現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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なるべく短くしてるつもりだけどね……


ボルテックス側のライダーとの闘い、それぞれの決着

 

 雷虎とヴァルバラドのペア(とサソード)が、雷虎タイクーンとBLACKにそれぞれ変身し、デシアゴーレム・ボルテックスとの戦闘を再開しようとしている中、ひとりことミスレアと飛鳥ことシノビは、イヤミことグリドンの戦法に戸惑いを見せていた。

 

「ちょっ痛い痛い‼︎ 痛いザンス〜〜〜‼︎ ふんぬらばァァァァァァッ‼︎」

「……痛いとか言っているけど、攻撃を受け止められてからピコピコと結構叩かれているこっちも痛いからね?」

「(なっなんか攻撃する時、時々ブンブンと腕を振ってから攻撃してきてるような……? テンパった時の私かな……?)」

『(でも実際その時パワーアップしてたよね)』

 

 先程までグリドンが攻撃を一心不乱に受け止めていて、ミスレアとシノビが攻撃一辺倒な状況が続いていたが、その攻撃を受け続けていた時のグリドンが、普通とは違った状態だった。

 グリドンが攻撃を受けていた時、並大抵の攻撃は軽く怯む程度で済まされていた。しかもハンマー──ドンカチを持っている腕を振り回しながらである。

 

 実はグリドンは、何度倒されても殻の重心力で起き上がる事から、頑強な鎧による防御力を活かした『肉を切らせて骨を断つ』戦闘スタイルを中心としている。

 武器のドンカチも、ただ攻撃するだけではピコピコハンマーだが『振り回すほどエネルギーが蓄積されていき攻撃力が増す』という、不便ながらも意外と面倒な一風変わった能力が備わっている。

 それらが相まってか、グリドンは『頑強な防御で攻撃を受け止めながら振り回してパワーを溜める』という戦法を行い、意外と2人を苦戦させているのだ。

 

「(接近戦だと厄介……だったら‼︎)」

レッツ・パフォーマンス!!

『(おっナイスアイデアだねぼっちちゃん‼︎)』

 

 ミスレアティックギターをライブモードへと変形させたミスレア。そして弦を強く弾き、そこからピンク色の衝撃波をグリドンに向けて発射させた。

 

「おっきた‼︎」

 

 シノビブレードでドンカチを持ったグリドンと膠着していたシノビが、ミスレアが仕掛けてきた事に気づく。ドンカチを押し出し後退すれば、衝撃波がグリドンの胸部の装甲に命中。そこから次々と放たれていた衝撃波が彼に当たっていく。

 

「ザンスッ⁉︎ アダダダダダダダッ⁉︎」

 

 何度も怯まされながらも尚、高い防御力を活かして耐えるグリドン。耐えながらドンカチを持つ腕を再び振り回し……

 

「こんのっ……ミーを舐めないもらいたいザンス‼︎」

「あだぁっ⁉︎」

『うわっ顔面はヤバいじゃん⁉︎ あっ声出しちゃった』

 

 振り回しながらドンカチを投げ飛ばし、顔面に命中したミスレアを大きく怯ませ強制的に後退りさせた。

 だが、高い防御力を持っているのはミスレアも同じ。溜め込まれた一撃を顔面に受けながらも、「痛ぁ……」と呟きながらヒリヒリとしたような部分を抑えているかのような様子で済んだようだ。

 そしてグリドンは、ブーメランのように戻ってきたドンカチを、慌てながらもキャッチする。

 

「さっきの仕返しをさせてもらうザンス‼︎」

スペシャルアタック、プリパレーション!!

 

 先程のは続けての攻撃を阻止するためのるもの。そう言わんばかりにドライバーの両端のボタンを押し、様々な立体映像を展開させ、必殺技の態勢を取った。

 そしてフンスッと言いながら、レバーを両方とも力強く押し込んだ。

 

スペシャルアタック、オーケー!!

ドングリスカッシュ!!

