とある呪術の天与呪縛   作:ふとよし

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禁書と呪術が大好きなので書かせて頂きました!


プロローグ 禪院家壊滅

俺には、前世の記憶がある。

少し貧乏な家庭に生まれ、人に迷惑をかけない範囲で多少のやんちゃもしたが、比較的幸せな人生を送った末、18の頃、バイクの事故で一人寂しく死んだ。

いささか早すぎる最期ではあったものの、自業自得にいい人生であった。

しかし、何の因果か俺は転生した。

転生先の世界は前世とおおよそ同じ歴史の流れを辿ってはいるが、しかしいくつか相違点があった。

まず第一に、学園都市という、科学の力で超自然的現象その身一つで行使する超能力者を量産しているイカれた都市があり、オカルトに足を突っ込んだ、とんでも科学の世界だ。

また、学園都市とは別に社会の裏側には魔術サイドとかいうガチのオカルト集団も一般人に隠れて存在しており、十字教圏などではほぼ国家を牛耳っているらしい。

つまりここは前世とは違い、トンデモ現代ファンタジー世界である。

 

 

何故俺が隠されているはずの魔術について知っているかといえば、今世の俺は魔術サイドの一員、日本における特有の魔術体系 呪術 を司る大家 禪院家の本流に生まれたからである。

第二次世界大戦後アメリカに実効支配され、さらに近年は科学サイドの総本山、学園都市が生まれて以降、日本における魔術サイドの影響力は低下の一途を辿っている。それでも古くより日本の朝廷と深く関わってきた禪院家はいまだ保守本流として多大な影響力を持っている。俺はそんな家で生まれた。

禪院家の特徴としては過剰な程の呪術至上主義であり、呪術や魔術の才能に乏しいものは人間扱いされず、ゴミのように扱われる程だった。

そんな中、残念なことに俺は呪術の才能を一切持たずに生まれた。正確に言えば才能無きものの操る術である魔術を使うには足り得ない才能を持ち生まれてしまった。

フィジカルギフテッド。魔力どころか、生きとし生けるもの全てが持ちうるであろう生命力すら持たずして生まれた代わりに、強靭な肉体とあらゆる異能に対する耐性を得た超人。学園都市風に言えば原石の能力者であり、魔術を発動することすら出来ないのでしっぺ返しを喰らうことはないが、決して一家相伝の呪術を使うことはできない存在。

俺は家の伝統として人間としては扱われず、虐められ、しかし、家の誰よりも強いため畏れられて、生まれて今日まで生きてきた。

 

しかし、今日当主の決定で一家総出で俺を殺処分することが決まったらしく、家全体で襲いかかって来たのを返り討ち。禪院家は俺を除き全員死に、家は取り潰された。

 

 

そして、現実逃避として、前世から人生を回想している現在に至る。

あれから5時間ほど経ったが、俺は未だ禪院家本邸にいた。武器庫型の式神に禪院家保有の呪具や財産を押し込み、ここでやることは全て終わった。

クソみたいな場所ではあったが今世における、唯一の家であった。別に全員が嫌な奴だったわけでも、殺したかった訳でもなかったが殺さない理由もなかった。

しかし、そんな感情に浸っている暇はない。禪院家の壊滅は今すぐバレる訳では無いが、どうせすぐに知れ渡るだろう。そのうえ、魔力の残滓なく全滅していることから、犯人が俺であることもきっとバレてしまう。日本の魔術師程度であれば、恐らく返り討ちにすることは容易だが、恨みも殺す理由もないやつは殺したくはない、身の振り方を考えなければ。

そんなことを考えていたら、ひとつ昔の出来事を思い出す。

昔、小学校に学園都市の研究者を名乗るやつが来て名刺を渡されたことがある。なんでも君は既にレベル4相当の出力の能力を扱えており、ぜひ学園都市に来て研究させて欲しいだとかなんとかだ。

科学サイドである学園都市に魔術師は入って来れない。

色々と胡散臭い場所ではあるが、今の俺にはちょうどいいだろう。

決めた、学園都市の手頃な高校に入学しよう。

それに、あそこなら、あるいは俺も人生をやり直せるかもしれない




今回、主人公が禪院家を皆殺しにしたのは呪術世界の禪院とは違い全員が魔術を使えるため報復を嫌ってのことです。
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