カラスが不気味に鳴き交わし、乾いた風が吹き抜ける荒涼とした場所——そこに、いかにも怪しげな白鹿組の根城はあった。
藤吉郎さんに導かれ、俺たちは身を潜めながら木組みの不気味な建物へと近寄り、意を決してその薄暗い内部へと一斉に乗り込んだ。
「頼もー!!」
中に入ると、そこには昨日の人さらいの実行犯を含め、いかにも悪そうな顔をした無頼漢たちが、ギラついた目で屯していた。
「太助を返せ!」
天馬が真っ先に声を張り上げ、薄暗い空間に向かって詰め寄る。その時だった。
パチッ、パチチッと小気味いい音が響き、室内の数箇所にある大きなロウソクに次々と火が灯された。暗がりに沈んでいた室内が、一気に橙色の明かりに照らし出される。
光が届いたその最奥——上座の立派な脇息に寄りかかり、不敵な笑みを浮かべて鎮座していた首領っぽい人物の姿を見て、俺たちは息を呑んだ。
「げぇっ……お前は、ベータ!?」
予想外の相手に思わず声が裏返る。
そこにいたのは、普段の冷徹なプロトコル・オメガのスーツではなく、この時代に合わせた艶やかな「赤い着物」を身に纏ったベータだった。
「あら……私たちに勝てたら返してあげちゃおっかな――」
ベータが提案する勝負の中身なんて、もはや俺たちが聞き返すまでもなかった。
*
表に出るとアジトの前に広がる乾いた荒地に、エルドラドのテクノロジーによる光の粒子が激しく走っていた。光は地面に綺麗な白い線を引いていき、あっという間にサッカーグラウンドのラインを描き出していく。さらに、両端の空間が歪んだかと思うと、頑丈なサッカーゴールが2つ現れた。
相手はベータによりマインドコントロールされた白鹿組、対する俺たちはいつもの8人と藤吉郎さんの助言でフェイの負担を下げるため太助達が助っ人に入っている。
そして、試合開始の笛——ではなくブォォォォーッ……と不気味な法螺貝の音が鳴り響いた。戦国時代のキックオフだ!
「太助、上がるよ!」
しかし、パスを受けた剣城の横で、当の太助はポカンと口を開けたままボーッと突っ立っていた。
「上がるってどこに?」
そうだ、昨日あんなに楽しく玉蹴りをしたというのに、俺たちは太助たちにポジションはおろか、サッカーのまともなルールすら教えるのを完全に忘れていたのだ。どこへ走ればいいのか、敵の攻撃をどう防げばいいのか、戦国の子供たちには全く分からない。
その一瞬の致命的な隙を、マインドコントロールされた白鹿組の男が見逃すはずがなかった。
剣城の足元へ猛烈なスライディングで容赦なくボールを奪い去る。
ボールは男たちの間で素早くパスされ、一気にこちらのディフェンスラインへと運ばれる。
「獅子丸!止めるんだ!」
「止めるって言われても……」
やりようが分からず、棒立ちになってしまう獅子丸。その目の前で、ボールを持つ白鹿組の男が跳躍した。
「そりゃあッ! 『ツバメ返し』!!」
鋭い風切り音と共に放たれた相手の必殺技が、無防備な獅子丸を直撃する。
「うわあぁぁぁっ!?」
強烈な衝撃波をモロに喰らった獅子丸は、木の葉のように派手に宙を舞い、地面にドサッと吹き飛ばされてしまった。
「獅子丸!!」
しかし、敵の猛攻は止まらない。獅子丸を突破した2人の無頼漢が、ゴール前で信助と対峙する。
「『火縄バレット』!!」
まるで本物の銃が炸裂したかのような爆音と共に、ボールが激しい火炎を纏って弾丸のごとくカッ飛んできた。その凄まじい火力とスピードは、ゴール前に構えていた信助に反応する暇さえ与えない。
信助が目を丸くした瞬間には、火の玉と化したボールがその横をすり抜け、目の前のゴールネットを豪快に揺らしていた。
*
「何なんだあいつら。とてもサッカーがない時代の人間とは思えねえ」
