現代パロな多重クロス世界だと思ったらゴジュウジャーな仮面ライダーの世界でもあった件 作:名無しのモンスター
マスターから受け取ったGPS発信機やスマホを元に、ほむらの行方を探る事になった俺達。
彼女がいる方向へと向かっていった時には、廃工場に辿り着いており、金属と金属がぶつかり合う音や火花が発生した音が、次々と中から鳴って響いてきていた。
「あそこにほむらが……」
俺達が徐に呟きながら、その廃工場の入り口から顔を覗かせる。いきなり突入したら、もし本当に闘いが起きていたとしたら、それに俺達も巻き込まれてとんでもない事になりかねないからな。
その中にいたのは、弓矢を持った緑の蛙の仮面ライダーと槍を持った水色の海豚の仮面ライダーが、紫色の仮面ライダー──ローグとクエスチョンマークが目立つ仮面ライダー──クイズの蹴りに怯むという光景だった。
さらにその後に宝石の仮面ライダー──ウィザードが、回し跳び蹴りでローグとクイズを背後から攻撃し、着地したのと同時に緑の奴が弓矢から放った光の弾丸をしゃがんで避け、水色の奴の槍もウィザーソードガンの刃を当て受け流した。
多分、ほむらはウィザード……つまりソロで相手している方だな。突然デセオ・ウォーズ絡みの事で単独行動して、マスター曰く1人だけで突っ走る系の子が、即興で誰かと手を組むのかといったら微妙だからなぁ……
いや、本当は本人はそうしたかったけど状況的にできない……って感じか? よく見てみたら、さっきからローグとクイズには攻撃しているけど、襲ってきている緑の奴と水色の奴には攻撃を受け止めても一切反撃してないし。
そして極めつけには、ウィザードがウィザーソードガンを大型拳銃──ガンモードに変形させ、ローグに向けて発射しようとしたところで、ローグと取っ組み合いしていた緑の奴の背中が前に出た途端にウィザーソードガンを下ろしたし。
あっ。今クイズに向けてキックしようとして、水色の奴の攻撃を避けた事で水色の奴に当たりそうだと気づいたのか、すぐに引っ込めて水色の奴を一瞬困惑させた。また2人に攻撃したくない説が濃厚になってきたな。
「あの赤と黒の仮面ライダーが暁美さんでしょうね。実際にどのような状況なのか分かりませんが、さすがに実質4vs1は彼女の方が武が悪いですね……」
「確かに。早く助太刀しないと」
雪泉先輩と笠寺先輩がそう語れば、俺達が今すべき事を改めて決める事にした。ほむらの援護は確定として……
「とりあえず、ほむらが攻撃していないあの2人の仮面ライダーは、念のためにも相手にするのは後回しにしませんか? 彼女が何故攻撃しないのか、それが気になりますし」
「……だよな。よく考えたらなんだか気がかりになってきたし、そうしとくか」
「確かに……何か引っ掛かりますね。その2人のライダーは様子見としましょう」
あっ。2人とも俺と同じように、ほむらの行動に何か違和感を持っていた感じか。確かに変だよな、初対面のはずの2人へ攻撃するのを躊躇うなんて。
「……ひとりと善逸はどうなんだ? 確信があるわけではない中での提案なんだけど」
「えっと……私はまだよく分かってないので、とりあえずそれで……」
「彼女が2人のライダーを攻撃しなかったのは、音で何か思うところがあるみたいだし、目視でもなんとなく見えていた。確かに気がかりだから、まずはそれでいこう」
とりあえずといった形だが、ひとりと善逸もこれには賛成の模様。善逸は驚異の聴力があるから、そこからほむらの心境を理解し納得したんだろう。じゃあ俺の考えている事は確定したってわけか(多分)
そんな事を考えながらも、俺達はそれぞれディスクを取り出し、起動させた。
『オリジン・ウィックス・ディスク!!』
『オリジン・ミスレア・ディスク!!』
『オリジン・雷虎・ディスク!!』
……そういや、笠寺先輩と雪泉先輩のレガシーディスクって、一体どんなんだ? 雪泉先輩は本家では氷系の攻撃をしていたから、氷繋がりのライダーとか───
『レガシー・
『レガシー・
