現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
仮面ライダー雷虎こと我妻 善逸。
彼は元々、家族による虐待から孤児院に送られていたが、元・凄腕警察官である桑島 慈悟郎の養子として迎え入れられ、同じ容姿で義兄の獪岳と3人で暮らしていた。
時には慈悟郎に様々な教えを説かれながら、時には獪岳としょうもない事で取っ組み合いの殴り合いをしながらも、仲睦まじい家族関係を結んでいた。
とある学園にて美化委員としての仕事に疲労を感じながらも、好意を寄せている少女に朝一に会える事から、委員会の仕事を精一杯頑張りながらの学園生活も良好だった。
親友も2人はいた。1人は生真面目だが落ち着ける程に優しく純粋、もう1人はガチの野生育ちだが相手の核心をつけるワイルドな俺様系といった、独特な組み合わせではあれど良好な関係を過ごしてきた。
そこそこ順風満帆な生活を送っていた彼を変えたのは、半年前の事だった。
休日にて町を1人でに歩いていたところ、ウィッシュディスクを探し求めてきたデシアゴーレムとそのトルーパーに出会ってしまい、他の人々と逃げ惑っていた。
その時に偶然にもディスク──雷虎のオリジンディスクをいつの間にか拾っており、意思を持ったそれからの誘導からデセオ・ウォーズに参加する事を決意。仮面ライダー雷虎となりデシアゴーレム軍団を撃破したのだった。
しかし、ここからが地獄だった。
ある程度の覚悟をしていたとはいえ、デシアゴーレムや他のデセオ・ウォーズの参加者──レガシーライダーから、自身が手に入れたディスクを狙われる始末。
特に一番彼の心にきたというのが、一時の協力を煽られての騙し討ちだった。
初めてそれを受ける前は、可愛らしい美女から『望んでないのに拾ってしまって狙われているから助けて』と懇願された。美女の涙目での頼み事にあっさりと承諾してしまい、彼女と同盟を結んでいた別のレガシーライダーによる不意打ちからギリギリ逃げ延びたのだ。
次は紳士な性格の人物によるものだった。優しく接された上に連携もこなしてくれた事で、『あの美女よりも良い人』だと判断していたが、それは信じ込ませ警戒心を消すための演技だった。一時不利になるも、必殺技によって撃破し、彼のディスクを手に入れる事となった。
それ以降、様々なレガシーライダーから何度も騙し討ちを受け続け、心までもが疲労困憊。『デセオ・ウォーズの参加者は己の願いのためならば手段を選ばない者ばかり』と思い込むようになり、レガシーライダーを誰1人と信用できなくなってしまったのだ。
騙されるぐらいなら、もうレガシーライダーを誰も信じない。自分1人の力だけで勝ち抜き、持つようになった願いを叶えてみせる。そう誓うようになってしまった。
それと同時に、解釈してしまった。レガシーライダーは己の利益のためならば、どんな手段も厭わない。無利益で己への有害となるような事は絶対にしない、と。
♢
「クッ……」
「優一さん‼︎ 大丈夫ですか⁉︎」
「な、なんとかな……変身は解けてしまったが……」
なのに、今見えているこの光景は何だ。
本気で同志であろう身の心配をしている、女性のレガシーライダーの今の行動ならまだ分かる。同じ目的や願いを持つ者同士が手を組んだ以上、その者に何かしらの思いがあるのだから。
問題は優一と呼ばれている、変身を強制解除させられ、電撃によるダメージで四つん這いの状態から動けずにいる青年の方だ。
何故自分と同じ参加者である彼が、ましてや自分とは初対面である彼が……自身を否定してきた自分を、何故身を挺して護ったというのだ。
何故変身解除やディスクを落としてしまう程の攻撃を、自身に向けてのものではないというのに、それを何の躊躇いもなく自分を庇って受けたというのだ。
分からない。わざわざ無利益で己への有害となる事を、何の躊躇いもなく行ったのか、分からない。善逸は……雷虎は理解に苦しんでしまう。