フェイが深刻な表情で敵チームを睨みつけ、ピッチの俺たちに向かって声を潜めた。
「おそらくベータに力を与えられたんだろう」
ただでさえ厄介な無頼漢どもが、未来のテクノロジーで強化されている。おまけにこちらの助っ人たちは基礎すら分からない状態だ。浮き足立つピッチの中で、神童先輩がグッと拳を握りしめ、強い眼差しで一同を見渡した。
「まずは太助達にサッカーを教える。体勢を整えるんだ」
「ハイ!」
*
再び中央からのキックオフ。試合再開の法螺貝が鳴り響く。
前線へ駆け上がった剣城から、鋭いパスが太助の足元へと送られた。
「太助!まずはドリブル!ボールを小刻みに蹴りながら前に進むんだ!」
「こ、こうか?」
太助は不器用ながらも指示通りドリブルで進んでいく。
「よし!上手いぞ!次はパスだ。相手の足元に向けてボールを蹴るんだ!」
「わかった!」
太助の足から放たれたパスが、綺麗な軌道を描いて剣城の足元へピタリと収まった。
「いいぞ!太助!」
「わかってきたぞサッカーってのが!」
太助の顔にパッと自信の笑みが浮かぶ。その様子を見ていた獅子丸たちも触発され、目に見えてその動きが良くなっていった。泥臭くも確実な守備と連係が繋がり始める。
「よし、魔神ペガサスアーク!」
天馬がボールをキープしながら叫び、一気に勝負を決めるべく、化身アームドを試みようと強大なオーラを全身に纏わせた。
「「させるか!」」
アームドの光が天馬を包み込もうとした瞬間、白鹿組の巨漢二人組が猛スピードで突っ込んできた。強烈なボディチャージ。天馬の身体が強引に弾き飛ばされ、アームドを完成させる隙を完全に潰されてしまう。
「天馬!? クソッ、だったら俺たちが……!」
「化身を——!」
俺と剣城、そして紫も同時に化身を呼び出そうと身構えた。しかし、オーラを練り上げるその刹那、敵のミッドフィルダー陣がまるでこちらの動きを予期していたかのように密集し、激しいラフプレイで割り込んできた。化身を具現化する前に、フィジカルの暴力で発動の起点そのものをことごとく邪魔されてしまうのだ。
「ダメね……! 相手のプレッシャーが速すぎるわ。これじゃ化身を出す余裕すら作れない!」
紫が悔しそうに前髪を払う。完全にこちらの戦術を封じにきている。
「守りを固めるんだ!」
神童先輩が叫び、指示を出してチームの防衛線を下げさせた。そして、自らが起点となって敵の猛攻を食い止めるべく、スペースを作って一歩前に踏み出す。
「『奏者マエストロ』!アームド!!」
先輩が自身の化身を強制発動させようと、渾身の力を振り絞った。しかし上手くいかない。
その決定的な一瞬の遅れを、敵のフォワードが見逃さなかった。
「『妖鬼カマイタチ』!!」
無頼漢の背後に、鋭い鎌を持った化身が姿を現す。戦国時代の無頼漢が化身を使いこなしているという異常事態に、神童先輩が息を呑んだ。
「『旋風の刃』!!」
化身から放たれた無数のカマイタチの烈風が、神童先輩を容赦なく直撃する。
「うわあああぁぁっ!?」
先輩の身体が激しく吹き飛ばされ、泥の上に叩きつけられた。
「神童先輩!」
中盤の要を失い、完全にノーマークとなった敵のフォワードが、再び信助の守るゴール前へと肉薄する。
「 『火縄バレット』!!」
先ほどと同等、いや、それ以上の火力を宿した激しい炎の弾丸が、再び信助のゴールを強襲した。
「しまっ——」
信助が構えるよりも速い。万事休すかと思われたその瞬間、俺はリストバンドを外しSSCとしての力を解放した。
「通すかよぉ!!」
俺の背後から、不気味な漆黒の炎を纏った『獄炎鳥ダークフェニックス』が咆哮を上げて飛び出した。俺が直接シュートコースに入り、ダークフェニックスと共に強引に「火縄バレット」を受け止め難なく止める。
