現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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ネタバレ:今回新しく登場するライダーの1人はみんな知らない奴です。


悪を裁く霹靂の猛虎

 

 夕日が沈み始め、夜という名の闇が発生しようとしている朱い空。

 その空の下で冷風を切りながら、ビルとビルを繋ぐ細い空中道路……の下にある、地下にある廃線したものの未だ撤去されていない、電車の線路のあるトンネルを、1人の男性が1台の黒いアメリカンバイクで疾走していた。

 

 肩まで伸ばした赤がった茶髪に毛皮のライダースーツを羽織り、葉巻を咥えた髭面の筋肉質な巨漢──『北斗の拳』に登場するバイク野盗軍団『ウォリアーズ』の首領・ジャッカル。

 様々な犯罪を犯した事で指名手配犯となり、なんやかんやで捕まり死刑判決を受けた身だった。しかし他の囚人達と手引きして脱獄し、バイク強盗団を結成して再び連続犯罪行為を犯すようになったのだ。

 

「畜生が……さっきのは一体何が起きたんだというんだ……ッ⁉︎」

 

 だが、彼等の最悪な快進撃は突如として止められる事となった。

 とあるファミレスにて集団強盗を起こし、監視カメラを破壊して店内にいる者全員に銃を突きつけ通報させないように徹底した事で、店の有り金全てを奪い取れるようにした……はずだった。

 突如として発生した、激しい電流が発生した音。それと同時に部下は全員白目を剥いて倒れてしまったのだ。

 それ故に、何故そうなったのだと動揺している中で、2人の仮面の戦士──仮面ライダーによって武器を奪われ撤退せざるを得なくなったのだ。

 

「クソが……ッ。あんなのが2人もいたら(・・・・・・・・・・・)、闘って殺そうにもそれもできっこねェよな……やはり逃げといて正解だったぜ。だが、使える奴は全員いなくなっちまったし、これまでのように気軽に派手に強盗とか出来そうにねェな」

 

 悪態をつきながらも、ジャッカルはバイクを加速させる手足を緩めない。

 人の事よりも自分が優先。捕まれば死刑執行され、二度と自由に動く事ができない。それを危惧してなのか、今は脱走して完全に人を撒くすらない……そう判断したのだ。

 今後の事に苛立ちを感じながらも、ジャッカルはどうにか己を落ち着かせようと深く深呼吸した。

 自分は『神をも欺く事ができる存在』だ。いつだって警察の魔の手から逃れてきたんだ。だから今は逃げる事を優先するんだ。そして生き延びる事を次に考えるんだこの恨みについては後で考えればいい、と。

 

「……フゥッ。しかし、今後はどうすっか……盗みや弱そうなパンピーとこに押しかけたりと地道にやっていくか、どっかの刑務所で囚人ども仲間にするかしていくか───あん?」

 

 冷静さを完全に取り戻した途端、ジャッカルのバイクに違和感が発生した事に気づく。それと同時に……

 地面に電流──否、稲妻が迸り始めた。それはバイクにも伝ってきたのか、ボディやエンジンにも稲妻が伝っていった。

 

「うおっ⁉︎ こ、これは……まさかさっき野郎どもを使えなくした元凶か⁉︎ チッ、こんなところにまで来たってのかよ……‼︎ って、うおおおおっ⁉︎」

 

 どうにかせねば……と思った矢先、バイクはタイヤに稲妻を受けパンクを起こしてバランスを崩し、ジャッカルは転倒し身を投げ飛ばされてしまった。

 ジャッカルが線路沿いの岩壁近くにて横転したのと同時に、転倒したバイクはその場で爆発を起こす。その地点から黒煙が漂ってしまったが、火の元が即座に消えたのだけは不幸中の幸いだろう。

 だがそれでも、ジャッカルの高いスピードでの移動手段が無くなったという事実に変わりなかった。

 

「お、俺のバイクが……‼︎ クソがッ‼︎ 何処の誰がこんな事を───」

「やっと見つけたよ」

 

 ジャッカルが先程通り過ぎていた方向から、1人の少年らしき声が、トンネル内に響いていく。その声が聞こえる方向へとジャッカルが振り向くと、こちらへと歩いてくる人影が。

 トンネルによって覆われていた影が薄くなっていけば、そこに見えたのは……まるで嵐の只中に佇む1匹の猛虎であるかのような姿をした戦士だった。

 

