引きこもりだった少女の暗殺教室   作:赤坂六梃

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旅行の時間

 

 

京都までは新幹線で移動のため、私達は東京駅で新幹線に乗り込もうとしていた。

ちなみに、その新幹線にも当然本校舎組とE組の差別はあった。

向こうはグリーン車だが、私達は普通車である。一瞬だけ、オレが出てきそうになったがなんとか抑え込むはでき、今は車内で四班...つまり私達で楽しんでいた。

余談だが、ド派手な格好できたイリーナ先生は鳥間先生に怒られて車内で悲しいんでいる。

 

「そういえば、殺せんせーいなくない?」

「あれ、ほんとだ。もう出発したけどどこに行ったんだろ」

 

ふと、窓から気配を感じ視線を横にすると殺せんせーが窓に張り付いていて声を荒げて驚いた。

 

「うわっ!!何してんの!?」

「駅中スイーツを探していたら乗り遅れまして、次の駅までこの状態で行きます。ご心配なく保護色にしてますから、服と荷物が張り付いてるように見えるだけです」

 

いや、不自然では?

仮にも国家機密がこんなことをしているなんて自覚があるのだろうか?

次の駅に停車してようやく車両に入れた殺せんせーと楽しそうに会話に花を咲かせるほかのクラスメイトをみつめる中、私達四班はトランプに桜を咲かせていた。

 

「フォー!!!」

「つ、つえ〜、鳴海お前イカサマしてるだろ!」

「してないでござんすよ〜、ちょっとすり替えてるぐらいだよ」

「してんじゃねえか!?」

 

勝負事に勝つ方法、それはイカサマである。私レベルになると遊びでも手を抜かない。コーナーで差をつけるのだ。イカサマってのはバレても手法がバレなきゃ問題ない。

ちなみに席は私は通路を挟んで三人席に一人で座っている、これはコレで快適なのでとてもいい、イカサマし放題だし。

対してない胸を張って威張っていると、ユッキーから思い出したかのように私の頭につけているものに触れてきた。

 

「四葉ちゃんソレ可愛いね」

「ん、あーこれ?」

 

今日の私はいつもみたいなボサっと寝癖がついた髪型ではなく、頭の上にお団子を作りそこに簪を刺しているのだ。

ちなみに、朝早くにふゆちゃんにやってもらった。

 

「簪?珍しいな、京都行くからか?」

「違うよ、コレ貰ったんだ〜」

「いや簪もらう事なんかなくないか...」

 

この簪はふゆちゃんじゃなくて、もう一人の友達であるレイちゃんから貰ったやつだ。

貰った理由は、私に似合うからだそうだ。

 

「でも似合ってるよ!」

「お世辞でも嬉しいよ、けど困ったことに明日はどうしようかと悩んでいるんだよね。この髪型私がやったわけじゃないし」

「だったら、わたしがやってもいい?」

「いいの?」

「うん!そんな綺麗な髪持ってるんだからさ、ちょっとは遊ばないと損だよ!」

「...じゃあ、お願いしようかな」

 

よし!と、小さくガッツポーズをするカエデ、私の髪をいじるのがそんなに楽しみなのかな?

すると赤羽くんがニヤニヤしながら私へと近づいてくる。

 

「ちなみにさ〜、簪をプレゼントする意味ってわかってる〜?」

「へ?プレゼントに意味なんかあるの?」

「知らないの?」

「う、うん...そうなんだ、じゃあコレも何か意味あるのかな?」

 

手首につけていた二重になっているブレスレットに、先日ふゆちゃんから貰ったネックレスを衣服の下から取り出した。

 

「それも貰ったの?」

「私、基本的にこういうの興味ないんだけど...あー、いや、この話はやめよう」

「そこで切られると気になるよ!」

 

だよね〜。はて、どうしたものか、おそらくコレを言うと私はとんでもないだらしない人間だと思われてしまうが...まあいっか!

 

「いや、コレら全部私のミスで貰ったんだ」

「ミスで貰う?」

「笑わないで聞いてね。私さ去年倒れて入院してたんだ」

「ええっ!?だ、大丈夫なの!?」

「いやいや、そこまで深刻なる話じゃないよ?ただ、ご飯を食べなさすぎて栄養失調で倒れただけだから!」

「深刻じゃん!?」

 

あり?そ、そうなのかな?

みんなが驚く中、私は話を続ける。

 

「そ、それでね、その日が友達の誕生日の日で病院で派手に怒られました、はい」

「そ、それでなんで貰う事になるんですか?逆ならともかく」

「戒め...です。2度とそんな事にならないように、コレらを見返してこんな事が起きないようにするためって言われた」

「なんか重くね、その友達?」

「そ、そうかな?」

 

みんなの方へと視線を移すと全員もれなく頷いていた。

 

「普通は指輪つきのネックレスとか簪とかプレゼントとかで貰わないよ?」

「その子、相当四葉ちゃんのこと大事なんだね」

「ここまで来ると怖いけど...」

「重いかな〜、友達同士はコレが普通って言われたけど」

「騙されてるよ!?」

「一応聞くけど、男の子じゃないよね?」

 

当然と言わんばかりに私は首を縦に振る。

 

「男性から指輪はちょっと重いかな〜」

「同性でも重くないかな!?」

 

しばらく話に花を咲かせているとユッキーが飲み物を買ってくると席を立ち、それに続いてカエデとあいみんもついて行ってしまい私は紅一点となってしまった。

 

「鳴海さんは行かなくてよかったの?」

「私はね〜、眠くなってきちゃったんだよ」

「楽しみにして寝れなくなった、みたいな?」

「う〜ん、近からず遠からず──ついたら起こして...す...」

 

楽しみにしていたから寝不足半分、諸事情半分という感じだった私は眠気には抗えずすっかりと夢の世界へと旅立った。

 

 

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