現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件   作:名無しのモンスター

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※他人の電話越しでのオリ主の見解です。


なんだか嫌な予感がするようです

 

「………………やれやれ、これは本気で心配しないといけなくなったね」

 

 ほむらからここに来るのが遅れるという、そういう連絡を受け取ったかと思えば、平然としながらも緊張感のある低い声で呟いたマスター。

 一体どうしたというんだ? さっきまで『彼女の事なら大丈夫』みたいな事を言っていたのに、突然危険を察知したかのような雰囲気になって……

 

「おそらくだけど、暁美ちゃんは通話中、何やら不穏な気配を感じて、そこへと向かっていっているようだ。四苦八苦、デセオ・ウォーズに関する事なのは確かなようだけど……嫌な予感がする」

 

 そう説明するマスターの瞳は、他人の事を本気で心配しているかのように、こめかみに皺を大きく寄せていた。

 それほどまでに、手助けに行く必要がない程に信用しているであろうほむらの事を、誰かと重ね合わせているかのように心配しているのか? 長生きしているからこそ、人間関係が長いからこそ、軽率な事を考えている場合じゃないと考えているのか?

 

「君達、悪いけどこれを」

 

 マスターはそう言って、俺達に何かを差し出してきた。それは、5台もある小さなスマホと、何やら赤いランプが点滅している、掌サイズの黒い縦長長方形の機械みたいな何かだった。

 

「これは……?」

「本人からの了承を得て、とある発明家に作らせてもらったGPSと、そこから彼女が危険な行為をしようとしているのを察知して発信される電波を、専用の地図アプリ込みでキャッチする用のスマホさ。これで専用の地図アプリを開けば、暁美ちゃん……というか、このGPSを持っているライダーの場所を特定できるのさ」

 

 お、おぉう……なんか色々と徹底してんなこの人……本人との交渉でGPSを待たす事ができるようになったとはいえ、なんか犯罪臭がするのは気のせいか?

 ってか、『持ち主が危険な行為をすると判断されると発信される電波』ってなんだよ。訳がわからないよ。

 

「実を言うとね。穏健派の中で一番無茶をしてしまうのは彼女なんだよ」

「「「「「えっ?」」」」」

 

 そうなの? 本家でも1人の友人のために、1人で結構奔走したり挫折を繰り返したりしていたんだけど、この世界でもそんな感じ? けどそんな感じの人物の名前は出てなかったような……

 

「彼女はね。歩道橋から落っこちてしまった子供を素早くキャッチした上に、走ってきたトラックを回避したり、興奮して牧場から脱走した馬に瞬時に乗って、振り落とされそうになりながらも必死に宥めたり、日常でも危険を顧みない行動をよくするんだよ」

 

 アレ? なんか思ったよりも結構体を張っている場面が多いな? しかもどれも友達絡みではない……かも? 実際どうなんやろか。

 にしても……ここまで聞くと、彼女の行動はどちらかというと、本家で救いたいと思っている友人の方がやりそうなんだが……

 

「しかもデセオ・ウォーズ関連だと、街の人達を1人でも多く1秒でも早く逃そうと、最初は生身のままデシアゴーレムのリーダーと闘ったり、意見の主張での食い違いがあった2人のレガシーライダーの衝突を、変身した状態とはいえ間に入って受け止めたりと、デセオ・ウォーズとは関係ない時よりもさらに体を張っていたんだ。前者は生身で相手するのはトルーパー相手に済ませて、後者は他のライダーと協力して止めるようにと忠告したよ」

「は、はぁ……」

 

 やっぱりデセオ・ウォーズ絡みでも体を張ってたのか。しかもライダー同士の闘いにも首を突っ込んだのか。自身にとっては無益だと思うような事には手を出さないと思ったんだが……

 

「しかも極めつけには、デシアゴーレムの強力な爆発攻撃から逃げ遅れた人々を庇って、撃破後に大きな火傷と血だらけで店に行こうとして他のレガシーライダーに止められて救急車で運ばれたんだって」

「えっ」

「えぇっ……」

 

