Little Gold, Little Light 作:のらもこ
番外編のようなものなので、読まなくても本編に影響はありません。
お婆様:サイラスの曾祖母。優秀な魔女でペニントン家に伝わる古い呪術体系を最も深く理解している。いつも家の最奥の部屋にいる。
グレイディ:サイラスのペット。灰色の羽毛を持つ梟で、聞き分けの良い賢い子。
【1986年Diary】
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6月21日 魔力のうど:希はく
今日もおばあ様の元で本を読んだ。
おばあ様はロッキングチェアーにこしかけ、ゆっくりとゆらしている。ぼくはその足元に座り込んで、本を読むのが好きだ。
たまに、ぼくがページをめくる手を止めて考え込んでいると、あの落ち着いた、それでいて少しかすれた声で話しかけてくれる。
おばあ様の話はとても分かりやすい。疑問に思ったことをすぐに説明してくれる。
どうしておばあ様は、ぼくが引っかかっていることが分かるんだろう?
おばあ様の説明は、むずかしい話も沢山ある。
ぼくが話をかみくだくまで、口を閉ざして待っている。
みちびき出した答えをおばあ様に伝えると、冷たいしわだらけの手で頭をなでてくれる。
それが、とてもうれしい。
明日もおばあ様と一緒にお勉強できるかな。
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7月2日 魔力のうど:ほうわ
今日は、おばあ様とお買い物に行きたいと父上に相談したら怒られてしまった……。
いっしょに本を探しに行きたかっただけなのに、なぜだろう?
そういえば、父上も母上もおばあ様に会いに行くところを見たことがない。
おばあ様の話をしているところも見たことがない。
ぼくに、おばあ様から学ぶように言ったのは父上なのに。
父上と母上は、おばあ様をさけている?
なぜ?
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9月15日 魔力のうど:せいし
今日も父上から同じ話をされた。ペニントン家の名をあげろとそればっかり。
それよりも、この間出たばかりの『愛の妙薬に対する対抗手段』の方が気になるのに。
それに、ぼくよりおばあ様の方がよほどてきにんだ。
ペニントン家の名を上げたいのなら、おばあ様に頼めばいい。おばあ様がゆうしゅうな魔女なのは、誰が見たって分かる。
なのに、父上はおばあ様じゃなくてぼくに言い聞かせる。
……まるで、おばあ様のことをかくしたがっているようだ。
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9月30日 魔力のうど:よどみ
父上と母上と、おばあ様のやり取りをかんさつした。
なかった。
やはり父上も母上もおばあ様を避けている。
いや、おばあ様を存在しないものと扱っている。
ぼくがおばあ様の話を切り出しても、すぐに別の話へとそらされた。
なぜ、魔女として実力が高く、知しきもほうふなおばあ様のことを認めない?
……ひとつだけ思い当たることがあって、おばあ様の下へとおもむいた。
ぼくは聞いた。
おばあ様はマグル出身なのかと。
おばあ様は、「お前は本当にかしこいね」とほほえんだ。
それが答えだった。
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10月1日 魔力のうど:ほんりゅう
おばあ様がマグル出身の魔女であることはおどろきだった。
でも、ぼくはどこかでうすうす気がついていた。
父上と母上のたいど、おばあ様がたまにする故郷の話。
マグルがどれだけおろかかなのかは、父と母によく聞かされていた。
歴史書でも、マグルがぼくら魔法使いに対して何をしてきたのか読んだ。
けっして、相容れられる関係でないことも。
……でも、おばあ様は違う。
おばあ様はゆうしゅうな魔女だ。おろかなマグルとは違う。
マグルには2種類の人間がいる。
じゅうなんに魔法を受け入れられる者と、かたくなに否定する者。
おばあ様がどちらかなんて明らかだ。
その上でペニントン家として重大な立ち位置にいる。
父も母もおばあ様の存在を認めないくせに、はいじょしようとしない。
魔法使いにも、がんめいな者はいる。
このまま父上が当主である限り、おばあ様の扱いは変わらない。
ぼくはペニントン家の当主になる。
そしておばあ様を外につれ出す。
それにはまず、魔法を覚えないと。
ホグワーツ入学まであと3年。早く来てほしい。
***
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【1989年Diary】
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9月1日 魔力濃度:乱反射
待ちに待ったホグワーツ入学。 汽車でリアムと相席となった。
マグルが大半を占める村で暮らしているらしい。彼の一家とお隣のMs.マギー以外は全員マグルだという。
どうやって暮らしているのか、マグルにバレないのか、色々訊いてしまった。
リアムは困ったように笑って答えてくれた。
リアムと話している途中で、通路から声をかけられた。
見たこともない鮮やかな緑色の髪をした男の子がいた。彼はテゾーロと名乗った。
話の途中で、テゾーロに叱られた。テゾーロはとてもしっかりしている。僕も見習わなければ。
湖を渡るときフィービーと知り合った。
リアムはなんてことないように会話を続けていたが、とても真似できない。
