なんやかんやで教室までやってきた俺と先生は、そこで一人の少女と再会を果たす。
「久し振りファウスト。」
「その呼び方やめてください!?」
“久し振りだね。ヒフミ。”
つーかお前なんでここにいんの。補習授業が必要なほど頭悪いやつじゃねぇだろ……なんかあったのか?
“でも、ヒフミが補習なんてちょっと想像つかないや”
「え……えっと、その……試験日に色々あって……」
「あっ?芋煮会でもあったのか?」
“芋煮会!?!?”
「そんな訳ないでしょう!?そんな物で折角の試験をつぶす訳ないじゃないですか!!」
はは。まぁ流石に冗談だ……芋煮会は確かに重要イベントだが、流石に試験と被ったら4:5で試験の方を優先するよな!全く……
「実はペロロ様のゲリラライブが有りまして……それに行ってしまって」
「芋煮会とさして変わんねぇじゃねぇか!?!?!?」
何コイツ!?あの気持ち悪い鳥のライブの為に態々試験蹴ってこんな所に入れられてるの!?アホじゃねぇの!?コイツになんの容疑があって補習授業に入れられたのかしらねぇけどそんなん関係なく普通の指導モノじゃねぇか!?
「普通比べても流石に試験だろ!?涙を呑んで試験に行くだろ?」
「えっ……?ペロロ様のライブですよ?」
「ピンと来いよ!?思う所あれよ!?何迷いなく澄んだ瞳で言い切ってんだ!?おい先生!?なんとか言って……」
“いや芋煮会ってなんなのさ!?”
「なんでまだそこに引っかかってるんだよ!?もっと突っ込むべき点が生まれちゃってんだろーが!?」
何だこの人!?なんでこの人も若干天然入ってんだ!?なんで天然物が2人もいるんだよ!?
「……まぁいいや。兎に角他の奴等どの話も聞きに行こうや。頼むぜヒフミ。」
「はい!一応私も補習授業部の部長として先生やキヨトさんのお手伝いをしてくれとの、ナギサ様からの指令を受けてますから!」
ナギサ本当にこいつのこと好きだな……待てよ?んじゃなんでこの子ここに入れられてんだ?ナギサも拗らせてんのかまさか……えっ、マジで……ミカはアイツ割と分かりやすいから直ぐに察せたけどナギサはだいぶポーカーフェイスだから全然分かんねぇ!!胃が……胃が痛い!!
「と、兎に角行こうぜ……先生。」
“その前に芋煮会の説明をしてよ!?”
「芋煮会はもういいつってんだろ!?どんだけ気になってんだ芋煮会!!」
ヤバいぞ!?一人目でこれだと先が思いやられるんだが……ここから更にヤバそうなのが増えるの嫌なんだが!?嫌だ!誰か!誰か俺を助けてくれ!!
そんなこんなでヒフミを引き入れた俺たちが次に向かったのは正義実現委員会……あぁ、もう少し胃が痛くなってきた…………扉に入って出迎えるのは……おぉ!!
「よぉコハル!元気か?」
「貴方が来るまではまだ元気だったわよ!!何しに来たの!?まさかまた没収書物を奪いに来たの!?」
「いや、ちげぇって。つかハスミに奪われた分はもう回収したあ……ゲホッゴホッ。なんでもねぇ。」
「ちょっと待って!?いつの間に取ったの!?ど、どうやって!?」
「なぁ!!それよりもコハル!!この人達紹介しとくよ!?」
「待って!!せめて質問から答えて!!私部屋の鍵はきちんとロックしたはずよね!?」
あの程度、鍵をくすねて侵入してスネークすれば奪取は容易い……コハルがいると(主に良心の呵責的な意味で)上手くいかない気がしたから居ない日を狙ったまでだ。っと、それよりも……
「この人達、シャーレの先生と友人のヒフミ。仲良くしてあげてくれ。」
“よろしくね、コハル……って言うんだね。”
「よろしくお願いします!」
「っ!!…………よ、よろしく。」
コハル、体の半分近く俺に隠れてるんだけど。俺の図体利用しないでくれ。俺は壁じゃねぇんだよ…………
“コハルとキヨトは仲良いんだね”
「だ、誰が仲良しなもんですか!!」
「コハル……俺達は親友じゃなかったのか?」
「違うけど!?」
「そんな……俺が高田ちゃんに告白して俺の事を慰めてくれたじゃねぇか……ラーメン奢ってくれたじゃねぇか……」
「何存在しない記憶捏造してんの!?高田ちゃんって誰!?」
いや待て高田ちゃんって本当に誰だ……!?まぁいいや。
「あ、あの!私達!人を探してるんです!」
「人探し?正義実現委員会を便利屋か何かかと思ってるの!?」
「人のエロ本を取る窃盗者集団じゃないのか?」
「アンタマジ怒るわよ!?」
そんな……俺は正義実現委員会のせいで数多のエロ本を回収され焼却処分されていると言うのに……そのせいで一体何札のイチャイチャパラダイスが犠牲になったと思ってるんだ……!!