いや、雪泉さん……? そのライダー、本人との繋がりがあるかどうか分からないんだけど。なんでメテオ? カンフー戦法が得意で、変身者が格闘技繋がりで空手部だから? よく分からん……
『セッティング・オーケー!! ウィックスオリジンドライバー、アクティベート!!』
『セッティング・オーケー!! ミスレアオリジンドライバー、アクティベート!!』
『セッティング・オーケー!! 雷虎オリジンドライバー、アクティベート!!』
『『セッティング・オーケー!! レガシーライダーバックル、アクティベート!!』』
『『『『『ローディング……オーケー!! トランス・プリパレーション!!』』』』』
まぁともかく、それぞれにドライバーが展開されたため、各々で挿入部分にディスクを入れ、それぞれのライダーの立体映像や名場面らしき瞬間の映像を映し出す。
そして俺達はそれぞれが持つ変身ポーズを取った。それぞれがなる仮面ライダーへと変身するために。
ちなみに笠寺先輩は左手を左腰辺りに添え、右手を左斜め前方へスッと真っ直ぐ伸ばし。雪泉先輩は右腕を身体の前で大きく円を描くように回しながら、両手を開いての独特の格闘技の構えから、重心を少し落とし、左手を前に、右手を顔の横辺りに添えた。
「「「「「変身‼︎」」」」」
叫んで宣言したのと同時に、俺達はドライバーを両側同時に押し込んだ。それに合わせて全ての映像も俺達の体にそれぞれ重なり合い、一瞬の眩い光を発生させる。
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーウィックス!! レディ・ゴー!!』
『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーミスレア!! レディ・ゴー!!』
『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』
『トランス・オーケー!! 仮面ライダー雷虎!! レディ・ゴー!!』
『デセオ・ウォーズ、スタート!! レッツ・ファイト!!』
『トランス・オーケー!! 仮面ライダークウガ リ マジネーション!! レディ・ゴー!!』
『トランス・オーケー!! 仮面ライダーメテオ!! レディ・ゴー!!』
俺・ひとり・善逸はウィックス・ミスレア・雷虎にそれぞれ変身。
そして俺の隣では、笠寺先輩は真紅と漆黒に彩られた、古代の戦士へと姿を遂げていた。
大顎を思わせる豪奢な金色の二対の角が、頭部にて雄々しく天を突き、その下では真紅の複眼が、静かなる闘志を宿して妖しく発光している。
しなやかな黒の身体を包み込むのは、古代の息吹を感じさせる滑らかな赤い装甲。無機質な機械の兵器ではなく、まるで神話の戦士が現代に蘇ったかのような、生々しい躍動感があった。
その隣で雪泉先輩が変身したのは、黒いラバースーツの拳士。それとその右肩から胸にかけて覆う青いクリアパーツの装甲の中には、無数のラメが星々を彷彿とさせていた。
それ以上に目立つのが、左右非対称の仮面。深い青を称えた星空のドームを切り裂くように、一筋の銀色に輝く
仮面ライダークウガ(リ・マジネーション)と、仮面ライダーメテオ。古代神話を基にした並行世界の戦士と、流星の如く
「私達の
あっ、それっぽい決めセリフ言うんだね。本家(雪泉)の『忍の道、ここに示しましょう』と本家(メテオ)の『お前の
なんて事を思いながらも、俺は皆に合わせて武器を呼び出した。
『ウィックスガンソード!! バサッ!!』
『ミスレアティックギター!! プット・ザ・ケース!!』
『雷虎ノ日輪!!抜刀!!』
ウィックスガンソード。ミスレアティックギター。雷虎ノ日輪。それぞれの武器を取り出した俺達は、すぐさま駆けつけローグとクイズに攻撃を仕掛ける。
……今気づいたけど、実質3vs2でも2人だけの方は少々キツいはずなのに(内2人が味方になってくれるかは別として)、この5人で実質8vs2にさせて、さらに人数差を広げるとか、これが味方陣営な仮面ライダー達のやる事か?