ボートの上から眺める、ホグワーツ城の重厚な佇まいには見入ってしまった。
ホグワーツのゴースト、大広間の天井に広がる夜空、そして組分け帽。
聞きかじった知識でしかなかったものを実際に見た。
知識と実感は全く異なっていた。早く授業を受けたい。
組分けはテゾーロとリアムがグリフィンドール、フィービーがハッフルパフ。
僕はスリザリンだった。これで父と母は何も言ってこないだろう。
……組分け帽子には、レイブンクローの資質もあると言われた。
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9月14日 魔力濃度:濁り
期待してしまったんだ。汽車で楽しかったから。
僕を見るとみんな離れて声を潜める。呪いのペニントン、そう話しているのが聞こえた。
父が社交界に連れて行こうとしないことは知っていた。でもそれは、ずっと僕を都合のいい存在にするためだと思ってた。
違った。
ペニントンの名の本当の意味を知らなかった。守られるだけの子供だった。
でも、いまは一人だ。
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9月17日 魔力濃度:微弱
変身術でマクゴナガル先生から褒められた。変身の精度が高いそうだ。
家でも習っていたので、当然だと思う。
授業内容だって、カエルの卵をビー玉に変身させる程度の簡単なものだった。
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9月29日 魔力濃度:停滞
魔法史の授業でゴブリン戦争について習った。
先生の話は教科書の内容をなぞってるだけだが、興味深かった。
ただ、途中で眠っている生徒が多かった。
……少し、ずるい。ペニントン家としてそんな姿は許されない。
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10月8日 魔力濃度:微風
今日も図書室に行った。
『初級防衛呪文集』を読み終えた。
次は『呪文理論概論』を読む。
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10月14日 魔力濃度:薄霧
薬草学で与える肥料の量を間違えた。
スプラウト先生に「もっと植物をよく見なさい」と言われた。
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10月24日 魔力濃度:低迷
食堂で隣の席が空いていた。
誰も座らなかった。
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10月31日 魔力濃度:静止
賑やかなパーティだった。ウィーズリー家の双子が悪戯と称して、鮮やかな火花を散らしていた。
グリフィンドールを嫌っているスリザリンも、歓声を上げてはしゃいでいた。
結局悪戯魔法は暴走して、テーブルの上はぐちゃぐちゃになった。
暴れるジャック・オー・ランタンを一匹拘束魔法で捕まえた。キーキー喚いたから、小妖精でも入っていたのだろうか?
解明する前にダンブルドア校長が全て消し去ってしまった。もっとよく見たかったのに……
寮に戻る途中、周りはウィーズリーの悪戯に文句をいったり、パーティの料理について盛り上がっていた。
パンプキンケーキは甘くて、飲み込みづらかった。甘いものは嫌いじゃないのに。
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11月10日 魔力濃度:乖離
リアムに目を逸らされた。
彼はグリフィンドール生になったんだから、仕方がない。
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11月22日 魔力濃度:密
スリザリン生がマグル生まれの生徒を嘲笑っていた。
だが、その生徒より課題の評価が低かったことを僕は知っている。
なぜ、血筋で物事を測ろうとする?
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12月3日 魔力濃度:揺らぎ
久しぶりにテゾーロと会話した。変わりはないように見えた。
テゾーロは、、
魔法薬学でのペアとあまり上手くいっていないと言っていた。
それでも彼が失敗しているところを見たことがない。
……彼は独りが辛くないと言う。
本当だろうか。
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12月24日 魔力濃度:鈍重
明日はクリスマスだ。
リアムとテゾーロにクリスマスプレゼントを用意した。
実用性があり、視覚的にも楽しめるインクだ。
……迷惑に思われないだろうか。
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12月25日 魔力濃度:緩慢
リアムからプレゼントが届いていたのに、父に取り上げられた。「友人は選べ」なんてふざけたことを……
追記
テゾーロからクリスマスカードが届いた。今度は見つからないように、すぐに回収した。
プレゼントが用意できなかったなんて謝らなくていいのに。
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【1990年Diary】
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1月7日 魔力濃度:過密
魔法薬学でテゾーロが隣に来た!