「牙を折られた虎みたいな状態の奴からディスクを取れると思ったんだが、これは思わぬ棚から牡丹餅だな‼︎」
そんな彼等を余所に、デシアゴーレム・ボルテックスは高らかに喜びながら、転がり落ちてしまっていたヴァルバラドのディスクを拾い上げた。
「そいつよりも調子が良さそうな奴を倒せた上に、こうしてディスクを手に入れる事ができたんだからよォ‼︎」
喜びながら持ち上げたディスクを見上げているボルテックスを見て、優一は女性のレガシーライダー──サソードに視線を送る。
「斑鳩……あのデシアゴーレムとディスクを頼む」
「……‼︎ 分かりました、優一さんはここで休んでいてください‼︎」
優一のその目線や言葉で何を思ったのか、斑鳩と呼ばれたレガシーライダー──サソードはそれに了承し、ボルテックスに向かって駆け出し、サソードヤイバーを振るうもハンマーによって防がれてしまう。
闘いを再開したサソードとボルテックスを余所に、雷虎は思わず優一のところへと駆け寄り、身を案ずるように左肩を掴んだ。
「アンタ……なんで俺を庇ったんだよ⁉︎ 初対面だったし、俺はアンタ達の協力を断ってきたんだぞ⁉︎ なのに……それなのになんで、そうなってしまう程の攻撃から俺を、なんで躊躇いもなく庇って受けてしまうんだよ⁉︎ 状況が状況だったら、あのままディスクを奪われておしまいだってあるんだぞ⁉︎」
理解できない。理解できないからこそ、見知らぬ者に対して良心を出してしまった。彼が本当は、己の願いのために動く欲深い者である可能性があるというのに、だ。
それでも見て見ぬフリなどはできなかった。雷虎自身も、本当は優しい少年が故に。
「そうだな……正直に言って、あの攻撃を受けた後、こういう状況になるとは思わなかったけどな。必殺技……というよりは、お前の持つ雷の力を、俺がこうなってしまうまでに吸い取られていたんだな。結構苦戦させられていたと見た」
「ッ……‼︎」
本当は耐えれたかもしれないと思っていたと苦笑いする優一に、雷虎は思わず怒声を上げそうになった。そんな事を聞いているんじゃない。何故庇ったのかと聞いているのだ、と。
それを遮るかのように、優一は口を開く。
「それでも……あぁでもしないと、
「……?
雷虎がその言葉に疑問を感じ、多少の戸惑いのある声色となる中、優一は四つん這いから動けずにいた背中をゆっくりと起こしながら、言葉を続けた。
「俺がまだ、このデセオ・ウォーズに参加したばかりの頃……お前に似た感じに疑心暗鬼な感じだった。裏切りとか騙し討ちとかされたってわけじゃないが、誰を信じていいのか分からず、1人で闘ってきていたんだ。俺と一緒に闘ってくれる友人達の事も、信じていいのか分からずに……な」
「お前も、俺のように誰かを信じられなく……?」
「そんか中、俺は出会ったんだ……今の俺を作ってくれた恩人に」
なんとか背筋を伸ばした優一。心臓部に握り拳を作った手を静かに当て、瞳を閉じた。
「あの時は、変わった人だなと思ったよ。疑心暗鬼だった頃の俺に対して、『信じられないなら利用すればいい』なんて言う程のお人好しだったから。けど……事あるごとに助けてくれたから、後からだけど感謝している」
すると彼の身体がワナワナと震え始め、悔しさに満ちたかのように顔を顰めた。まるでこの後に話す後悔を思い出し、それが心残りになっているかのように。
「だけどそのせいで……信じるべきかどうか分からなくて、とある闘いでいざって時にその人を助ける事ができなかった。死にはしなかったけど、意識不明の重体になってしまったんだ……」
「えっあっ……」
雷虎は思わず、優一に何か言葉をかけようとした。だが何を言えばいいのか分からず……否、仮に思いついたとしても、それを口に出す事はできなかった。
かつての闘いによる躊躇いからの後悔。それが実際にその現状を体験した者からして、どれほど辛い事だったのか……その場にいなかった自分だからこそ想像できず、とやかく言える立場ではない。そう理解してしまったからだ。
