シスターフッドの生臭神父はパンツが見たい。   作:誰か

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生臭神父とシャーレ奪還戦

 

 なし崩し的に外郭地区の暴徒の鎮圧に繰り出された俺達……そこでは不良達が弾丸ばら撒くわ建物爆破するわの大惨事だ。

 

 外から来た大人……即ちヘイローを持たず、銃弾で即死の可能性が大いにある先生を抱えながら進んだのでは、どうしても足止めを食らってしまっていた。

 

「中々攻撃が苛烈ですね……」

「溜まってんなあ。皆欲求不満なんだな。」

「頼みますから黙っててください。」

 

 ひぃん酷い……しかし、あんまり笑ってもられねぇか?このままじゃ援軍が来るまでジリ貧だ。

 

「っち、時間がねぇのに……」

“時間?”

 

 先生の問に隙を見せずハスミは答える。

 

「もしもキヨトの聞いた通り、この不良がデモ隊として集められたのなら声をかけた中心人物が居るはず……なら、その人はこの外郭地区でこうして不良に足止めをさせている間に目的を達成しようとしている。そう考えるのが自然です。」

「目的ですか?」

「どんな目的なのかは分かんねぇがな。」

 

 まぁ、碌な事じゃないのは分かる。そのシャーレとかいう部活動に必要な代物がこれから向かう場所にあるとして、ソレを察知している者がいたとしたら……それを奪おうとするやつがいても不思議じゃない。

 

 それになによりこのタイミングでの暴動。都合が良すぎる。

 

「でも、ただの暴動という可能だってあるじゃない。」

「本気で暴動を起こすならこの人数を一箇所に集めさせたりなんかしない。もっとバラけさせてゲリラ戦法でテロした方が損害がデカいからな、連邦生徒会に恨みを募らせてぶっ壊そうとしてるなら尚更な。」

 

 それがこんな徒党を組んでこんなところで集まってるってことは、ようは捨て駒だろうな。

 

「でも、意外ですね……そこまでしっかりと考えてるなんて、ただのちゃらんぽらんでは無かったのですね。」

「おいデカパイメガネ(チナツ)?いくら俺でも泣くぞ?」

「えぇ、まぁ……確かにキヨトは普段からちゃらんぽらんの能無しノーテンキのエロ猿ですが……」

「ハスミぃっ!?俺お前になんかした!?」

 

 ……いや、思い当たる節しかないけれど!

 

「でもどうするのよ!急ぐにしてもこれじゃジリ貧で迂闊に近づけないわよ!?」

“一気に懐に潜り込んで叩くしか無いみたいだね。”

 

 懐に潜り込むねぇ、そういう事ならひと肌脱ぎますか……いや、露出狂的な意味じゃなくてね?

 

「スズミ、閃光弾あるか?」

「えぇ、残ってます。」

「んじゃ十秒後に投げてくれ、その間に突っ込んでヘイト稼ぎついでに叩く。」

 

 そう言って俺は腰のホルスターに手をかける。

 いやぁ、割と腕鈍ってそうだなぁ……まぁ、あのくらいの不良に手こずるような戦闘力はしてねぇと思ってるけど、

 

「特攻する気ですか!?」

「蜂の巣にされて終わりよ!?」

「お前らも援護してくれるから大丈夫だって。それに、好き勝手やって相手のペースを乱すのは得意なんだよ」

“大丈夫なのかい?”

 

 みんな心配性だなぁ、任せろ任せろ!むしろオレ近接戦して近づかねぇとあんまり役に立たねぇし、それに何より……

 

「初めての戦闘シーンだからな。オレに格好付けさせてくれ」

「戦闘シーン!?何言ってんの!?」

「閃光弾、用意できてますよ。」

「んじゃ、キヨト!いきまァす!!!」

「待って!?本当に大丈夫なの!?」

 

 ユウカのセリフを派手に無視して、スズミが地面を滑るように閃光弾を投げると、不良の足元に閃光弾がぶつかった瞬間。眩いフラッシュがあたりを包み視界を奪う……その間俺は目を瞑って、適当な盾になりそうな瓦礫を持って突っ込む。

 

「うおおおおおおおお!!!瓦礫シールドバッシュ!!」

「いっだぁ!?」

 

 しまった!!閃光弾で見えねぇけど誰がにぶつかったっぽい!!