……あっ?先生どうした肩叩いてきて。
“……ねぇキヨト。”
「なぁに先生。」
“……高田ちゃんって誰?”
「だからいいつってんだろ!?ほっとけよ!つかなんでワンテンポズレてるんだよ!?」
なんだこの人!?こんな感じの人だったっけ!?俺初期メンだけどシャーレの先生とは当番行ってる奴らほど親密じゃねぇからわかんねぇ!!
「はぁ……もういいや!おいコハル!ここにハナコ来てるだろ!アイツに会いに来たから少し話し通して……」
「あらっ♡キヨトさん、少し大胆ですね♡態々私に会いに来てくれるなんて♡」
「どっか行けェッ!!!」
俺は我も忘れて叫び即刻後ろに回し蹴りをお見舞いする。
ハナコはすんで避けたが、俺の額には緊張でまた冷や汗が流れる……くそっ、冷や汗が止まらねぇ……こんなに冷や汗が止まらねぇのはサクラコが変な挨拶を考えて流行らせようとした時以来だ。
「相変わらず手が早いですね♡」
「出したのは脚だろーが!?」
「えっ?
「テメェいい加減にしろよ!?そのネタ前やっただろーが!?つかなんでまたスク水何だお前!!!やめろつったろ!!」
嫌だぁなんでこいつまで補習授業部に!?いや、わかるけど!コイツはなんかもう……いろいろ駄目!!裏があるない以前に何も着てねぇんだもん!!
「な、なんで……鍵は閉めておいたはずなのに!?」
「な、なんでスク水……」
“なんかキヨトの交友関係クセ強くないかな?”
俺が聞きてぇわ!?俺の周り
「大人の方……シャーレの先生ですね?それにキヨトさん……なるほど、話が見えてきました。補習授業部の件ですね?」
「話の前にまずテメーの格好見ろや!?」
「……?」
「何はてなマーク浮かべてんだ!!こっちが!?!?!?だわ!!!」
「ちょっと!?その格好で出歩かないでよ!!」
そうだコハル!言ってやれ!!
「しかし、学校敷地内のプールでは皆さん水着を着てらっしゃいます。ここも学校の敷地内と言う事は水着でも問題ないはず……あっ、下江さんは全裸でプールにはいるタイプですか?」
「そんな訳ないでしょ!?ちゃんと水着着るわよ!キヨトもなんか言って……」
「マジかコハル。そいつぁすげぇ趣味だな。己の全てをさらけ出し自身に隙なんてないと証明する為か……流石正義実現委員会だ。レベルが違うぜ。」
「あっさり鞍替えした!?何!?何なのあんた!?面白ければ何でもアリなの!?享楽主義にも度があるでしょ!?」
いやぁ、コハルにツッコミ任せられると思ったらつい……ね。
「あ、あの……ハナコさんは一体なにを?」
「歩き回ったのよ!白昼堂々と!水着で!人がいる中!公園を!!」
「まぁハナコならするだろ。それはもう一周回って噴水設置してハナコに水着を連想させた公園側の落ち度だなり」
「はい♡流石キヨトさんは何でもわかってくれますね♡」
「そんな訳ないでしょ!?と言うかキヨトもいい加減にしろよみたいな事言ってたわよね!?」
ちょっっっっと覚えてないね。ごめん。記憶飛んだわ。俺初期のファミコン並みだから、ちょっと衝撃受けると直ぐ飛ぶから。
「もう!!いいからどっちも帰れ!この公然破廉恥罪と猥褻物陳列罪!」
「まぁ待て。この際だ。呼び戻すのが面倒だしここに居てもらおう。」
「アンタも帰れって言ってるの!!」
“ま、待ってってば!実はもうひとり探してて……”
「名簿によると……白洲アズサさんと言う方を探さなければならないのですが……」
来たよ……ミカが一方的に押し付けてきたやつ……多分、そのアズサって子は俺の事を知らない。それはある意味デバフであると同時にアドバンテージでもある。