そんな事を考えながらも、俺は緑の奴を庇うように前に出て、ローグがスチームパンクを思わせる歪んだ造形をした紫の光沢を放つ拳銃──ネビュラスチームガンから放った銃弾を、スプレードモードのウィックスガンソードで全て弾いた。
「な、何だ……⁉︎」
「今度は一気に5人も⁉︎ どうしてこんな事に……ん?」
ここで水色の戦士が、俺達が今何をしているのかになんとなく気づいた様子だ。
そう、実は俺達は今、ウィザードだけではなく緑の奴と水色の奴をも庇うように、5人揃って彼等に背中を見せてローグとクイズの方を見据えているのだ。満場一致したからこうなった。だから仕方ないね♂
「……貴様ら。誰だか知らないが、突然現れてきて一体何の真似だ? 何故全員揃って、何故そいつらを庇うように立って、私達だけを見ている?」
「一体何が狙いだというの……?」
まぁそりゃあ疑われるのは当然なわけで。後ろの2人も口にしてないだけでそう思っているでしょうな。
もちろん、この問いの答えはシンプルに。
「悪いけど、そこの赤い宝石の仮面ライダーは俺達の仲間なんだ。そいつが後ろにいる2人のライダーへの攻撃を、何故か一切しないように闘っていたんだ。何か考えが……理由があるかもしれない。だから俺達も一旦彼女と同じように闘って、こいつらの事を見極めようって決めたんだ。あっもちろんお前達が悪い奴かどうかもな」
よく考えてみれば、ほむらが後ろの知らないライダー達を攻撃しないようにしているだけで、ローグとクイズの変身者が悪い奴かどうかはまだ分かってないもんね。無闇に2人だけを倒すのもアレだし、この2人も見定めないとね。
「な、仲間が俺達を攻撃してないからって、初対面であるはずの俺達の事もついでに守るって……ちょっとそれはお人好しが過ぎるんじゃないかねェ……?」
「何か企んでいる、というわけでも無さそうね……何故そんな真似をしているの……? 私達が本当に貴方達の敵だったらどうするのよ?」
うん、そちら側も疑うのも無理もない。俺だって、最初はお前達の味方になるべきかどうかは決めてなかったし。
けど、ほむらが必死になってお前達に攻撃が当たるのを避けたり、お前達を攻撃しているローグとクイズの方にしか攻撃してないし……
何より、善逸が『ほむらには2人に対して何か思うところがあるみたい』的な事を言っているしな。だったら味方になってみる必要があるんだよ。
それと、本当に俺達の敵になる可能性はどうなんだって言うけど……
「最初から敵なのかどうか分からない事もあるし、もし本当に敵だったらその時はその時だ。敵だと分かったら迎え撃つし、今後の考え方の参考にもする。やられたりして無駄な行動だった、ってオチにはならないようにするさ」
大体元ネタ(?)となるゴジュウジャーも、正式結成前のゴジュウジャーとユニバース戦士も、最初は味方かどうか分からないって時も結構あったんだから、怪しまれる行動や騙し騙され云々も多々あってもおかしくないと思う。実際騙し騙されは善逸が何回か体験したみたいだし。
「それに、争奪戦は戦略の騙し合いがナンボって感じがする事は、頭の中では理解しているしな」
個人の願いが叶うという欲望が渦巻く争奪戦で、手段を選ばなかったりする奴がたくさん蔓延っているんだ。だから別に完全に味方になるとまでは思ってはいない。
けど……それでも、
「……やっぱりよく分からないな、アンタ達は」
「だからこそ、この闘いでお互いの事を判断しようぜ? ぶっつけ本番の状況整理みたいな感じにさ」
「……その考えは、私でも分からなくもないわね」
水色の奴は賛同はしてくれるんだ。クールなイメージがして、いかにも冷静沈着だったり疑心暗鬼系だったりしそうだったけど、思ったよりも緑の奴よりも物分かりが良いタイプかな?
