現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
「オーマイガット……‼︎ ここで
優一から授かったゼロワンのレガシーディスクを手に取り、ウィックスオリジンドライバーを使って仮面ライダーゼロワン……またはゼロワンをモチーフにしたウィックスの新しい変身フォームとなった俺。
その姿がどのようなものなのかは、俺自身の目では見る事はできない。だけど……気のせいだろうけど、ゼロワン──そのライダーの変身者である飛電 或人と共に闘っている……不思議とそんな気がするんだ。
だからこそ、この闘い……この姿の変身者として、負けるわけにはいかない。絶対勝つ。絶対勝って、ゼロワンの……仮面ライダーの威厳を少しでも守ってみせる。
「……んっ?」
ふと、分身のデシアゴーレムが警戒しているためか万華鏡サイズに変形させた小型鏡に、今の俺の姿が映っているのが見えたため、俺はその姿を目の当たりにした。
本来のゼロワンの姿は、バッタを彷彿とさせながら、ふんわりとした黄緑色にも見える明るい黄色──蛍光色のイエローの仮面とそこから輝く赤い複眼、そして黒いボディスーツの上から体の至るところで同色の装甲が装着されている。
だけど……今の俺が変身しているのは、その本来のゼロワンのものとは異なる点があった。
それは、ウィックスから変身したという証拠が明らかとなっている箇所がある点だ。
ウィックスのボディパーツとなる鳳凰の紋章付きの紅い鎧と、炎を纏った翼を意識させている肩の装甲、そして前腕部に装着されてある紅い装甲。
それら全てが、ゼロワンの
その姿は、敢えて名付けるとしたら、ウィックスゼロワン……といったところか? ディケイドみたいにカメンライドして別のライダーに変わった姿──ディケイド○○○な感じの名前だけど。にしてはこっちは元の姿の面影が強いけど。
「………………そう来たか」
俺は思わずそう呟いた。ジオウやリバイスなどみたいに、元の姿の面影を残しながらレジェンドライダーに似た力を持った姿になれるタイプに似たものとは思わなかったから。
というか、後者は力そのものを、レジェンドライダーからリスペクトしているかどうか微妙だが。
けど、まさかレジェンドライダーの姿をそのままに、元の姿のパーツを装着しているような姿になれるとは思わないじゃん。そんな仮面ライダーは初めて───
あ、嘘です。先程思い出しました。そういうタイプの仮面ライダー、本家では仮面ライダーレジェンドがそうだった。レジェンドの派手な箇所がレジェンドライダーの上から付けられていたというのに、なんでそういうタイプは知らないって思ってしまったんだ……
というかよく考えてみれば、ゴジュウジャーがレジェンド戦隊のレッドに変身した時、その上に元の姿の鎧を纏っていたよな? もしかしてこれもゴジュウジャーをオマージュして……?
………………さすがに俺が、この世界の主人公ライダーに変身しているって事実は、ないよな……?
「……驚いたな。別のレガシーディスクで全く別の姿をした仮面ライダーになれる奴なら見た事あるが、まさか元のライダーのパーツも合わせた姿の奴に変われるライダーがいたなんて……」
あの、優一さん? 驚きながら、万華鏡を展開させているデシアゴーレム本体の背後に即座に回って斬りつけるという、高度な戦法するのやめてもらっていいですか? よそ見しながらできる事じゃないでしょそれ。
ってか、ちょっと待てよ? レジェンドライダーの上に、ウィックスのパーツが追加された姿となれば……
「変身したライダーの力とウィックスの力、2つの力がいい感じに合わさっている可能性が……?」
いや、その可能性があるとは限らないのは分かってるよ? ディケイドだって、カメンライドしてもディケイドの力を引き続き使えるわけじゃないし……
「ま、そんな事はどうでもいいか。初変身のヤツは大抵ぶっつけ本番で使う事が多いしな……」
割り切ってそう呟いた俺は、一度デシアゴーレムを指差してから、親指を自分の方に素早く向け、改めて宣言した。
「もう一度言うぜ……お前を倒すのは、優一と……俺だ‼︎」
「別に俺は含めなくても良くないか? そっちはお前だけが相手するんだし」
万華鏡に当たる寸前で止まりながらそう言うの、やめてもらってもよろしいですか? 大体あのデシアゴーレムは、お前が闘っている奴が作った本物と完全一致している奴なんだし……
「ミーを
