現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
「フィットネスジムでトレーニングに挑戦したい?」
「は、はい。せっかくバイトが休みの日なので、まずは基本から、と思いまして……」
ひとりが仮面ライダーになった後、彼女から突然お願いを聞いてほしいと言われたため何事かと思っていたら、先程のセリフが出た……ってのが、今起きている現状というわけです。
「まぁトレーニングは別にいいぞ。体を鍛えるだけじゃなくて、健康の促進にもなるし、体力もつくし……けど、どうして急に?」
「いや、あの……ほら私、昨日仮面ライダーになったばかりじゃないですか」
「俺も3日前になったんだけどな」
「あっ……」
ヤベッ、余計な一言が出ちまったか? 事実とはいえ、『今ある実力では自分よりも差が出ている』とか思われかねんなこれ……
「と、とにかく‼︎ 私、昨日は願いというか目標を掲げて、仮面ライダーとして闘うって誓ったじゃないですか。でも……それならある程度は強くならないと、いざ闘ったら負けて意味がなくなった……なんて事になりそうで元も子もなくなったらやだなって……だから、自分を鍛えようと思ったわけなんです」
彼女は息を吐き、拳をぎゅっと握りしめたまま、俺の顔をまっすぐ見つめてきた。言葉が少し震えていたように聞こえたのは、きっと照れ臭さを感じたのと、何処か意地を張りながら覚悟を語ったせいだろう。
となると、俺が為すべき答えは……そう考えながら深く深呼吸をし、ひとりに向けて口を開く。
「分かった。そこまで言うなら、俺も一緒に付き合うよ」
「ホ、ホントですか⁉︎」
「ただ、1つだけ約束してほしい事がある」
「えっ……?」
一体何を言い出すのかと言わんばかりに、彼女はキョトンとした表情を見せた。別にキツいヤツとかを条件に出すつもりはないんだけどなぁ……まぁいいや、話を続けよう。
「ひとり……お前が『強くならないと意味がない』って思う気持ちはわかる。けど、これは俺自身にも言える事だが……だからといって1人で抱え込むのはダメだ。俺達は仮面ライダーとして闘う覚悟を決めた者同士だけど、それ以前に、俺とお前は恋人同士だ。戦う時も、鍛える時も、全部一緒にいる。共に支え合い、共に分かち合う……そういった精神を持って、一緒に頑張っていこうぜ?」
「……‼︎」
仮面ライダーじゃない奴にも言える事だが、人間は決して1人で生きているわけじゃないんだ。だから1人で抱え込むなんて事はせず、いざって時に頼れる存在がいてもいいだろ。
それに……本当に1人で抱え込んで、精神的にも疲労しないでほしいからな。恋人以前に、1人の人間として。
「は、はい……すみません。自分1人でやらなくちゃならない事が山積みだって、そう勝手に思い込んでいて……浩司君達の事も頼ってもいいって事を忘れてしまって……」
「いいんだよ。あるよな、『いつかは自分1人の力だけでやり遂げないといけないんだ』って思い込んでしまう時が。大人になったら尚更って感じだから、今の内に頼れる味方は減らさず増やしておこうぜ?」
「は、はい……‼︎」
よし。これで今のところ、ひとりが1人で抱え込む事は少なくなりそうだな。……今のはダジャレじゃないからな?
「さてと……大事な事はちゃんと言った事だし、思い立ったが吉日。早速ジムに行こうぜ」
「はい‼︎」
ちょっ、急に明るい笑顔を向けるのやめてくれませんか。惚れ直してまうやろ……ッ。
♢
そして数分後、俺達はとあるフィットネスジムへと赴いた。
それは、『スーパービルダー 多重奏店』と呼ばれる名前の、そこそこデカい店だった。上部には店の名前がドデカい看板として建てられており、店を強調・注目を集めるような設計をしていた。
「こっここが、この街のフィットネスジム……‼︎ 思ったよりも立派すぎる……‼︎」
「俺も来たのは初めてだけど、派手で立派だな」
いや待てよ? 俺が通っている学校でも、そしてデセオ・ウォーズ参加者が集まってたあのカフェでも、様々な二次元のキャラが出てたよな?