すると優一の身体の震えが止まり、顰めていた表情筋も戻っていく。過去の話をしていたが故の変化だろうか。
「そんな俺に、その人は意識を失う前、俺にディスクを渡しながらこう言ったんだ。
『誰を信じればいいのか分からないなら、疑っている心の隙間に、確かめたいという好奇心を混ぜてみるんだ。そうすれば閉じてしまっていた世界を再び開ける』って」
「……‼︎」
かつて優一が恩人に伝えられたというその言葉は、冷え切って固まった雷虎の心に落ちた一滴の水滴のようだった。
その波紋は静かに、だが確実に内側へと広がっていく……そんな不思議な感覚が、彼の閉ざされていた何かを優しく開けようとしていた。
そして優一は、ストロンガーと共にレイの相手をしているウィックスを横目に見た。まるで恩人と重ね合わせているかのように。
「それからはあの赤いライダー……ウィックスに変身している奴。あいつの事もちょっと確かめてみたんだ。デビューしたばかりだから、闘いは甘い点が多かったんだが……芯は本物だった。『こいつは背中を預けていい程に良い奴だ』『
そう語る優一の脳裏に過ぎっているのは、浩司とウィックスと模擬戦を行い、その途中で乱入してきたデシアゴーレム・ミラーピエロとの闘いの記憶。
自分が叶えたい願いが見つからない・またはそもそもない事を指摘されたウィックスが返した、『大切な者達を命をかけてでも守るために闘うのが仮面ライダーの本来のあるべき姿』。
叶えたい願いのために争うデセオ・ウォーズにて、『願いよりも大事なもの』のために仮面ライダーとして闘う事を決めた浩司を、優一は恩人と重ねた。
だからこそ、優一は決めたのだ。彼にかつて恩人が持っていたものを託そう、そして自分が本当にしたい事でデセオ・ウォーズを闘い抜こう、と。
そう覚悟を決めたからこそ、優一は雷虎に向けて、自分なりの言葉をはっきりと伝える事ができる。
「───口先だけの誓いや、綺麗な笑顔なんて信じなくていい」
「‼︎」
「行動や様子だけの表現はいくらでも飾れる。けど、窮地の時に誰が真っ先に前に出たか、退却の時に誰が最後まで残ったか……戦いの中での『行動』だけは、嘘をつけないものだ。 泥にまみれた背中を見て、もし『あいつの隣なら、少しだけ戦いやすい』と思えたなら……それが、新しい信頼の芽生えだ」
何かに気づかされたような反応を見せる雷虎を余所に、優一は地面についていた右膝を上げる。立ち上がれない程の痛みが引いたのだろう。
「お前が裏切られるのが怖いと思えるのは、それだけお前が誠実だからだと俺は思う。けど、俺はお前を信じてる」
「えっ……?」
「それはお前が裏切らないと思うからとかじゃなく、お前がどれだけ傷ついても、またこうして武器を手に取って戦場に立つ……その強さを信じているからだ」
ゆっくりと立ち上がった優一は、その場で雷虎と顔を合わせた。その表情は悪戯っぽくも、真っ直ぐに笑ってみせていた。
語りながらサソードとボルテックスが闘っている場面へと歩み始める。
「いきなり全員を信じろ、だなんてのは無理なのは分かっている。だから、まずは“『裏切られても自分ならなんとかなる』という、自分自身への信頼"から始めてみないか? その余裕ができた時、隣で戦ってる奴の顔が、今までとは違って見えてくるはずだ」
「……‼︎」
雷虎の強張っていた肩の力が、無意識にも抜けていく。これまで疑心暗鬼に闘ってきていた自分が、初対面かつ協力を拒み誤解を生んで争う気満々だった自分が、彼に心を許され、自分自身も心を許そうとしているのを感じた。
そして、伝わってきたのだ。雷虎が心を許す事ができる象徴となる、
「……俺さ、普通の人とは違う体質があるんだ」
「ん?」
気がつけば、雷虎は徐に語り始めた。
「俺、耳はみんなと違って結構良いんだ。ライダーとかの場所も、たとえそいつが一般人に紛れていたとしても、箱の中に居たとしても、ある程度近くまで行けば判別できる。それに……相手から聴こえてくる心音・呼吸音・血を巡る音とかで、そいつの人柄や心理状態だって読み解けたりする事ができるんだ」