怒り混じりの笑い声を上げながら、デシアゴーレムがコアのディスクから放った瘴気で、複数ものデシアゴーレム・トルーパーを生成させた。その数、なんと24体。
そいつらが次々と俺に向かって駆け上がってきて、その内の6体が剣や槍を突きつけてきたのを目撃したため、俺は……
その迸った炎に当たった6体のトルーパーは、まるで電流と炎を同時に喰らったかのようにその場で硬直し、熱によって悶え苦しんだ。
『Attache Caliber.』
『"Attache case opens to release the sharpest of blade."』
『Brade Rise.』
そして念じて呼び出したゼロワンと同じ配色のアタッシュケース──アタッシュカリバーの取っ手部分を握り、アタッシュケースの底を掴み、引っ張った。
すると折り畳まれていた部分が開き、アタッシュモードから片刃の大剣が出ている形態──ブレードモードへと変形した。
そのアタッシュカリバーを勢いよく横薙ぎに回転して振るいながら着地すれば、その刃に胴体を深く斬り裂かれた6体のトルーパーは、激しい火花を散らしながら爆発した。
残り18体。
「……これだけかもしれないけど、ウィックスの場合は、元の姿の能力の一部も使えるみたいだな」
『電流を迸らせながら、私の炎の力も同時に発動させる事ができるのか‼︎ なんと新しい事なのか‼︎』
現状評価をしながらも、俺はその場でアタッシュカリバーを振るえば、刃に炎が灯され7体のトルーパーの胴体に着火した。
同時にその部分を斬り裂かれたトルーパーは、散らした火花に炎が着火したからなのか、その場で爆発を起こして消滅した。
残り11体。
「まだまだ‼︎」
それによって発生した爆煙の中を電光石火の如く駆け抜け、視界を妨げられている1体のトルーパーを、いつの間にか炎を纏っていた足で蹴り飛ばす。
蹴り1発で、仮面ライダーシリーズで1番強い戦闘員ポジションのカッシーンを撃破したゼロワンのスペックだからか、蹴り飛ばされたそのトルーパーは他の3体を巻き込んで爆発を巻き起こす。
残り7体。
「とぉりゃあっ‼︎」
そのまま跳躍力を活かして地面を蹴り、一気に残りのトルーパーとの距離を詰める。そして炎を纏った足と刃を用いて横向きに回転。胴体を斬られたり蹴飛ばされたりしたトルーパー達は、身体に受けた業火に耐え切れずその場で爆発してしまった。
トルーパー、全員撃破。
「ウッ、ウップス……⁉︎ ま、まさかアナザースタイルがここまでストロングだったなんて……⁉︎」
おうおう。デシアゴーレムの奴、目でもひん剥いたかのように驚いてらぁ。特撮の怪人だからか目が一切動いてないけど。
「バッド……ある程度の
デシアゴーレムはそう宣言し、背中の小型鏡を数枚放ちながら駆け上がってきた。俺がビットのように放たれた小型鏡に手間取っている間に、近づいてきて直接攻撃するつもりだろう。
けど……奴の作戦はあっさりと無駄になる。俺が立ち上がってすぐ軽く身体を捻り続けただけで、次々と小型鏡を回避。デシアゴーレムが接近して振るってきた鉤爪も左手で手首を掴んで受け止め、右膝で腹部を蹴り飛ばしたからだ。
……パンチ力が高くない腕力でよく受け止められたな俺。無意識による行動によるものだけど。
「カハッ……‼︎」
蹴り飛ばされ宙に浮いているデシアゴーレム。そいつよりも高い位置へと軽く跳躍すれば、俺は炎を纏った右脚による踵落としで背中を蹴って地面に叩き落とし、そこからさらに、降下しながらの前回し蹴りでさらに蹴り飛ばした。
やはりゼロワンのキック力は凄まじかったからか、デシアゴーレムはパウンドしながら横転していき、やがて近くの大木に背中を強く打った。痛そう(他人事)。
「ッ……ハァッ‼︎」
「もう見えているぜ‼︎」
そいつがそのままの態勢で小型鏡を飛ばしてきたが、俺はそれを無意識に次々と回避していきながら、跳躍力を活かして駆け上がり一気に距離を詰めていく。
そこにデシアゴーレムが2枚の小型鏡を万華鏡に変化させ、跳躍する事も考慮して前方・斜め上に展開してきたが、俺は既にその行動を想定していたため、即座に奴の右側へと素早く移動した。
「おらぁ‼︎」
「グォォォッ⁉︎」
そしてデシアゴーレムを上へ伸ばしながらの回し蹴りで吹っ飛ばし、上空へと無理矢理浮かせてやった。