「はぁ……はぁ……っ……!」
ボールを処理すると同時に、俺は激しい目眩に襲われ、膝に手を突いた。スタミナが、一気にごっそりと持っていかれる感覚。
前回、紫とのミキシマックスによってSSCの不安定な力を『調整』したおかげで、前のように鼻血を出したり、その場に倒れ伏したりするような最悪の事態は免れた。けれど、まだ肉体が追いついていないのかただ一発止めるだけで、身体に凄まじい負荷がかかる。
「コウ、無理しないで!」
紫がすぐに駆け寄り、俺の肩を支えてくれた。
「大丈夫だ、紫。ありがとな……なんとか、凌いだぜ……」
その直後、再び不気味な法螺貝の音が鳴り響き、試合の前半終了が告げられた。
*
前半を0対1、一方的にやられる展開で折り返し、集まった雷門の選手たちの表情は暗かった。重苦しい沈黙の中、最終防衛ラインのキーパーを任されている信助が、今にも泣き出しそうな顔で頭を下げた。
「ごめん、ゴールを守れなくて…」
「気にすんなって。次からは俺も全力でシュート打たせないよう頑張るからさ」
肩を叩いて宥めるが、戦況の厳しさは変わらない。自チームの不甲斐なさもさることながら、白鹿組のチーム編成が想像以上に見事であることも、この苦戦の大きな要因だった。ベータの冷徹な戦略と、元から粗暴で恐れ知らずな白鹿組構成員の性格が最悪な形で噛み合い、凄まじい相乗効果を生み出しているのだ。
そんな重苦しい空気に追い打ちをかけるように、助っ人に入った太助たちが拳を握りしめ、地面に視線を落として項垂れた。
「天馬、ごめん。俺たちが足引っ張っちゃって……」
「そんなことないよ」
落ち込む太助達を励まそうとする天馬だがそこで藤吉郎さんが口を挟む。
「確かにそいつらが足を引っ張っておる」
「おいっ!元はといえばお前が「だからじゃ!」
藤吉郎さんはニカッと不敵な笑みを浮かべ、彼らの背中をバシバシと叩いた。
「今度はわしの言うとおりに動いてみるんじゃ。そうすれば上手くいく!」
藤吉郎さんは地面に素早く地面に即席の陣形図を描き、太助たちへ後半の明確な役割を指示し始めた。その目は、ただの物好きな男のものではなく、戦の天才としての輝きを秘めていた。
*
そして迎えた後半戦。
法螺貝の音が再び鳴り響き、ピッチに散った雷門の布陣は少し変わっていた。太助たちの特性を活かすため、太助、獅子丸を含む3人が、完全にディフェンスの最終ラインに配置された形となったのだ。
キックオフ直後、白鹿組の男たちが前半以上の勢いで果敢に突っ込んでくる。しかし、それを迎え撃つはずの雷門の前衛陣は、なぜか積極的なプレスをかけず、あっさりと敵を通してしまう。
「怖気ついたか!」
その消極的とも言える引き気味の動きを見て、白鹿組は調子に乗り、さらに強気に前がかりになって攻め込んできた。
だが、それこそが藤吉郎さんの作戦の完全なる思う壺だった。
敵のフォワードが、完全に孤立した雷門のバックラインへと突入した瞬間、センターライン付近で構えていた神童先輩の鋭い声が響き渡った。
「行ったぞ準備はいいな!」
「「「おう!」」」
後衛に回されていた太助たちが、一斉に行動に出た。まず、獅子丸ともう一人の仲間が2人がかりで左右から猛烈なスライディングタックルを仕掛ける。
「うおっ!? 」
強引な二連続の突進に、敵の男はたまらずボールを浮かせて上空へと飛び上がった。だが、その着地地点には、すでに『三番目の矢』が牙を剥いて待ち構えていた。
「そこだぁぁっ!!」
着地する刹那、最高のタイミングで太助が泥を蹴って滑り込み、男の足元から見事にボールを掻き出したのだ!
