「最後に、君たちに1つの言葉を贈らせてもらおう」
と言ったのはトール士官学院の学園長、ヴァンダイク学園長だ…、今は学園長からの言葉で、これが終われば、入学式が終わる…
「本学院が設立したのはおよそ220年のことである、創立者はかの『ドライケルス大帝』『獅子戦役』を終結させた、エレボニア帝国、中興の祖である。」
と、学院長の話は去年と同じような内容を話している…
「―即位から30年あまり。 晩年の大帝は帝都から程近いこの地に兵学や砲術を教える士官学院を開いた… 近年、軍の機甲化と共に本学院の役割も大きく変わっており、軍以外の道に進むものも多くなったが… それでも、大帝が残した‘ある言葉‘は今でも学院の理念として息づいておる。」
『若者よ――世の礎たれ。』
「‘世‘という言葉をどう捉えるのか… 何をもって‘礎‘たる資格を持つのか… これからの二年間で考え、切磋琢磨する手がかりにしてほしい」
「そして去年、獅子戦役の再現と言われた内戦が起きている… 多くの命を失い、街も焼かれておるが…今は唐牛か落ち着いている状態じゃ… 君たちも、いずれは大きな渦にのみ込まれるじゃろう… だが それでもその渦にのみ込まれずに立ち向かった者たちがいる… いずれ君らも彼らと同じ立場になる時もあるだろう… 彼らのように努力し、考え、知恵を磨くためにも、ここでの2年間を大切にするのじゃ…、わしの方からは以上である…」
そして学院長の話は終わった…
(『世の礎たれ』か…)
とロランは思っている…
「ふふ、ロラン… 考えているわね… まあ私も考えなきゃね…」
そしてロランを見るストラも思っていた…
「うーん、いきなりハードルを上げられた感じだな…」
とロランの隣の席だったカルテがロランに話しかける…
「ああ、さすが皇帝と言うべきだな… さすが、かなり難しい目標だな…」
「まあ、そうだな」
「そう言えば、ここから少し見渡してみたが、他にも同じ赤色の制服を着た人たちが数人いるんだな…」
ロランがカルテに話しかけた
「ああ、ほとんどは緑色の制服を着ていてて、貴族とかは白い制服を着ているんだからな…」
「ほんと、どういうことなんだろうな…」
ロランとカルテが疑問に思っていると、ロランが
「と言うか、よく貴族が白い制服を着ているとこが分かるんだ? 俺もさっき気付いたところなんだが…
「少しこの学園を調べてきてるんだけどな… だがこの赤色の制服についての情報はなかったんだがな…」
「そうなのか…」
と貴族の白い制服について話していると…
「以上で、《トールズ士官学院》、第216回・入学式を終了します。」
といよいよ入学式が終わった…
「以降は入学案内所に従い、指定されたクラスへ移動してください 学院におけるカリキュラムや規則などの説明はクラスで行います 以上――解散!」
と言われたが、ロランは疑問に思ってその場で立ち上がった… その理由は、入学案内書にそんな内容などが書いていなかったからだ…そしてカルテも同じように立ち上がった…
「指定されたクラス? そんなの案内書に書いてあったか?ロラン」
「いや、俺のには書いてなかったな… 普通入学式で発表されると思ってたんだが…」
「おーい 赤い制服の子は注目してくれー!」
とステージ近くに居た男性が言った…
「君たちはクラスが分からなくて当然なんだ、ちょいとこっちで事情があってだな… 君たち赤色の制服を着ている子たちには これから『特別オリエンテーリング』に参加してもらうんだ…」
とロランとカルテだけではなく他にも同じ赤色の制服を着ている子たちはびっくりした…
「え…」
「特別オリエンテーリング…ですの…」
と最初に言ったのは髪が青色の男性、続いて発言したのはオレンジ色の髪をした女性だった…
「ん?」
「なんだそれ?」
とロラン、カルテも驚いて発言した…
「まあ、すぐに分かるから。 そんじゃあ、全員俺について来てくれ」
と言い男性は講堂からでていった… そして最初に無言でこの中では小柄な体系の男性、女性がでていき、次に橙色の髪の女性、青髪の男性、次に緑色の髪の女性が教官の男性に付いていくような感じで出ていた… 気づけばこ乗っていたのはロラン、カルテ、ストラの3人だけだった…
「どうする?」
「まあ、行くしかないんだから、とっとと行くか…」
そしてロラン、カルテが移動し、そのあと3秒後ぐらいにストラが講堂をでた…
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ねえ、ロラン、カルテ…」
「ん?」
「どうかしたのか?」
ストラ歩きながらロランとカルテに話しかけた…
「本当に大丈夫なのかな… こんな感じになっちゃったけど…」
「まあ、ここに入学したんだ、俺は覚悟の上でここに入学したんだからな…」
「カルテは案外すごいんだな…」
「おいおいロラン…案外ってどういう意味だ…」
「意外だってことだよ、カルテって案外覚悟とかなさそうな感じだったからさ…」
「そうか…」
なんか気まずくなったな…
「ほら、前の人たちに遅れちゃうよ…」
とストラがロラン、カルテに話しかけた…
「分かったよ!」
とロランが言い、少し走って、前の集団に追いついたのだった…
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
~士官学院 旧校舎~
俺たちは男性の教官についていくと、目の前には古い校舎が現れた…
「ここって…」
「士官学院の旧校舎…だったはず」
「カルテ、よく知ってるわね?」
「少し情報を手に入れただけだ、それにここ去年は色々でだって話だぜ…」
「え…それってホント…」
カルテの話にストラがびっくりしている…
「カルテ、大丈夫だから…それに教官も…」
「~~~~♪」
「は…鼻歌歌ってやがる…」とカルテは思った…
そしてその教官は旧校舎のカギを開け、中に入っていった…
「こんな場所で何をする気なんだ…あの教官は…」
と最初に言ったのは青髪の男性だ
「まあ、入るわけにはいかないですわね…」
と次に行ったのは橙色の女性だった… そしてロランたち赤色の制服を来た子たちは全員旧校舎内に入っていった…
「ほう…あれが今年Ⅶ組に入る生徒なのか…」
と金髪の男性が赤色の制服を着た人たちを見て言った…
「あれ? パトリック…こんなところにいたのか…」
「ああ、シュバルツァーか」
そこにリィンが現れた、そして金髪の男性の名はパトリックと言うらしい…
「なんだ?新しいⅦ組のメンバーでも見に来たのか?」
「念のためにな、そう言うお前は生徒会の仕事はいいのか?」
「ああ、それはさっきおらわせてきたから大丈夫だ…」
「…さすがと言うしかないな…」
パトリックはリィンの言葉に驚いているようだ…
「さて、去年から設立したⅦ組だが、今年は面白い面子が多いな… 私の妹もⅦ組に入ってほしかったんだがな…」
「あれ? パトリック妹なんかいたのか?」
「まあ、今年ここに入るそうだ、案内書の事を昨日5時間ほど通信され、Ⅶ組のことを言われたからな…」
「それは…大変だったな…」
「それはお互い様だろ、お前の所にいるエリゼさんの方は大丈夫なのか?」
「一応アルフィン殿下の護衛として、良かったってこっちも昨日通信であったよ」
「お互い私達は似た者同士なのかもな…」
「だな」
そしてパトリックとリィンは少し話をして、リィンはトヴァルの所へ、パトリックは生徒会の手伝いへ向かった…
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