 1回死にそうになってたやんけ。しかも大火傷と結構な流血を同時に受けてたとか、マジで洒落にならない事態だったじゃねェか。知らない間にとんでもない事態になる事が多いんだったら、そりゃあGPSを持たせる程に心配されるわな……

 

「じゃあさっきみたいに、突然断りを入れられて通話を切られたとなれば、先程教えてくれた過去談みたいに無茶な事をして、彼女自身の命に関わる事態になる可能性があるから、もしもの時のために俺達が彼女のところへ向かう必要がある……と」

「そういう事だよ」

 

 笠寺先輩が要約すれば、マスターがそれに肯定する。つまり俺達は彼女が無茶しそうな時のための保険ってわけか。じゃあ確かに彼女の元へ向かわないとな。

 

「確か、彼女はまだ中学2年生でしたよね? なら放っておくわけにはいきませんね」

「ええっ⁉︎ じゃ、じゃあそれこそ早く助けに行った方が……」

「……その反応、もしかしてずっと知らなかったのですか? 我妻さんは初めて会ったのでともかくですが……」

「あっはい。初耳でして……」

 

 そういやひとりは、ほむらについてを今の今まで聞かされていなかったんだったっけ。そりゃこのタイミングで驚くのも無理もないか。

 ……俺も『この世界の方』のほむらの事は聞かされてないけどな。

 

「だったら急いで行かないといけないんじゃないの? まだ大人への第一歩を踏んでいない年齢の子が死なれたりしたら、彼女の事を知らない俺達でも色々と困る……というか滅入っちゃうし。……多分、デセオ・ウォーズ中に死ぬ事はないと思うけど。爆破攻撃から人々を庇った時が特殊だっただけで」

「そうとも限らないってのが一番の怖いところだけどな」

 

 善逸が冷静に今為すべき事と、そうしないとどうなるのか想定した事を語ってくれたけど、俺は思わず最後のところに対してツッコミを入れてしまった。

 だってさ? ウィックスも『参加者が死んだという光景は見てないから大丈夫』とかなんとか言っていたけど、それは彼が見た範囲内での話だからな? 必ずしも皆が死なないとは限らないからな? 仮面ライダーだって死んでる奴だっているんだし。『龍騎』シリーズとか主人公の龍騎とか。

 ……というか今頃感じたけど、善逸ってそんなに冷静てわいられるキャラだったっけ? 『鬼滅の刃』柱稽古編の岩柱の稽古のところと無限城編なら分かるけど……

 

「とにかく善逸の言う通りだな。みんな早くほむらのところへ行くぞ‼︎」

「あっはい」

 

 笠寺先輩がそう指揮って雪泉先輩と一緒に店を後にして行ったので、俺達も慌てながらもその後を追っていった。ほむらの奴、本当に死にそうなレベルで無茶してなきゃいいんだが……

 

 

 

 

 

 

 埃と機械油の臭気が漂う、広大な廃工場。

 コンクリート床が剥き出しだったり、壁面に錆びついた網目模様のキャットウォークが危うげに這っていたりと、外の世界から隔離されたかのようなその場所に、2人の男女が立っていた。

 様々な頭部にて跳ねている茶混じりの髪を持つ緑色のパーカーを着た男性──ロビンフッドと、腰まで届く深い紫色のロングヘアを赤いリボンでポニーテールで纏めたスタイル抜群の女性──雷電 芽衣である。

 2人は昨日(さくじつ)、ジャンヌとベイク……それぞれのディスクを持つレガシーライダーとこの場所で闘い、彼等のそのディスクを手に入れたのだ。

 ならば余程の事がない限り、再びこの場に赴く事はないはずだ。それも連日なら尚更……と思われたが、何故か2人はこの場に再び赴いたのだ。

 だが、()()()()()()()()()()()()()()2()()()()()()

 

「ったく。俺達……いや、俺のせいか? 一体何処でしくじったんだ? まさか俺達の正体が仮面ライダーだってのが、他の知らないライダー達にバレていたなんてな……」

「いつまでも全員から隠し通せるわけじゃないって事でしょ。そんな事よりも、それを脅迫するための材料として使われるというのが、私にとってはかなりの遺憾ものよ。……『口止め料としてディスクを寄越せ』とまではいかなくて済むだけマシだけど」

