ゲームキャラのメイドにTS転生した   作:おおは

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勇者、それは本来激レア

――メイド()視点

 

どうも、俺です。

 

あの不可解な大地震から一夜明けて。

 

何という事か、それぞれにステータスバーが表示されるようになったというのだ。

 

しかも、それはこのメイドキャラのステータスバーと同じ仕様ときた。

 

そして、極め付けには各地に出現した洞窟――――――ダンジョン。

 

これもほぼ例のGPGに登場するダンジョンで間違いないだろう。

 

……うん、意味が分からん。

 

あればゲームぞ? 確かに俺は現実とゲームの区別が時々つかないが。

 

一体どういう仕組みであんなものが表示されるのか、まったく見当がつかない。

 

これでも俺、結構地頭マシな方なんだけどな……

 

 

 

朝、そんな事もつゆ知らず呑気に蓮(様)を起こしに行っていると、その蓮(様)が必死の形相ですれ違っていったのである。

 

何事かと思い、ササッと追いかけてみると、一同がテレビを凝視していた。

 

それはそれはもう舐め回すように。

 

「どうしましたか?」

 

呆けている蓮(様)に聞くと、彼はハッとしたようにこちらを見た。

 

そして、焦ったように俺に問いかけてくる。

 

「おい、コレ見えるか?!」

 

蓮(様)が指さしたのは空中。特に何もない。

 

「……恐れながら、何も見えません」

 

「……は?マジでどうなってんだ」

 

だんだんと蒼褪めていく蓮(様)。

 

何とか宥めて聞くと、ステータスバーと洞窟の話がニュースになっていたといったのだ。

 

そして今に至る。

 

確かに、GPGのステータスバーは自ら選択しない限り他人には一切見えない。

 

今朝の見える見えない論争にも納得がいく。

 

しかし、結局蓮(様)は一度自室に帰ったっきり出てきていない。

 

もしや、ステータスバーに何か変な称号か職業を持っているのだろうか。

 

「……であるならば、今のうちに確りと話を聞きにいかなければなりませんね」

 

そう決心し、俺は蓮(様)の自室へ向かった。

 

……蓮(様)の職業何だろうな。気になる。勇者だったりして。いや、流石にないか。

 

 

 

 

 

 

俺は再び真っ白な空間に立っていた。

 

……ここはどこだ?  俺は昨日朝ニュースを見てから、自室に戻って取り敢えず寝たのだ。

 

誰もいない。そう思っていると、何処からか声が聞こえてきた。

 

『あな……選ばれ……者に』

 

その声は昨日聞いた声だった。

 

だが、変わらず途切れ途切れでほとんどが聞き取れない。

 

女性の、澄んだ声だというのは分かった。

 

「……なんて言ってたんだ」

 

俺のその疑問を無視して、声は続けて言った。

 

『まずは……聖剣を……から手に入れて……さい』

 

微かに聞き取れたフレーズから推測する。

 

……聖剣だって?何を馬鹿なことを。

 

そう考える前に、俺はいつの間にかいつもの天井を目に入れていた、

 

「何なんだあの夢……にしても聖剣ってのは」

 

俺は脳内で半透明の板を思い浮かべる。

 

すると、目の前にそれは現れた。

 

その職業の欄には”勇者”と書かれている。

 

「絶対これ関連だよな……」

 

俺は勇者の文字をまじまじと見てから、深い溜息をついた。

 

「どうしろってんだ……」

 

確か、あの声は聖剣を~から手に入れと、とか言ってたな。

 

~は人物か、あるいは場所か。そんな肝心な所が聞き取れていない。

 

導きたいのか、惑わせたいのか。

 

兎角、非常に杜撰なものである。仕事ができていないのだ。

 

本当にどうしろと言うのか。

 

そうずっと考えていると、ふと自室のドアがノックされた。

 

許可をすると、入ってきたのは例のメイドだった。

 

「どうした?」

 

「はい、中々部屋から出てこられなかったので伺いました」

 

「……そうか」

 

ふと気づけば、結構な時間が経っていたらしい。

 

この部屋の時計は現在修理中である。

 

高級なので、修理にも時間がかかるのだ。

 

俺はベッドに身を任せ、大きな溜息をついた。

 

「如何いたしましたか?」

 

メイドがベッドの傍に立ちながら聞いてくる。

 

その表情はいつもと変わらない。

 

このパラダイムシフトごとき変革が起きている今に素晴らしい物である。

 

「……なぁ」

 

俺がポツリと呟くと、メイドは確りと聞く態勢を取ってくれる。

 

「はい、何でございますか」

 

「……俺に表示されていた職業、勇者だって言ったらどうする?」

 

そう言った瞬間、普段は変わらないメイドの表情が引き攣った気がした。

 

「……は……十分あり得る話でもあると思うのですが」

 

「そう思うか?」

 

「……はい。恐れながら、世界に一つの職業。誇るべきかと」

 

「本当か?」

 

「はい」

 

メイドが確信めいた、という表情で言ってくる。

 

……確かに、そうかもな。

 

変に悩んでいた俺がバカバカしく感じてきた。

 

ベッドから起き上がって、立ち上がる。

 

「よし、取り敢えず父に会いに行くぞ」

 

「畏まりました」

 

そう言って足を一歩進めた時だった。

 

何と足が痺れていてバランスを崩した。

 

目の前にはメイド。だがメイドも突然のことで一瞬反応が遅れていた。

 

俺はその勢いのままメイドの胸に突撃した。

 

フニッとした控えめな感触。

 

思わず俺はフリーズする。

 

だが、彼女は全く気にしないといった様子で俺を起こしてくれた。

 

「大丈夫でございますか?」

 

「あ……ああ」

 

「それは何よりでございます。では、参りましょうか」

 

そう言って部屋のドアを開けてくれた。

 

その間、俺は記憶の整理に忙しかった。

 

やっぱりあのメイド、何処かぶっ飛んでるな。




次回からは作ってないので、需要があれば・もしくは思い出しで書きます。

基本更新が遅くなると思います。
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