そう語る雷虎の鼓膜は、優一の体内にて発している、静寂とした僅かな音の波長を全て聞き入っていた。覚悟を持って闘いに挑んでいる最中か、棘はあるも周囲を優しく包もうとする音が、重なって優しく響いていた。
「さっきまでは何も信じられなくなったから、これまでも色々と考えすぎてパニックしていたから、この体質を発揮できなかった。けど……アンタのおかげで、今は違う」
ゆっくりと立ち上がり、歩を止めた優一の元へと近づいていく。それは“敵意"としてではなく……
「アンタが『大切な者達のために体を張れる良い奴』だって、理解できる程に。だから……今はアンタの隣に立ってみるよ。それで、改めて確かめさせてほしい」
“共闘し、真の判断をするために"。まだ疑惑の心を拭えないのは否めない。だがそれでも……そんな閉ざされた自分を変えるためにも、一歩を踏み出そう。
決意を込めた雷虎は、優一の隣に立った。彼への信頼を確実にできるか否か、それを確かめるために。
が。
「それはそれとしてハーレムは許さん。なーにが叶えたい願いが『大切な人達と彼女達との平穏で平和な日常を守る』だ嫌味のつもりか」
どうやら別の事で、既に良くない確信を持ってしまったようだ。
「えっ。か、考えている事まで分かるのか?」
「いやなんだかよく分からないけど、音を聞いていたら、なんとなくそう言っているような気がした。当たっているからさらにムカつく」
「お、おう……」
そんな中、背中にある三角錐の棒状の機械である避雷針から放った電撃で、サソードを後退させたボルテックスが、2人の方に視線を向けた。
「ちぇっ、共同戦線を結んじゃったのかよ。だが、片方は俺の能力で必殺技を封じられているし、もう片方は既に俺からディスクを奪われている。そんなんで俺に勝つどころか、まともに闘えると思ってんのかぁ?」
余裕と煽りの混じった発言をするボルテックスを、2人は睨みつけた。何を勘違いしているんだ、そうとも言っているかのような怒りの眼差しだ。
「言ってろよ。お前こそ、パニクらなくなった俺が、いつまでもワンパターンで闘うと思ってんのか?」
「俺も、持っているディスクはヴァルバラドのだけじゃない。それはそれとして返してもらうがな」
そう言いながら、2人は懐から何かを取り出した。それらはお互いによく使用していたものとは異なり、別の戦士の姿が描かれているレガシーディスクだった。片方はオリジンディスクでない事もあり、配色の違いが新鮮さを表していた。
「いこう。アンタのディスク、取り返すぞ」
「あぁ、無論そのつもりだ」
そしてお互いに、新たに取り出したディスクのスイッチを起動させる。
『レガシー・タイクーン・ディスク!!』
『レガシー・BLACK・ディスク!!』
『セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!』
それぞれのディスクが起動したのと同時に、優一の腰に再びレガシーライダーバックルが展開される。
そして雷虎が自身のドライバーからオリジンディスクを引き抜き、そこに入れ替えるように新たなディスク──タイクーンレガシーディスクを差し込んだのに合わせ、優一もディスク──BLACKレガシーディスクをバックルに差し込んだ。
『『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』』
すると2人の周りに、ヴァルバラドや雷虎とは姿が全く異なるそれぞれの戦士の立体映像が、何かと戦闘している時の映像と共に、それぞれ複数に分かれて様々なポーズで投影された。
まずは俺からだと言わんばかりに、雷虎が真っ先にドライバーのレバーを両方押した。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダータイクーン!! レディ・ゴー!!』