 

 全ての映像が重なり、光が淡く弾け飛ぶ。するとグリドンは再び、されど豪快に大きく、ドンカチを持つ腕を素早く振り回していく。振り回していく毎にドンカチにエネルギーが……黄土色の光が溜め込まれていく。

 

「ふんぬらばぁぁぁぁぁぁッ‼︎ グリドンインパクト、ザンス‼︎」

 

 そのまま体をも回転させながら、グリドンはミスレアに向かって突撃を開始する。

 

「アレはヤバいかも……‼︎ ぼっちちゃ───」

「あっだっ大丈夫です‼︎ 私に任せてください‼︎」

「えっ?」

 

 危機感を持ったシノビが、ミスレアを守るべく動こうとするが、ミスレアが右手を出しながら首を横に振る事で制止させる。

 そしてドライバーのレバーにある左側のボタンを押し、ドライバーからミスレアディスクを抜き取ったミスレア。即座にそのディスクをミスレアティックギターのネック部分にある、ディスクの差し込み口にそれを挿入した。

 

エクストラアタック、オーケー!!

ライダーカウンター・ミスレア!!

 

 ミスレアティックギターが即座にディスクを読み込んだのと同時に、それが淡いピンク色の激しい光に覆われ、周囲には様々な音符が光の立体として浮遊してミスレアの周囲を動き回る。

 そして音符達がミスレアの前に浮遊したかと思えば、互いが互いに引き寄せられ合い、連なり合っていったかと思えば……

 

 キィンッジャラーンッ

「………………ザンス?」

 

 それらはドーム状のバリアとなって展開され、グリドンの必殺技となる攻撃を防いだ。弾いた音と共に、エレキギターでも鳴らしたかのような音が発生した。

 するとバリアが徐々に、桃色に淡く光り始めたかと思えば、それが少しずつ巨大化していく。それに伴い、攻撃を防がれているドンカチも徐々に押し返され、グリドンの態勢も崩されていった。

 

「ザンス⁉︎ ちょっちょっと待つザンス───」

 

 危機感を覚えたグリドンが、急いでドンカチを振るう力をさらに強めようとするも、時既に遅し。

 バリアは眩く淡い光を発生させ、同時に一瞬にして半径10メートル程に拡大し、グリドンを押し返して上空へと吹っ飛ばしてしまった。

 

「シェー⁉︎」

 

 これにはグリドン、吹っ飛ばされているにもかかわらず、姿勢良く背筋を伸ばし、手首を直角のまま片手を上に伸ばし、もう片手を胸元に寄せるという……世代的に一昔ぐらい前の笑いのポーズを取ってしまう。何してんねん。

 

「すっごっ………………あっ今がチャンスか‼︎」

 

 先程までミスレアのカウンターに驚きを見せていたシノビ、自分の今すべき事に気づき、慌ててドライバーのレバーのスイッチを両方押した。

 

スペシャルアタック、プリパレーション!!

 

 シノビの周りに、自身と同じ姿の者が様々なポーズを取っている分身の立体映像、そしてシノビが必殺技らしきものを放ったりそれで決着した時の、様々なシーンがシノビの周囲を回っていた。

 そしてシノビは自分の周りの状況を気にせず、すぐさま両方のレバーを押し込んだ。

 

スペシャルアタック、オーケー!!

セイバイ忍法!!

 

 全ての映像がシノビと重なり合ったのに合わせてか、それが発生したのと同時に、彼女は跳躍した。

 それと同時に、シノビはブンシン忍法を使用したわけでもないにもかかわらず、一度に少なくとも10人に分身。次々と跳躍している状態で空気を蹴り、そのままの勢いで次々とグリドンに突撃し弾ませていく。

 

「ザンスゥッ⁉︎ 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い‼︎ 思ったよりも痛いザンス───」

 

 防御力が追いつかなくなっていったのか、蓄積されていく身体へのダメージを訴るグリドンだったが、そのようなものはデセオ・ウォーズではお構い無し。

 気がつけばグリドンや他の分身体よりも、天の光と重なるようにより高く跳躍していたシノビ。そして右脚を突き上げたかと思えば、そのまま紫光のエネルギーを纏いながら急降下した。

 

「てぇぇぇいッ‼︎」

「シェー⁉︎」

 

 そしてそのまま右脚を振り下ろし、グリドンの腹部に命中したのと同時に、彼を力強く地面へ蹴り落とし、巨大なクレーターを作らせながら爆発を巻き起こさせた。

 シノビが着地した時には、爆発によって発生した黒煙は晴れていき、先程のクレーターの場所には、グリドンの変身を解除され『シェー』のポーズを取りながら気絶しているイヤミと、その隣に転がり落ちていたグリドンのレガシーディスクがあった。

 

 

 