これにより、俺はあの必殺技を発動できる良好な場面が出来上がった。それを証明せんとするべく、俺はレバーの左右にある青と黒のボタンを同時に押した。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
すると変身する前と同じように、様々なポーズをしたゼロワンの立体映像と彼が映っている映像が出てきた。ゼロワンの立体映像の中には必殺キックのポーズを取っているものもあった。
そして俺はドライバーのレバーを両方とも押し込み、ジャンプの態勢を整える。
『スペシャルアタック、オーケー!!』
全ての映像が重なった瞬間、俺は力強く跳躍した。そう、今度は軽くではなく足に力を入れて、上空に飛ばされているデシアゴーレムよりも高くだ。
右足が電子エネルギーと火炎を蓄積し始める。足先から青白い光の粒子が渦を巻き、まるで星の尾を引きながら上昇するロケットのように、軌道を描く。
頂点に達した瞬間、俺は体を反転させた。そして頭を下に向けたの合わせ、体が急降下を開始する。足が敵に向かって伸ばせば、炎も混じった赤と蛍光イエローの光の粒子が凝縮し、俺は空気が震え衝撃波が先行して敵の体を揺らす巨大なエネルギーの矢と化した。
光の如くのスピードで降下した右足が、デシアゴーレムの胸板に直撃した。そのまま地面へと隕石の如く急降下すれば、勢いよく着地した途端に爆発的な衝撃が広がり、地面に巨大なクレーターを穿った。
ウ ィ ッ ク ス
ラ
イ
ジ
ン
グ
イ ン パ ク ト
『Wicks Rising Impact!!』
「ノォォォォォォォォォッ‼︎」
人間の声とアンドロイドの音声がハイブリッドされたかのような、クールな音声が発生したその瞬間、デシアゴーレムはその場で大爆発を起こした。炎と光、それぞれの残滓を散らしながら。
「グハッ⁉︎」
その後ろでは、優一ことヴァルバラドが、本体のデシアゴーレムの胴体にヴァルバラッシャーを突き立てていた。
……アレ? このシーンって確か……
「反射用の鏡に変化させられるのには制限時間があったようだな。これで終わりだ」
俺がふと何かに気づいた中、ヴァルバラドはあの態勢のまま、ドライバーの両方のボタンを右から順に素早く押した。
『スペシャルアタック、プリパレーション!!』
そして彼の周囲に現れる、様々なポーズを取っているヴァルバラドの立体挨拶と様々な場面を映し出している映像。
それらが旋回している中、ヴァルバラドは左のレバーを力強く押し込み、右側のレバーとも連動させた。
『スペシャルアタック、オーケー!!』
『ヴァルバラド!! クラッシュ!!』
「ハァッ‼︎」
そして全ての映像が重なったのと同時に……ヴァルバラドはデシアゴーレムに突き刺さっているヴァルバラッシャーの柄に向かって、黒紫色の炎を纏った左足でそのまま蹴りつけ、デシアゴーレムの胴体を貫いた。
本家が初披露したのとは異なり、彼が今行ったこの動作では、炎の威力がその本家よりも凄まじかった。きっと力を溜めてから放ったからだろう。
強烈な一撃を喰らった事により、デシアゴーレムは至る箇所に炎が着火したままの身体で横転。なんとか立ち上がろうとするも、かなりフラついた状態となっており、貫かれた箇所からは電流らしきものが漏電し、スパークを引き起こしていた。
「ガハッ………………アン、ビリー、バボー……」
両手を天にまっすぐ掲げ、背中からゆっくりと倒れ込んでいくデシアゴーレム。やがて地面に着地した途端、大爆発を巻き起こしていき、胸部にあったディスクごと砕け散っていった。
怪人の本体の爆発……
何処からかデシアゴーレムとの闘いの終わりを知らせるアナウンスが鳴れば、俺は安堵した息を漏らした。初のフォームチェンジ戦で苦戦しなくて、本当によかった……
2人して変身を解除したところで、優一がポツリと呟いたのが聞こえた。
「これで終わったな」
「あぁ。攻撃を反射するヤツも喰らってしまったのがたったの1回だけで助かったぜ」
「出してくるタイミングさえ見極めれば、同じ手など2度も喰らわん」
いやもうホント、反射されるヤツを使われなくてよかったよマジで。アレ下手したら、俺達の必殺技以上の威力が襲い掛かってきたかもだから……
「しかし、終盤の攻撃の避け方はなかなかだったぞ。アレも俺の時みたいに意識しないで躱したのか?」
「ん? うーん……アレはなんというか、本能による行動……みたいな感じだったかな。『これは危ない』って思っていたらできた、みたいな感じだった。だから意識してなかった、とは言い難いんだよな……」