 漆黒のボディスーツに、肩から胸、腕にかけて流れる縞模様は、まるで燃えるような橙と黒の虎縞が奔っていた。

 金属の装甲は冷たく硬質でありながら獣のしなやかさを湛え、金色の縁取りが雷光の如く妖しく輝いている。

 頭部を覆うヘルメットは恐ろしく荘厳。2本の鋭い黄金の角が天を突き、側面に牙のようなスパイクが並んでいる。

 額の黒い菱形紋章の下で2つの瞳が灼熱の黄金に輝き、虎の眼のような放射状の模様が太陽を飲み込んでいるかのようだ。青白い稲妻が瞳の周りを這い、火花を散らしていた。

 右手に持っている大剣は異様な迫力を放っていた。橙色の刀身から青い雷が奔流のように溢れ、剣自体が脈動している。

 黒いグローブの指の間からは稲妻により火花が飛び、拳の金色の装飾が世界を切り裂く力がある事を予告していた。

 そして引き締まった腰には、銀色の鋼板の上に、橙と黒の虎縞が奔る装甲を着けたような長方形をした鋼鉄の装置──変身のために使用されたベルトと、それに連なっている橙と黒の虎縞が奔るレバーが両側にあり、未来を生きる獣を表していた。

 

 まるで闇の中から姿を現し、稲妻を迸らせながら悪鬼を斬らんと……もとい喰わんとする猛虎の戦士。

 その戦士が今、黄金の瞳を持ってして、ジャッカルを親の敵であるかのように鋭く睨みつけていた。

 

「アンタだろ、ファミレスに集団で押し掛けて、銃を俺達に突きつけて強盗しようとした厄介者は。俺もあの場にいたから、しらばっくれても無駄だよ。アンタがあの稲妻を受けても平気だったの、ちゃんと見ていたから」

「ッ……‼︎ やっぱテメェの仕業だったか‼︎ しかもあの場にいた奴の誰かだったみてェだな、余計な事しやがって……‼︎」

 

 あの強盗の現場に、目の前にいる猛虎の仮面の戦士がいるというのならば、かなり目立ちジャッカルでもあそこで視界に入り、脳内に焼き付けていたはずだが……

 そんな疑念を余所に、猛虎の仮面の戦士に逆恨みな怒りの眼差しを向け悪態を吐けば、仮面の戦士の身体がピクリと動いた。

 

「……今、余計な事って言わなかった?」

「あぁん? あぁ言ったよ、そいつがどうしたってんだ」

 

 仮面の戦士の問いにジャッカルがそう返せば、その猛虎の仮面の戦士の身体がワナワナと震え……

 

「ふっっっざけんなァァァッ‼︎ そいつはこっちのセリフだ余計な事してんのはお前だバーカッ‼︎」

「⁉︎」

 

 まるで血管が浮き出て目が血走り、汗が噴き出し髪でも逆立っているかのように、盛大に憤慨してきた。先程までの冷静な態度が嘘であるかのように。仮面越しなのに。

 

「俺達からすれば、突然大勢で押し掛けてきた上にガチ発砲してみんなを驚かせといて、金を出せとか動いたら殺すとかついでにタダで飯寄越せとか、そんなクソ悪党じみた事をしてくる奴の方がよっぽど余計な事をしてるんだクソがッ‼︎ なのに逆恨みしてんじゃねェぞこのおんどりゃあッ‼︎」

 

 ここまで反論され、中には自身にとって不服や怒りのツボを押されるような発言をされたというのに、ジャッカルは何もかも言い返さずにいた。

 寧ろただ泣き喚くように怒ってくる猛虎の仮面の戦士に、先程のクールそうな雰囲気とのギャップの違いに唖然としていた。

 ゼェゼェと荒い息を吐き始めた事で、ここで猛虎の仮面の戦士の反論が終わった事に気づくジャッカル。一旦深呼吸をして正気を取り戻し、涼しい表情となる。

 

「あぁ、分かった分かった。要は二度と強盗してくんなって話だろ? 俺だって捕まりたくないし、闇雲にやると碌でもない事が起きるってのを理解できねェ馬鹿じゃねェよ。さっきのももう終わった事だし、お前がこれ以上俺を追いかける必要ねェだろ? せめてサツを呼ぶだけにしてくれよ」

「は? 強盗しようとした時点で普通に犯罪だから、確実に刑務所行ってもらう必要があるっつーの。っていうか強盗とかの悪人の『もう二度と犯罪しない』なんて誰が信じるの? あの強盗事件もお前が捕まらなきゃ永遠に終わらないんだけど。大体警察だけの力で大罪犯した奴の逃走を防げると思ってんの? こんなところを逃走経路にする奴なら尚更だよ」

 

 うわぁ急に落ち着くな。そう思いながらも、ジャッカルは心の中で舌打ちする。こいつは逃す気が微塵もないのか、命知らずの馬鹿とは思えなくなったな……そう感じ取ったようだ。

