引きこもりだった少女の暗殺教室   作:赤坂六梃

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集会の時間

 

「眠くない」

 

真夜中、開いた目で私は起き上がった。

月に一度、こんな日があるのだ。そういう時は決まってやる事がある。

リビングの窓際へと行き、三日月となった月を見上げる。

カーテンもなければテレビもない、とても人が住んでいるとは思えないそんな部屋で私は一人佇むのだ。

 

「〜♪」

 

昔、寝付けなかった時に母が口ずさんでくれた歌を思い出した。

 

「ゔっ...ふ...ゔぅ...っ」

 

こんな日は泣くのだ、声を殺して。

苦しいから悲しいから...生きるのが辛いから、死にたい。

それでも生きなければならない、私には死ぬ価値なんてないのだから。

 

〈変わってやるか?〉

「ご、ごめん...心配かけちゃったよね...ごめんすぐ寝るね」

〈こーら、無理しないでって言ってるでしょ〉

「ほ、ほんとに...大丈夫、おやすみ二人とも」

 

いけない、心配かけたらダメじゃないか。

ボクにもオレにも、ふゆちゃんやみんなにだって...ちゃんと四葉として頑張らないと。

 

「うん、笑えてる...笑えてるよ...だからひとりぼっちでも平気だもん」

 

そう言い聞かせて、その日は眠りについた。

 

━━━

━━

 

「ふぅ〜」

 

深く深呼吸をたどり着いたのは本校舎の体育館。

どうしてここまで来たのは、それは月に一度の全校集会があるからだ。

本校舎の人たちが私達を見るなり嘲笑っていた、なるほどみんなの顔が暗いのはこういう事か。確かにこれなら来たくなくなるのはわかるかも。

にしても、こんなにイキれるの凄いな、たかだか頭の良さでこんなに勝ち誇った顔が出来るとはいやはや。

 

〈一人か二人ぶん殴るか〉

(やめてよ、ここじゃダメだよ)

〈他の人達はいいけど、四葉が笑われるのは許せないかな〜〉

(ほんとにやめてね?)

 

二人とも血の気が多いからしっかりと手綱を握らないとね。

それはそれとして、夜道には気をつけた方がいいよ、塾の帰りとかに襲われたら大変だからねえ。

 

「四葉ちゃん、こっちこっち!」

「うん、すぐ行くよ」

 

私が迷っているように見えたのかカエデが手を振って目印となってくれた、別に迷ってはないんだけどね。

何してたの、もしかして迷ってた?と聞かれたが適当に誤魔化した。

 

「───要するは君たちは全国から選りすぐられたエリートです、この校長が保証します...が慢心は大敵です」

 

〈あの校長って人、めっちゃバーコードじゃないか!〉

(笑わせないでくれるかな!あえて言わなかったのに!)

 

校長の話が始まるや否や、ボクがめちゃくちゃ絡んでくる、ウザイぐらいに。なんで今日はこんなに絡んでくるのかは知らない。

ん、校長(バーコード)がこっち見てるな。

 

「油断してると、誰かさん達みたいになっちゃいますよ」

 

馬鹿にしたようにハゲが言うと、どかっと体育館が沸いて笑い声が響いた。

 

〈もう我慢できねえ、やっていいよな?〉

(待って!ストーップ!!)

〈かませかませ!!〉

(あおっ...うぐえ!)

 

私はオレへ変わり、何百といる笑い声に負けないぐらいの大声で叫んだ。

 

「ダッセェな、人を下に見ねえと存在価値がねえカスどもは黙ってろ!」

「よ、四葉ちゃん?」

 

あーあ。だーめだこりゃ、はあ〜。

(オレ)は壇上へと登りマイクを奪った。

 

「オイコラ、ハゲっ!!テメェそれでも校長か!!」

「は、ハゲっ!?」

「E組のテメェらも、んだそのシケたツラはぁ!もっと堂々と胸張って前みりゃあ良いじゃねえか!」

 

おい!矛先をE組のみんなに向けるんじゃない!!

 

「こんなカスどもに笑われっぱなしでいいのか」

「カスはお前らだろ!」

「うるせぇ!!!!今オレが喋ってんだろうが!!オレのターンじゃボケェ!!」

 

もう、どうにでもなれ〜。私は笑うしか出来ないので。

 

「いいか、よーく聞け!たかだかこんな学校で人生は決まらねえ!勝ち組だと思ってるそこのテメェらも、負け組だと諦めてるテメェらも...人生まだまだ終わってねェぞ!!」

 

叫んだ、それはもう目一杯に。

 

〈ふぅ〜、スッキリしたわ〉

(えっ、待って待って!最後まで責任持ってよ!私ここからどうすればいいのさ!)

〈何食わぬ顔で戻りゃあ良いじゃねえか〉

(簡単にいうな!どんな顔すればいいのさ!!)

〈...笑っとけ。じゃ、あとは任せた〉

(おいこら、待たんかい!!)

 

やり切った顔をして私へと切り替わると壇上に一人となり全員がポカンとした表情をしていた。

 

「ご...」

 

やる事は一つだ。

 

「ごめんなさ〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!!!」

 

私は逃げた、集会の途中だと言うのに一人旧校舎へと走った。クラスメイトの目や他人の目など気にする余裕もないぐらいに私はその場から一刻も早く去りたかったからだ。

 

「はあ...はあ...はあ...もぉ〜馬鹿馬鹿馬鹿!!!」

「あれ〜、鳴海さん早くない?」

 

地団駄を踏む私の後ろからクラスメイトである赤羽業が話しかけてきたのだ。

そういえば、この人集会にいなかったな。

 

「わ、私はサボり...」

「さっきみんなと本校舎行ってなかった?」

「うっ!」

 

痛いところをつかれ図星ですと言わんばかりのリアクションをしてしまった。

誤魔化すように自分の疑問を彼にぶつけた。

 

「そ、そっちこそなんでここにいるの」

「俺?俺はサボり〜、んで、そっちはどうしたの?」

「わ、私も行く途中めんどくさくなってブッチしてきただけ」

 

実は集会で暴れたんですよぉ〜、とは言えず。変に嘘をついた。話せる訳ねえよ、あんな内容。

 

〈正直に話せば良いじゃないか〉

(しばくぞ)

〈おー、こわーいこわい〉

 

 

仕方ない、これはしたくなかったが最終手段だ。

 

「か、カルマくん、私体調悪いから帰るね!ほんじゃあね!!」

 

彼は何か言っていたが、今はなりふり構ってられず帰り、枕を濡らした。

 

 

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