「実質8vs2……さすがにこちらの方が明らかに不利ね」
「たった1人の乱入までならまだしも、これは想定外だ。……だが、勝てないわけではない」
「……そうね。私達の能力や奴ら腕次第なら、数は関係ないはず」
意外だな、このような状況でも逃げるつもりはないなんて。しかも最初は計算外の闘いはしたくなさそうなクイズも、ローグの意見に賛成して続行する事にしたなんて。
……こいつらも相当な場数を踏んでいるかもな。人数差云々関係なく、骨が折れそうだ……
「なんだか楽しそうじゃねェか。俺達も混ぜろよ」
………………えっ? ここからまだ増えるの? これだけでも結構な人数いるんだけど?
そう思いながらも、俺達は先程の声から聞こえてきた、廃工場の入り口の方に視線を向けてみる事にした。そこにいたのは……
「お、お前は……スパイダー⁉︎」
俺とひとりを人質にし、仲間であるデシアゴーレム・ロックと闘っていたガッチャードこと綺羅に、ディスクと人質の交換をしようとし、ウィックスに初変身した俺に倒されたはずの、デシアゴーレム・スパイダーだった。
「……? 前にも会った事があるのか?」
「あ、あぁ……俺が初めて変身した時に相手した奴だ」
「その通りだぜ。久しぶりだなぁ、仮面ライダーウィックス。その隣にいるピンクの仮面ライダーは、あの時のお前の彼女さんか? カップル揃って仮面ライダーになれたとか、羨ましい限りだぜオイ」
そう嫌味を吐いているスパイダーの背後には、十数体はいるトルーパー達の姿が。その数は……ええっと、20前後か? ギリギリ見えるか見えないかの位置にまで広がっているから、何体いるのか意外と分からないな……
まぁ油断さえしなければ、あんな奴等は気がついた時に全員倒せるだろ。そんな事よりも、だ。
「お前、なんで生きているんだよ⁉︎ お前はあの時、俺とウィックスの必殺技で倒したはずじゃないのか……⁉︎」
「あぁ、確かに俺はあの時に倒されたな。あの敗北は屈辱的だったぜ、初戦のライダー相手に成す術なく負けたんだからよぉ」
あっ、あの時の闘いの記憶も憶えていたのか。それも何故闘う事になったのかの経緯まで憶えてて……
けど、なんで倒されたという自覚もあるのに復活してんの? 仮面ライダージオウのアナザーライダーでも、何度でも変身できるとかじゃないってのに……一体どういう原理なんだ? 怖っ……
「だがなぁ。一部のデシアゴーレムの中には、たとえ俺達の活動元となっているコアのディスクを破壊されても、
ぶ、部下が隠れて何かしらの記録を録ったからか……‼︎ というか倒し損ねた奴でもいたのか……⁉︎ それとも最初から記録役みたいなのがいて、そいつの存在に俺達は気づく事ができなかったのか……⁉︎
どちらにせよ、デシアゴーレムの復活を許す事になるなんて……‼︎ あの時は知らなかった上に仮面ライダーになったばかりでもあるとはいえ、迂闊だった……‼︎ 何故今まで隠れてコソコソとしている奴の事も想定していなかったんだ……‼︎
「……いや、後先後悔しても仕方ないな。もう一度倒して、また復活されないようにしてやる‼︎」
「ハッ‼︎ やれるもんならやってみろ‼︎ あの時と同じ扱いになると思わない事だな‼︎」
えらく自信があるなこいつ……俺が相手なら1回闘っただけで色々と対策できるとでも思っているのか? そう簡単に対策されてたまるかよ。俺だってあの時よりは強くなったりしているんだ、復活しないようにもう一度倒してやるよマジで。
一度やられた怪人がそのシリーズ内で復活するの、なんだか熱く感じる……感じない?