白鹿組の男たちが驚愕に目を剥く。藤吉郎の授けた泥臭くも確実な三連コンボの奇策は、見事にツボにはまり、強敵からボールを奪取することに完全成功した。
「天馬ぁーーっ! 頼んだぞぉ!!」
ここからは、長年同じチームで血の滲むような戦いを潜り抜けてきた、実力者たちが揃う雷門の本領発揮だ。
「太助、最高のパスだ! ……いくぞ、剣城! コウ、紫!」
天馬が空中でボールをトラップすると同時に、俺たちは一斉にトップスピードで走り出した。
太助たちの守備に引っかかり、完全に前がかりになっていた白鹿組のディフェンス陣は、俺たちの電撃的なカウンターに全く戻る足が追いつかない。遮るもののない広大なスペースの中、天馬から俺へ、俺から紫へ、そして紫から中央の剣城へと、華麗で目にも留まらぬ高速パスワークが繋がっていく。
一気にゴール前、完全に敵の邪魔が入らない絶好の決定機。
「『剣聖ランスロット』!アームド!!」
剣城が凄まじい黒きオーラを爆発させ、今度は敵のチャージが届くよりも早く、一瞬にして化身アームドを完成させた。ランスロットの鎧を身に纏った剣城が、天高く跳躍する。
「はああああっ!!」
アームドによって何倍にも威力を増したシュート白鹿組のゴールキーパーの手を焼き払いながら、豪快にゴールネットへと突き刺さった。
ネットが千切れんばかりに揺れ、乾いた荒野に歓声が響く。
*
剣城の豪快なアームドシュートで同点に追いついたのも束の間、試合は失点を喫した白鹿組のキックオフで即座に再開された。
1点を失ったことで完全に頭に血が上ったか、あるいはベータの支配が強まったのか、白鹿組の攻撃はより一層キレと凶暴さを増していく。藤吉郎さんが認める通り、奴らの突進力は凄まじい。怒涛の勢いで雷門の中盤を押し切られ、一気にこちらのゴール前へと迫られる。
「『火縄バレット』!!」
激しい爆炎を上げ、再び信助のゴールへと襲いかかる弾丸シュート。
「くっ、またあれか……! 俺が止める!」
俺はスタミナの限界を覚悟の上で、再びSSCの力を解放しようと前に踏み出そうとした。だが、その背中を鋭い声が引き止めた。
「待って、コウ!! ここはボクに任せて!!」
叫んだのは信助だった。
太助たちの、捕らえられた友を思う強き心。ルールを知らなくても、がむしゃらに仲間のために身体を張るその熱い姿に触れた信助の瞳には、かつてない強い闘志の炎が宿っていた。
信助の全身から、眩い黄金のオーラが爆発的に噴き出す。
「 『護星神タイタニアス』!!」
ゴール裏にそびえ立つ、巨大な大地の守護神。信助は力強く拳を握りしめ、天に向かって吠えた。
「アームド——ッ!!!」
気流が激しく渦巻き、タイタニアスの巨体が光の粒子となって信助の小さな身体へと収束していく。眩い閃光が晴れたそこには、黄金の鎧を身に纏った信助の姿があった。
「うおおおっ、信助がアームドした!?」
俺が驚嘆の声を上げるのと同時に、信助は迫り来る「火縄バレット」の爆炎へと真っ向から飛び込んだ。
「はああああああっ!!」
ズズズンッ!! と激しい衝撃が響くが、アームドした信助の身体は一歩も退かない。
信助はボールをがっちりとその胸に抱きとめてみせた。
「よくやった、信助! ……みんな、今が攻め時だ! 総攻撃を仕掛けるぞ!!」
敵方の最強の攻撃手段を完全に封じたこの瞬間、神童先輩が力強い号令をピッチに響かせた。
信助の化身アームドという、誰の目にも明らかな大逆転の追い風を得て、俺たち雷門と太助たちの意気は最高潮に達している。逆に、絶対の自信を砕かれた白鹿組の気力はみるみる消沈していく。この最大のチャンスを、無為に過ごすわけにはいかない。
「神童先輩、お願いします!」
信助からハーフライン付近の神童先輩へとパスが渡る。
「『神のタクト』!!」
神童先輩の代名詞である光のタクトから、目に見える戦術の指示が縦横無尽にピッチを駆け巡った。