 

「くそっ!?誰だ!?ちくしょう目が!!」

「生徒会の回し者だ!撃て撃て!!」

 

 ちょっ……そんなフラッシュで何処ともわかんねぇ状態で打つなよ!!

 

 俺が腰に携えた十字架状のホルスターから取り出すのは、勿論拳銃だ。左右に一つずつ、計2丁。

 

 双方デザートイーグルをベースに速射性と威力を上乗せした化け物みたいな銃だ。下手な構えで撃ったらキヴォトスの生徒だって荒事慣れしてなきゃ後方に大きく吹っ飛ぶ代物だ。

 

 その二丁拳銃には互いに『タイプ』と『アンタイプ』と名付けた。まぁぶっちゃけ見た目はどっちも同じ黒いデザートイーグルに金の十字架のエンブローブが記されてるだけだし、俺はもうどっちがどっちか覚えてない。

 

 やがてお互いの視界が戻る頃には、俺はすでに敵陣のど真ん中……不良達は一瞬反応を遅らせて銃を向けるが……もう遅い!脱出不可能よ!!

 

「ノッキングライフルハードタイプじゃ……」

「はっ!?何言っ―――」

AMEN(エ゛ェェイメ゛ン゛ッッッ)!!!!」

 

 俺はそっと二丁拳銃を相手に向けて連続で引き金を引く。囲まれて蜂の巣にされても、ゼロ距離でなければ相手の位置をみれば、ある程度の弾道の通らない道は予測できる。それがガン=カタだ。

 

 地面を滑るように体勢を変えて、その間にも俺は引き金を引く。デザートイーグルなのにもはやマシンガンのような弾丸が不良達を襲う……一発、二発、四発、八発、一六発………全弾命中、ぶち込んでやるぜ!

 

「くそっ!なんでこっちの弾が当たんねぇんだ!?」

「それ以前にハンドガンであの速射と弾数はありえないだろ!?リロードしてないじゃ?!?」

 

 何ィッ?残弾がなくなるはずだろって?リロードなんかしたいときにすれば良いんだよ!!見てみろ!明らかに残弾なくなるはずなのに平気で撃ち合ってる作品とかザラにあるぞ!!カッコ良けりゃ良いんだよ!!

 

「くそっ!こいつをくらえ!」

 

 んっ?手榴弾投げてきやがった!?ボマーかよ!?……んっ?

 

「避けてください!」

「っ!?あっぶねぇ!」

 

 すると、ハスミの飛ばしたライフルの弾丸が空中で手榴弾を貫き空中で誘爆させる……俺は咄嗟に回避して、転がりながらリロードして不良をすれ違いざまに撃つ。

 

 無理やり俺がねじ込んだ……駄目だなんか俺が性犯罪者みたいな言い回しだ。俺が作った隙に、ほかの面々も攻めに移れる余裕ができたのか、一気にこちらが巻き返していく。

 

 

“ユウカとスズミはそのまま進んでクリアリング!ハスミはキヨトのバックアップ、チナツは援護しつつ索敵と情報確保!”

 

「はい!」

「了解です!」

 

 おっ、流石先生って所か?詳しいところは何言ってるのか全然よく分かんねぇけど、みんな明らかに動きが良い。バラバラの学園の人間をこうも統率して指揮できるとは……末が恐ろしいな。

 

“キヨト!大丈夫?”