 

 そう……実はこの2人、自分達が仮面ライダーとして、デシアゴーレムや他の仮面ライダー──レガシーライダーと闘ってきた事が、何処ぞの外部の者達によって露見してしまったのだ。

 その上、証拠映像が撮られているスマホ対応のSDカードまで、()()()()()()()()()()()と共にロビンの靴箱に入られていたらしい。

 他の者達にまで明るみに出ていないだけ、2人にとって最悪な状況にならなかっただけまだ良しとなるだろう。だが脅迫状通りに動かなければ、それこそ自分達の正体が明るみに出て、行動する範囲が狭まるのは宜しくない……そう危惧し、2人は脅迫状通りこの場に赴いたのだ。

 

「しっかし、一体何処の誰に俺達の事がバレたというのやら……靴箱に脅迫状とSDカードが一緒に入っていたし、無闇に外部の奴が学園に入らないような警備になっているから、学園の奴であるのは間違いないとは思うけどな……」

「さすがに教師が脅迫状を出すのは、教師どころか大人としても宜しくないから、私達と同じ生徒なのは濃厚でしょうね」

 

 その時、コッ……コッ……と、コンクリートの床をゆっくりと歩く足音が鳴っていった。当然その足音を鳴らしているのは、ロビンでも芽衣でもない。

 2人が廃工場の入り口を見れば、そこにはこちらへと向かっている、水色のロングヘアーで眼鏡を掛けている女性──水上 テックと、紫のメッシュを入れた白銀の長髪に縁無しの眼鏡と碧眼を持つ細身の青年──巍道 因蛇羅の姿が。

 そして巍道がロビンと芽衣を見れば、フンッと呟きながら口を開いた。

 

「やはり手紙の指示通りに来たようだな」

「そうでもしないと、アンタらは余計な事をするだろ? 正直目立ちたくなかったんだよね、俺達は」

「けど結局、彼に偶然にも、貴方達が闘う前からの瞬間を撮られてしまったようね」

「えっ」

 

 テックの口から衝撃の真実を聞かされたのか、ロビンは豆鉄砲でも喰らったかのような表情で驚きを見せる。

 自分達の誰かがヘマを起こしたのではなく、偶々……ただ偶然にも、自分達が闘っていた場面を意図せずに見られただけ。その真実に動揺してしまったようだ。

 

「偶然あの場にいたのか……だったら、何故あの時に俺達を攻撃しなかったんだ? あの場で勝てばディスクを4枚も独り占めできたんじゃないか?」

「貴様らはあの時、それほど疲れを見せていなかっただろう? 何より、2人がかりの敵相手に、たった1人で挑むのは武が悪い……つまり愚の骨頂だからな」

 

 その上、巍道も巍道で、偶然見かけた場面で乱入しなかったのにも明確な理由があったようだ。それ故に、日を改めテックと手を組み、2人を呼び寄せるに至ったのだ。

 

「私もあの場にいたら、疲れを見せない貴方達に、情報の整理ができない状態で闘ってもやれれるだけだったと思うわ。つまりその後の方が好機ってわけよ。貴方達にとってはどうかは知った事ではないけど」

 

 眼鏡を軽く掛け直しながら、テックが徐にそう語る。どうやら頭の回転などといった似た部分が多い故に、ロビンと芽衣を倒そうと協力し合う事になった。

 それ故に、今のロビンと芽衣の脅威ともなり得る事だろう。芽衣は鋭く巍道とテックを睨んだ。

 

「ロビン……身構えて。今回の相手、只では済まないかもしれないわ。いつも通りの調子で気を抜いてやっていたら………………おそらく負ける」

「……そんな事くらい分かっているさ。他の奴らとは違う気配がビンビンと伝わってきている」

 

 ロビンが芽衣の忠告に答えると、懐から何かを取り出した。

 それは、銀色の星の模様と共に深緑色に縁取られた、中心に少し小さめの金色の丸いスイッチらしきものが出来ている、円盤型の物体──オリジンディスクと呼ばれるものの一種。レガシーディスクと呼ばれるものとは大きく異なるディスクらしい。

 芽衣もロビンが真剣な眼差しをしている事を確認すれば、同じく懐からディスクを……それもオリジンディスクを取り出した。彼女のは星とスイッチの色はロビンのと同じではあるが、縁取っている部分は水色となっていた。

 どうやらオリジンディスクは、その名の通り、レガシーディスクどころか他のオリジンディスクとの相違点が、見た目にも存在している事を強調しているようだ。

 

オリジン・リープ・ディスク!!