『危ない』ってのを意識して動けただけでも、それはそれですごい事だろうとは思うけどな。
「それでもお前は奴の攻撃を難なく躱したり、攻撃を反射される事を回避しながら優位に闘えた。その事実に変わりはないさ」
「まぁそれもそうだな」
過程が曖昧だろうと、結果が良ければ全て良し……だな。それに優一との特訓は今日限りってわけじゃないし、自主練の手段だっていくらでもある。それらで俺自身の闘い方を定着しておくとするか。
「……ところでだが浩司。お前、叶えたい願いがないってのは本当か?」
ギクッ⁉︎
そ、そういえばそうだった。俺の現状、デシアゴーレムのせいで優一のせいでバラされたんだった。
優一は本気で叶えたい願いがありそうだし、叶えたい願いがないのに参加するなって感じの奴でもある可能性があるし……どないしよ。
「え、えっと……いっいや、別になくはないけど……何というか、それはウィックスの強い願いで……俺の叶えたい願いが見たかったら、それに必ず鞍替えするって約束をしていたし……あいつの叶えたい願いも、俺の本心というか……」
「………………」
ど、どうしよう……一応本当の事を全て話しているけど、それでも『半端者がデセオ・ウォーズに参加していいわけがないだろ』と言っているかのような冷たい視線が、仮面越しに伝わってきている……怖い。
………………こうなったらもう、勢いだ。これで俺の言いたい事を全部伝えてやる。ヤケクソだコンニャロー‼︎
「けど‼︎ 願い以前に『仮面ライダーとしての在り方』でいる事に命を懸ける事に決めたから‼︎ 俺は本気で仮面ライダーになったんだ‼︎ みんなを守る事が、仮面ライダーの本来あるべき姿なんだよ‼︎ だから俺自身の叶えたい願いを決めるのはその次だ‼︎ 別に叶えたい願いがないから仮面ライダーになってはいけない……なんてルールはないだろ‼︎ 本家の仮面ライダーだって主人公は大抵そういうもんなんだよ‼︎ 分かったかテメェコラァ‼︎」
………………冷静になると、これって所謂逆ギレでは? 向こうはただ質問してきたってだけな可能性もあるというのに、なんで反応したんだろう……デセオ・ウォーズ参加者としてはあっちが先輩なのに……
「……ならもう1つ、質問させてもらう」
「えっ。な、何スか……?」
「急に弱気になるなよ。みんなを守る事が仮面ライダー……お前はそう言ったな。具体的には、誰を中心に守りたいんだ?」
それは一体どういう意味なのか。それを含めた問いかけをする前に、俺はいつの間にか、その答えを出していた。
「誰を中心にって……1つには絞れねェよ。家族も大切だし、友達も大切だし、恋人……ひとりも大切。みんな大切だから守りたい。難しい事だけど、親しみのある奴ならみんな守りたいんだ。もちろん、お前も友達だから守る対象に入っているぜ」
別に誰かを特別視して、そいつを守る事に集中する気はない。それを中心に闘って、他を疎かにして取り返しのつかない事態を起こしたくないからな。
「………………そっか」
何を理解したのか、掠れているような声でそう呟いた優一。そしてフッとした微笑みを浮かべた後、背筋をまっすぐ伸ばしながら頭を下げてきた。
えっ急に何? 怖っ……
「すまん。お前が願いを持ってないと聞いて、最初は俺はお前の事を、覚悟も自分自身の叶えたい願いもないのに、この争奪戦にうっかり参加してしまった半端者だと思い込んでいた」
ひどい言われ様……いや、それっぽい事は絶対思われるだろうなとは思っていたけど……
「けど……お前のその覚悟を、さっきのデシアゴーレムとの闘いでも聞いて受け取る事ができた。志はお前の方が強いみたいだ」
そ、そっか……志は強い部類か……ま、まぁ自分の願いのためだけに動いている奴よりはマシだろうけどな。
そう考えていると、優一は再び微笑みながら俺の肩を叩き、告げてきた。
「その思い、大事にしておけよ」
そう告げながら、優一はこの場から立ち去って行ってしまった。……一体、何だったんだ……?
「どうやらミラーピエロがやられたようですね」
「結構良いのが出来たと思ったんだけどなぁ……しゃねェ、退こうぜ」
「そのつもりですが、首魁がしばらく私の指示優先にしているという事をお忘れなく」
「あ、そうだったな。すまん」
デシアゴーレム・ミラーピエロ、前々回の召喚時しか名前を出されなくて、しかも攻撃反射能力を1回しか発揮できなくて、あまりにも不遇……(お前がそうしたんだろ)