「あぁ、久々に真面目に戦ったからなまってると思ってたが……案外身体が覚えてるもんだな……あっ!!!」

“!?どうしたの!?どこか怪我を……”

「別に身体が覚えてるってエロい意味じゃないからな?」

“心配した私がバカみたいだ。”

 

 なんだよ、重要なことだろ。唯でさえ俺はシスターに手を出す変態神父って噂が広がってんだ。こうして誤解を解かねぇと本当にいつか矯正局に入れられちまうよ。

 

“……でも、無事で本当に良かった。”

『大変なのはここからの様です……騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました。』

 

 すると、先生の持たされていた端末からリン代行のホログラムが現れる。

 

『狐坂ワカモ……百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。破壊活動を是とする危険人物です、お気をつけて。』

 

 狐坂ワカモかぁ……またとんでもないやつが出てきたもんだな。

 

「接敵の可能性は十分にありますね。」

「援軍って連れてこれねぇのか?ほら、SRTとか……もう俺等帰ろうぜ、プロに任せようぜ。」

「一番前に出て一番被弾の少ないやつが何言ってんのよ……」

「痛いの嫌なんだから被弾したくないだけだよ、俺別にMじゃねぇし。」

「言ってないです。」

 

 そんな会話をしつつ、湯水のように湧いて出る不良達に対処する……個々の力は特筆してはいないが、やはり戦いは数だよ兄貴!!ってな、人数が多いのはそれだけで不利になり得る。

 

「まぁ、相手の攻撃に当たらなければよいだけなんですけどね、初見さん。」

「くっそ!全然当たんねぇ!……ぐあっ!」

 

 これでもトリニティのジョン・ウィッグと呼ばれた男だからな。伊達ではなんだよ!!……俺はジョン・プレストンの方が好きなんだが、ほら同じクラリック(聖職者)だし。

 

「……ん?」

 

 俺が不意に天を見上げると、建物の看板の上にそれは居た……狐のお面を被り、こちらを見下す和服の少女。っ!?こ……これは……!!!

 

「騒動の中心人物を発見しました!対処します!」

「あらあら、連邦生徒会の子犬たちが現れましたか……お可愛らしいこと……後衛三、前衛三……一人は真下……」

 

 そう言ってジトッとこちらを見おろしてくるワカモ…………だが、無駄だ。既に俺は半分勝っている。

 

「おーい降りたほうが良いぞ。」

「っ!?……何を……」

「降りたほうがオススメだと言ってるんだ……」

「……何故。」

 

 何故?ふっ気がついていないのか?なんて事は無い……簡単な話だ。

 

「いや、俺の位置からだと普通に君のパンツ見えそうになって――」

 

 ん?何か降ってきて……あっ、榴弾……

 

「ギャァァァァァァァ!!!!」

「あぁ!バカがやられた!!」

「寧ろ世界が平和になりそうです。」

「自業自得の極みですね。」

 

 ふっ……ギリギリパンツは見えなかった……スリットからの大腿部がエロかったので良いやぁ……我が生涯に一片の悔いなし……!!

 

「ねぇ!?コイツ爆破されたのに妙に清々しい顔してるんだけど!?気持ちが悪いんだけど!?」

「トドメを刺しておいてください。」

「それより、狐坂ワカモは!?まさか爆破の弾みで逃げたの!?なんで!?」

“まさか……下着を見られたと思ったから……?”

「なんか流石に同情しますね……」

 

 まぁ取り敢えず俺はよい思い出来たしみんなも戦わずして勝つことができたし、これは全面的に俺の功績で良いのでは?やったぜ。

 

 すると次の瞬間、道の奥からバリケードをぶち抜いて一気に戦車がバウンドしながら現れる。……ん?つかあれ……

 

「クルセイダーじゃねぇか!?」

「トリニティの制式巡洋戦車……なぜこんな所に!?」

「見た目古い型のようですが……シャーレの部室とも目と鼻の先です!」

「……兎も角、これが最後ってところね!ぶっ壊して良い代物なら気が楽だわ!!」

“よし、みんなさっきと同じように配置!なるべく張り付いて攻撃して!!”

