるゲヘナとトリニティが個人間とは言え、共闘することになるとは……いったいアビドスや先生とゲヘナの間に何があったのかはしらねぇが……これも縁のなせる技ってか?

 

 ……エデン条約が締結したら、こう言う事も増えるのかね?学園なんて関係なく、しがらみなんて関係なく、分派なんて関係なく、時に喧嘩して時に共に戦い、時に共にエロ本を漁るような…………そんな関係も増えるのかね。

 

 ……っぱ、そうだよな。立場とか学園とか関係なく、気の合う馬鹿野郎同士でつるめたらそれが一番だよな…………悪い気分じゃねぇ。

 

「……よっしゃ!なんかテンション上がってきた!!」

「なんで。」

「んじゃ!キヨト改めて……行きまァす!!」

「何処に。」

 

 俺は風紀委員長殿からの冷たい相槌を無視して得意の二丁拳銃を構える……さぁ、ランデブーの時間だゴルァッ!!!

 

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