オリジン・ネレイド・ディスク!!

 

 2人がそれぞれディスクのスイッチを押せば、それぞれの腰に装甲のような長方形をした鋼鉄の装置が、ベルトとして装着された。

 

セッティング・オーケー!! リープオリジンドライバー、アクティベート!!

セッティング・オーケー!! ネレイドオリジンドライバー、アクティベート!!

 

 それらのベルトも、レガシーライダーが変身するのに具現化される、レガシーライダーバックルとの相違点が配色から伝わってきていた。

 レガシーライダーバックルの装甲は銀色となっている。だがリープオリジンドライバーは銀色は深緑色となっており、ネレイドオリジンドライバーはその部分が水色となっていた。

 それぞれ色合いが異なるドライバーが具現化されたのを見て、巍道もテックも目つきを鋭くした。

 

「レガシーライダーバックルとは全然違う……貴方の言う通り、やっぱりあの2人は只者では無さそうね」

「そういう事だ。これ以上、我々の邪魔な存在にならぬためにも……何か仕掛けられる前にいち早く、奴らには我々によってくたばってもらおう」

 

 2人がそう語れば、それぞれの持つレガシーディスクを取り出し、闘うための準備としてそのディスクにあるスイッチを押した。

 

レガシー・ローグ・ディスク!!

レガシー・クイズ・ディスク!!

 

 スイッチの起動に連動し、そのエネルギーを通してそれぞれにレガシーライダーバックルが出現・装着され、それぞれがそのドライバーの凹凸部分にディスクを差し込んだ。

 

『『セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!』』

『『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』』

 

 それに合わせ、ロビンと芽衣もそれぞれのドライバーの凹凸部分に、それぞれが持つオリジンディスクを挿入した。

 

『『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』』

 

 すると4人の周りを、それぞれのライダーの全身や写真の立体映像が、複数に分かれて映し出された。

 映像の流れに身を任せるように、ロビンは両足を大きく開き、跳躍を待つ蛙の如く深く重心を沈める。左手を前方へ鋭く突き出し、右手で見えざる弓の(つる)を力強く引き絞った。

 続いて芽衣は優雅にその場で1回転しながら、右手をしなやかに振り、眼前に波の軌跡を描く。

 一方。巍道は両脚を肩幅程度に開いて踏ん張り、上半身を軽く前傾し安定させた力強い構えを取る。

 そして……隣に立っているテックは、3人の事を羨ましそうに見つめながら、静かに両手を広げるだけだったが。

 こうして、それぞれがとある行動に移るための動作を行えば……同時に宣言した。

 

「「変身‼︎」」「「変身」」

 

 4人同時にドライバーの両側のレバーを強く押し込めば、旋回していた映像が全て、それぞれと重なり一瞬の眩い光を放った。

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーリープ!! レディ・ゴー!!

デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーネレイド!! レディ・ゴー!!

デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーローグ!! レディ・ゴー!!

割れる!! 食われる!! 砕け散る!! クロコダイルインローグ!! オーラァ!

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダークイズ!! レディ・ゴー!!

ファッション!! パッション!! クエスチョン!! クイズ!!