先輩の矢継ぎ早かつ的確な指示通りに、前線の実力者たちが完全に連動して動き出す。
そして、その完璧な指揮能力は、サッカー初心者であるはずの太助たち新参の選手たちにまで完全に及び、彼らの足元を優しく、的確に導いていく。
パスワークは完璧に繋がり、最後の一線へ。神童先輩からの極上のラストパスが、前線へと走り込んでいた紫の足元へピタリと吸い寄せられた。
「これで……終わりよ!!」
紫の周囲の空気が、一瞬にして絶対零度の極寒へと変貌する。紫の背後に、美しくも冷徹な氷の具現が姿を現した。
「出でよ、『氷雪の女神スカジ』!!」
紫は化身の力を右足に極限まで爆発させ、凍てつく矢と共にボールを力強く蹴り抜いた。
「『ダイヤモンドダスト』!!」
放たれたシュートは、白鹿組のディフェンスも、キーパーも、そしてゴールネットさえも一瞬にして白銀の氷へと変えながら、豪快にゴールへと突き刺さった。
*
完全にペースは雷門のものだった。
後半に入ってから、自分たちの誇る『火縄バレット』もラフプレイも一切通用しなくなり、それどころか『神のタクト』に完璧に支配されたピッチの上で翻弄され続ける白鹿組の構成員たちは、見る見るうちに戦意を喪失させていった。
乱世を生きる無頼漢である彼らにとって、今や縋るべき存在は、圧倒的な未来の力をもたらしてくれた「姉御」——ベータしか残されていなかった。
「あ、姉御!」
白鹿組の男が、ベンチのベータに向かって惨めに悲鳴を上げる。
だが、彼らは致命的な違いを理解していなかった。泥臭くとも、いざという時に太助たちの前に立って檄を飛ばした木下藤吉郎とは違い、ベータに「子分たちを救おう」などという高潔な発想など、端から存在しないということを。
「このくらいで戦意喪失ですか……情けないですこと。役立たずは勝手に負けちゃいなさい」
ベータはいつも通りの愛らしい笑顔を浮かべ、しかしその瞳の奥には一切の温度を宿さないまま、冷酷に部下たちを見捨てた。
絶対的な心の拠り所だった首領に笑顔で切り捨てられ、白鹿組の士気がこれ以上ないほどにどん底まで低下するのは当然の成り行きだった。
そこからは、もはや試合と呼べるものではなかった。完全に一方的な雷門のターンだ。
天馬の『マッハウィンド』、剣城の連続シュート、さらに俺や紫、フェイたちの猛攻が容赦なく敵ゴールを強襲する。太助たちも、神童先輩のタクトの導きに従って完璧なパスカットを連発し、終わってみれば10ー1という、圧倒的な大差をつけて試合終了の法螺貝が鳴り響いた。
「やったぁぁぁっ!! 勝ったぞ!!」
天馬が空高くジャンプし、太助たちと泥だらけの手をガッチリと取り合って勝利に湧く。
しかし、何よりもこの試合における最大の収穫は、最終ラインで文字通りチームの危機を救った、信助の「化身アームド」の成功だった。
「信助、お前すげぇよ! マジでかっこよかったじゃん!」
信助の頭をくしゃくしゃに撫で回す。
「えへへ、みんなのおかげだよ! ボク、太助くんたちの気持ちに応えたくて、必死だったから……!」
信助が、顔を真っ赤にして照れくさそうに笑った。
誰もが勝利の余韻と絆の深まりに胸を熱くしていた、まさにその時。
アジトの陰から、白鹿組の男たちが、こちらの隙をついてコソコソと這うように逃げ出そうとしていた。
「どこへ行く気じゃ?子供たちをどこにやったか話してもらうぞ」
藤吉郎さんの追及に、白鹿組の男たちは完全に恐怖に慄くのだった。
化身:『氷雪の女神 スカジ』
属性:風
使用者:藤原 紫
詳細:
弓矢を持つ雪の女神。
新必殺技:『ダイヤモンドダスト』
スカジの弓矢の一撃と共に放たれる絶対零度の一矢
余談ですがコウと紫は未来人の為ご先祖様がいます。
そのご先祖様は原作キャラです。
ヒントは分かりにくいですがセリフとかで仄めかしてます。