───WINNER ミスレア‼︎───

 

───WINNER シノビ‼︎───

 

 

 

 何処からか発生した勝利のアナウンスを余所に、シノビはグリドンディスクを拾い上げ、それをミスレアへと投げ渡した。

 

「はい、受け取って」

「えっ? あっわわわっ……」

 

 何故渡してくるのかと戸惑いながらも、反射的にそのディスクを慌ててキャッチするミスレア。うっかり落としてしまってないかと手元を確認したものの、キャッチした感覚からすぐに落としてしまったような感覚はなかったため、そのディスクが無事である事を安堵する。

 

「あっあの、何故ディスクを私に……? 今、飛鳥ちゃんがトドメを刺したんじゃ……」

「んー? でもそのきっかけを作ったのはぼっちちゃんだし、何より必殺技を思いっきり跳ね返したってのが良かったからね。それで勝利へと繋げてくれたお礼」

 

 仮面越しでは実際にどのような表情をしているのか、それは判断が難しいものとなっている。だがそれでも、シノビは言葉からして可愛らしさを見せていた。きっとウインクをして自分を労ってくれているのだろう……ミスレアはそう感じた。

 

「後ぼっちちゃん、ミスレア以外のディスクを持ってないでしょ?」

「そっそれは……」

『なんか情けをかけられている感が……』

 

 前言撤回。気のせいだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡り、浩司ことウィックスとシャロットことストロンガーのペア。

 彼等はギンことレイとの交戦をする事になったのだが……

 

「おらっ‼︎ せいっ‼︎」

「こいつ……澄ました顔で攻撃を受け止めたり躱したりしてやがるな……ッ‼︎」

「どうしたん? 途中から焦りや苛立ちが見えとるよ?」

 

 ウィックスのスプレードモード状態であるウィックスガンソードによる斬撃も、ストロンガーが隙を狙って発生したエレクトロファイヤーも、レイは全て片手で受け止めたり跳躍して回避したりして、何度も2人を翻弄し苦戦させていた。

 しかも煽りにも近い声掛けも、余裕な様子でしてきているため、2人の調子を狂わせる程の強者感を出していた。

 

「……なんかこの、闘い慣れている感が出ている上にあんまり攻撃してこないってのが、俺達の事を馬鹿にしているのか遊んでいるかのようで癪に障るな……」

「俺もそこそこ長く闘ってきたんだけど、これは確かに腹が立つな……」

『2人とも、あの男のペースに流されるな‼︎ それこそあの男の思うツボだ、落ち着いて打開策を考えるのが先決だぞ‼︎』

「それはそうだけどさ……」

 

 実はレイ、攻撃もあまり行っていなかった模様。それがより煽りを見せているかのような考察をさせるためか、2人は苛立ちディスクのウィックスに冷静になれと指摘されたのだ。

 

「とはいえ、まずはあいつの動きをどうにかして抑えないとな……攻撃を止められたりあっさりと受け止められたりしたら、溜まったものじゃないしな」

「……だったらいい考えがあるぜ」

 

 ウィックスが打開策について考察し始めたところに、ストロンガーが何らや提案してきた。そんな彼の右手には別のレガシーディスクが握られており、それをウィックスにだけ見えるように持っていた。

 

「……‼︎ そのディスクのライダー……なるほど、その手があったか」

 

 そのディスクに描かれているライダーの絵を見て、ウィックスはストロンガーが何をしたいのかに気づく。そして自身のすべき役目を理解してか、再びレイの方を向きながらウィックスガンソードを構えた。

 

「俺が注意を惹きつける。だから……バレるなよ」

「あぁ、分かってるさ」

 

 ウィックスの期待に応えんと、ストロンガーはディスクのスイッチを強く押した。

 

レガシー・バース・プロトタイプ・ディスク!!

 

 既にレガシーライダーバックルは巻かれているため、レガシーディスクを起動した事によるドライバーの生成はない。だが既に出ているレガシーライダーバックルも同じ性質を持っているため、細かい事は気にしなくて良いようになっている。

 そしてストロンガーはバックルに差し込まれているディスクを抜き取り、先程起動させたディスクを即座に挿入した。

 

ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!

 

 するとストロンガーとは姿が全く異なる1人の戦士の、複数に分かれて様々なポーズを取っている立体映像が、その背後にはその戦士が闘っている瞬間を撮った映像が、それぞれ投影された。

 それに合わせるかのように、ストロンガーはドライバーのレバーを両方とも力強く押し込んだ。

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーバース・プロトタイプ!! レディ・ゴー!!