 一方の猛虎の仮面の戦士は、無駄な命乞いをしたジャッカルを哀れんでいたのか、ハァッ……と溜息をついていた。

 

「っていうかさ……俺のあの電撃の対象にアンタも入れといたはずなのに、それを受けなかったって事はさ……アンタもこういうのを持っているんだろ? だったら尚更逃すわけいかないじゃん、危なっかしいし」

 

 猛虎の仮面の戦士はそう言いながら、懐からとある物を取り出した。それは、白いの星の模様が至るところに描かれた金色の縁がある、中心に少し小さめの赤く丸いスイッチらしきものが出来ている、円盤状の物体──レガシーディスクだった。

 そのディスクを見た途端、ジャッカルは目を見開いた。まるで先程まで感じていた違和感や疑念が解決した、そんな瞬間を目撃したかのようだった。

 

「な、なるほど……テメェもあのデセオ・ウォーズとかいう催しに参加しているってわけか。けど悪ィな、今の俺はテメェの持つそれを取る気分じゃねェんだ。闘う理由はねェ」

「さっきから何逃げる前提で話してんのさ? 悪い奴に願いを叶えられたらたまったもんじゃないからさ、力尽くでも全部没収させてくれない? 大体さっきも言ったけど、それ無しに犯罪者を逃すわけにはいかないっての。早く捕まれよ、それがアンタに1番してほしい事なんだけど」

 

 それでもジャッカルが選ぶのは『捕まらないがために逃走する』のみ。だがそれを猛虎の仮面の戦士は許すわけなく、ディスクを持つ事すらも断じて許容しないと宣告する。

 どのみち逃げる事は不可能。そう理解してしまったジャッカルは悔やみながらも激昂し、自身が持つディスクを取り出しそれを起動させた。

 

「チィィィ……ッ‼︎ このクソガキめがッ‼︎」

レガシー・G3・ディスク!!

セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!

ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!

 

 ジャッカルの腰に目の前の猛虎の仮面の戦士のとは色合いが違えど、形状は完全に一致しているベルト──レガシーライダーバックルが巻かれ、その凹凸部分にディスクが差し込まれた。

 それと同時に様々なポーズを取っている1人の戦士の立体映像が複数に、背後にその戦士が映し出されている様々な場面の映像が映し出されていた。

 その映像達を余所に、ジャッカルは両側のレバーを力強く押し込んだ。

 

「変身‼︎」

トランス・オーケー!! 仮面ライダーG3!! レディ・ゴー!!

ウィーン!! ガチャンッ!!キュイーン!!

 

 活気ある2つの音声が発生したのと同時に、全ての映像がジャッカルと重なり合い、それに続くように即座に何かが起動・装着されたかのような音声が発生した。

 ジャッカルの姿は一瞬にして、青と銀で配色された、メタリックな装甲を持つフルフェイスの戦士へと変わる。

 胸には変身者から全く想像できない、警察の所属を現すマークが施されていた。背部にはバッテリーが付けられ、その残量を示す為に腹部のバックルが設けられている。

 そしてヘルメットとも言える頭部にオレンジ色の丸いバイザー、その間となる額には3本のアンテナが伸びていた。

 仮面ライダーG3。とある世界にて、とある存在から市民を守り救うために製作された、特殊強化装甲。とある装着者の勇姿から、仮面の戦士──仮面ライダーとして承認された存在だ。

 

 外見などが全く似つかない仮面ライダーへと変身したジャッカルに、目の前の虎の仮面の戦士──仮面ライダーは引き気味な表情になったかのように、一瞬だけ肩に力を抜いて猫背になった。

 

「うわっ……それ、絶対警察の人の方が似合ってるじゃん。お前それ絶対警察から盗んだものだろ。ますます逃すわけにはいかなくなっちゃったじゃん、どうしてくれんの……」

「あぁ? ぶっ殺したサツのところに、いつの間にか転がっていたもんを拾って悪いかよ」

「……殺した?」

 

 ピクリ。ジャッカルの発言に猛虎の仮面ライダーは震え……

 

「はいお前絶対とっ捕まえる」

 

 静かにブチギレ、一瞬だけ身体から稲妻を放出させてから、大剣を握りしめながら駆け出した。

 それに対して舌打ちしたジャッカルことG3は、いつの間にか腰についていた並列弾倉式の拳銃を取り出した。

 

GM-01、アクティブ!!

