国際ニュースで追われる私ですが、記憶喪失の妹です。ごはん探してるだけです   作:宙うし

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バスティーユ市場で大型発光軟体生物が”浮遊”

……ひとが、いっぱいいる……。

 

ここ、にぎやか。

においも、いっぱい。

 

「……あ……いいにおい……」

 

おいしいにおいが、

こっち、こっちって、

つのをひっぱるみたい。

 

市場の下のすきまから、

そろ……そろ……って、からだをのばす。

 

木のはこが、ひんやりする。

 

そのむこうに──

 

まるいの、

ながいの、

いろんなたべものさんが、ならんでる。

 

「……わぁ……いっぱい……♪」

 

くるくるの葉っぱもあるし、

あまいにおいの、"ころん"の実もある。

 

おなかが、きゅーってないた。

 

そーっと、ころんの実を、ちょんってふれたら……

 

……あまい!!

 

からだが、ふわぁってあったかくなって、

そのまま、する……って吸いこんじゃった。

 

「……おいしい……もっと……」

 

夢中で、次の“ころん”のほうへ、

からだをのばす。

 

でもね……

 

がたっ

 

「……ひゃっ……?」

 

上のほうで、なにかがうごいた。

木のはこの影がゆれて、人のきもちが、どっとあふれてくる。

 

ざわ……ざわ……ざわ……

 

こわがってるきもち。

 

びっくりしてるきもち。

 

それがぜんぶ、つのの先に、ぱちぱち、ってふれる。

 

こわい……?

わたし、こわい……?

 

「……や……やだ……行かなくちゃ……」

 

でも、どうやって……?

 

人がいっぱいで、すきまから出るの、むずかしい。

 

そのとき──

 

つのが、ぴかー、ってして、

からだが、ふわ、ってういた。

 

「……えっ……? う、うくの……?」

 

しらない。

こんなのできるって、しらなかった。

 

でも、からだが軽い。

お水のなかみたいに、すー……ってうごく。

 

しましまの下から、

ひゅ……って外へ出る。

 

おひさまに、背中がきらってして、

ひかるはねみたいなのが、ひろがった。

 

「……とんでる……の……?」

 

すこし、うれしい。

すこし、こわい。

 

でも、

まだ、たべてない葉っぱさん、いっぱいあったのに。

 

おなかが、きゅうってなく。

 

建物のかげに、ふら……って逃げこんだ。

 

うしろで、

こわがる気もちが、どんどんふえる。

 

なんでだろう?

 

わたし、ただ、おなかがすいて、

おいしいのを、さがしてただけなのに。

 

影に隠れて、つのを、ぺたん……ってさげる。

 

「……ごはん……まだ、たべたかった……」

 

 

──────────────────

 

 

バスティーユ市場で大型発光軟体生物が”浮遊”

 

【パリ=9月19日 APP通信】

パリ11区・バスティーユ定期市(ブールヴァール・リシャール=ルノワール沿い)で、発光する大型のナメクジに類似した未確認生物が再び目撃された。市場関係者によると、生物は全長約1メートル。屋台の下から体を伸ばし、並べられた野菜や果物を摂食していたという。通報を受け、パリ警視庁が現場周辺を一時封鎖し、パリ消防旅団(BSPP)およびパリ市緑地・環境局(DEVE)が安全確保と状況確認にあたった。

 

市場は一時騒然となり、来場者の一部が誘導により退避。封鎖は約1時間後に段階的に解除されたが、生物は発見されていない。

 

■「光りながらふわりと浮いた」—目撃者証言

 

八百屋店主

「最初は“でかいナメクジ”だと思ったんですよ。棒で追い払おうとしたら、急にふわっと光って、スーッと数メートル浮かび上がって、近くの建物の影に消えたんです。」

 

30代女性客

「地面についていない感じでした。本当に浮いているようで、正直とても怖かったです。」

 

■物証採取と映像解析が進行中

 

DEVEとBSPPは、屋台の木箱や舗装面に付着した粘性物質を採取し、食べ痕の残る果実を回収。市場側の監視カメラ映像の解析を開始するとともに、来場者に対してスマートフォン映像の提供を呼びかけている。

 

■専門家見解:「既知の軟体動物に該当しない挙動」

 