 

 やがて4人の姿は、発生した眩い光が治ったのと同時に、先程までとはそれぞれ全く異なる戦士の姿──仮面ライダーへと変わっていた。

 ロビンは深緑色の蛙を模した森林に潜む狩人とある弓矢の戦士──仮面ライダーリープに、芽衣は水色の海豚を彷彿とさせる海の守護者となる槍の戦士──仮面ライダーネレイドに、それぞれ変身を遂げる。

 

 一方の巍道は、赤紫と漆黒を基調とした重厚な鎧を持つ戦士の姿となっていた。

 絶対的な力と底知れぬ狂気を孕み、禍々しくも気高さを持つその鎧には、強大な力が内側から弾けたかのような、複数の白い亀裂らしき意匠が胸部に出ていた。

 巨大なワニの(あぎと)に頭部を丸ごと喰い破られたかのような凶悪な仮面の牙の部分の奥深くからは、翠玉に冷たく発光する双眸が、獲物を値踏みするように静かに2人を見据えていた。

 

 その隣に立つテックは……他のライダー達と比べて、奇抜で鮮烈な姿となっていた。

 ベースとなる漆黒のアンダースーツを覆うのは、右半身が情熱的な赤、左半身が冷徹な青という、真っ二つに分かれた極彩色のアシンメトリー装甲である。

 一際目を引くのは、その頭部だ。額から伸びるアンテナは、巨大なクエスチョンマークのシルエットを堂々と描き出しており、彼の知性と謎めいた存在感を無言で主張している。

 さらに胸部には、クイズ番組の解答パネルを思わせる『○』と『×』のシンボルが刻印され、メタリックな輝きを放っていた。

 

 『大義』の執行者・仮面ライダーローグ。世界の真理を導く未来の戦士・仮面ライダークイズ。知能と頑強、それぞれを得意分野とする2人の仮面ライダーが、オリジンディスクの仮面ライダーと相対する。

 

「公利が為、これより悪を執行する」

「堂々と自分を悪と名乗ったぞこいつ……」

「救えよ世界、答えよ正解」

「(悪と組んでいる奴とは思えないセリフを言ったわねこの女……)」

 

 特撮番組でよくある、変身後の決めセリフらしき事を口にする巍道とテックに、ロビンと芽衣は思わずツッコミを入れた。後者は口にはしなかったが。

 

リープカリバーアロー!!

ネレイドライフルランス!!

 

 巍道ことローグとテックことクイズが決めセリフらしき事を呟いた後に、構えて戦闘態勢を整えてきたのに合わせ、ロビンことリープも自身の武器となる弓矢──リープカリバーアローを、芽衣ことネレイドも槍──ネレイドライフルランスを、何もないところから呼び出した。

 そして2人も戦闘態勢をとり、今にも衝突し合う───

 

問題(クエスチョン)

 

 のかと思えば。クイズが突然そう一言だけ呟き。

 

 

 

「私達2人の事を尾行し、この闘いを監視している、もう1人のレガシーライダーがこの場にいる。○か……×か……」

 

 

 

 突如として、問題(クイズ)を出題してきた。

 

「は……? 急に何言い出してんの君?」

「もう1人レガシーライダーが……?」

 

 リープが突然の出題に困惑する中、ネレイドは冷静に周囲を見渡した。賢い者だからこそ、クイズが嘘をついているわけではない……そう考えているのだろう。

 一方のローグはというと……突然味方が出題してきたにも関わらず、至って冷静な様子だった。彼もまた、クイズと似た思考・察知能力などが備わっているのだろう。リープとネレイドの事を睨んだままだ。

 そんな中、まるでクイズ番組でいう、制限時間が迫ってきている事を伝えているかのように、カチカチといった時計の針が進む音が何処から鳴り始めていき……

 

「正解は○」

 

 クイズがそう伝えた途端、胸部の『○』のパネルが開き、パネルと内部が赤く光り……同時に背後にあるドラム缶に電撃が流れた。

 そのドラム缶にバチバチと火花が発生したかと思えば、やがてそれは爆発。それと同時に、爆発から逃れるためかその場を離れ、4人の前に姿を見せた者が。

 

「クッ……‼︎」

「女の子……⁉︎ 一体いつから……⁉︎」

 

 それは、艶のある黒髪を腰近くまで伸ばしており、長身としては低い方となっているため、中学生である事が窺える見た目となる少女だった。

 