 

 使用許可を促したかのような(というか変身者からして無理矢理許可が出るようにした感じがする)音声が発生したのと同時に、G3はその取り出し標準機で猛虎の仮面ライダーに狙いを定めた拳銃──GM-01スコーピオンから、特殊液化ガスと電磁力でできたらしい銃弾を10発も連続で発砲する。

 だが猛虎の仮面ライダーはそれに臆する事なく走り続け、迫り来る銃弾を次々と弾き落としていく。それらは地面に着弾したのと同時に火花を散らしていく。

 

「だったらこいつだァッ‼︎」

GS-03、アクティブ!!

 

 するとG3はスコーピオンをしまい、超高周波ブレードとなる大型のチェーンソー──GS-03デストロイヤーを右腕に装着し、それを迫り来ている猛虎の仮面ライダーに向けて振り下ろした。

 それに気づかれないわけもなく、猛虎の仮面ライダーは大剣を振り上げた事で、その刃は受け止められた。そしてデストロイヤーの振動を諸共せず、猛虎の仮面ライダーはG3を押し返し、胴体の装甲に斬撃を与えた。

 

「グオッ⁉︎」

「フンッ‼︎」

「ヌオッ⁉︎」

「ハッ‼︎」

「ガアァッ‼︎」

 

 猛虎の仮面ライダーは続け様に、横薙ぎに大剣を振るって装甲の横腹に、そして縦に振り下ろしてヘルメットごと装甲にさらに斬撃を与えた。

 その衝撃でG3は仰向けに押され転倒するも、デストロイヤーを解除し、再びスコーピオンを取り出し銃弾を放つ。だがそれすらも予測していたかのように、猛虎の仮面ライダーは大剣の剣身を盾代わりにして防ぐ。

 そして猛虎の仮面ライダーは再び横薙ぎに振るった事で、G3が持っていたスコーピオンは弾かれ、無理矢理彼の手から引き離されてしまった。

 

「こ、このクソガキィッ‼︎」

GS-02、アクティブ!!

 

 G3は悪態を吐きながらも、猛虎の仮面ライダーが振り下ろした大剣を、横へと転がりながら移動する事で間一髪回避した。

 そしてすぐさまスコーピオンを拾い上げ、今度はグレネードランチャー──GG-02サラマンダーを取り出し、スコーピオンと連結させ、砲身下部のフォアグリップをポンプアクションさせて砲弾を装填させる。

 そしてスコーピオンと同じ形状となっているトリガーを引き、グレネード弾を発射させた。

 

「(……おっ⁉︎ 運がいいぜ(・・・・・)‼︎)」

 

 発射した直後、G3はとある点に気づき、ヘルメット越しにニヒルな笑みを浮かべた。

 偶然にも、猛虎の仮面ライダーとの間合いが1メートル程と至近距離であったからだ。

 

「(こいつで結構良いダメージは入ったな……‼︎ 勝った‼︎)」

 

 これが決まれば勝利は確定するだろう。G3はそう確信した……のだが。

 

「───遅い」

 

 一体どういう原理によるものなのか、猛虎の仮面ライダーは稲妻の如くのスピードを持ってして、青い光を纏いながら瞬きもしない速さで回避。G3の左側に距離10メートルも離れた位置へと瞬時に移動していた。

 そして躱されたグレネード弾は壁に着弾し、そのまま猛虎の仮面ライダーに対して余波すら与える事もなく爆発してしまった。

 

「なっ……⁉︎ あの至近距離であっさりと、爆発を少しも受けずに躱しやがった……⁉︎」

 

 間合いを1メートル程に詰められた、向かいが壁際の位置からの爆発攻撃。それは即座の回避が難しい上に、上手く避けたとしても爆発によって熱風などが襲い掛かってくるものだ。

 なのに、だ。猛虎の仮面ライダーはグレネード弾の発射に合わせて即座に動き、素早く別の方向へと移動する事で回避。距離もなるべく離す事で爆発の熱風すらも当たらずに済ませたのだ。

 それでもこの事実を理解せず、ただただ焦りを見せるG3。だがそんな彼の事など知ったこっちゃないと言わんばかりに……

 

「こいつで終わりだ」

 

 ドライバーの両方のボタンを、右から順に素早く押した。

 

スペシャルアタック、プリパレーション!!

 

 そして彼の周囲に現れる、様々なポーズを取っている猛虎の仮面ライダーの立体挨拶と様々な場面を映し出している映像。

 それらが旋回している中、猛虎の仮面ライダーは左のレバーを力強く押し込み、右側のレバーとも連動させた。

 

スペシャルアタック、オーケー!!