怪しまれずに絡むという意味で絶好だ……取り敢えずまずは友達になるところから始めなけれは……アリウスをどうするか考えるにしても、まずはそこからだ……
すると、不意に背後の玄関が開く……ふりむけば、そこにはクソデカ……失礼。正義実現委員会副委員長。ハスミと同じく正実のマシロ……そしてその後ろにさらに一人。
「ただいまもどり……キヨト?それに先生も……」
「任務完了です!白洲アズサを現行犯で逮捕しました!!」
……ん?白洲アズサ?白洲アズサって言った?あの後ろの銀髪でガスマスク被ってる奴が?んっ?いや、さすがに冗談だろ。
「……なぁ、後ろの子って誰?今日13日の金曜だっけ。コテージに来てるんだっけ俺等。」
“バリバリ正義実現委員会の建物の中だね。”
「あぁなるほど……じゃあ新手の妖精か。ガスマスクの妖精か……イマドキこういうのもあるんだな。」
「キヨト……何を馬鹿なことを言ってるんですか?言っていたでしょう、白洲アズサですよ、この子は。」
もう……頭が痛いな……これが……俺に対する罰だとでも言うのか……いいやまだだ!!ガスマスクで顔は見えないが、きっともっとなんかこう……あるはずだ!!!
「惜しかった。弾丸さえ足りていればもう少し道連れにできたのに。」
……………………。
「……そりゃお前。弾切れってのは弾切れるって思うから切れるんだよ。自分の銃を信じて弾切れなんか起こさないって考えたら起こさねぇから。」
「!?そうなのか……」
“キヨトのはそんなレベルじゃないよね。なんでハンドガンでサブマシンガン並の連射ができるの?なんで弾切れないの!?”
「貴方の気持ちの悪い戦闘理論を吹き込まないでください……なんですかガン=カタって……あんなのできるわけないでしょう?」
「何を言うハスミ。俺はできるぞ。」
「……そう、ですね。」
あっヤバ。ハスミが遠い目しだした。みんなストレス溜まってんだな………大変だなぁ。
「……ガン=カタってなんだ?」
「おっ、アズサとか言ったっけ。興味あるのか?ガン=カタって言うのはな……」
「解説は良いですから!!……それよりもなんでこんなところに皆さんがいるのか教えてください。」
「………なるほど、つまり銃撃戦に特化した戦術なのか。でもそれはゲリラ作戦には弱くないか?」
「そう言う戦場にはそれに強いやつをぶつければいい。両刀種族値のポケモンとか相当うまくやらないとこうげきもとくこうも中途半端って結局泣きを見る羽目になるんだ。ホウエン地方の子たちを見てみろ。ほぼみんな泣いてるよ。」
「ふむ、後半はよく分からないが……適材適所か。的を得ているな。」
話してみると中々悪い感じの娘ではなさそうだが……性格悪い子ってマジで少し話せばわかるからな。
こっちは懺悔室で常に顔見えない中話を聞いて雰囲気や話し方で相手の事情を話したこと以上に分析して助言してるんだ。お陰である程度話せば多少は相手がどんなタイプなのは分かる。もちろん、隠すのがうまいやつもいるから確信はできないが、
「それに相手がそういう戦法を使うならこっちはこっちで面攻撃するだけだしな。」
「なるほど。」
「なんか通じ合ってる……。」
「ふふっ、愉快な人達が揃ってますね……ハスミさん、あんまり気にしないでくださいね……キヨトさんのことは……」
「だ、大丈夫です……この程度のスルーで苛ついていたらあの人と向き合っていられません……!!」
「あ、あはは……兎に角補習授業みんな揃いましたね。」
“う、うん。とりあえず良かった……のかな。”