って事はこのジムにも、様々な二次元のキャラが、トレーニングのために来ているのでは……⁉︎
ヤベッ、ワクワクしてきた。
「それじゃあ、早速入るとしようか」
「は、はい」
期待と興奮を胸の奥底にしまい込みながら、俺達はジムの中へと入っていく事に。なんかガラス越しの室内が暗く見えた気がするけど、多分気のせいだよな───
ガンッ
「イテッ⁉︎」
「ぶへっ⁉︎」
と思っていたら、開くはずの自動ドアが開かず、俺達はそのまま額をドアにぶつけてしまった。マジ痛ェ……
「な、なんだ……? なんで自動ドアが自動で開かねェんだ?」
「うぅ……あっ。これもしかすると、停電したからでは?」
「あぁなるほど、それなら納得がいくな。じゃあなんで『使用できません』とかの貼り紙がないんだ?」
「た、確かに……」
まぁそれならそれで、電気がつかないけど開店しているのかどうかってのを聞けばいいだけの話だけどな。
「ひとり、悪いけどちょっと右側のドアを頑張って押してくれないか? 事務員がいないかどうか呼び掛けたいからさ」
「あっはい、わかりました」
こうして俺達は、自動ドアを手動で押して開く事にした。ひとりが素でドアを押せるのかどうか心配だったけど、それができる程の力はギリギリあるようだ。よかったぜ。
「すみませーん、誰かいませんか───」
室内を覗いた事によって見えた光景に、俺は思わず言葉を失いその場で硬直してしまった。そこで俺が今見ている光景とは……
「ふんッ‼︎ ふんッ‼︎」
逆立った深緑色の髪をした筋肉隆々の男性が、上半身裸でスクワットしている……というものだった。
「いいッ‼︎ いいぞぉ‼︎ 温まってきたぁ‼︎」
バタンッ
すかさずひとりを外へと無理矢理下がらせ、火事場の馬鹿力でドアを閉めた俺氏。これは、さすがに……ね? 許容できへんから……
「ひとり。今はこのジムはダメだ。別のとこ探すぞ」
「えっ……? ど、どうして急に……? や、やっぱり停電していて中に人がいないから……?」
「人はいる。けどその人が変態だったからだ」
「変態とは心外だな」
「うわでた」
例の人物が出てきた事で、俺はすぐさまひとりの背後に回り彼女の視界を覆った。
ってか、軽々しく自動OFFのドアを開けて出てこないでくれませんかマジで。ってか今の格好をひとりに見せないでくださいよ。
「すみません。上だけでも服を着ずに運動して『温まってきた』とか言っていたら、変態と思われても仕方ない事ですよ。そういうのも海やプールなどといった場所じゃなかったら、その格好を誰かが見るだけでセクハラ扱いになりますし、最近ではそういうのに敏感な奴らがいますからね?」
「む? そうか……」
その変態が俺に意見に納得したのか、ドアの近くにあった黒いタンクトップを着込み、右肩にタオルを乗せた。
「そいつは失礼した。何せ、今はこのジムのブレーカーが急に落ちてしまって、暖房が壊れた事で一気にルーム内が冷えてしまったからな。復旧が進んでもらうまで、あぁして体を温めていたんだ」
「……脱ぐ必要性は?」
「途中から上の服が全部蒸れてしまったんでな、寒風摩擦していたんだ」
「あっ、そっすか……」
なんだ……ただの変態だったんじゃなくて、れっきとした理由があってのあのやり方だったんだな。変態だと思い込んでしまったのは……さすがにダメだったかもな。
「ただ、見苦しいものを見せてしまったの事実だからな。その件は改めて謝罪しよう。失礼した」
「いや、まぁ……ちゃんとした理由があったのなら大丈夫です」
まぁ……うん。初邂逅と第一印象がアレだっただけで、元々は良い人だったようだ。
「もうそろそろ全て直る頃合いだろうから、もうちょっと待っててもらえないだろうか」
「わかりました。ひとり、もう大丈夫だぞ。どうやらあの人は変態じゃないらしい………………ひとり?」
ひとりの目を塞いでいた手を離し、もう大丈夫である事を呼び掛けたが、何故かひとりは真っ赤にした顔を手で押さえながら黙り込んでいた。
アレェ? 俺、そんな大胆な事をしてたかぁ? ただ目を塞いでいただけなのに?