カポンッ

 

 音声に合わせ、全ての映像がストロンガーと重なり合い、光が弾け飛んだ。

 そしてストロンガーは、全く異なる戦士──セルメダルと呼ばれるものを活用して闘う試作型戦闘ユニットの仮面ライダーバース・プロトタイプとなったのだ。

 

「それじゃあ、いくか‼︎」

「へぇ……楽しめそうやな」

 

 ストロンガーがバース・プロトタイプことプロトバースへと変わった事で、改めて気合いを入れながらレイの方を見据える。一方のレイは、彼が別のライダーへと姿を変えた事に興味を示したのか、右腕をゆっくりと回して体をほぐし始めた。

 

「えぇよ、来てみぃ」

 

 そして右手をクイックイッと手招くように動かし、挑発する。まるで彼等2人の事を試すかのように(ここまでも試しているかのような行動をしているが)。

 ウィックスとプロトバースは怒りを見せずとも、どのみちレイと闘わなければならない事を理解しているためか、ウィックスガンソードとバースバスターを構えた。

 そしてウィックスが駆け上がり始めたのと同時に、プロトバースがその背後から、バースバスターに充填されているメダル型のエネルギー弾を数弾発射させる。

 

「ふぅん、少しは考えとるなぁ」

 

 レイはプロトバースのその行動を即座に気づいたのか、次々と迫ってきたエネルギー弾を、体を軽くしなやかに躱わすだけで全て回避していく。中には当たる寸前だったものも、まるで計算済みであるかのように難なく躱したのだ。

 その隙を狙うかのように、レイとの間合いを詰めていたウィックスがウィックスガンソードを突き出し、レイの腹部に突貫攻撃をしようとした。

 

「おっと、危ないなぁ」

 

 ウィックスガンソードの刃の先端が当たる寸前、それに気づいたレイが右手でその先端辺りを軽々しく掴み防いだ。

 レイが『危ない』と呟いた事から、少しでもレイの判断が遅れていれば、先程の攻撃は命中していたようだ。正しく惜しかった、と言うべきだろうか。

 

「……ま、止められるとは思ってたけどな」

 

 だが、ウィックスにとっては、先程のその攻撃が当たるかどうかは問題ではなかったようだ。寧ろ別の目的があるようだ。

 

CRANE ARM

「ん?」

 

 低めの音声が聞こえてきたかと思えば、レイが首を傾げながらそれに反応し、ウィックスが軽く跳躍しながら後退した。

 するとどういう事だろうか。太くて硬いワイヤーが腹部を中心にレイの身体に巻きついていき、金属の巨大なフックらしきものが腹部に引っ掛かった。

 

「ちょっ何やこれ? どっから───うおっ」

 

 さすがにこの謎のフック付きのワイヤーが出現した事を想定していなかったのか、レイはそのまま何かに引き寄せられるかのように引っ張られていった。

 

「よっし、来た来たァッ‼︎」

BREAST CANNON

 

 プロトバースの胸部に、巨大な鋼色のU字磁石を逆さにしたかのような装甲が装着される。その中央には砲口を赤で縁取りされた砲身が伸びていた。

 

スペシャルアタック、プリパレーション!!

 

 その状態のままドライバーのスイッチを、左手で素早く2つとも押せば、様々なポーズをしたプロトバースの立体映像と、必殺技らしきものを行っている映像が同時に展開されていく。

 そして左側のレバーを力強く握りしめ押し込めば、同時に片方のレバーも連打して押し込まれた。

 

スペシャルアタック、オーケー!!

CELL BURST CELL BURST CELL BURST

 

 全ての映像が重なり合い光が弾ければ、プロトバースのバイザーが緑色に輝き、砲口から赤いエネルギーが溢れ出していく。

 そしてレイとの間合いが充分に詰められたのに合わせ、クレーンアームを解除し、ブレストキャノンの両サイドにあるグリップを強く握り締めた。

 

「ぶっ飛べェェェェェェッ‼︎」

 

 叫んだのと同時に、熱を帯びた砲身から赤い一筋の光が放たれた。発射による反動は凄まじく、プロトバースはグリップを握る手と脚に力を入れるのに精一杯だった。

 このままいけば、レイは強烈な熱光線を浴び、たとえ撃破とまではいかなくとも大ダメージを与えられる事だろう。このままいけば、だが。

 

「こりゃアカンな」

ウエイクアップ!!