 

 全ての映像が猛虎の仮面ライダーと重なったのに合わせ、彼はその大剣をドライバーの左横に付いていた鞘にゆっくりと収めていく。

 完全に収めたのと同時に、大剣を腰辺りへと持っていき、低い前傾姿勢を取る。
足を前後に開き、体を低く沈めて重心を前に。さらに腰を落として上体を少し前傾させ、いつでも踏み込める態勢を作った。

 そして猛虎の仮面ライダーが大剣の柄を力強く握り締め、G3を睨みつけるようにまっすぐ顔を向けたのに合わせるかのように……

 

 足元を中心に、猛虎の仮面ライダーの周囲に、青白い雷がバチバチと激しく発生した。

 

 そして、力強く地面を蹴ったのに合わせて……

 

霹靂一閃(・・・・)」『サンダークラップフィニッシュ!!

 

 鞘の鯉口が、音もなく押し開かれる。右手が閃き、刀身がトンネルの暗闇を裂いた。横薙ぎの一撃は目にも止まらぬ速さで弧を描いて、G3の影を両断していた。雷光が爆ぜ、青い残光がトンネルの中を照らす。

 猛虎の仮面ライダーの体は、既にG3の背後に取っており、元の構えに戻っていた。大剣は鞘に収まり、全てが終わったかのように。

 

「また言っちゃったよ……何だよ霹靂一閃って。音声の技名と全然違うじゃん」

「バ、バカな……ッ」

 

 G3の装甲には、既に青い斬撃の光の跡が付けられており、そこから激しい火花が散っていた。先程の影を両断した斬撃がG3本人にも当たったようだ。

 やがて火花から爆発が発生し、黒焦げとなったG3ことジャッカルが白目を剥いて膝をつきながら倒れてしまった。

 そして足元に、G3へと変身するために使われたレガシーディスクが転がり落ち、猛虎の仮面ライダーはそれを拾い上げた。

 

 

 

───WINNER 雷虎‼︎───

 

 

 

 何処からか発生したアナウンスを余所に、猛虎の仮面ライダー──仮面ライダー雷虎はドライバーからディスクを取り出し、変身を解除した。

 

 先程の仮面ライダーは、少年が変身していたようだった。

 ぱっつんを重ねたような金色の短髪に、眉尻が二股に割れた太い垂れ眉、クマのある目元が陰鬱な印象を与えていた。その上に薄暗い黄色のフードを深く被っており、さらに陰鬱さを引き出していた。

 

 その少年はフードの鍔を摘んでさらに深く被るように動かしながら、ハァッと溜息をついた。

 

「さて、この後はどうするかなぁ……こいつを警察に突き出せば懸賞金が貰えるけど、後で色々なところからの質問攻めが結構面倒だし……」

 

 そう愚痴りながらも、少年は近くにあった丈夫そうな縄を取り出し、気絶しているジャッカルの腕や脚などを強く縛りつけ、踏ん張りながらも彼を持ち上げた。

 

「ま、放置する方が1番色々と面倒くさいよな。目を覚ましたらまた事件が起きたりして大変な事になるし」

 

 そう呟きながら、少年はジャッカルを運びながらその場を後にしていくのだった。

 

「あ、もしもし兄貴? どうしたのそっちから電話なんて珍し───」

『どうしたじゃねェよ‼︎ 善逸(・・)テメェ今何処にいんだ⁉︎ テメェのいるファミレスで強盗に遭ったってニュースに出てたもんだから、心配になってきて仕方なくわざわざ来たってのに‼︎』

「ゲッ、もうニュースになってたの⁉︎」

『何が【ゲッ】だ【ゲッ】って⁉︎』

「えっあっ……いっいやごめん。警察とかの質問とかも怖かったから、とっととあの場から逃げようと思ってて……た、偶々ぶつかって気絶した犯人を捕まえたから、そいつを警察に引き渡したらすぐに家に帰るよ」

『………………は? 犯人を、捕まえ……?』

「だから兄貴は先に帰ってて。わざわざ来てくれた埋め合わせはするから。じゃ」

『ちょっおい‼︎ 待てコラカス‼︎ それはどういう───』

 

 などと、何やら普通では無さそうな通話をしながら歩くその姿は、まるで闇夜に消えゆく謎の少年らしさを引き立たせていたのだった。

 




簡潔なキャラ紹介


我妻 善逸
変身ライダー:雷虎
『鬼滅の刃』の主要キャラ。概ね『キメツ学園』の設定通り。オリジナルの仮面ライダーである雷虎に変身できるが、何を思って行動しているのかは未だ不明。ただ、浩司達とは敵対しそうな感じはしないのだが……


仮面ライダー雷虎のAI画像↓

【挿絵表示】

 
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