アリス「パンパカパーン!八握剣異戒神将魔虚羅が仲間になりました!」   作:太平洋クラゲ

1 / 2
一発ネタ。
なんか思いついたので書きました。


なんか出た!

 その日、珍しくシャーレは静かだった。

 

 意味不明な量の仕事もなければ、生徒が遊びに来ることもないし、起きる事件も先生がでしゃばるような規模のものじゃない。

 

 故に今、彼───先生はゆったりとしたひとときを過ごしていた。

 

「うーん、何しようかな……生徒達が来ないとこんな暇なのか……呪術廻戦は読み終わってしまったし……」

 

 そんな時だ、モモトークの通知が鳴ったのは。

 何だろうと思い開いてみると……

 

「……モモイ?」

 

 モモイからただ一言、「なんか出た!」とだけ。

 当然無視するわけもなく、何かの内容を聞こうとしたところで……今度はモモイから電話がかかってきた。

 

「どうしたのモモイ、何か……」

 

『ヤバイよ先生!なんか出てきちゃった!』

 

「なんかって、何が出たの?」

 

 虫か何かかと思い、椅子に深く腰掛けながら先生は問い。

 

『なんか…… アリスが八握剣異戒神将魔虚羅を出しちゃった!』

 

「八握剣異戒神将魔虚羅!!!???」

 

 思いっきり椅子から立ち上がった。

 

 

 

「先生、こっちこっち!」

 

「どういうことモモイ!?八握剣異戒神将魔虚羅が出たって!?」

 

「話は見てから!」

 

 焦ったモモイの後を走り、ゲーム部の部室へと向かう先生。

 だが件の部室は、遠目から見ても分かるくらいの人集りができていた。

 

「何あれ!?化け物!?」

 

「やっぱりこの学園には陰謀が……!」

 

「うお、でっか……」

 

「すいませーん!通りまーす!」

 

 生徒達をかき分け、先生とモモイは部室の中へと入る。そこに広がっていた光景は……

 腰を抜かすミドリ、満開の笑顔で『それ』を見つめるアリス、ガタガタと揺れるロッカー、そして……

 

 部屋の中央で直立している、八握剣異戒神将魔虚羅だった。

 

 

 

「そうか、つまりアリスは呪術廻戦を読んだモモイに頼まれて、布瑠部由良由良したんだね?」

 

「じゅじゅつかいせんってなんですか?」

 

「はい!そうしたら、部屋が暗くなって……気付いたら私の後ろに八握剣異戒神将魔虚羅が立っていたんです!」

 

「やつ、やつか……何て?」

 

 制作途中の像ということにして人払いを済ませた部屋の中で、先生達は隅に固まって話をしていた。

 

「駄目だよモモイ、そんな軽い気持ちで布瑠部由良由良させたら」

 

「軽い気持ちでふるべゆらゆら?」

 

「ごめんなさい先生……でも、なんかアリスってどことなく恵に似てない?ほら、髪黒いところとか」

 

「その恵は誰!?というか何で無視するの!?」

 

「恵って……伏黒恵に決まってるじゃん。どうしたのミドリ……あそっか、ミドリは呪術廻戦読んでないんだっけ」

 

「だからそれもさっき聞いた!!それは何!?」

 

「漫画だよ。今度貸してあげる」

 

「……そんなの聞いたことないんですけど……」

 

 眉を顰めるミドリを横目に、モモイは魔虚羅を指差した。

 

「とりあえず先生、あいつどうする?ユズも怖がっちゃってロッカーから出てこないし」

 

「うーん……一応調伏の儀を始めたのはアリスだけど、魔虚羅はアリスや儀式に巻き込まれたであろうモモイ達を襲う様子はないし、というかまずアリスは十種影法術なんて使えないし……」

 

(……なんかもうよく分からないから黙っていよう……)

 

「アリス、布瑠部由良由良するときに呪力込めたりした?」

 

「?よくわかりませんが……多分アリスは込めていないと思います」

 

「だよねえ、どうしたもんかな……魔虚羅いるならさ、そこら辺に宿儺いたりしないかな?ほら、ユウカの中とか」

 

「いたとしても宿儺に頼るのはどうかと思うよ……」

 

 そんな時、再び先生のスマホが鳴った。

 

「あ、ごめん。ちょっと待ってて……はい、もしもし……リンちゃん?どうしたの……うん……うん……え、今?……ああ、はい、分かった。じゃあ今から向かうから……はい……ありがとね」

 

「どうしたの?」

 

 先生は振り返ると、困ったように頭を掻いた。

 

「いや、たった今またビナーが出たみたいで行かなきゃいかないんだけど……マキって今暇なのかな……」

 

 このタイミングでのビナーの出現。

 ただでさえ魔虚羅でそれどころではないのに、このままでは……

 

「あ!」

 

 その時、モモイが声を出して立ち上がった。

 

「先生、いるじゃん!そういうのに対処できる奴が今ここに!」

 

「……あ、そっか」

 

 そこで皆の視線が、魔虚羅に注がれた。

 

 

 

 結論から言ってしまえば。

 

「無双、だったね……」

 

「うん……」

 

 強さまでちゃんと八握剣異戒神将魔虚羅だった。

 何故か魔虚羅はアリスの言うことを聞くようで、アリスの「さあ行くのです、戦士マコラ!」という掛け声が掛けられると同時に、ビナーへと一直線に飛んでいった。

 

 最初こそ、ビナーも魔虚羅に対抗できていたが……魔虚羅が適応してからはその限りではなかった。

 1度目の回転で魔虚羅はビナーの装甲を貫けるようになり、2度目の回転で魔虚羅はビナーのミサイルを物ともしなくなり、3度目の回転で魔虚羅はなんか巨大化してビナーを殴り倒した。

 その結果、戦闘開始から1分すら経っていないというのに、ビナーはどこかへと逃げていってしまったのだ。

 

「すごいです先生!アリスにはまたとっても強い仲間が出来たみたいです!これからよろしくお願いしますね、マコラ!」

 

「うん……そうだね……」

 

 モモイとミドリ、先生はアリスの背後に鎮座する魔虚羅を見ながら頷き、そして理解した。

 まだまだ分からないことだらけだし、状況だけでも意味がわからないが……

 

 少なくとも、アリスだけは絶対に怒らせてはならない……と。




登場人物
・先生
 シャーレの顧問。最近呪術廻戦を読破した。

・才羽モモイ
 ゲーム開発部1年生。最近呪術廻戦を読破した。

・才羽ミドリ
 ゲーム開発部1年生。魔虚羅が何なのか分からないし、呪術廻戦も知らない。

・花岡ユズ
 ゲーム開発部1年生。魔虚羅が怖すぎてロッカーから数時間ほど出てこられなかった。呪術廻戦はモモイの影響でほんの少し知っている。

・天童アリス
 ゲーム開発部1年生。魔虚羅を何故か出せた。呪術廻戦は知らないが、摩虎羅のことはlv99の隠しキャラだと思っている。

・八握剣異戒神将魔虚羅
 歴代十種影法術師の中で1人たりとも調伏出来たものはいない最強の式神。何故かアリスの祓詞に答え、現れた。が、かと言って調伏の儀が始まったわけでもないらしく、アリスに攻撃しない。というかアリスの言うことを聞く。呪術廻戦読者の先生とモモイはあまりの意味のわからなさに理解に苦しんでいる。 
 言葉は発さない。

・呪術廻戦全30巻+ 呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校
 何かあった。理由は不明。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。