「やっぱり、あの時から私達の後をついて来ていたのは貴方だったのね。暁美 ほむら……もとい、仮面ライダーウィザード」

「ッ、私の事も調べていたのね……‼︎ それについて来た事まで最初からバレていたなんて、迂闊だったわ……‼︎」

 

 その少女・暁美 ほむらは、自分がローグとクイズの事を尾行していたのを、クイズに気づかれた事に対する己の失態を悔やんだ。途中からならまだしも、尾行を始めた辺りから既に察知された上に泳がされたのだ、無理もない。

 

「何が理由でここまで来たのかまでは知らないが、追いついて来てからそのようなところで、何かを狙ってずっとコソコソとしていたのは気に入らないな。貴様もここに来て闘え。本来はそのつもりではなかったが、三つ巴といこう」

 

 ローグもクイズ同様、ほむらに同行されていた事に最初から気づいていた模様。手をクイクイッとゆっくりと手招くように動かし、これから行われる闘いへの乱入を誘発する。

 

「確かにそこで、高みの見物でもしている感じだったのは許せないな。俺も人の事を言えないけど、その時以上に怪しさ満点だな」

「それもそうね。なんとか2人を倒した後に、貴方を捕まえて何が目的で動いているのかを吐いてもらうわ」

 

 無論。物陰で不穏な動きをされて、他の者達が警戒・敵視しないわけがない。リープもネレイドも、2人を含めほむらに対しても敵意を向け、それぞれが持つ武器を構え出す。

 四面楚歌。今起きている自身の現状に対し、ほむらは苦虫を噛み締めた表情を浮かべる。だがそうしたところで、すぐに状況が変わるわけではない。

 

「……本当はタイミングを狙って、オリジンディスクの使い手らしい2人を助けたかったのだけど、やるしかないようね……」

 

 溜息をつくも、内心では腹を括った様子。ほむらはキッとした目つきで、ローグとクイズ()()を睨みながら、レガシーディスクを取り出し、スイッチを押して起動を開始させた。

 

レガシー・ウィザード・ディスク!!

セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!

ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!

 

 レガシーライダーバックルがほむらの腰にも装着され、その凹凸部分にレガシーディスクを挿入する。

 そして、4人のライダーとは異なる仮面ライダーの立体映像と、そのライダーが闘っている場面が映された映像が、ほむらの周りを旋回していく。

 そんな中、ほむらは左手を顔の隣にまで上げ、手甲を見せながら静かに宣言した。

 

「変身」

 

 左手でレバーの左側を押し込めば、それに連動して右側のレバーも押し込まれる。

 そして旋回している映像達も、同じくして連動し、全てがほむらの全身と重なり一瞬の眩い光を放った。

 

トランス・オーケー!! 仮面ライダーウィザード!! レディ・ゴー!!

ヒー!! ヒー!! ヒーヒーヒーヒー!!

 

 光が晴れた時には、ほむらは黒いローブを纏い紅い宝石を仮面として付けている魔法使い──仮面ライダーウィザードへと変身を遂げた。それもトルーパー軍団との闘いのためにも行ったため、本日2回目である。

 するとほむらことウィザードは、右手に嵌めている指輪を、魔法陣らしき空間の輪から手を突き出している意匠の指輪に変えた途端、その意匠から一瞬の光を放つ。

 

コネクト!! プリーズ!!

 

 するとウィザードの前面に、自身と同じ仮面の模様が中央に描かれている魔法陣が出現した。ウィザードがそこに右手を突っ込んだかと思えば、引き抜いた時には、柄に手の意匠が施された銀色の剣──ウィザーソードガンが右手に握られていた。

 

「悪いけど、私は奥にいる2人の相手をする気はないわ。そこの紫の奴とハテナマークの奴……そいつらだけ倒させて、最悪即座に失礼させてもらうわ」

「……舐めているわけじゃないのは確かだけど、やっぱり怪しいな」

「さっさと3人纏めて倒しましょうか」

 

 ほむらが一番望んでいない上記での三つ巴のライダーバトルが、ここに開演しようとされていた。

 




何気に三つ巴(?)の闘いは初めてかも。
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