『NINJA』
雷虎の周りを囲んでいた映像が全て重なり、彼は新たな戦士へと姿を変えた。
雷虎が持つ上腕と脚の装甲、菱形紋章のある黒いグローブ、ボディスーツにあった虎模様は雷虎の時と同じもの。だがそれ以外は全く異なる戦士となっていた。
それは、忍者となった緑色の狸を思わせる戦士だった。
狸のような仮面の上に、左目に十字型の絆創膏のような意匠がついた赤い複眼と、口元から首周りにかけて忍者の覆面が覆われている。
虎模様つきの銀色で覆われている胸部や肩の装甲には、鋭い手裏剣やクナイを思わせる機械的でエッジの効いた装甲が施されている。
装甲の下地や一部のパーツには、忍者が防具として身につける鎖帷子を模した網目模様が入っていた。
首の右後ろから背中にかけて、手裏剣型の基部から伸びる緑色の長いマフラーが風に靡き、両手に手裏剣を分割したような双刃の剣を持ち、より忍者らしさを引き立たせていた。
『Ready……Fight』
仮面ライダータイクーン──もとい雷虎タイクーン。自身と隣に立って共に闘う者のため、雷虎から異なる戦士へと変わった瞬間だった。
ここで優一が次は俺だと言わんばかりに、上半身を右に捻りながら、左腕を水平に、右腕を垂直に曲げた。顔付近まで近付けたその両手で、ギチギチと音を立てるように拳を強く握りしめながら形作る。
「変……」
そして捻っていた上半身を正面に向けながら、両腕の位置を変えた。右拳は腰の横に添え、指先まで真っ直ぐな左腕が右斜め上に伸ばす。左腕は大きな弧を描きながら、右斜め上から左斜め上へと向きを変えていく。
「身‼︎」
溜めてから力強く叫んだ彼は、覚悟の意志を示すように、レバーを両方とも力強く押し込んだ。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーBLACK!! レディ・ゴー!!』
ドライバーと連動し、優一の周囲を囲んでいた全ての映像が重なり、ヴァルバラドとは異なる新たな戦士へとその姿を変えた。
黒い外骨格の上に黄色と赤い縞模様──ストライプが手首・足首・首回り・頭部に入り、肘や肩などの関節部に筋組織がはっきりと見えている。
バッタを思わせる黒い頭部に、シャッター状の銀色の口部に宝玉を思わせる赤い複眼。胸部には銀の点と横に倒したSに似たマークが描かれていた。
「仮面ライダー……BLACK‼︎」
次期創世王候補とも呼ばれている太陽の石の戦士──仮面ライダーBLACK。
守るべきもののために、怪人の道を辿らず正義を貫く戦士が今、レガシーディスクをもってしてその姿を見せたのだ。
「……アンタ、なんかさっきまでのクールな雰囲気から、急に熱血っぽい感じのを出してきてない? 血流が活発な音がするんだけど」
「癖みたいなものだ」
「あっそう……」
先程までの優一のキャラが違うのではないかと思い込んでいた、雷虎改め雷虎タイクーン、気のせいではなかった事に複雑な感情を抱く。
『NINJA DUELER。TWIN BLADE』
それはそうと言わんばかりに、互いにボルテックスの方に視線を向け直す。そして拳を、双剣──ニンジャデュアラー・ツインブレードを構え、改めて戦闘態勢を取る。
「さてと……これで変身できない問題と電撃問題はこれで解決だ」
「今度こそ、アンタを倒させてもらうよ」
「……ヘッ、面白ェ。やれるものならやってみやがれ‼︎」
ボルテックスは敵が新たな闘いの手段を取れた事に対し、怒りを感じはしなかった。寧ろ喜びを覚えたのだ、これで対等に闘えるという可能性が出た事に。
意外にもバトルジャンキーなデシアゴーレムと2人の仮面ライダー……2人が今、激突せんとした。
「………………あの、ところで私はこの後どうすれば?」
1人、今ある状況についていけてない者が1人いるが。
さらっと優一がゼロワンのディスクを手に入れた経緯を軽く書きました。ごめんね☆