「いやぁ☆キヨトが先生と知り合いで助かったよ!」
「えぇ、お陰でスムーズに事が運びました。」
“初めまして!桐藤ナギサさんと聖園ミカさんだよね?キヨトから少しだけ話は聞いてるよ、よろしくね。”
ティーパーティーの園……そこで俺は壁に背を預けながら事の成り行きを見ていた。あの後、意外にも話はすんなりと進んでいった。
ミカがどんな告げ口をしたのかはしらないが、ナギサは俺を、噂の補習授業部監視役の名目で俺を介入させた。とはいっても、流石に話が急なのかでっち上げでの入部ではなく……あくまで補習授業部の顧問と見据えられたシャーレの先生の補佐として回されたようだ。
確かに、俺と先生はトリニティの中ではそれなりに交友がある方だ。一応初期メンだし(安定のマウント)……それに、先生にはアビドスで色々手伝った貸しもある。まぁ、それをチラつかせなくても快く話を聞きに来てくれたのは、流石に有難い。
それに、本来シスターフッドである俺が友人とは言えナギサやミカのティーパーティーに関与しすぎるのはご法度だが……飽くまでもすべての学校に平等に介入が可能なシャーレの部員としてなら……と、上手くサクラコを言いくるめたらしい。
えっ?サクラコからなにか言われて無かったのかって?
『やらかさないでくださいね。』とだけ言われた…………ごめん。サクラコ。俺いま現在進行系で色々やらかしてるんだ。外患誘致の片棒担ぎそうになってんだ。ごめん。磔の晒し者で勘弁してくれ。
「……それでは、早速ですが先生をこの場にお呼びした本題に……」
「えぇ〜、ナギちゃん急すぎるよ〜!もっと、こう、天気の話とか、朝ごはん何食べましたかとか、どうやってキヨトを縛り上げるかとか、そんな話しないの?アイスブレイクだよアイスブレイク!」
「待てオイ!?なんでアイスブレイクで俺縛り上げられなきゃいけないの!?どんな空気の壊し方!?」
「ミカさん。キヨトさんは年がら年中縛り上げられてますから、そんなのは雑談にはなりませんよ。今日も地面がありますね位の話です。」
「ナギサ!?それどう言う意味!?俺そんな縛り上げられキャラでティーパーティで通ってんの!?」
いや、確かに俺はやらかし多いよ!?けどそんな毎日縛り上げられてねぇよ……言うて週4くらいだよ!週休3日で休んでるよ!縛られてないよ!
“うーん。あっ!キヨトとかからも少し聞いたけど、二人がトリニティの生徒会長達なんだよね?”
「はい……生徒会長達と言うのも聞き慣れない言葉かもしれませんが……」
「ねぇキヨト、噂には聞いてたけど先生って可愛いね!」
「可愛い?可愛いは可愛いけど俺は綺麗系だと思うな……」
いや、もちろん可愛さもあるんだけど……俺の印象は綺麗さのほうが勝ったかな。まぁ、何処に最初に目が行くかにもよるのかもしれないけど。顔つきはキツめだけど表情自体は柔らかいから先生。
「……トリニティと呼ばれる前は元々各分派に分かれて紛争が起こっていました。そしてその解決を図るため各分派の首脳が顔を突き合わせる……それがティーパーティーの始まりです。」
「キヨトってやっぱり、あ~言うタイプが好みなの?前部屋にも似たような本置いてあったよね?」
「なんで人が隠してた本勝手に見てるの?……まぁ大人の色香が強い人はやっぱ好みだな。先生はなんか包容力もあるふわふわさも兼ね備えてるから余計タイプだわ。」
やっぱり振り回すタイプよりも包んでくれるようなタイプが一番好みだわ。現実で比喩的にも物理的にも振り回されると本当に嫌になる。
「パテルにフィリウスにサンクトゥス。3つの学園の代表を元にティーパーティーを開き和解を重ねてきました。」
「いいなぁ……あんな綺麗な理想体型。憧れちゃうよ……」
「わかる。なんか、こう……男女の目から見てもザ・理想体型だよね。」
やっぱなんやかんやしても気になるもんなんだな同性の体型って。俺も偶に外の世界から来る筋肉すごい人の写真とか見るとスッゲ〜ってなるもん。憧れみたいなもんなのかな?