 

 先生の指揮のもと皆が配置について攻撃を開始する中……榴弾で黒焦げになりかけていた俺は、そっと座り込んで手持ちの銃を見る。

 

「んん……」

“どうしたの? ”

「いや、今の装備じゃクルセイダーの装甲正面から抜けないなぁ……って。」

 

 いくら威力を上げたデザートイーグルと言ったって所詮はハンドガンですからね。制式採用の戦車の装甲は簡単には抜けないよ。

 

“それじゃあ操縦者を叩くって事?”

「ま、それしか方法無さそうだな。んじゃ、キヨト行きまーす。」

 

 また俺は適当な瓦礫を掴んで盾にする……いやぁ、みんなが色々ぶっ壊してくれたおかげで使い捨ての盾が増えてるのは嬉しいですね。んじゃ、やりまーす!

 

「おらぁっ!!掛かってこんかい!!」

「ちょっ!?戦車砲にそれは無茶じゃない!?」

「無茶だろうがなんだろうがやらなきゃいけない時もある!!おらぁっ!!!三千文字ぶりの瓦礫シールドバッシュじゃぁぁぁぁ!!!」

 

 俺が瓦礫を構えながらも突撃し、邪魔な不良どもを悪質タックルで吹っ飛ばしながら進む。すると当然クルセイダーの主砲はこちらに向き、砲弾が放たれる……させるか!!

 

「オラァッ!!前言撤回の瓦礫投擲じゃァァァァ!!」

 

 思いっきり投げつけてやった瓦礫は戦車砲に正面からぶつかり、砲身をずらす……よっしゃ今だ!ハイジャンプ!!

 

「正面や側面からじゃ無理でも、上からなら多少通るよなぁ!?喰らえ!!市販品の拳銃用高貫通力徹甲弾(一パック10発入り税別6400円)!!!」

 

 自慢のデザートイーグルで徹甲弾をぶち込んでやれば、上空からの攻撃になすすべもなく戦車に弾丸が通る。上からだと動力部は狙えねぇが、操舵席は十分に狙えるぜ!

 

「頂きィッ!!」

『ぎゃふん!!』

 

 すると、上手いこと操舵手を貫けたのかクルセイダーの動きが止まる……やはり制式とはいえ中古品、装甲がガバガバだな。市販品の拳銃用高貫通力徹甲弾(一パック10発入り税別6400円)で対処できるとは……

 

「ふぅ、こちらも一通り不良の鎮圧は完了です。」

「街はかなり損壊してしまいましたが……」

「まぁ大惨事にはならなくてよかったわよ。」

「コレで安全は確保できました、今のうちに先生はシャーレの部室」

“ハスミ、スズミ、チナツ、ユウカ、それにキヨトもありがとう!それじゃあ!行ってくるよ!”

 

 そう言って先生は駆け足でシャーレの部室へと向かう……ふぅむ、しかし。

 

「あの狐坂ワカモ、何処に行ったんだ?また雲隠れされたら敵わんぞ。」

「そうよね、あの時に追えれば……」

「私達の目的は先生を守ることとシャーレの奪還。深追いは禁物でした。」

「罠の可能性もありましたしね。」

 

 まぁ、その通りか……そもそもそういう仕事はヴァルキューレの奴らの仕事だもんな。俺しらね!!

 

「と言うかキヨト、いくら脱獄囚とは言え……その……堂々と下着を眺めるのは人としてどうかと思いますよ?」

「別に見てねぇよ、見えそうだったから忠告したら逃げたんだろーが。」

「えっ……意外、アンタなんか隙あれば直ぐに覗きとかやりそうなのに……」

 

 なんだこの青髪太もも、体重100tありそうな顔しやがって……!!何もわかっちゃいねぇな!!

 

「馬鹿野郎!!そんな覗き見スレスレの棚ぼた的にみるパンツより、俺は双方合意の上で恥ずかしがりながら見せてくれるパンツのほうが二万倍良いです!!!」

「何言い出してんのコイツ!?」

「本当に、本当にすみません……トリニティ(我が校)のバカ神父が……!!」

「ハスミさん、大丈夫ですよ……泣かないでくださいね……」

 

 こうして半ばグダグダになりつつも、俺達は先生の帰還を待つのだった。

 

 

 

 

 

 

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