現地調査に参加した、国立自然史博物館(MNHN)軟体動物学研究員チボー・ロラン氏は次のように述べた。

 

「短距離とはいえ浮上、もしくは滑走に見える挙動は、現在知られている軟体動物の運動様式と一致しません。評価には映像解析と採取した検体の分析が不可欠です。」

 

必要に応じ、フランス生物多様性庁(OFB)とも連携する方針だという。

 

■当局の対応と注意喚起

 

警視庁は当面、市場周辺での巡回を強化し、同様の目撃例があった場合は緊急通報番号17または112への連絡を求めている。

DEVEは「未知の生物には近づかず、ペットを必ずリードにつなぐなど、安全確保を徹底してほしい」と呼びかけている。

 

 

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【浮遊】巨大ナメクジついて語るスレ Part2【UMA】

 

227 :名無しさん

 専門家の誰かが「浮遊は風圧による揺れの可能性」とか言ってて草

 1mのナメクジがふわっと浮く風圧ってなんだよ

 パリでハリケーンでも吹いたのか

 

228 :名無しさん

 浮く瞬間の動画見たやついる?

 あれAI生成か?

 

229 :名無しさん

 浮遊ナメクジって字面で笑うのに実物は全然笑えないやつだな

 研究所から逃げた説が一番まともに見えてくるのやばい

 

230 :名無しさん

 あの動画、背景の人の影と光源が一致してたからガチっぽいんだよな

 というか発光の仕方が怖いわ

 

231 :名無しさん

 光る突起がガス噴射してる説あったぞ

 Nコメ民が反重力の可能性まで言ってて草

 

232 :名無しさん

 反重力ナメクジとか物理法則の負けだろ

 もうUMAというより新種の兵器じゃね

 

233 :名無しさん

 ロワールからパリまで移動スピードおかしい

 どう考えても複数いるだろ

 拡散してたら詰むぞこれ

 

234 :名無しさん

 都市部侵入したここからが本番だぞ

 下水にも公園にも行けるし

 完全駆除ほぼ不可能になるやつ

 

235 :名無しさん

 パリ警視庁が市場封鎖して消防まで出動って大袈裟に見えるけど

 光る1mの浮遊ナメクジ相手なら妥当だわ

 

236 :名無しさん

 正直ナメクジのくせに“空を飛ぶ”時点で格が違うわ

 危険性とか未知すぎて判断しようがない

 

237 :名無しさん

 陰謀論勢が「研究所から漏れた」って盛り上がってて草

 でも今回ばかりは否定しきれんのがつらいとこ

 

238 :名無しさん

 市場で食べられた野菜が流通したらやばいぜ

 つーか食べられてないやつも、まとめて全部焼却処分しろ!

 何の菌もってるか知れたもんじゃねぇ

 

239 :名無しさん

 うちも他人事じゃねえだろ

 外来生物対策ガバガバだから

 同じ状況になったら制御不能だわ

 

240 :名無しさん

 食べ残しがないらしいな

 市場のレタスが丸ごと消えてたとか

 消化速度バグってんだろ

 

241 :名無しさん

 それ複数個体が分担して食っただけじゃね

 パリまで来てるなら仲間普通にいるだろこれ

 

242 :名無しさん

 フランスから輸入規制する国出てきてもおかしくないな

 農家とか市場関係者の生活直撃じゃん

 

243 :名無しさん

 まぁ言うても、全部ぶっ叩けば終わりやろ?

 

244 :名無しさん

 危機対応の専門家が「早急に駆除しろ」って言ってたけど

 このスピードで都市部移動してる時点で手遅れ感あるよな

 

245 :名無しさん

 遺伝子解析しないとマジで何も分からんな

 光って浮くエネルギー源ってなんなんだよ

 

246 :名無しさん

 ロワールで農家泣かせてた巨大ナメクジが

 まさかパリ編に突入するとはな

 映画かよ

 

247 :名無しさん

 結局

 ・発光

 ・浮遊

 ・1m級ナメクジ?

 ・農地と都市部を自由に移動

 ・複数個体の可能性

 これ全部事実で草

 どんな生物なんだよ

 

248 :名無しさん

 Part3行く前に捕獲してくれマジで

 パリでこれ以上増えたら終わるぞ

 

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