「こ、浩司君……い、いい匂いしてた……わ、私の変な匂いとかついてないかな……?」
「ひとり? 大丈夫かひとり? おーい? ひとりー?」
頼むから自分の世界に入らないでくれー。おーい、戻ってこーい。
♢
ブレーカーが直り、それに続いて暖房も直った事により、俺達はジムを使用する事ができるようになったため、早速俺達はトレーニングを開始する事になった。
というわけで、お互いトレーニング用にトレーニングウェアやハーフパンツに着替え、準備運動を軽くやって……
「よし、まずはランニングマシンから始めるか」
「あ、速さはどれくらいで……?」
「とにかく自分のペースに合わせられるヤツから始めようぜ。最初からハードにしたらバテたりして本末転倒だからな」
「わ、わかりました」
走り込みからスタートだぜ。ランニングマシンでランニングするなら、まずは時速4〜6km/hでウォーミングアップし、体を慣らしてからペースを上げるのが目安だな。
そこから時速7・8 km/hに上げて、余裕ができた徐々に上げていき、最終的には時速10 km/hにすればいいんだったっけ。
あ、傾斜を1〜3%設定する事も忘れずに伝えよう。そうすれば平地を走るよりも効果的かつ膝への負担を軽減できるし。
………………………………(チラッ)
「ハァ……ハァ……ハァ……」
ふとチラリと、一生懸命ランニングしているひとりの方を見てみたんだが……
ブルンッブルンッ
ブルンッブルンッ
うん、やっぱ揺れとる。
気にしちゃダメだとは頭の中では分かってはいるんだが、どうしても見てしまう……
ここだけの話、結構動いている様子の女性が隣にいるって光景は、何気に初めてなんだよな。だからなんだか余計に気になっちゃって……
「ハァ……フゥ……あ、あの……」
「ん? なんだ?」
「そっその……こんな私のかっ身体、気になりますか……? なんだか、熱い視線を感じるんですが……」
「えっ」
バレた。視線が身体の方に行っているのを気づかれてしまった。これ絶対、胸の方にも……特に胸の方に視線がいってというのがバレる……というかもうこの時点で既にバレてね?
いやまぁ、女性を厭らしい目で見るのは良くないけどさ。俺も大体5割はそういう目で見てしまったんだけどさ……
と、とにかく。ここはどうにかして誤魔化さないと……
「……へへっ。えへへへへっ……」
「……は? いや、あの……ひとり? 嫌な目で見られてしまった可能性があるってのに、なんでニヤニヤしてんの?」
普通、厭らしい目で見られて良い気分になる人間なんて、森の中で1円玉を探すレベルでいるはずなんてないってのに……
「そっその……私、色々と自信を持てないタイプじゃないですか。か、身体の方もそんな感じで……」
それはお前がネガティブ思考だからだよ。ぶっちゃけ他もいっぱいあるけど、身体だってそういうもんだぞ。陰キャぼっちって設定されているのに、スタイル良くてデカいって……
「だからその……『注目を受けている』って分かると、色々と嬉しくて自信もついちゃって……そ、それも浩司君からってなると……えへへへへっ……」
「そっそうか……そこを突かれて変な人に騙されたりしないようにな?」
なんか……『俺に胸を注目されて嬉しい』って事実を聞くと、なんだか結構申し訳なく思えてくるんだが……
と思っていたらそろそろ終わる頃合いになってきたので、5〜10分もの間でだんだんとランニングマシンのスピードを落としていき、止まったところで少し休憩に入る事になった。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
「疲れた状態で激しい運動を続けたら逆効果だからな。こまめに休憩するのがベストだぞ。ほら、スポドリ」
「あ、ありがとうございます……」
そこまで運動していなかったからなのか、もう息が上がりそうな感じだったから、即座にひとりにスポドリを渡した俺。
無理な運動のしすぎは時に逆効果だから、この判断は間違ってないとは思う。運動しすぎないといけないのは、一部のスポーツのトレーニングのみで充分だしな。
ふと、何やらジムのインストラクターの人──クラフトさん以外の人の気配がしたため、バーベルなどが置かれてあるエリア(?)の方に視線を向けた。
そこには、様々な髪型や顔立ちをしている人達が、バーベルを持ち上げたりサンドバッグをボクシンググローブでパンチしている光景が見られた。
「アレ……? いつの間に人がこんなにも増えていたのか」
「一度停電していたが、復旧した事を他のジムの者達がSNSで伝えた事で、ここを利用する者達が戻ってきたようだぞ」
「あっそっか。さっきまで停電してたから、来た時にはまだ誰も来てなかったってのを忘れてた」
いけないいけない。ランニングしてる間は俺とひとり以外の利用者がいなかったものだから、無意識にりも勝手に2人だけの空間にしてしまってた。てへっ。
「フンッ‼︎ フンッ‼︎ これ、結構身体の全てを鍛えられて良いッスね‼︎ フンッ‼︎」
改めて周囲を見渡すと、ローイングマシンというマシンでボートを漕ぐ動作で全身を同時に鍛えている、顔見知りのある人物が見えた。
その1人が、黒髪スポーツ刈りの身長が高く体格の良い男性・出雲 深滉先輩だ。
俺達と同じ学園の大学3年生で、空手部に所属している人だ。大手判子会社の社長の息子でもある事で、判子作りも得意で人気だとか。
……なんで判子会社の社長の息子が、文系じゃなくて空手部なんかにに通っているんだろう? 親の元を継ぐのを反対したいからなのか? にしては表裏なく判子作りを楽しんでいたような……気にしすぎか。
「ヌゥゥゥゥゥゥンッ……チッ、そろそろ腕が悲鳴を上げてきた感じか。仕方ねェ、一旦休憩するか」
その奥にいたのは、黒い短髪に黄色の稲妻のようなメッシュが混ざり少し逆立てたワイルドな髪型で、鋭く光る黄色で挑発的な目つきが特徴の瞳に、細身ながら鍛えられた筋肉質の男性──獪岳。
先程まで何回も長くベンチプレスのバーベルを持ち上げていたからなのか、上腕筋を軽くほぐしタオルで汗を拭き取りながら休憩に入っていた。
この世界の彼は……『鬼滅の刃』よりも『キメツ学園』の方のキャラかもしれないな。ここで現代の世界だから、多分議員となっている無惨のスパイとして親方様が理事長の学園のスパイとして活動しているのかも。
その場合は彼は『将来的に無惨に取り立てられる事で自分も大物政治家になる』という野望と『バイト代稼ぎ』のために、スパイ活動をしている事になると思うから……前者絡みでレガシーライダーになったとか?