今日の魔法薬学の授業で、テゾーロがペアになってくれた。
最初、僕が材料を取りに行っている間、テゾーロはスリザリン生に水をかけられそうになった。
他のグリフィンドール生が何度も振り返り、スリザリン生も嫌そうな顔をしていたから、恐らくスリザリンに混ざるグリフィンドール生が気に食わなかったのだろう。
でも、テゾーロはひょいっと軽く避けた。
スリザリン生は水を溢しただけで終わった。
材料を持って戻ると、テゾーロは何事もなかったかのように鍋を覗き込んでいた。
茎と葉で効能の違う植物をスネイプがわざとそのまま置いていると言ったら、テゾーロは嫌そうに顔を顰めた。
性格が悪いとこぼす彼に、思わず笑ってしまった。
彼は淡々と手を動かしていたが、僕の意見を無視するでもなく、協力して調合することができた。
スネイプ先生に加点された。グリフィンドールにまで加点するとは思わなかった。
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1月8日 魔力濃度:澄明
あれから、昨日の出来事を考えた。
スリザリンだから、グリフィンドールだからなんて気にする必要はないのかもしれない。
朝、テゾーロを図書室に誘った。
僕はかなり覚悟して席を立ち上がった。
だというのに、テゾーロは周りなんて見もせずについてきた。
なんだ、案外大したことじゃないか。
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1月11日 魔力濃度:陽光
時間が空いたから、テゾーロと一緒に中庭で休んだ。
僕たちが並んで座っていると、あちこちから視線が集まる。
3日も経つのに、未だにスリザリン生とグリフィンドール生が共にいることが目立つらしい。
テゾーロも少し鬱陶しそうにしている。とはいえ、一時的なものだろう。
テゾーロは薬草学で植物の世話を見るのが面倒らしい。
授業評価に関わるから、と言ったけど僕もあまり得意じゃないことは黙っておいた。
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2月6日 魔力濃度:奔流
今日の魔法薬学でのレシピは工程が複雑だった。
生徒たちが必死にメモを取っている横で、テゾーロは羽ペンを持て余すだけで羊皮紙に殆ど書き込んでいなかった。
それでも、調合中に間違ったり、惑って手を止めることもなかった。
あの複雑なレシピを聞いただけで覚えていた?
だとしたら、テゾーロは瞬間記憶力がいいのかもしれない。
しかし、テスト前の復習もしないのか?
それともメモを取らない理由でもあるのだろうか。
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3月17日 魔力濃度:漣
テゾーロはあまり自分の話をしない。
それとなく尋ねてみたけど、話を逸らされてしまった
これ以上詮索するような真似は、はしたない。
それに、僕も似たようなものだ。
人のことをとやかく言える立場じゃない。
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4月28日 魔力濃度:高波
今日、変身術の授業でテゾーロと一緒になった。
グリフィンドールの生徒たちが彼を見るたびに、こそこそと話をしていた。
何だか嫌な雰囲気だった。
どう声をかければいいのかわからなかった。
「気にするな」と言ったところで、気にしている本人にとっては何の意味もない。
だから箒を持ってきた。
……我ながら、どうしてあんなことをしたのだろう。
けれど、湖に着いた時にはテゾーロは笑っていた。
あれだけ怒っていたのに、まるで最初から何もなかったみたいだった。
人を元気にする方法というのは、案外難しく考える必要はないのかもしれない。
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5月2日 魔力濃度:微風
廊下でテゾーロと会った。
頬に傷あてが貼られていた。
「なんてことない」と本人は言っていたけれど、どう見ても痛そうだった。
しばらくして、向かいから歩いてきた生徒にも同じものが貼ってあることに気づいた。
……二人とも、どうしてこんなことになったのだろう。
グリフィンドールで流行っているのだろうか?
テゾーロに聞いたら「違えよ」と言われた。
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6月25日 魔力濃度:薄霧
期末テストの結果が返ってきた。
総合順位1位を取ることができた。これで何か言われることはないだろう。
そういえば、廊下でテゾーロを見かけた。
真っ青な顔でマクゴナガル先生に連れられていった。
何かあったんだろうか……?