 

 突如として、レイの両腕は青と金の巨大な3本爪に覆われ、仮面の口となる部分から吐き出された冷気を纏い、前に突き出し熱光線とぶつかり合った。

 冷気を覆った3本爪──ギガンティック・クローからバチバチと飛び散る火花。そして冷気が熱光線に当たった事で発生している蒸気。膠着状態の末、レイの態勢が崩れるか否かで勝敗が決される事だろう……

 1vs1の闘いでなら、だが。

 

「ガードするとは思ってたぜ‼︎」

エクストラアタック、オーケー!!

ライダーシューティング・ウィックス!!

 

 レイの背後にて鳴り響いてきた、活気のある音声。レイが後ろに視線を向ければ、そこにいたのは、フォールディングモード──銃の形態へと変形させたウィックスガンソードを構えているウィックスの姿。

 ウィックスは左手で銃身を支えながらレイに狙いを定め、力強くトリガーを引いた。すると巨大な鳥となった炎が銃口から放たれ、レイへと勢い良く迫っていく。

 

「ゲッ───」

 

 それにレイが気づいた声を出した時には、光と火の鳥がぶつかり合った事によるものなのか、レイが立っていた地点にて高威力となる爆発が巻き起こった。

 その爆発によって発生した、突風とも呼べる熱風がウィックスとプロトバースに襲い掛かった。ものの、炎への耐性があるウィックスとブレストキャノンの装甲が盾代わりとなったプロトバースには効果は今一つだったようだ。

 そして爆発した地点に立ち昇っていた爆煙が、徐々に晴れていったかと思えば……

 

「はーっ危なかったなぁ。まさかこんな卑怯な手を使う羽目になるとは思わんかったわ」

 

 そこにいたのは、先程まで存在していなかったはずの、鎧を中心に全体が黒焦げでピクリとも動いていないデシアゴーレム・トルーパーの1体。そしてその者の後ろ右手でがっしりと掴みながら、左腕のギガンティック・クローに黒煙を立ち昇らせているレイの姿だった。

 

「なっ……⁉︎ トルーパー単体を呼び出して、俺の攻撃の盾に使ったのか……⁉︎」

「いくらそいつが戦闘員だからって、酷いじゃねェか……‼︎」

「これでも僕も乗り気じゃないんよ? 言ったやろ、卑怯な手を使う羽目になったって」

 

 レイに掴まれた手を離された事で、両膝をつきながら消滅していくトルーパーをよそに、レイは右手で頭を掻く仕草をしながら2人を見据える。

 

「ハァ……別にこの闘いにルールを定められたわけやないんやけど、倫理観的に降参してるようなもんやからな……悪いけどこの勝負」

 

 溜息をついた途端、レイの周囲を中心に冷気が発生。それがレイを、2人の視界を覆うように広がり漂っていった。

 

「君達の勝ちって事で、僕はここで退散させてもらうとするわ」

「ッ、待て‼︎」

バサッ!!

 

 この後に起こる事にいち早く気づいたウィックス、スプレードモード──剣の形態に変形させ、フォールディングモードから必殺技を放った後の炎を纏わせたウィックスガンソードを横薙ぎに振るい、冷気を溶かしながら払った。

 だが冷気が晴れた時には、レイの姿は見えなかった。ウィックスは冷気を巻かれている間に姿を眩まされる事を想定していたが、どうやらそれは僅差で行われたため、悔やみ拳を握った。

 

「クソッ、逃げられたか……」

「ま、まぁディスクを奪われるよりはマシだろ? 思ったよりも強かったからよぉ……」

「そ、それもそうだな……」

 

 プロトバースに深追いを止められた事により、ウィックスは勘付いた。ここまで闘って本気で相手にされてなかったから、もしもあのまま闘っていたら、多分俺達ご負けていたんじゃないのか? と。

 

「(次勝てるか分かんないけど、やっぱり特訓は必要だな……)」

 

 ウィックスは改めて誓った。舐められない程の強さを持った仮面ライダーになってみせる、と……

 




イヤミはともかく、ギンは謎キャラ要素があるからまだ脱落せぇへんで。
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