「……その後からトリニティの生徒会はティーパーティーと呼ばれるようになり各派閥の代表者がホストを……」
「やっぱり体型維持のために苦労してるのかな?食事に気を使ったりとか……」
「あー……でも風の噂でコンビニ弁当とかカップ麺多めでエナドリドーピングしてるって聞いたぜ?」
「えぇっ!?それであの体型!?狡い!私だって今の体型維持するのに気を使ってるのに!!」
「お前流石にデリカシーどうした!?俺何を言えばいいんだよ何も言えねぇよ!!!さすがに恥じらいを持てや馬鹿!」
「馬鹿なのは貴方達です!!いい加減にしなさい!!人が話してるのにわんさかと下世話な話を……!!!」
あっ。やべっ……ナギサキレた……とばっちり受けねぇようにはなれとっかな。そろりあし忍び足…………ん?ナギサ、何その机のうえにあるボタン。なんで指伸ばしてんの、なんでそんなの押そうとして……
「キヨトさん!逃がしません!」
「ちょっまっなんでぇ!?」
ナギサがなぜかいつの間にか机のうえにあったボタンを押せば、俺の頭上の天井から高速で縄がたれて巻き付き俺を簀巻きにして縛り上げてくる………ってなんでぇっ!?
「まてナギサ!?お前いつの間にこんな仕掛け仕込んだんだ!?」
「なんで有言実行しちゃったの!?」
「貴方方のせいでしょう!?いい加減にしないとミカさんも同じようにしてキヨトさんと一緒に天井でぐるぐる回しますよ!?ベッドメリーならぬバッドメリーになりますよ!?
「ナギちゃん何言ってんの!?」
“ねぇキヨトがえげつない勢いで天井で縄ごと回り始めてるんだけど!?ナニコレ!?このためだけに作られたのコレ!?”
じ、じぬ〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!朝食べたアオサが口から出てくる…!!!!遠心力で死ぬ!!!つか、なんで神聖なティーパーティーにこんな仕掛け作ってんの!?この為の改造に態々神聖な場所にメスを入れたの!?
「まさか、今日の為に設置式のものを技術校のミレニアムから取り寄せました。」
「何やってんのナギちゃん!?」
“技術の無駄使いだね……”
「つううううかあああああそういう問題じゃねぇぇぇぇぇぇ!!死ぬぅぅぅぅぅぅ!!!」
その後なんとか平静を取り戻したナギサと共に、先生に対する本題へと移った……ちなみに俺は未だに簀巻きにされたままだ。吊るされたままだよ。
「漸く落ち着きましたね……」
「ナギちゃんキヨトいると変な方向にはっちゃけるよね。」
“すんごいびっくりしたよ〜!”
何みんな少し落ち着いたみたい感じなんだよ。俺まだ全然縛り上げの簀巻きなんだけど、全くもって俺の事態好転してないんだけど!?!?つかロールケーキといい簀巻きといい、ナギサって巻くの好きだよねぇ!?
「それでは、本題に入ります……単刀直入に申し上げますと、補習授業部の顧問になってくださいませんか?」
“補習授業部?”