時間があったら聞いてみようか。でも答えてくれない気がする。
もっと頼ってほしいのにな。
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6月30日 魔力濃度:緩流
ホグワーツでの1年が終わった。
何事もなかったような、様々なことが起こったような不思議な感覚だ。
帰りの汽車ではテゾーロと一緒になった。
……結局、リアムとは入学以来一度も話せなかった。
でもテゾーロが「あと6年残っている」と言った。確かにその通りだ。
また彼の話をきけたらいいな。
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7月2日 魔力濃度:澱み
夏休みに入ってから両親には同じことを繰り返し言われる。
「ペニントン家の誇りを見せつけろ」と。
ペニントン家には既に素晴らしい研究と技術が存在している。
それらを知り尽くしているお婆様を家の奥に押し込んで、どうしたいんだ。
貴方達の言う誇りとは何だ。
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8月2日 魔力濃度:乱流
……今日のことを何と書けばいいのだろう。
今日は、テゾーロとダイアゴン横丁に新学期の準備として買い物に行った。
お昼を食べてから、店を回って順調に買い物できた。箒を見に行ったりと楽しかった。
そこまでは良かった。
僕は箒の手入れ道具を渡すことを忘れていた。
まだ近くにいるだろうと、テゾーロが向かった方へ歩いていった。
テゾーロは……ノクターン横丁への道に入っていた。
慌ててその背を追った。
テゾーロは早足でどんどんと奥へと進んでいってしまった。
道は薄暗かった。ネズミもいて、足元を走り抜けた。
どうにかテゾーロの腕を掴むことができた。
振り返ったテゾーロは目を丸くしていた。
そこからは手を掴まれて、とにかく走った。
どこをどう通ったのかは覚えていない。
ダイアゴン横丁から漏れる明かりに安心したのは初めてだ。
あれは、道を知り尽くしていないと辿り着けるものじゃない。
箒の手入れ道具は渡せた。
でも、何を言えばいいのかわからなかった。
僕が踏み込んでいいことなのか?わからない。
テゾーロも戸惑っていた。
だから咄嗟に手紙を送ることを提案した。
他に思いつかなかった。でもいい案だと思った。
テゾーロの住んでいる場所を聞いて、間違えたかと焦った。
彼は気がついていなかったようだから触れないようにした。
旧荷置き場なんて、人が住めるのだろうか。
……動揺したこと、バレてないよな?
とにかく、気まずい別れにならなくてよかった。
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8月3日 魔力濃度:残響
昨日のことが、まだ頭から離れない。
テゾーロは、あの出来事をどう思っているのだろう。
僕はあまり上手く答えられなかった。
手紙なら、もう少し考えてから話せるかもしれない。
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8月5日 魔力濃度:停滞
何度も、手紙を書こうと羽ペンを手に持っている。
でも、最初に何を書けばいいのかわからない。
「元気ですか」では、あまりにも普通すぎる。
「この間は楽しかった」も、何だか変だ。
書きたいことはあるのに、文章にすると妙に大げさに見える。
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8月7日 魔力濃度:乱流
テゾーロに手紙を送った。
返事は来るだろうか。
いや、来なくても仕方がない。
忙しいかもしれないし、手紙を書くのが面倒かもしれない。
追記
グレイディが、テゾーロからの返信を持って戻ってきた。
帰りが遅いと思っていたら、テゾーロが手紙を書き終えるまで待っていたらしい。
手紙には短く二言三言書かれていた。
……僕ばかり話しすぎたかもしれない。次は、もう少し短い文章で送ろう。
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8月16日 魔力濃度:交錯
今日、テゾーロから手紙の返信が届いた。
……考えたことがなかった。魔法省を利用しようと考えない人がいるなんて。
魔法省を詳しく知らない人、行けない人、行こうともしない人。
全員が同じ権利を受け取ることなんてできない。僕の理論はそんな当たり前を無視していた。
今度は何について手紙に書こうか。
新しくでた魔法薬、魔法界の身分、魔法族の閉塞感、マグルへの関わり方……。
どの話題でもテゾーロが何と返してくるのか楽しみだ。
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8月31日 魔力濃度:緩流
先日送った、闇の魔術と分類される基準についての返信が届いた。
確かに、浮遊魔法ですら使い方次第では危険なものになる。
思わず、手紙を書き出そうとして思いとどまった。直接話せばいいじゃないか。
また、明日からホグワーツが始まる。
はじめて日記風小説を書きましたが、難しいですね。
ようやく第一章終了です。
次回から第二章が始まります。