つまり、この世界の獪岳はデセオ・ウォーズの参加者である可能性が高いって事だ。彼が近くにいたら注視しないといけないな。
「こ、浩司君……? 急に険しい顔になってどうしたんですか……?」
いっけね、俺そんな顔してたか? ひとりに余計な心配かけさせてしまったぜ。何かしらの原作知識を前世で持った事で勘違いされる恐れがある、はっきりわかんだね。
「いや、大した事じゃないさ。不安にさせるような事してごめんな」
「な、ならいいですけど……」
いやホント、余計な心配かけてしまってごめんな……次から勘違いさせるような事にならないよう最善の注意を払うからさ……
♢
「フゥッ……今日のところはこんなもんでいいか」
「お、お疲れ様でした……」
日も暮れそうな感じだったし、ひとりも俺も結構汗かいて結構疲れてきたため、区切りつけてトレーニングを終了させる事にした。
さっきも心の中で呟いていたけど、やりすぎは逆効果になる時があるんだし、区切りをつける事は大事だぜ。
………………それにしても。
「ゼェッ……ゼェッ……ハァッ……ハァッ……」
ダラダラァッタユンタユンッサラサラァッポヨンポヨンッ
恋人 + トレーニングウェア + 巨乳 + 長髪 + 汗だく + 光沢……
ここまで可愛くて、魅力的で叡智で、お色気度合いがかなり高いとか、何処まで俺をムラムラさせてく(れ)るんだこいつは……
ヤバい、襲いたい(意味深)……襲いたい(意味深)けど、元々その気無しでひとりのトレーニングに付き合ってあげているんだし、何より今の彼女はトレーニングで疲れているんだから、そういうのはさすがに……
「あっあの、浩司君……」
「な、なんだ?」
ふとひとりの方に視線を向ければ……何故だか彼女は頬を赤らめ、何やら疲労とは別のが混ざったかのような荒げた息を出していた。湯気っぽく息が見えるんだが……?
「えっと……そっその……疲れているはずなのに、何故か身体が火照ってしまいまして……」
「えっ?」
「で、ですのでその……こっこの身体の疼きを、もしよかったら、貴方の手で……♡」
「ッ……」
そっちの方から求めるとか、反則すぎるだろうが……ッ。
この後、学校の方に指定された寮とは別の寮の部屋で、2人で泊まらせて貰う許可を取った事により、滅茶苦茶○○○する事になった俺達だった。欲には勝てなかったよ……
※ちなみに初体験は付き合う事になったその日の夜にやっちゃいました☆ 同人誌かよ。
別に二次創作だから子供向けじゃない描写でもいいだろ(圧)
採用キャラを簡潔に紹介
クラフト(誰だお前って言われる奴さん)
筋骨隆々なインストラクター
本家ではエルフだがこの世界では人間
暖房が壊れた時は上半身裸でスクワットしながら寒さを凌ぐ
ディスクは偶然拾ったもので、特に叶えたい願いはないが、持つ者としてディスクを狙う者には全力で相手をする事にしている
獪岳(はっぴーでぃすとぴあさん)
プライドが非常に強く傲慢
他人より下に見られる事を酷く毛嫌いしている
生真面目かつ努力家の一面もあり、決して口だけの男ではない
※この世界が現代パロって事でキメツ学園寄りにしている為、募集された時の設定よりは柔らかい性格にはなっている
出雲 深滉(トラグマアーク〜駄作者ナンバーワン〜さん)
空手部所属の大学生の転生者
体育系らしく実直な性格
困っている人物を見かけたらすぐさま駆け寄るお節介な面を持つ
周囲が男ばかりの人生故に、興味はあれど女性が苦手な部分がある
趣味は筋トレ、銭湯通い、判子作り