「簡単に言えば、落第しそうな子たちを助けてあげてって事!顧問と言うより……担任の先生かな?」
「本来はそう言う補習の子たちをどうにかすんのも生徒会の役目じゃあるんだが……エデン条約もあって、こいつら何分時期も悪くて今忙しくてさ。」
“成る程、そういう事なら喜んで受けさせてもらうよ。”
ミカもナギサもどうするつもりかは未知数だが、まずは様子見……あくまで成績不振の体を装うつもりらしい。いや、実際1人なんかシャレにならなそーな奴いたし。なぜかいきなり飛び級試験受けた奴とか……
「ありがとう先生!こんな面倒事……」
「面倒事と言ってはいけませんよミカ。」
「ごめんな先生。ミカって頭が少し……うん。」
「キヨトに言われたくないな☆この生臭変態神父☆」
「羽全部毟って手羽先にしてやろうかお前。」
「ミカ、キヨト?」
あっやばいまた回される……
「しかし、私達からも協力はします。トリニティで勝手にわからない事も有るでしょうし、このシスターフッドの生臭変態猥褻物神父の浅木キヨト。補習授業部の副担任としてつけます。」
「ねぇナギサ。お前って俺のこと嫌い……?」
「キヨトも頭が悪いわけじゃないから役には経つと思うよ!」
ごく偶に95点取れるとすげぇ嬉しくて跳ね回る。それでこの前頭ぶつけて痛かったよ。
“そっか、じゃあまたお世話になるね。キヨト。”
「なんかアンタとも縁があるな。」
「そう言えば、初めに先生が指揮したうちの一人も……」
“うん、初めて私がキヴォトスに来た時、シャーレ奪還を手伝ってくれた内の一人がキヨトだったんだ。そこからも度々助けられてる。”
「へぇ…………まぁ、私達のほうがキヨトの事は知ってるから!キヨトの事で困ったら相談してね!」
「いや、キヨト絡みで相談するならサクラコさんでしょう。あの人ほどキヨトさんの扱い方をわかっている人もいませんから。」
“大丈夫。ちゃんと、手綱は握るようにするから。”
「人を野良犬みたいに言うのやめてくれない?」
本当に失礼な奴らだ……すると、先生が徐に口を開く。
“そう言えば、偶に小耳に挟むんだけど……エデン条約って何?”
「……その説明には時間がかかってしまいますから、また後日詳しく説明しますね。補習授業部とはさほど関係のないお話ですから。」
“なるほど……あと、話を聞いてるとティーパーティーってもう一人生徒会長がいるんだよね?……キヨトはシスターフッドって別の組織の人らしいし……あと一人は?”
やっぱ食いついてくるよな……さて、どー誤魔化すか。
「……はい。本来のホストの……セイアさんがいらっしゃったのですが、現在は療養中です。」
「入院してるから今はナギちゃんがかわり……元々ティーパーティーのホストは交代制だしね……」
「…………。色々あってな。」
“そっか……早く良くなると良いね……。”
あァァァァァァァァァァ!!気が重い!!こいつら知らねぇんだもんな!!ごめんよ俺が偽造葬式なんかやったせいで!心が痛い助けて先生癒して先生!!
「……それでは、この辺で……キヨトさん。先生の事よろしくお願いしますね。」
「よろしくっつーか……まずこの簀巻きを解いてくれないの俺何もできないんだけど。」
「キヨト!頑張れ!」
「それは先生の補佐を?それともこのまま吊るし上げられる事を?」
“…………今、下ろしてあげるから……うん。キヨトいつもこんな感じなの?”
「……まぁ、うん。」
“そっか……あんまりお痛は駄目だよ。”
「……そうだな、これからもっと自重しません。煩悩係数オーバー300はこの程度で止まるか。早くエロ本買いに行かなきゃ……」
“何故か君のトリニティでの扱いが分かってきた気がするよ……みんな、大変だね。”
そうだな……皆大変なんだろうな……俺も大変だよ!今のところ各方面に味方が居ねぇよ!!作りたくても下手に作ると誰が何しでかすかわかんねぇから怖いよ!!先生!先生助けて!!!!………ミカとナギサも行ったし……もう全部ぶちまけようかな……
“……あれっ、そう言えばキヨトやつれた?”
「最近いろいろあってな……兎に角、補習授業の生徒達をさがそうや。半分以上が知り合いだから何となくいる場所は想像がつく……ほらっ、名簿見てみな。先生も馴染みある名前があるだろ?」
“?………あっ、この名前……”
先生の持つ名簿には、阿慈谷ヒフミ……アビドスの時、共に色々やった知人の名前が刻まれていた。
「んじゃ、会いに行くか。覆面水着団リーダーの右腕……ファウストさんに!」
“おぉ、あの関係まだ続いてたんだ。”
「偶に会う時はネタにしていつも怒られてる。」
“君って本当に享楽主義だね!?!?”